...

Page 1 理学療法士の生涯教育プログラムに関する教育学的考察 ー参加

by user

on
Category: Documents
13

views

Report

Comments

Transcript

Page 1 理学療法士の生涯教育プログラムに関する教育学的考察 ー参加
理学療 法士 の生涯教 育 プログ ラム に関す る教育学 的考察
一 参加の影響 因子 および教育学的対策 一
日
〔
抄
高
正
巳
録〕
医療 技 術 職 で あ る 理 学 療 法 士 は、 少 人 数 職 場 で 勤 務 す る こ とが 多 く、 生 涯 教 育 プ ロ
グ ラム に参 加 す る場 合 に は、 種 々 の 阻 害 要 因 が働 い て い る。 理 学療 法 士500名 に 対 す る
ア ン ケ ー ト調 査 を 行 い 、 生 涯 教 育 プ ロ グ ラ ム に参 加 しや す い 要 件 に つ い て検 討 した 。
参加 しや す い 条 件 と して 、 秋 、 週 末 、 午 後 、 近 隣 開催 が あ げ られ た。 そ して 、 そ の 教
育 プ ロ グ ラ ム提 供 機 関 と して、 大 学 ・大 学 院 の役 割 、 日本 理 学 療 法 士 協 会 の役 割 に つ
い て 論 じた 。特 に、 高 度 専 門職 養 成 教 育 と して の大 学 院 教 育 に お い て は 、 遠 隔 授 業 を
含 め た多 様 な教 育 方 法 が 必 要 で あ り、 そ の 教 育 プ ロ グ ラ ム は、 成 人 教 育 の 理 論 に 基 づ
い た 開催 が 必 要 で あ る こ と を述 べ た 。 さ らに、 日本 理 学 療 法 士 協 会 と して も、 自己 決
定 的 継 続 学 習 の 認 定 基 準 を 明確 に し、 学 習 活 動 の 認 定 を行 っ て い く必 要性 が あ る こ と
につ い て 論 じた。
キ ー ワ ー ド:理 学 療 法 士 教 育,生 涯 教 育 プ ロ グ ラ ム,阻 害 要 因,高 度 専 門 職 養 成,自
己決 定 的 継 続 学 習
緒
言
現 代 社 会 は 、 高 学 歴 ・学 習 社 会 とい わ れ 、 生 涯 統 合 教 育 ・万 人 対 象 の生 涯 学 習 の 重 要 性 が 謳
わ れ て い る 。 フ ラ ン ス革 命 期 に コ ン ドル セ は、 教 育 の 機 会 を全 国民 に平 等 に 生 涯 に わ た り保 障
しよ う とい う考 えか ら、 学 校 教 育 終 了 後 も な お学 習機 会 を得 られ る よ う、 成 人 の た め の 生 涯 教
育 の 必 要 性 を提 案 して い る1)。そ の後 、1965年 ユ ネス コ の成 入教 育 推 進 国 際会 議 で ポ ー ル ・ラ
ング ラ ンが 「生 涯教 育 の理 念 」2)を 提 唱 して か ら急 速 に拡 が りを みせ た。 生 涯 教 育 は、 「生 涯 に
わ た っ て統 合 され た教 育 」 を 意 味 し、 時 間 的 な統 合 と空 間 的 な統 合 の2つ の軸 的 統 合 か らな る。
時 間 的統 合 とは 、 「人 が 生 まれ て か ら死 ぬ まで の 人 生(ラ
イ フ タイ ム)そ れ ぞ れ の段 階 で、 ふ さ
わ しい教 育 の機 会 が提 供 さ れ る こ と」で あ り、空 間 的統 合 とは、「学 習 の機 会 が 学 校 だ けで な く、
一159一
理学療法士の生涯教育プログラムに関する教育学的考察(日
高
正 巳)
家 庭 、 職場 、 地 域 社 会 な どの 生 活 の あ らゆ る場 で保 障 され る こ と」 で あ る と され る。
そ の後 、 経 済 協 力 開 発 機 構(OECD)が1973年
ネ ス コ が 「学 習 権 宣 言 」4)を 発 表 、1996年
LearningforAll)」J)を
に 「リ カ レ ン ト教 育 」3)を 提 言 、1985年 にユ
に はOECDが
「万 人 対 象 の 生 涯 学 習(Lifelong
発 表 して お り、 生 涯 教 育 か ら生 涯 学 習 へ と教 育 者 中 心 的 考 え か ら学 習
者 中 心 的 考 えへ と思 考 の枠 組 み が 変換 され た 。
医 療 従 事 者 は常 に 新 しい 医 療 技 術 の 開 発 と獲 得 に 努 力 す る こ とが 求 め られ て お り、 生 涯 教
育 ・生 涯 学 習 の 重 要 性 が 古 くか ら謳 わ れ て き た。 ま た 、 高 度 医 療 の 発 達 と疾 病 構 造 の 変 化 に伴
い 、 医 療 モ デ ル に 対 して 「予 防、 環 境 モ デ ル」 や 福 祉 的 な 「生 活 モ デ ル」 の重 要 性 が 大 き く高
まっ て きて い る こ と は確 か で あ る6)。
