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ごみ減量化の意識及び取組への価値観を高め、一人ひとりが行動に
施策 7 『ごみを減量・資源化します』 基本目標⑤ ごみの減量化が図られ、資源が循環しているまち ごみ減量化の意識及び取組への価値観を高め、一人ひとりが行動につなげるなど、ご みの減量・資源化が図られたまちを目指します。 1 一般廃棄物(ごみ)の対策 1 現状と課題 (1)現状 【廃棄物の分類】 ・ 廃棄物は大きく分けると「一般廃棄物」と「産業廃棄物」に大別されます。 廃棄物 特別管理産業廃棄物※ 産業廃棄物 事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、 法令で定める 20 種類 一般廃棄物 産業廃棄物以外の 廃棄物 特別管理一般廃棄物 ※ 家庭系ごみ ごみ ※爆発性、毒性、感染性その他の人の健康又は生活 環境に係る被害を生ずる恐れがあるもの 産業廃棄物に該当する 20 種類 1.燃え殻/2.汚泥/3.廃油/4.廃酸/5.廃アルカリ/6.廃プラス チック/7.ゴムくず/8.金属くず/9.ガラスくず、コンクリー トくず及び陶磁器くず/10.鉱さい/11.がれき類/12.ばいじ ん/13.紙くず/14.木くず/15.繊維くず/16.動植物性残さ /17.動物系固形不要物/18.動物のふん尿/19.動物の死体 /20.13 号廃棄物 事業系ごみ し尿 図 7-1-1 廃棄物の区分 ・ 一般廃棄物は、家庭系ごみ、事業系ごみ、し尿などで、産業廃棄物以外の廃棄物で あると定められており、市が処理責任を負うこととされています。 ・ 産業廃棄物は、事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、廃棄物の処理及び清掃に関 する法律(以下「廃棄物処理法」という。)で 20 種類が定められており、事業者が適 正な処理の責任を負うこととされています。 【廃棄物処理法(抜粋)】 第 2 条の 3(国民の責務) ・ 国民は、廃棄物の排出を抑制し、再生品の使用等により廃棄物の再生利用を図り、廃棄物を分別して 排出し、その生じた廃棄物をなるべく自ら処分すること等により、廃棄物の減量その他その適正な処理 に関し国及び地方公共団体の施策に協力しなければならない。 第 3 条(事業者の責務) ・ 事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。 第 4 条(国及び地方公共団体の責務) ・ 市町村は、その区域内における一般廃棄物の減量に関し住民の自主的な活動の促進を図り、及び一般 廃棄物の適正な処理に必要な措置を講ずるよう努めるとともに、一般廃棄物の処理に関する事業の実施 に当たっては、職員の資質の向上、施設の整備及び作業方法の改善を図る等その能率的な運営に努めな ければならない。 - 45 - 【一般廃棄物(ごみ)の処理】 ・ 本市では、家庭から排出される家庭系ごみは、市内全域を対象に 10 区分 11 種類に 分別され、約 22,000 か所のごみステーションや公民館等の拠点において直営、又は 委託により収集しています。 (分別区分) (中間処理) 普通ごみ 粗大ごみ (最終処理) 残さ(灰) 焼却処理 残さ 金属類(鉄) 埋 立 破砕処理 がれき類 ビン・ペットボトル 行 政 収 集 カン 選別、圧縮、梱包処理 [ビン→無色・茶色・その他] [カン→スチール・アルミ] 廃乾電池 再 資 源 化 廃蛍光管 廃食用油 発泡スチロール、白色トレイ ペットボトルのキャップ 集団回収 新聞、チラシ、雑誌、段ボール、雑がみ、古着、カン・フライパン類、生きビン類、雑ビン類 ※一部地域(柳津町区域)でプラスチック製容器包装類を分別収集しています。 図 7-1-2 家庭系ごみの処理の流れ ・ 普通ごみは、平成 24 年度現在、市内にある 3 か所の焼却処理施設(掛洞プラント、東部クリ ーンセンター、衛生センター)で焼却処理して います。 焼却した際に発生する残さ(灰)のうち、掛 洞プラントと東部クリーンセンターで発生し た焼却残さ(灰)は、大杉一般廃棄物最終処分場 に埋立処分しています。 また、衛生センター焼却場の焼却残さ(灰) 大杉一般廃棄物最終処分場 は委託処分しています。 ・ 古紙、古着、金属類、ビン類は、地域の集団 回収(資源分別回収)により、約 1,500 か所の資源ステーションで回収され、再資源化 しています。 ・ 事業所から排出される事業系ごみは、家庭系ごみに準じて分別され、岐阜市から許 可を受けた一般廃棄物収集運搬許可業者が収集(収集運搬料金を負担)するか、排出事 業者自らが処理施設へ搬入しています。 ・ 粗大ごみの処理については、排出者にごみ処理費用の一部の負担を求める有料化を 平成 10 年度から実施しています。 - 46 - 【ごみの排出量】 ・ 平成 23 年度のごみ総排出量は、159,484tで、家庭系ごみ 113,156t、事業系ごみ 45,113tとなっています。 また、一日あたりのごみ排出量は、5 年前(平成 18 年度)と比べ、市民一人あた り「122g減(10.4%減)」と減少傾向(家庭系ごみは 86g減(10.4%減))ですが、全 国平均と比べると未だ多い状況です(岐阜市民一人一日あたりのごみ排出量は 1063 g>全国平均の一人一日あたりのごみ排出量は 976g:平成 22 年度)。 表 7-1-1 岐阜市のごみ排出量の推移 区分 家庭系ごみ(/年) (g/人・日) 平成 18 年度 平成 19 年度 平成 20 年度 平成 21 年度 平成 22 年度 平成 23 年度 127,173 124,323 120,080 116,618 113,530 113,156 825 805 782 761 742 739 事業系ごみ(t/年) その他(都市美化ごみ等) (t/年) 総排出量(t/年) (g/人・日) ※ 参考 :国統計値(岐阜市) (全国平均) 50,774 48,928 46,863 44,885 44,441 45,113 1,370 1,334 1,423 1,338 1,465 1,215 179,317 1,163 1,164 1,115 174,585 1,131 1,133 1,089 168,366 1,096 1,101 1,033 162,841 1,063 1,092 994 159,436 1,042 1,063 976 159,484 1,041 未公表 未公表 ※総排出量のうち、国統計値は、国勢調査結果からの推計した人口、自然共生部が算出した一人あたりの排出量は住民基本台帳の 人口を用いており誤差があります。 (出典:全国平均は環境省資料) 1,200 1,150 岐阜市 , 1,063 1,100 1,050 全国平均, 976 1,000 950 900 単位 g/人・日 850 平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 図 7-1-3 岐阜市民一人一日あたりのごみ排出量と全国平均 ・ 平成 23 年度の資源化量は、30,403tで 5 年前(平成 18 年度)と比べ 9,934t減 (24.6%減)となっています(全国平均は 7.4%減、平成 22 年度と平成 18 年度の比較)。 ・ 最終処分量は、16,247t(平成 18 年度 17,837t)で 5 年前(平成 18 年度)と比べ 1,590t減(8.9%減)となっています。 - 47 - (t) 20,000 2.8% 木・竹・わら類 ゴム・皮革類 12.7% 0.8% 16,000 紙類 33.5% プラスチック類 14.3% 普通ごみ排出量 不燃物 プラスチック類 12,000 8,000 生ごみ類 4,000 生ごみ類 29.7% 繊維類 6.1% (平成 23 年度普通ごみ組成調査から) 図 7-1-4 家庭系普通ごみの組成 紙類 0 オフィス系 食品小売店 従業員一人 あたり排出量 事業所数 0.090t 5,245 1.004t 419 紙類 物品小売店 0.659t 2,179 生ごみ類 飲食関係 その他集客施設 0.560t 1,156 0.075t 112 ※事業系普通ごみ排出量の推計は、平成 19 年度に実施した計 159 事業 所(オフィス系、食品小売店、物品小売店、飲食関係、その他集客施 設)のごみ排出量調査から従業員あたりの排出量を単純試算し、任意の 事業所のごみ組成調査から業種ごとの排出量を推計した。事業所数、 従業員数は、事業所統計(平成 21 年度)を用いた。