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第 3 回インターンシップ報告書 2014 年 11 月 2 日 総合国際学研究科

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第 3 回インターンシップ報告書 2014 年 11 月 2 日 総合国際学研究科
第 3 回インターンシップ報告書
2014 年 11 月 2 日
総合国際学研究科博士前期課程
国際協力専攻 1 年
竹花祐香
1. インターンシップ概略
派遣先機関
国際移住機関(IOM, International Organization for Migration)
スイス、ジュネーヴ
派遣先部署
Migration Research Division
派遣期間
2014 年 9 月 8 日~2015 年 3 月 7 日
2. 業務内容
<業務詳細>
・Research Highlights の作成
メインの業務として、最新の研究レポートや記事などをまとめる作業を引き続き行ってい
る。レポート、記事を選び要点をまとめるという作業は私に任されているため、自身のペ
ースで業務を行っている。月曜日には主要な研究機関または関連機関(Migration Policy
Centre, Migration Policy Institute, International Displaced Monitoring Centre, Forced
Migration Review, Refugee Studies Centre, UNHCR, OECD, WB)のホームページ、グー
グルスカラーアラートをチェックして最新のレポートや記事を探し、その週に取り扱うも
のを決定する。1 日に 2 つのレポートをまとめるように心がけ、木曜日までには draft を大
体仕上げる。また水曜日は Office Director General からスタッフにメールが配信されるの
だが DG の予定などを含め IOM に関する情報がすべて記載されている。その中に移民につ
いてメディアが取り扱った記事の情報ものっているのだが、そこから最新かつ重要な記事
を選び Highlights でも取り上げることで情報を共有できるようにしている。さらに、
Migration Weekly というウェブサイトは移民に関する様々な情報を集めており毎週水曜日
に更新されるため、こちらも参考にして情報を得ている。毎週出すレポートなので最新の
情報を扱うのは当然であるが、トピックや地域に偏りがないように配慮している。トピッ
クに関しては、国内避難民、国境管理、人身売買、移民の権利、移民政策などをキーワー
ドとして選んでいる。また、来年刊行される World Migration Report (WMR) 2015 のテー
マである移民と都市、ポスト 2015、気候変動による移民といった IOM が現在進めている
プロジェクトに関連するレポートものせるように心がけている。情報源が疑わしいときは
1
その都度上司に聞いている。
・IOM レポート ‘Fatal Journey’のウェブページにのせる写真探し
先月いくつかの写真を選んだが、著作権に関する許可について返答がないということで新
たな写真を探している。時間があるときに随時探しているが、条件にあったものがなかな
かみつからない。
・G20 と移民政策とプロジェクトに向けた基本情報収集
次のプロジェクトとしてリサーチユニットは G20 が移民政策にどのような影響を与えたて
きたかという点についてのレポートを発表する。始まったばかりのプロジェクトであり、
まずは基本的な情報を G20 の公式サイトから探した。しかし、G20 は主に経済政策の会合
であるため文書などを調べても移民という言葉はほとんど皆無であったため苦労した。実
際には国際送金(Remittances)を通して移民政策にかかわっており、世界銀行がまとめたレ
ポートを見つけることができた。他のインターンと分担して情報を探している。
・WMR に関する情報収集
来年の WMR のテーマは移民と都市であるが、日本の移民政策について情報提供をしてい
る。日本の移民政策といってもテーマは都市と移民の関連性なので、国レベルの政策では
なく、自治体レベルでの政策に焦点を当てている。外国人集住都市会議という外国人住民
が多数居住する自治体の関係者による多文化共生の課題に取り組む団体があるのだが、そ
のウェブサイトを参考にしてどのような活動をしているのかまとめるよう指示された。毎
年 1 回会議が開催され自治体が実際にどのように課題に取り組んでいるかが報告される。
組織の概要と取組についてまとめて提出した。また、時間があるときに外国人集住都市会
議以外の自治体レベルでの外国人住民に関する取組を調べている。
・WMR Glossary
過去の WMR の用語解説にある単語を書き出し、重複しているものについては同じ言葉で
定義されているのかどうかを確認した。単純な作業であるが、実際には毎回定義が少しず
つ異なっており全部書き出すのに時間を割いた。
・WMR Regional Review
過去の WMR において各地域の移民に関する情報がのっているのだが、来年のレポートの
編集の参考にするため、どのようなトピックが取り上げられているか、またどのようなグ
ラフや統計が掲載されているかをまとめた。
・WMR Twitter
これは新しい取組であるのだが、WMR を刊行するにあたり多くの人に知ってもらうため、
ソーシャルメディアを使って周知をしていくことになった。アカウントの作成などは WMR
のユニットに所属しているインターン生が担当したが、来週から交代でツイートをするこ
とになった。IOM 内部を含め、外部の機関、研究者、一般の方など多くの人に WMR を周
知し、情報を共有することを目的としている。
2
3. 6 か月後に期待される効果と達成度
① 移民問題、移住に関する知識を深めるとともに、国際移住機関の担う役割を理解する:
メインの業務が Research Highlights であるため、毎週多くのレポートや記事をよみこんで
いる。これにより、移民に関する用語はもちろん世界中の移民に関するニュース、取り組
むべき課題、注目すべき移民政策などについて多くを学ぶことができている。また、WMR
の刊行にむけて IIED から研究者を招きセミナーが開催されたのだが、大変興味深い講演で
あり、都市化と移民の関連性について知識を深めることができた。まずは IOM 内部で課題
について理解・共有してそこから外部に発信していくことが重要であると認識させられた。
(7/10)
② 国際機関で働くということを理解するために、IOM のみならず、他の国際機関で働く
人々との人脈を形成する:
インターン生のつながりで、ILO ではたらくインターン生と知り合えた。一緒に食事など
をし、ILO での仕事や今後のキャリアなど興味深い話をきくことができた。また日本人職
員の方とランチをする機会をいただき、IOM と他の機関の違いなど大変貴重なお話を聞け
た。さらになぜ今の道を選んだのかなどキャリアの話もしていただきとても参考になった。
わからないことや聞きたいことがあったらいつでもどうぞとおっしゃってくださり、自身
のキャリアの相談にものっていただき感謝している。(7/10)
③ インターンシップでの経験を自身の研究にいかす:
今月は自身がとりくむ Research highlights でも、教育や国際法という視点のレポートを取
り扱うことが少なかった。来週からツイッターを開始するにあたり WMR の資料を読むこ
とも多くなるため、都市や自治体がどのように移民の権利問題、教育問題に取り組んでい
るかという点を注意して情報収集をしていきたい。(5/10)
④ 語学力、基礎的な業務スキルの向上を目指す:
リーディングは毎週多くの文献に目を通すため、だいぶ早く読めるようになってきた。リ
スニング・スピーキングも徐々に向上しているが、語彙不足や自分の言いたいことを的確
に言えないこともあるためさらに強化していきたい。ライティングに関しては、正確で簡
潔な文章を書くという点においてやはり難しいと感じている。修正された draft をみて、文
章や表現を随時学んでいる。フランス語の授業に申し込んだが、ビギナー向けのものが今
はないということでインターン生と他のレッスンを探している。フランス語を話す家庭で
ホームステイをしておりフランス語を学ぶには絶好のチャンスなので、はやく授業に参加
できるようにしたい。
(6/10)
⑤ 大学院終了後の具体的な進路の決定を行う:
まだ具体的なビジョンはないものの、本部での 2 か月の経験を終えてみて本部の役割や仕
事について少しずつ理解できているように思えるが、一方でフィールドオフィスはどのよ
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うな感じなのか興味がでてきた。
また IOM では日本の話題はあまり出ないように感じるが、
やはり日本やアジアに関連する仕事をしたいという思いが強くなってきたように感じる。
日本人の職員の方とも話したが、まずは何がしたいかという点を再度考え直し自分の軸と
なるものを見つけたい。(6/10)
4. 最後に
インターンを開始してから 2 か月が経過した。仕事においてはメインの業務が定まって
おりほとんど変化がなく、また一人で担当しているため、単調に感じることもある。所属
するユニットとは違う建物で仕事をしているため、コミュニケーションもメールばかりに
なってしまい不安になることもあるが、できるだけ自分からオフィスに行ったり、ランチ
に顔を出すようにしている。また私が仕事をしているオフィスには WMR を担当するスタ
ッフとインターン生がいてよくランチに行くのだが、自分の状況を相談したら WMR のチ
ームランチに参加させてもらえるようになった。チームといっても先ほどの二人に韓国人
の上司(WMR の編集者)が加わるだけの小さなユニットだが、毎週ランチに参加させてもら
うなかで WMR に関する仕事をいただけるようになった。セミナーのためロンドンから来
られた研究者の方とのランチにも参加できた。また WMR のツイッターにもかかわること
になり(ただし残念ながらあまり詳しくないためまず仕組みについて学ばなければならない
が)、WMR のユニットに感謝するとともに、状況をみつつ自分から動くことが大切である
と感じた。
また他のインターン生と週末に出かける余裕もでてきた。先月は Annecy、Bern に一緒
にいき週末を楽しんだ。金曜日になると必ず週末の予定を聞かれ、大体どこかに出かける
人が多いので家でだらだらしますとは言いにくい。折角ヨーロッパに滞在しているので天
気が良い日はなるべく外に出て楽しむことにしている。よい気分転換になるしオンとオフ
の切り替えも重要である。こちらの方はその切り替えを本当に上手にしていると感じる。
また仕事のことはもちろんお互いの生活や今後のキャリアなど何でも話すことができるイ
ンターン生と出会えたのはとてもありがたい。
生活面ではあいかわらず物価の高さにうんざりすることも多いが、ランチを持参するな
どして工夫している。ただ、ホームステイをしているためほとんど毎日夕食を用意してく
れるので大変助かっている。とてもあたたかい家族で、お互いの国のことなど様々なこと
を話し合ったりしていい時間を過ごせている。また、先週は車で山の方に連れて行ってく
ださり、チーズフォンデュやラクレットをご馳走してくれた。偶然運よくここの家庭にお
邪魔することになったが、あたたかく受け入れてもらい大変良くしてくださり日々感謝し
ている。この家族に出会えたことはスイスでの生活での大きなよりどころであるとともに
大変貴重でありがたい経験でもある。
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WMR のセミナーにて
チーズフォンデュ
Gracier 3000 にて
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