理 学 療 法 士 の 生 涯 教 育 ・継 続 教 育 に 関 す る論 文 は少 な い が 、 そ れ ら の論 文 で は 共通 した 問題
が提 起 され て い る。 カ ー プ(Karp)は
ジ ョー ジ ア州 を調 査 対 象 地 域 と して 継 続 教 育 の 有 す る各
種 問 題 に つ い て 検 討 し、 以 下 の ご と く結 論 づ け て い る7-9)。
① 継 続 教 育 の 方 法 と して 好 まれ て い る の は、 講 義 、 セ ミナ ー ・ワー ク シ ョ ップ で あ り、 教 育 の
領 域 に つ い て は整 形外 科 的 理 学療 法 の 領域 に強 い 関心 を示 して い る。
② 内 容 的 に は即 時 に実 践 に役 立 つ もの を好 む 傾 向 が 強 くみ られ る。
③ 参 加 の 条 件 と して は 、 周 辺 の 州 の ホ テ ル や 会 議 場 で あ り、季 節 につ い て も秋 か ら冬 に か け て
の 午前 中 に開 催 され る こ と を望 ん で い る。
④ 参 加 に対 す る 阻害 因 子 と して の 訴 え は 、 参 加 費 が 高 額 で あ る こ と、150マ イ ル以 上 の 遠 隔 地 で
あ る こ と、 家 族 との 団 欒 時 間 の 喪 失 や 、 同 一 の研 修 プ ロ グ ラ ム をす で に 経 験 して い る こ と、
す ぐに役 立 つ 課 題 が 欠 落 して い る とい うの で あ る。
また 、 タ ッ ソ ン(Tassone)ら
は1°)、
オ ンタ リオ州 の 理 学 療 法 継 続 教 育 の地 理 的 問 題 につ い て
検 討 し、 継 続 教 育 プ ロ グ ラ ムの 供 給 方 法 と し て、 会 議 や研 究 集 会 が 用 い られ るべ き とす る一 方
で 、 コ ン ピ ュー ター 支 援教 育(CAI)の
利 用 も将 来 的 に必 要 で あ る と示 唆 して い る。
我 が 国 の理 学療 法 士 の 生 涯 教 育 につ い て の 報 告 で は、 まず 、 溝 呂木 が 「我 が 国 に お け る理 学
療 法 士 の 卒 後 教 育 、一 現 状 と展 望 一 」 に お い て、 協 会 発 足 後 の 卒 後 教 育 の現 状 を次 の よ う に ま
とめ て い る11)。
1978年 時 点 に お い て 、 全 国 的 な理 学 療 法 士 を対 象 と した 卒 後 教 育 と して、 ① 理 学療 法 士 ・作
業療 法 士 養 成 施 設 等 長 期 教 育 講 習 会 、 ② 理 学 療 法 士 ・作 業 療 法 士 施 設 等 短 期 教 育 講 習 会 、 ③ 理
学療 法 士 ・作 業療 法 士研 修 会 、 ④ 日本 理 学 療 法 士 協 会 全 国研 修 会 、 ⑤ 日本 理 学療 法士 協 会 現 職
者教 育 講 習 会 の5種 類 が あ る とい う。
卒 後教 育 の種 類 と して① 卒 前教 育 の 復 習 の た め の コー ス(refreshercourse)、
② 卒前教育 の
補 充 の た め の コー ス 、③ 専 門化 の た め の コー ス 、 ④ 科 学 の 進 歩 ・時 代 の変 化 に対 応 す るた め の
コー ス の4種 類 が 少 な くと も必 要 で あ る とい う。
卒 後教 育 の 実 施 方 法 と して は、 ① 理 学療 法 士 養 成 学 校 を 中 心 に行 う コ ー ス、 ② 病 院 ・施 設 を
一160一
佛教大学大学院紀 要
第29号(2001年3月)
中 心 に行 う コ ー ス 、③ 日本 理 学 療 法 士 協 会 を 中心 に行 う コー ス の3種 類 の主 体 が あ る と便 利 で
あ る とい う。
である。
さ らに 、紀 伊 は'2)卒後教 育 シス テ ム の 一つ で あ る現 職 者 講 習会 の 開催 に つ い て 、 「会 員 に とっ
て は 経 済 的 に負 担 の小 さい 講 習 会 を よ り多 く提 供 し た い とす る 一 方 で 、 私 が 講 師 と して 職場 を
抜 け る こ と に対 す る 勤務 先 全 体 の 犠 牲 が 度 重 な ら ない よ うに 、気 兼 ね せ ね ば な らな か っ た 。 講
師 及 び 講 師 の職 場 の犠 牲 を最 小 限 にす る に は 、 講 師 が 勤 務 して い る施 設 あ る い は近 距 離 で の 施
設 で 講 習 会 を 開催 す る 方 が よい 。 しか し、 会 場 と な っ た施 設 の責 任 者 と、 そ の職 場 全 体 が理 学
療 法 士 の 卒 後 教 育 の 意 義 を理 解 し、 協 力 的 で な けれ ば そ れ も不 可 能 で あ る」 と述 べ て い る 。 そ
して 、 「指 導 的 理 学 療 法 士 が 増 加 して きた こ とに よ って 、 現 職 者 講 習 会 を開 催 で き る回 数 が増 加