(自然共生部算出) 図 7-1-5 事業系普通ごみの業種別排出量の推計 【ごみ減量・資源化に係る計画】 ・ 一般廃棄物(ごみ)を管理し、適正な処理を確保するための基本となる「岐阜市ご み処理基本計画(平成 21 年度~平成 35 年度)」の内容を踏まえ、今後のごみ減量・資 源化の取組の工程を示した「ごみ減量・資源化指針 2011(平成 23 年度~平成 35 年度)」 を策定し、「ごみ 1/3 減量大作戦※」を合言葉に、ごみ減量・資源化を循環型社会の実 現のための一つの手段として取組を進めています。 (2)課題 【ごみ減量の意識改革】 ・ 「なぜ、ごみ減量をしなくてはならないのか」、「分別して、何に再資源化させてい くのか」など、ごみ減量・資源化の目的・取組を共有していくために、適切な情報提 供を進めることが必要です。 例えば、環境省の調査によると、家庭系生ごみ 食品外 手付かず食品 11% の 39%は、手付かずの食品と食べ残しにより排出 19% されています。 生ごみ発生量 また生ごみの 80%が水分であり、排出する前に (H19年度家庭系) 1,032万トン 食べ残し 一絞りすることで、10%削減することができます。 調理くず 20% ・ 資源は有限であり、将来の世代にわたり持続可 50% 能な社会をつくっていくためには、必要な経済活 出典:環境省 平成 23 年版環境白書から加工 動や消費生活から出るごみの発生を極小化し、資 源物の有効利用を極大化するような意識と行動 図 7-1-6 家庭系生ごみの内訳 が求められます。 ・ ごみ減量に努力する人に報いるためにも、不適正排出や不法投棄を防止し、ごみ減 量の取組に不公平感が生じないように指導等を強化していく必要があります。 - 48 - 【ごみ焼却量の削減】 ・ 平成 24 年 1 月から新たに埋立を開始した大杉一般廃棄物最終処分場の一人あたり の最終処分量の割り当ては、単純試算で 0.64 ㎥となり、1m四方の箱の 2/3 程度しか ありません。 1m 1m 一人あたりの 埋立容量は、 0.64㎥ 1m 1m 一人あたりの 埋立容量は、 0.64㎥ 1m 1m 図 7-1-7 大杉一般廃棄物最終処分場における市民一人あたりの割り当て量 ・ 大杉一般廃棄物最終処分場の使用期間は、15 年間を見込んでいますが、今の子ど もたち(例えば小学 1 年生、7 歳)が大人(22 歳)になったころには、新たな埋立施設の 建設のため負担を求められ、本市の大切な自然が一つなくなることにもつながります。 地域の理解と協力により完成した、この大切な埋立施設をできる限り長く使用する (長寿命化)ため、ごみ焼却量削減の取組を推進していくことが必要です。 ・ ごみ焼却量は、平成 9 年度をピークに減少傾 表 7-1-2 焼却処理後の灰の量 向にはありますが、焼却処理されているごみの 紙類 200g 中には、未だ再資源化可能物が含まれており、 1,000g プラスチック類 7g 当たり 生ごみ類 84g さらに分別排出(再生利用リサイクル)を進め (ごみ組成調査から) ていく必要があります。 特に、その量が多く、菓子箱など、家庭内で分別保管がしづらい不定形な雑がみの 分別排出と、本来は食べ物である生ごみの排出抑制を進めることが必要です。 表 7-1-3 家庭系普通ごみの内訳推計 種類 組成率 ■紙 類 33.5% (新 聞 紙 ) 2.8% (チラシ) 1,9% (雑 誌 ) 2.2% (ダンボール) 5.2% (牛 乳 パック) 0.7% (紙 製 容 器 ) 1.3% (包 装 紙 ) 0.3% (紙 おむつ) 6.5% (その他 ) 12.6% ■繊 維 類 6.1% (衣 類 ) 3.5% (その他 ) 2.7% 推計量 28,327t 2,368t 1,607t 1,860t 4,397t 592t 1,099t 254t 5,496t 10,654t 5,158t 2,960t 2,283t 種類 ■生 ごみ類 ■プラスチック類 (白 色 トレイ) (色 付 きトレイ) (発 泡 スチロール) (ペットボトル) (プラスチック容 器 ) (その他 ) ■ゴム・皮 革 類 ■木 ・竹 ・わら類 (剪 定 枝 ・草 ) (その他 ) 組成率 29.7% 14.3% 0.4% 0.4% 0.2% 0.7% 2.9% 9.8% 0.8% 12.7% 11.3% 1.4% ※数値は四捨五入のため 合計値と合いません。 