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家庭ごみ有料化の意義
家庭ごみ有料化の意義 (1)住民は有料化をどう考えているか ○循環型社会の形成に関する世論調査(内閣府 平成13年) ◇ごみ問題にどの程度関心があるか 非常に関心がある(32%) ある程度関心がある(58%) あまり関心がない(8%) まったく関心がない・わからな い(2%) ◇「ごみの有料化」に対してどのように思うか 賛成である(13%) どちらかというと賛成である (31%) どちらともいえない'(10%) どちらかというと反対である (26%) 反対である(18%) わからない(3%) ◇「ごみ有料化」に賛成する理由 0 10 20 30 40 50 60 70 支払う料金を少なくするために,分別,リサイクルやごみになるものを購入 しないなどの努力が進み,ごみの減量につながる 排出者(個人)の責任が明確になる ごみの排出量に応じた費用負担となるため,公平化が図られる ごみの減量により地方公共団体の処理費用の削減や財源の確保が期待 できる サービスの受益者が応分の負担をするのは当たり前である。 ◇「ごみ有料化」に反対する理由 ごみの不法投棄につながるおそれがある もともと地方公共団体の財源で負担しているのだから市民が処理費用を 別に負担する必要はない 市民がごみを排出するのは事業者の過剰な包装などによるところが大き いので事業者に負担を求めるべき ごみの減量にはリサイクル徹底や普及啓発など有料化以外の手段が先 決である ごみの排出の抑制に効果があるかどうか疑わしい 0 10 20 30 40 50 60 70 ○鳥取県Y市「ごみ減量化等に関するアンケート調査」(H17) ◇ごみ問題への関心はありますか 大いに関心がある(38%) ある程度関心がある(51%) あまり関心がない(6%) 全く関心がない・ わからない(5%) ◇家庭から出るごみの有料化についてどう 考えますか 実施すべきだと思う(7%) 条件が整えば実施すべきだと 思う(36%) 実施すべきではないと思う (40%) よくわからない(10%) 無回答(8%) ◇実施すべき、又は条件が整えば実施すべきと考える理由 0 5 10 15 20 25 30 ごみ問題への関心が高まる ごみの減量化につながる ごみの量に応じて費用を負担するようになるため、ごみを減らす努 力が報われる ごみの分別が徹底され、リサイクルが進むようになる ごみをたくさん出す人がたくさんお金を出す仕組み〈応分の負担)と なる 集めたお金をリサイクルを進めるための費用として活用できる ◇実施すべきでないと考える理由 不法投棄が増える可能性がある 家庭の経済的負担が増える 生産者によるごみ減量・リサイクルを先に進めるべき ごみの減量化につながるとはいえない いままでどおり税金でまかなうべき 市がごみ処理に係る経費の削減努力をすべきである。 ごみの減量には、リサイクルの徹底や周知啓発等を優先すべきで ある 0 5 10 15 20 25 30 35 ○神奈川県H市「ごみ有料化とごみ減量・リサイクルに関するアンケート調査」(H17) ◇ごみ有料化への意見 実施してもかまわない(6%) 条件が整えば実施してもかま わない(41%) どちらでもよい(5%) 実施すべきでない(41%) よくわからない(6%) ◇実施してもかまわない理由 0.0 ごみの減量化が促進され環境への負荷がより軽減されると思われる から 資源の分別やリサイクルが進むと思われるから ごみの減量・リサイクルを行っている人とそうでない人の費用負担を 公平にすべきだから ごみの減量化によりごみ処理費用を削減できると思われるから ごみ処理費用は電気代や上下水道代と同様に出す量に応じて負担 すべきと思われるから 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 ◇実施すべきでない理由 0.0 不法投棄が増え、周辺の環境・景観が悪化すると思われるから 生産者によるごみ減量・リサイクルを先に進めるべきだから 税の二重取りとなるから 費用負担が発生するから 現状のごみ処理費の内訳や根拠が明らかでないと思われるから ごみ処理事業の効率化を先に行うべきだから 自家焼却が増え周辺の環境が悪化すると思われるから 収集頻度を増やすなど行政サービスの充実を先に行うべきだから ごみの減量効果は一時的なものと思われるから 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 ○北海道A市「ごみの減量化と処理費用の負担に関するアンケート調査」(H15) ◇ごみの減量やリサイクルについて関心がありますか 非常に関心がある(28%) ある程度関心がある(62%) あまり関心がない(7%) 全く関心がない・わからない (2%) ◇出すごみの量に応じて 各家庭が費用の一部 を負担するごみの有料化 を進めるべきという意見が あるか、どう思いますか 賛成である(8%) どちらかといえば賛成である(5%) 料金などの条件により賛成である(30%) どちらともいえない(5%) どちらかといえば反対である(7%) 趣旨は理解できるが反対である(26%) 反対である(9%) わからない(1%) ◇有料化に賛成の理由 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 出すごみの量に応じて費用を負担することになり、ごみを減らす努 力が報われるから ごみの減量につながるから ごみを出す人の責任が明確になるから ごみの問題に対する意識や関心が高まるから ごみの分別が徹底され、リサイクルが進むようになるから ごみを出す人がサービスの対価として応分の負担をすべきだから リサイクルなどを進めるための費用として活用することができるから ◇有料化に反対の理由 