して きた が 、 そ の 開催 の た め に は課 題 も残 され て い る」 と述 べ て い る。
これ らに 見 られ る よ うに 、生 涯 教 育 につ い て検 討 す る場 合 に は 、学 習 者 が参 加 しや す い 条 件 、
学 習 内 容 の 提 供 者 が 無 理 な く提 供 で きる 内容 や 方 法 につ い て検 討 す る こ とが 必 要 で あ る 。生 涯
教 育 プ ロ グ ラ ムへ の 参加 に 対 して は、 そ の 学 習 課 題 の 相 違 や職 場 環 境 の 違 い の影 響 が あ る。 そ
こで 本研 究 に お い て は 、 学 習 課 題 の 共 通 性 を考 察 し、 つ ぎに 、職 場 環 境 の 相 違 を減 少 させ る た
め に 、 地 域 保 健 福 祉 領 域 に 従 事 す る理 学 療 法 士 を対 象 と した調 査 を 行 った 。 地 域 保 健 福 祉 領 域
は 、 現 在 の 高 齢 社 会 に お い て 、 今 後 ます ます 充 実 が 求 め られ る領 域 で あ る反 面 、 そ こ で理 学 療
法 士 が 業 務 に携 わ る た め に は 、 医 療 機 関 に就 職 す る こ とを 中心 に 考 え て きた これ まで の 卒 前 教
育 で は 十 分 な教 育 が な され て い る と は言 い 難 く、 卒 後 教 育 と して の 生 涯 教 育 が 最 も必 要 とさ れ
る領 域 で あ る と考 え られ る か らで あ る。
本 論 の 目的 は、 以 上 の 先 行研 究 を受 け、 理 学 療 法 士 が 生 涯 教 育 プ ロ グ ラ ム参 加 に影 響 を及 ぼ
す 因子 を解 明 す る と と もに、 そ の対 策 を教 育 学 的観 点 か ら考 察 す る こ とで あ る。
対 象 と方 法
平 成9年7月18日
現 在 の 日本 理 学 療 法 士 協 会 名 簿 登 録 者 の 中 か ら、 地 域 保 健 福 祉 領 域 の施 設
に勤 務 す る理 学 療 法 士500名 を無 作 為 に 抽 出 し調 査 対 象 と した 。 質 問紙 調 査(ア
郵 送 法 に よ っ て実 施 した 。 調 査 期 間 を平 成11年5月1日
か ら5月31日
の1ヶ
ンケ ー ト)は 、
月 間 と し、 こ の期
間 内 に 回 答 の あ っ た もの を分 析 対 象 と した 。 ア ンケ ー ト調 査 項 目は 基 本 的 事 項 、 学 習 活 動 の 阻
害 要 因 と実 行 可 能性 につ い て で あ る。
結
ア ンケ ー ト調 査 の 回答 は、203名(40.6%)か
果
ら得 られ た 。 内訳 は男 性111名 、 女 性92名 で あ
一161一
理 学療 法士 の 生涯 教育 プ ロ グラ ム に関す る教 育学 的 考察(日
高
正 巳)
り、 最 終 学 歴 と して は専 門士138名 、 準 学 士29名 、 学 士30名 、 修 士3名 、 博 士1名 で 不 明 は2名
で あ った 。 平 均 年 齢 は35.7±8.1歳 で あ り、 理 学 療 法 士 と して の経 験 年 数 は11.7±6.2年 で あ った 。
所 属 機 関 は 、 行 政 機 関84名 、 老 人保 健 施 設65名 、特 別 養 護 老 人 ホ ー ム13名 、 在 宅介 護 支 援 セ ン
タ ー7名 、 そ の 他34名 で あ っ た 。 そ の 他 の施 設 は デ ィケ アセ ン ター や 訪 問看 護 ス テ ー シ ョ ンで
あ っ た。
生 涯 教 育 プ ロ グ ラ ムへ の参 加 に 影響 を及 ぼす 因子 に つ い て 、 開 催 日程 ・開催 場 所 ・費 用 の3
因子 につ い て分 類 す る と以 下 の通 りで あ っ た。
まず 、 開催 日程 につ い て 、参 加 しや す い季 節 と して は 秋 と した 者 が 最 も多 く、 参 加 し に くい
季 節 で は春 を挙 げ た者 が 最 も多 か っ た(図1)。
最 も多 く、 次 い で 日曜 日で あ っ た(図2)。
が 最 も多 か った(図3)。
ま た、1回
また 、 参加 しやす い曜 日につ い て は、 土 曜 日が
続 い て 、 参 加 しや す い 時 間帯 と して は午 後 と した者
の 時 間 と して は4時 間 以 内 が 最 も多 く(図4)、
望 を見 て も1日 あ る い は数 日間が 多 か っ た(図5)。
期 間の要
そ して 、 開催 の頻 度 と して は、 年 数 回 が最
も多 か っ た(図6)。
参加 しやすい
参 加 しにくい
参加しやすい
参 加 しに くい
匳月
春
匳火
匿水
夏
睡 木
秋
鱶
匿 ・'
冬
(人)(人)
(人)
150140500050100154
図1季
i
1.ii
金
土
.L.