推計量 種類 組成率 25,114t ■金 属 類 0.8% 12,092t (カン類 ) 0.4% 338t (その他 ) 0.4% 338t ■ガラス類 0.6% 169t (ビン類 ) 0.4% 592t (その他 ) 0.2% 2,452t ■その他 不 燃 物 1.4% 8,287t 676t 10,739t 9,555t 1,184t 計 100.0% 推計量 676t 338t 338t 507t 338t 169t 1,183t 84,558t 出典:平成 23 年度普通ごみ組成調査から推計 ・ ごみ処理の過程においては、大気汚染や水質汚濁などの公害発生の抑制とともに、 新たな分別や処理を実施する場合においては、過度なエネルギー消費により過剰な CO2 が発生することのないよう、環境負荷の低減に努めることが必要です。 - 49 - 【行動を誘う仕組みの提供】 ・ ごみ減量・資源化の取組が習慣化した生活様式へと転換していくには、意識改革と 並行して、強い動機付けの仕組みが必要になります。 例えば、新たな分別や経済的手法※の導入を適切な時期に進めていくことも手段の 一つです。 ・ ごみ減量は、一人ひとりの行動によるものですが、地域が一体となって取り組む機 運がその行動を後押しし、習慣化させていくことが期待できるため「ごみ 1/3 減量大 作戦」を市民運動として実行していくための組織づくりが必要です。 ごみ減量 1/3 大作戦の取組 2 主な取組 (1)ごみ減量の意識改革 ~『ごみ自体の発生抑制』~ ・ごみ減量・資源化に関し、身近で簡単にできる取組をまとめた事例集を作成し配布す るなど、市民へわかりやすく情報を発信します。 ・出前講座やイベント、公共施設にPRブースを設置するなど、さまざまな機会を活用 して、「ごみ 1/3 減量大作戦」の取組やごみ減量の必要性をPRします。 ・ごみ出しルールの啓発・指導を行い、不適正排出や不法投棄の防止に努めます。 ※平成 23 年度ごみ組成調査結果から、単純試算した。ごみ の種類×組成率÷人口÷52 週×4 人 図 7-1-7 4 人家族の 1 週間当たりの普通ごみ排出量イメージ - 50 - (2)ごみ焼却量の削減 ~『雑がみの分別』と『生ごみの水切り』~ ・「ごみ減量・資源化指針 2011」に基づき、5 つの作戦(多様な資源ごみ回収の仕組みを つくる、生ごみを減らす、プラスチックごみを減らす、事業系ごみを減らす、ごみ処 理有料化制度の導入を検討する)を着実に推進します。 ・多様な資源ごみ回収の仕組みをつくるでは、バイオマス※の再資源化手法について検 討します。 ・プラスチックごみを減らすでは、その他プラスチック製容器包装類※の分別収集につ いて検討します。 ・雑がみは、不要となった紙袋に入れ、分別して排出すること、また、生ごみは、発生 量を抑制(食べ残し、手付かずの食品、調理くずの抑制)し、一絞りしてから排出す ることを呼び掛け、行動の習慣化を促進します。 ・岐阜市エコプラント椿※では、給食残さや家畜ふんを堆肥化し、循環型農業を推進し ます。 ・「ごみ減量・資源化指針 2011」の進ちょく状況については、 「ごみ減量・資源化指針 アクションプラン」実績報告書を毎年作成し、公表します。 ・ごみ処理施設等においては、環境への影響を調査・評価し、計画的な維持管理を行う とともに、効率的な燃焼管理体制を維持し、熱回収を積極的に進めるなど、環境負荷 を抑制します。 (3)行動を誘う仕組みの提供 ~『市民運動の展開』~ 重点プロジェクト ・地域の環境推進員と連携しごみの減量化の取組を進めます。また、「ごみ 1/3 減量大 作戦」の市民運動を展開し、ごみの減量化を図ります。 ・市民会議(協議会)での提案や取組を支援・制度化する仕組みを検討します。 ・ごみの減量化への取組の成果が反映されるよう、負担の公平化に向けた環境づくりに 取り組みます。 - 51 - 3 指標と目標値 現況値 (平成23年度) 目標値 (平成29年度) 129,183t 107,000t 一人一月当たりの雑がみ回収 量 15.3g/人・月 22.3g/人・月 ごみ減量に取り組む市民意識 4.1点 4.6点 岐阜市まるごと環境フェアで行うアン ケート調査結果の平均値(5段階評価 による) 協議会から市民会議の提案が 実施された(した)累積件数 - 10件 協議会の市民会議の提案を同会議及 び行政等で実施された(した)件数 指標名 ごみ焼却量 指標の見方 選別、破砕処理後の可燃物、し尿処 理後の残さの焼却等を含む 年間の雑がみ回収量/人口/月数 ※ごみ 1/3 減量大作戦/「ごみ減量・資源化指針 2011」の副題です。指針では、平成 35 年度までにごみ焼却量をピーク時(平成 9 年度)の 1/3 以上削減しようとする目標を掲げている。 ※雑がみ/新聞、チラシ、雑誌、段ボール、紙パック以外の紙で防水やカーボン紙など特殊加工されたものと臭いや汚れがついた ものなどを除いた名刺大以上の紙。例えば、トイレットペーパーの芯、紙箱・包装紙、封筒、紙袋、メモ用紙など。 ※経済的手法/経済的手法とは、税や補助金を用い市場メカニズムを活用して、対象とする主体の費用と便益に影響を与え、その 行動を環境保全的なものに導くという政策手段で、具体例としては生ごみ処理機の補助や、地域資源回収を行う団体への奨励金、 ごみ処理の有料化などがある。(一般財団法人 環境情報センターHP より) ※プラスチック製容器包装類/飲料、酒類、しょうゆ用のペットボトル以外のプラスチック製容器包装で、資源有効利用促進法に より右記の識別マークの表示が義務付けられている。例えば、シャンプーボトル、菓子袋、コンビニ弁当等の空き容器、インス タント食品の容器など。 ※市民会議(協議会)/ごみ減量の先導的な取組や提案を全市展開していく仕組みを協議するために設置された市民・事業者から なる協議会を想定。 ※バイオマス/再生可能な生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの。廃棄物系バイオマスとしては、廃棄される紙、家畜排せつ物、 食品廃棄物、建設発生木材、黒液、下水汚泥などがある。主な活用方法としては、農業分野における飼肥料としての利用(りん回収を含 む)利用があるほか、燃焼して発電を行ったり、アルコール発酵、メタン発酵などによる燃料化などのエネルギー利用などもある。 ※岐阜市エコプラント椿/本市の畜産センターの公園に隣接する堆肥化施設。市内の小・中学校や幼稚園、保育所等から出る給食 残さと、市内の養鶏場からの鶏ふん、畜産センター公園の家畜ふんから堆肥をつくっている。 - 52 - 2 環境美化の推進 1 現状と課題 (1)現状 ・ 本市では、岐阜市まちを美しくする条例により 5 月 30 日(ごみゼロ運動の日)及び 11 月の第 3 日曜日(クリーンシティーぎふの日)を「環境美化の日」と定め、市民、環 境保全団体及び事業者と一体となり地域の清掃活動を実施しており、地域の清掃活動 により回収されたごみは、都市美化ごみとして、市が収集し処理しています。 また、ごみの散乱防止を呼び掛けるため、啓発用ポスターや注意看板を作成し配布 しています。 表 7-2-1 岐阜市の都市美化ごみ収集量の推移 区分 普通ごみ (トン/年) 粗大ごみ(トン/年) カン(トン/年) ビン・ペットボトル(トン/年) 計(トン/年) 参考:ごみ総排出量に対する割合 平成18年度 平成19年度 平成20年度 平成21年度 平成22年度 平成23年度 674 641 706 661 779 660 246 292 316 286 318 198 1 1 1 0 1 1 1 1 0 920 934 1,024 949 1,099 858 0.50% 0.50% 0.60% 0.60% 0.70% 0.50% なお、市民との協働取組としては岐阜版アダプト・プログラム※として平成 15 年 度から地域で活動する団体と岐阜市が覚書を結び、公共空間(道路や公園など)の美化 活動を進めており、平成 24 年 10 月現在、105 の団体が活動しています。 ・ ポイ捨て防止については、岐阜市まちを 美しくする条例を改正し、平成 20 年 10 月 その他 5.0% から路上喫煙禁止区域としてJR岐阜駅周 プラスチック類 辺、長良橋通り、玉宮通り、柳ヶ瀬及び市 16.5% 吸い殻類 役所周辺を指定し、違反者には過料を科す 48.6% 制度を開始しています。 