不法投棄につながる恐れがあるから 家庭の経済的負担が増えることになるから 企業が過剰包装の自粛や使い捨て容器の使用自粛に努めることが 先決だから ごみの減量につながるとは思わないから ごみの減量には、リサイクルの徹底や周知啓発などを優先すべきだ から ごみの処理はこれまでどおり市の税金で行うべきだから ごみ処理にかかる費用を節減するよう市が努力するのが先決だか ら 0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 ○大阪府M市「有料化実施(H15.10)前後の市民の意識」 50 45 40 35 30 賛成 反対 25 20 15 10 5 0 平成14年 【賛成派】 平成17年 有料化前 有料化後 平成18年 【反対派】 有料化前 有料化後 ごみ減量・リサイクルにつながる/つながっ ている 60 % 53% ごみ減量・リサイクルにつながる/つながっ ている 5 % 14% ごみ減量・リサイクルにつながらない/つな がっていない 3 % 13% ごみ減量・リサイクルにつながらない/つな がっていない 21 % 27% ごみ問題に関する意識が高まる/高まって いる 61 % 45% ごみ問題に関する意識が高まる/高まって いる 8 % 14% ごみ量に応じて処理負担額が公平になる/ なっている 30 % 19% ごみ量に応じて処理負担額が公平になる/ なっている 3 % 49% 家計負担額が増えるのでのぞましくない 59% 50% 不法投棄が増える/増えた 78% 家計負担額が増えるのでのぞましくない 10% 5% 不法投棄が増える/増えた 51% 23 % 48 % ○福岡県F市「ごみ問題に関するアンケート」(平成17年) ◇17年10月の家庭ごみ有料化の導入により ごみ減量・リサイクルへの意識は変わりましたか 大変変わった(22%) やや変わった(42%) これまでも関心が高かったの で特にかわらない(29%) これまでもあまり関心がなく 特に変わらない(3%) どちらともいえない(5%) ◇実際の行動がどのように変わりましたか 0 食品トレイを店頭回収に 牛乳パックを店頭回収に 古紙類を地域集団回収に 意識は変わったが行動に変化なし 買い物のマイバックを持参 古紙類を校区紙リサイクルステーション等に 新聞を新聞販売店の回収に 生ごみ処理機やコンポスト利用 5 10 15 20 25 30 35 40 (2)行政は有料化の意義をどう捉えたか 地方公共料金の実態及び事業効率化の取組みについての分析調査(内閣府) 最新・家庭ごみ有料化事情(山谷修作氏《月間廃棄物》 0 ごみ減量の推進 住民負担の公平化 住民意識の向上 資源物回収の促進 財政負担の軽減 市町村合併の伴う調整 その他 200 400 600 800 1000 1200 1400 1600 ポイント (3)廃棄物処理法に基づく基本方針では ①経済的インセンティブを活用した一般廃棄物の 排出抑制や再生利用の促進 ②排出量に応じた負担の公平化 ③住民の意識改革 (3)家庭ごみ有料化の意義 ①ごみの減量とリサイクルの推進 大量廃棄型のライフスタイルからの転換が進まない。 1人当たりのごみ排出量は増加が継続、リサイクルの伸び悩み。 ごみ処理費用は住民全体で間接的に負担(税金)しているため、住民にとっては、 ごみ処理のコストと負担がみえず、関心が起こりにくい。 個々の住民にとっては、多く排出しても負担は生じない。 住民の意識やモラルに訴えるだけでは限界。 ごみの減量やリサイクルの行動を促す効果的なきっかけ必要 ○排出量に応じて住民に直接課金することにより、個々 の住民に経済的インセンティブが働き、ごみの発生・ 排出の抑制、リサイクルの促進などのごみ減量等の行 動の実践とライフスタイルの転換を促す。 (3)家庭ごみ有料化の意義 ②住民の費用負担の公平化 個々の住民が排出するごみの量やごみ減量などに費やす手間や時間の 量はそれぞれ異なる。 行政の呼びかけに積極的に応えようと協力する住民がいる一方で、そう した取組みに関心を持たない住民もいるのが現実 。 ごみ減量に努力している住民も、していない住民も負担は同じ。 行政サービスの受益≠ 行政サービスの受益 住民の費用負担 ○ごみの排出量に応じてごみ処理費用の一部を負担する 仕組みにより、多くごみを出す人は多く負担し、減量に 努力した人は報われるといった受益者負担の公平性が確 保される。 (3)家庭ごみ有料化の意義 ③住民意識の向上 ごみ処理に対する負担の実感がないため、家庭ごみの問題に対する意 識が希薄。 行政の住民に対する情報の提供が不十分。 住民がごみ問題に強い関心を持つためには、コストを負担する当事者としての意 識が必要。 有料化への制度変更の際は、数多くの説明会が実施され、住民との対話が行わ れる。 ○ごみ処理に直接住民負担を求めることにより、住民の 排出者責任 が明確となり、住民が環境問題の重要性、 ごみの減量だけでなく適正処理や効率的なごみ処理事業 の必要性を意識するきっかけづくりとなる。(住民の行政 に対する要請やチェック、自主的な取組みの活発化) (3)家庭ごみ有料化の意義 ④財政負担の軽減 厳しい財政状況の中で全てを一般財源で賄うことの限界 新たな施設整備、サービス向上の財源として ごみ減量化施策の財源として ⑤事業系ごみの混入排除 ただ乗りの事業者にとってメリットが薄れること。 住民等の目が厳しくなること。 (3)家庭ごみ有料化の意義 経済的インセン 経済的インセン ティブによるごみ ティブによるごみ 減量行動の促進 減量行動の促進 費用負担の公平化 費用負担の公平化 住民意識の向上 住民意識の向上 財源の確保 財源の確保 住民等との協働 住民等との協働 ごみの発生・排出抑制、リサイクルの促進 環境負荷の低減、天然資源の消費抑制 適正な処理 ごみ処理経費の削減 持続的発展が可能な循環型地域社会