日
(人)
15010050
節 的 要 因
0050100
図2
曜 日的 要 因
6時
時間
4時 間
図3参
図4参
加 しや す い 時 間 帯
一162一
150
加 し ゃす い 時 間
佛 教 大 学 大 学 院紀 要
第29号(2001年3月)
そ の他
1回
数 日間
図5参
加 しゃす い 期 間
その 他
図6参
50km圏
30分 圏
その 他
内
隣接 県
加 しゃ す い開 催 頻 度
内
圏
1時 間
圏内
m
自県内
図7
圏内
参 加 しゃす い 移 動 距 離
図8参
その 他
そ の他1000円
一3000円
講我至
図9参
加 し ゃすい 移 動 時 間
5000円
加 し ゃす い開 催 場 所
図10
参 加 しゃ すい 参 加 費(上 限)
次 に、 開催 場 所 に つ い て は、 参 加 しや す い移 動 距 離 と して は、 約 半 数 が100km圏 内 と し、 自県
内 を含 め て 考 え て も、 あ ま り遠 方 で の 開催 で は参 加 しに くい との こ とで あ る(図7)。
時 に参 加 の た め の移 動 時 間 と して1時
大 き く関 与 して い る こ とを示 す(図8)。
これ は 同
間 圏 内 が 半 数 以 上 で あ り、 参 加 の た め の 時 闘 的 な制 約 も
開 催 場 所 は、 会 議 場 や 講 義 室 等 で あ っ た(図9)。
さ ら に、参 加 費用 に つ い て は 、3000円 程 度 が上 限 で あ り(図10)、 費 用 負 担 もで きれ ば 、 雇用
者 に全 額 あ るい は半 額 の負 担 が 期 待 され て い る(図11)。
一 方 で 、1ヶ 月 の 書 籍 の購 入 費用 に つ
い て は 、上 限 が5000円 程 度 で あ り、研 修 会 へ の参 加 よ り もや や 高額 で あ っ た(図12)。
一163一
理 学療 法 士 の生 涯教 育 プ ログ ラム に関 す る教 育学 的考 察(日
高
正 巳)
100
5000円
図11参
加費の負担
図12書
籍 購 入 費(1ヶ
月)
ri
一1
lI
研修 会
専門書
l
研修 会
雑誌
講 習会
i
インターネット教 材
1【
i
一ll
.
』
一i
r {
l
一
雑誌
一
i
講習会
専 門書
一
凾
インター ネット
大学通信 教育
ビデオ教材
ヨ
ー
1
テレビ
圏
i
一
大学 院教育
-
翻
,
ラジ オ 」
その他
大学院 等研 究生制度
麹
i
その他
(人)
0
050100150200
図13現
蘯
葺
図14今
在 の 学 習 ・情 報 入 手 方 法
(人)
50
100150
後充実 を希望 する学習手段
今 回 の 調 査 結 果 で は 、 多 くの者 が雑 誌 や 専 門 書 と い っ た書 籍 を通 して 学 習 し情 報 を入 手 して
お り、 各 種 研 修 会 や 講 習 会 へ の参 加 とす る 者 もい たが 、 そ の他 の メ デ ィ アの 利 用 は まだ 少 数 で
あ った(図13)。
一 方 、 今 後 、 充 実 を希 望 す る学 習 手 段 と して は、 研 修 会 ・講 習 会 に続 い て、 イ
ン ター ネ ッ ト教 材 、 大 学 通 信 教 育 と続 き、 雑 誌 や 専 門書 と した 者 は 少 なか っ た 。 また 、 大 学 院
教 育 を含 め た 高 等 教 育 制 度 へ の 期 待 も見 られ た(図14)。
考
1)阻
察
害要因についての検討
開催 日程 と して 、 季 節 的 に は 、 春 は 年 度 替 わ りで あ り、 移 動 そ の 他 の理 由 で 生 涯 教 育 プ ロ グ
ラ ム を 開催 した と して も参 加 す る こ とが 困 難 で あ る と考 え られ る。 ま た、 土 曜 日 ・日曜 日が平
日よ りも参 加 しや す い とい う こ とは、 週 日よ りも週 末 の 方 が 参 加 しや す い こ と を示 して い るが 、
日曜 日は土 曜 日 よ りも参 加 しや す い と した 者 が 減 少 して い るの で 、 日曜 日 を休 息 日 と して捉 え
て い る と考 え られ る。 さ らに 、 開催 期 間 で は1日 か ら数 日が 多 くみ られ た こ と は、1回
一164一
の生 涯
佛教大学大学院紀 要
第29号(2001年3月)
教 育 プ ロ グ ラ ムが 長 期 間 に な る と、 そ れ だ け 、 臨 床 現 場 を空 白 に しな け れ ば な らず 、 現 実 的 に
長期 間 の プ ロ グ ラムへ の参 加 が 難 しい こ とを示 して い る 。
次 に 開催 場 所 の要 件 と して は、 生 涯 教 育 プ ロ グ ラ ム の 開 催 を週 末 に期 待 して い る こ と とあ わ
せ て 、 自県 内 あ る い は100km圏 内 、1時 間 圏 内 と 自宅 あ る い は勤 務 先 の近 くで の 開催 を求 め て い