紙類 また、平成 23 年 9 月からは、金華山の 28.1% 1.8% 10 の登山道と隣接する岐阜公園の一部及び ビン・カン・ペットボトル 川原町界隈の 2 地域を新たに指定し、4 名 の指導員により啓発・指導パトロールを実 図 7-2-1 路上喫煙禁止区域でのポイ捨ての内訳 施しています。 1000 (本) 869 800 路上喫煙禁止区域の指定 637 600 485 457 303 400 567 470 372 141 200 261 252 309 187 244 274 172 119 H20 H21 H22 図 7-2-2 路上喫煙禁止区域で吸殻のポイ捨て数の推移 - 53 - H23 5月 2月 11月 8月 5月 2月 11月 8月 5月 2月 11月 8月 5月 2月 11月 9月 0 H24 路上喫煙禁止区域 (2)課題 【ごみ集積場の美化】 ・ 指定された色の袋以外で出され たごみ袋など、ごみ出しのルールが 守られていない場合は、イエローカ ードを貼り、原則収集しないなどの 指導をしています。 こうしたことは、地域全体の美観 を損ない、ルールを守る人との間に 負担の不公平が生じることから、地 域と一体となった指導体制の強化 不適正排出されたごみに貼られたイエローカード が必要です。 ・ 本市のごみ集積場では、カラスや猫等によるごみの散乱が発生している所がありま す。 被害が大きい箇所では早朝パトロールや、ごみ出しルールの指導の実施、また、地 域においては、ごみネットや生ごみの減量などの独自の取組も実施されておりますが、 さらに地域や関係機関等と連携した対策が必要です。 【美化活動の役割分担・意識改革】 ・ まちなかに快適空間を創出している街路樹や公園樹木からの落ち葉等の清掃は、地 域住民の皆さんの協力(ボランティア)により実施されています。 今後、高齢化がさらに進み、担い手不足等が見込まれることから、清掃の実施方法 だけでなく、落ち葉等のバイオマスの利活用(廃棄するのではなく資源として有効利 用する方法)についても検討していく必要があります。 ・ 地域の環境美化活動を称える表彰制度などにより、美化活動の意識を継続していく 地域づくりが必要です。 - 54 - 【ポイ捨て防止の仕組み】 ・ 路上喫煙禁止区域の指定制度により、吸殻のポイ捨てを減少させる成果を挙げてい ますが、市内全域での効果を考えた場合、過料を科すことがなくても、ポイ捨て防止 を促す仕組みの検討も必要です。 ・ 岐阜市まちを美しくする条例に基づく環境美化推進重点区域の制度の見直しを進 めるとともに、岐阜版アダプト・プログラムや「ごみ 1/3 減量大作戦」の市民運動な ど関連する制度・事業と連携した啓発体制の強化が必要です。 2 主な取組 (1)ごみ集積場の美化 ・ごみ出しルールの啓発・指導を行い、不適正排出や不法投棄の防止に努めます。 ・「ごみ 1/3 減量大作戦」による生ごみ減量対策を進めカラスや猫等による散乱防止に 努めるとともに、関係機関等と連携しふん害防止を抑制します。 ・事業系ごみ(飲食店など)のごみ出し方法について検討・指導します。 (2)美化活動の役割分担・意識改革 ・環境美化の日や長良川清掃など市民、環境保全団体及び事業者による自主的な美化活 動・清掃活動を支援します。 ・落ち葉等のバイオマスの利活用について検討します。 ・環境美化活動団体を表彰します。 ・岐阜版アダプト・プログラムを推進します。 (3)ポイ捨て防止の仕組みづくり ・路上喫煙禁止区域において周知・啓発・指導等を通してたばこのポイ捨て防止に努め ます。 ・既存地区の周知徹底を図るため、路面標示や看板設置、イベントなどにおける啓発活 動を実施します。 ・市内全域でポイ捨て防止を推進するPR体制を検討します。 路上喫煙禁止イメージキャラクター - 55 - 3 指標と目標値 指標名 現況値 (平成23年度) 目標値 (平成29年度) 岐阜版アダプト・プログラムの登 録団体数 94団体 165団体 岐阜版アダプト・プログラム”ぎふまち 育て隊”の登録団体数 路上喫煙禁止区域のポイ捨て に占める吸殻の割合 46.9% 39.0% 路上喫煙禁止区域のポイ捨て調査に よる吸殻の割合 指標の見方 ※岐阜版アダプト・プログラム/住民などが道路や河川などでごみの清掃などを行い、公共空間をわが子のように面倒を見ていく活動。 - 56 -