る 。 また 、 遠 方 で の 開催 と な る と次 の費 用 面 の 問 題 とあ わ せ て 考 えて も、 移 動 に 要 す る費 用 も
問 題 にな る。
最 後 に費 用 面 につ い て で あ るが 、 理 学 療 法 関 係 の書 籍 は5000円 以 上 で あ る こ とが 多 く、 書 籍
に か か る費 用 が 高 くな る た め に、 生 涯 教 育 プ ロ グ ラ ム 自体 へ は3000円 程 度 と安 い 負 担 で 参 加 で
き る こ と を求 め て い る。
以 上 の こ とよ り、継 続 教 育 を実 施 す る上 で 、 参 加 しや す い 条 件 を作 る とす れ ば 、 次 の よ う に
な る と考 え られ る 。
研 修 会 ・講 習 会 は 、 秋 の週 末 の1日
に、4時
間程 度 の 長 さで 午 後 を 中心 と して 、 開 催 す る。,
そ して 、 そ の 開催 は 年 数 回 まで の分 散 型 を 考 慮 に い れ る こ とが 可 能 で あ る。 ま た、 開催場 所 は
参 加 者 が 参 加 しや す い よ う に、 近 隣 の会 議 場 や 講 義 室 等 と し、1時
間程 度 で集 ま れ る場 所 が 最
適 で あ る。 ま た、 参 加 費 もで きる だ け安 く設 定 す る こ とが 参 加 しや す い 条 件 に な る と考 え られ
る。
今 回の 調 査 結 果 と先 行 研 究 と を比 較 した場 合 、 ほ とん ど同 様 の 結 果 を示 したが 、 一 日の 開 催
時 間 帯 につ い て、 カ ー プ の 調 査 で は午 前 中 を希 望 して い た の に対 して 、 本 調 査 で は午 後 を希 望
して い る とい う相 違 が み られ た 。 こ の こ と は、 対 象 者 の 生 活 習 慣 の 相 違 に よ る もの で は な い か
と考 え られ る。
2)生
涯 教 育 ・生 涯 学 習実 現 に 向 け て の教 育 学 的対 策
生 涯 教 育 は、 ラ ング ラ ンが 提 唱 した よ う に水 平 的統 合 と垂 直 的 統 合 が 必 要 で あ り、 時 間 や 場
所 を統 合 した教 育 ・学 習 活 動 で あ る。 従 っ て 、 理 学 療 法 士 の 生 涯 教 育 プ ロ グ ラ ム につ い て 考 え
る場 合 に は、 高 等 教 育機 関 と して の大 学 ・大 学 院 、 職 能 団 体 と して の 日本 理 学 療 法 士 協 会 、 さ
ら に臨 床 現 場 とい っ た、 種 々 の教 育提 供 機 関 の役 割 につ い て考 え、 「学 社 融 合 」 を 目指 す そ れ ぞ
れ にお け る教 育 学 的対 策 を検 討 す る こ とが重 要 で あ る。
(1)大
学 ・大 学 院 の役 割 と対 策
まず 、 大 学 ・大 学 院 の役 割 に つ い て 述 べ る。21世 紀 医学 ・医療 懇 談会 教 育 部会 は13)、「医 療 人
は 人 間 性 へ の 深 い洞 察 力 を も ち 、 医 学 ・医 療 に 関 す る幅 広 い専 門 知 識 を有 す る と と も に 、 医
学 ・医療 を取 り巻 く環 境 の 変 化 に適 切 に対 応 で き る よ う、 倫 理 的 ・法 的 な知 識 や 医療 経 済 を含
め た社 会 問 題 に 関 す る知 識 の修 得 や 、 臨 床 面 で の対 応 を適 切 に行 い う る能 力 や態 度 の 修 得 が 不
可 欠 で あ る」 とい う報 告 を行 って い る。
-165
理学療法士の生涯教育プログラムに関する教育学的考察(日
平 成2年7月
高
正巳)
に大 学 審 議 会 大 学 教 育 部 会 は 「大 学 設 置 基 準 の大 綱 化 」14)を発 表 し、 一・
般教育
の 目標 を 「大 学 の教 育 が 専 門 的 な知 識 の修 得 だ け に留 ま る こ との な い よ う に、 学 生 に学 問 を通
じ、広 い 知 識 を 身 に つ け させ る と共 に 、 もの を見 る 目や 自主 的 ・総 合 的 に考 え る力 を養 う こ と
に あ る」 と した上 で 、 「一 般 教 育 等 の理 念 や 目標 は極 め て重 要 で あ る とい う認 識 に立 ち 、 そ れぞ
れ の 大 学 に お い て授 業 科 目の 枠 組 み に こ だ わ る こ と な く、 この 理 念 ・目標 の 実 現 の た め の 真 剣
な努 力 ・工 夫 が な され る こ と を期待 す る」 と した 。
しか し なが ら、 実 際 的 に一 般 教 育 の 変化 と して 見 られ た もの は、 「① 進 学 課 程 の 減 少 、 ② 特 殊
教 育 科 目 の拡 大 、③ 初 期 実 習(earlyexposure)実
施 の拡 大 で あ る」15)とさ れ、 一 般教 養 教 育
が 短 縮 され 、 専 門教 育 を中 心 と した カ リキ ュ ラム 形 成 が な され て い る。
一 般 教 育 科 目 と医 療 技 術 者 教 育 との 関 連 性 を感 じて い な い 学 生 が 多 い 現 状 に お い て は 、 一 般
教 育 科 目 の 必 要性 を学 生 に伝 え る こ とが 必 要 不 可 欠 で あ り、 一 般 教 育 を提 供 す る教 育 機 関 と し
て の 大 学 の役 割 は よ り重 要 とな る 。 また 、 一 般 教 育 の役 割 を 「医 学 以 外 の も の の 考 え 方 、 見 方
を身 につ け る こ と」 と し、 医療 技 術 者 と して の 視 野 を広 げ 、 思 考 の幅 を広 げ る もの で あ る と考
え た場 合 、 医療 従 事 者 教 育 の最 低 ライ ン を4年 制 大 学 に よ る学 士 教 育 にお くこ とが 必 要 と考 え
る。
現 在 、4年
制 大 学 に よ る理 学療 法 士 養 成 が な さ れ る よ う に な り、 専 修 学 校 卒 業 生 の4年
制大
学 編 入 も可 能 と な った こ と よ り、 基 本 的 に学 士 課 程 を 基 準 と して考 え る こ とが で き る。 そ の後
の 生 涯 教 育 プ ロ グ ラ ム の 中 で の 大 学 ・大 学 院 の 役 割 と して は、 よ り上 位 の教 育 ・研 究 機 関 と し
て の位 置 づ け で あ り、 大 学 院 を中 心 と した コ ー ス が 求 め られ る。 理 学 療 法 学 の 分 野 にお い て も
修 士 課 程 ・博 士 課 程 が 設 置 さ れ て い るが ま だそ の 数 は少 な い。
一 方 、 こ こ数 年 間 の 米 国理 学 療 法 士 養 成 校 数 の変 化 をみ る と、1994年 に は 学 士 課 程70校 、修
士 課 程65校 で 養 成 が な され て い た が ユ6)、1997年に は 学 士 課 程45校 、 修 士 課 程116校 と な り17)、
1998年 に は 学士 課程31校 、 修 士 課 程136校 と変 化 して い る'8)。す な わ ち、 学 士 課 程 の 減 少 、 修 士
課 程 の 増 加 が み られ 、 教 育 の 主 体 が 大 学 教 育 か ら大 学 院教 育 へ と移 行 して い る こ とが わ か る。
した が っ て 、 教 育 内 容 の増 加 、 卒 業 時 に社 会 が 求 め る能 力 の上 昇 を考 え る と我 が 国 にお い て も
6年 間の 一 貫 養 成 教 育 を検 討 して い く必 要 性 が あ る の で は な い か と考 え る。
次 に、 生 涯 教 育 ・生 涯 学 習 の 立 場 か ら大 学 院教 育 を考 え た場 合 、社 会 人 大 学 院 と して の役 割
が 大 き く、 現 在 の社 会 人 大 学 院 の抱 え る 問題 につ い て も検 討 しな け れ ば な ら ない 。 山 田 は 、 『プ
ロ フ ェ ッ シ ョナ ル ス ク ー ル 』'9)にお い て、 ア メ リ カの 大 学 院制 度 に つ い て研 究 し、 日本 の 職 業
型 大 学 院へ の 示 唆 を与 え て い る 。 山 田 は社 会 人 大 学 院 の 訪 問調 査 、 面接 調査 を実 施 し、 次 の3
つ の 課 題 を提 起 して い る。
① 学 位 の不 透 明性 と社 会 人学 生 に対 す る社 会 的評 価 の 欠如
② 職 業 との不 接 続 、 「
労 働 雇 用 市場 」(ジ ョブ ・マ ー ケ ッ ト)の 拡 大 の不 確 実 性
③ 職 業 型 大 学 院 と研 究 者 養 成 型 大 学 院 の 区別 の 欠 如 一教 育 課 程(カ
一166一
リキ ュ ラム)編
成面で
佛教 大学大学院紀 要
第29号(2001年3月)
の工 失
これ らの 課 題 の 中 で 、 大 学 院が 独 自の取 り組 み と して対 応 で き る課 題 は3番
目で あ る 。 現 在
の 日本 の 大 学 院 は、 一 部 の職 業 型 大 学 院 と呼 称 され て い る 大 学 院 を除 い て 、 通 常 は研 究 者 養 成
型 大 学 院 が 職 業 人 を 受 け入 れ る形 とな っ て い る。 山 田 は 、 プ ロ フ ェ ッ シ ョナ ル ス クー ル と して
職 業 型 大 学 院 に な る た め に必 要 な カ リキ ュ ラ ム と して は 、 短 期 間 に職 業 に必 要 な 知 識 と技 能 が
身 に付 く よ う に、 コー ス ワ ー ク を しっか り と設 定 す る こ とが 重 要 で あ る と して い る 。 そ して 、
成 人 へ の 教 授 法 を大 学 院 で の 教 授 に取 り入 れ る こ と な どの 条 件 整 備 が不 可 欠 で あ る と して い る 。
成 人 教 育 の 条 件 と して 、 ノー ル ズ(Knowls,M.S.,1913-)は
、 次 の6つ の 条件 を示 して い る2°)。
① 学 習 者 が 学 習 した くな る よ う な環 境 づ く りをす る こ と
② 学 習 者 が 学 習 経 過 をお 互 い に立 案 して い け る よ う な仕 組 み をつ くる こ と
③ 学 習 者 が 学 習 目的 をお 互 い に設 定 す る こ とが 出来 る よ うにす る こ と
④ 学 習 者 が 学 習 契 約 書 を立 案 した り、 学 生 の 自主研 究 計 画 を含 む学 習 計 画 の 腹 案 を設 計 し
た りす る こ とが 出来 る よ う にす る こ と
⑤ 学 習 者 が 適 当 な技 術 と資源 を 活 用 し て、 学 習 を経 験 して い くこ とが 出 来 る よ う に図 っ て
あるこ と
⑥ 学 習 者 が 学 習 した成 人 を 自己 評価 し た り、 また 学 習 者 の 学 習 要 求 を再 診 断 した りす る こ
とで あ る。
社 会 人 入 学 に お け る 「大 学 院 入 学(ア
ク セ ス)の
困難 性 」 と して 、 生 田 は2ユ)、
次 の4点
を示
して い る。
① 成 人 の 得 た 学 位 や 資 格 に対 す る社 会 的 評 価 が低 く、 ゼ ネ ラ リ ス ト養 成 の伝 統 の 中 で 採
用 ・昇 進 の条 件 と して カ ウ ン トが 十 分 され な い こ と
② 時 間 的 ・経 済 的制 約 が大 きい た め リカ レ ン トとす る こ とを許 容 しに くい社 会 的 慣 行
③ 労 働 力 の流 動 化 を 阻 害 す る社 会 的 バ リア の 存 在 に よ る雇 用 年 齢 の 制 限 な ど の年 齢 差 別 、
「資 格 」 の 適 用 性 の 低 さ
④ 学 費 の 高 さ、 学 習 が キ ャ リ ア ア ッ プ な どの た め の個 人 的贅 沢 品 に な る危 険 性 を は らん で
いる。
猪 山 は社 会 人 の 大 学 へ の ア クセ ス を容 易 にす る た め の シス テ ム の構 築 の た め に22)、次 の5点
を示 して い る。
① 科 目等履 修 制 度 の 拡 充
② 受 講特 別 シス テ ムの 設 定
③ 昼夜 開 講 制 の 拡 充
④社 会人特別選抜の拡充
⑤ 通信 教 育 ・放 送 大 学 の 拡 充
① か ら④ の シス テ ム は、 学 生 が 大 学 へ 通 学 す る こ と を基 本 と して い る。 こ れ らに対 して 、 那
一167一
理学療法士 の生涯教育プログラムに関す る教育学的考察(日
高 正 巳)
須 野 は 「大 学 の 生 涯 学 習 事 業 が 現 行 の 大 学 教 育 の 一 部 また は全 部 を そ の ま ま社 会 人 に提 供 す る
だ け な ら、 そ れ は、 社 会 人入 学 試 験 制 度 、 科 目等履 修 生 制 度 、 通 信 教 育 制 度 な ど に席 を譲 る こ
とが で きる で あ ろ う。」 と述 べ て い る23)。
さ らに、 新 堀 は 「社 会 人 院生 は大 学 院入 学 へ の熱 意 が 高 く、 『現場 』 で の 問題 解 決 の道 を大学
院 に求 め て い た だ け に、 入 学 後 、 期 待 はず れ や不 満 を抱 く可 能 性 が あ る」 と し、 「
社会 人大学院
と して 実 質 的 に機 能 して い る程 度 は、 い う ま で もな く夜 間 大 学 院 の方 が は る か に 大 きい 」 と述
べ 、 夜 間 大 学 院 は社 会 人 大 学 院 と して の理 想 型 で あ る と して い る24)。ま た、 大 阪 市 立 大 学 の石
附実 教 授 らは25)、公 私 立 小 ・中 ・高 校 教 師 、 そ の他 の 公 務 員 、福 祉 関 係 者 、 会 社 員 、 カ ル チ ャ
ー セ ン ター な どの 受 講 者 そ の他 専 門 別 グ ル ー プ を対 象 に 「将 来 、 大 阪市 内 の都 心 地 域 に公 立 の
夜 間大 学 院 ・大 学 が で きる と した ら ど う考 え る か 」 とい う調 査 を行 っ て い る 。 この 調 査 結 果 に
よ る と、 回 答 者(439名)の95%が
そ の よ う な新 しい大 学 院 や 大 学 の 設 置 に 関心 を示 して お り、
ま た 「社 会 人 が学 び やす い時 間帯 に 開講 す る こ と」 「
社 会 人 を対 象 に高 度 な教 育 をす る こ と」 等
の点 が 評価 され てお り、 と く に夜 間大 学 院 を望 む 者 が42%い
る と して い る 。 す なわ ち、 社 会 人
大 学 院 と して の 夜 間大 学 院 の役 割 は大 き く、 そ れ に 対 す る期 待 も高 まっ て きて い る もの と考 え
る。
(2)日 本 理 学 療 法 士 協 会 の 役 割
次 に 、 日本 理 学 療 法 士 協 会 の役 割 につ い て述 べ る 。 現 在 、 協 会 は新 人教 育 を行 い そ の 修 了 者
は、 そ の ま ま生 涯 学 習 プ ロ グ ラ ムの パ ー トIIを 受 け る こ と に な っ て い る 。 また 、 新 人 教 育 修 了
者 は 、 専 門 領 域 研 究 部 会 に登 録 で き、10年 経 過 す る と専 門理 学 療 法 士 の 審 査 を受 け る こ とが で
きる 。 そ して 、 専 門理 学 療 法 士 に 向 け て、 自分 の 専 門 を作 り、 専 門 の 知 識 ・技 術 を高 め る こ と
を 目標 と して い く必 要 が あ る 。 こ の段 階 に お い て 、 研 究 活 動 を行 い 、 学 会 発 表 や 論 文 発 表 と し
て成 果 を ま とめ て い くこ とが 必 要 で あ る26)。
こ の よ う な観 点 か ら理 学 療 法 士 の生 涯 学 習 の 時 期 的 区 分 を3段 階 に 区 分 した 。 す な わ ち 、 新
人教 育 を受 け る新 人 レベ ル と生 涯 学 習 基 礎 プ ロ グ ラム を受 け る 中 堅 レベ ル 、 そ して 、 専 門 理 学
療 法 士 の 認 定 を受 け た レベ ル で あ る 。(図15)
ま ず 、 新 人 レベ ル で は 、 養 成 校 で の学 習 内 容 を再 確 認 す る と共 に 、 臨 床 現 場 で の経 験 を通 し
て 、 理 学 療 法 士 と して の専 門 的 知 識 、 技 術 を高 め る時 期 で あ り、 同 時 に、 所 属 す る 臨床 施 設 の
施 設 内 で の 役 割 や 仕 事 に つ い て 学 習 す る こ とが 重 要 で あ る。 次 い で 、 中 堅 レベ ル で は、 臨 床 活
動 を 通 して 、 問題 意 識 を芽 生 え させ る こ とが 重 要 で あ る。 そ して 、 問 題 解 決 型 学 習 法 に よ って
学 習 を進 め る こ とに な る 。 そ して、 専 門領 域 研 究 会 に登 録 し、 自分 の 興 味 に応 じて専 門性 を高
め る と と も に、 専 門分 野 の 学 術 的 発 展 に 寄 与 す る こ とが 求 め られ る 。 そ して 、 専 門理 学 療 法 士
の 認 定 後 は、 理 学 療 法 士 は 学 会 や 雑 誌 に お い て研 究 発 表 を行 い 、 理 学 療 法 学 の 体 系 化 に 努 め る
こ とが 求 め られ る 。 また、 後 身 の 指 導 に 当 た る こ と も求 め られ る 。
168
佛教大学大学院紀要
第29号(2001年3月)
理学療法士免許取得
r、
新人 レベル
団V・
、
新人教 育
プ ログラ厶
r、
中堅レベル
生 涯 教 育 基礎
n>
、
プ ログラム,
r
丶
継続 的専門教育
プログラ厶
専門理孛療法士
㌦
ノ
図15日
本 理 学 療 法 士 協 会 の 教 育 プ ロ グ ラム と対 象 レベ ル
これ らの う ち新 人 を対 象 と した研 修 会 や 講 習 会 は 、 そ の対 象 者 が 多 く、 参 加 しや す い プ ロ グ
ラ ム とす るた め に は、 今 回 の 調 査 結 果 にみ られ る よ う に、 各 地 域 毎 で よ り近 隣 で 開催 さ れ る こ
とが 必 要 で あ る。 ま た 、 中 堅 を対 象 と した研 修 会 、 講 習 会 は、 現 在 の 現 職 者 講 習 会 を主 体 と し
た もの と し、 二 日間程 度 の 日程 で 組 まれ た プ ロ グ ラ ム を全 国各 地 で 数多 く開催 す る こ とが 妥 当
で あ る と考 え る。 現 職 者 講 習 会 の 回 数 を増 や す こ と は、 講 師 の負 担 を 増 す こ と に な るが 、 こ の
講 師 と して は、 専 門理 学 療 法 士 の 認 定 を受 け た 理 学 療 法 士 が 担 当 す る こ とに よ って 、 負 担 の分
散 化 が 図 られ る もの と考 え る。
日本 理 学 療 法 士 協 会 の場 合 、 大 学 院 の修 了 で は専 門理 学 療 法 士 の 認 定 は 得 られ ない 。 こ の背
景 と して は、 理 学 療 法 士 の た め の 大 学 院 が まだ 量 的 に少 数 で あ る こ と と と もに 、 そ の 教 育 内容
が 高 度専 門 職 養 成 型 教 育 に な りきれ て い な い こ と に あ る。 した が っ て 、 日本 理 学 療 法 士 協 会 と
して は 、 高 度 専 門職 養 成 機 関 と して の 大 学 院教 育 に求 め る水 準 を提 示 して い く こ とが 重 要 で あ
る 。 さ ら に、 現 行 の研 究 業 績 を重 視 す る専 門 理 学療 法 士 認 定 で は な く、 学 習 水 準 と し て規 定 で
きる よ うな認 定 基 準 作 りが 必 要 で あ る と考 え る。 ア メ リ カの プ ロ フ ェ ッシ ョナ ルス クー ル で は 、
教 育 水 準 の 質 的 向上 の た め に ア ク レデ ィ テ ー シ ョンが 行 わ れ て い る 。 この ア ク レデ ィ テ ー シ ョ
ンに は 専 門 ア ク レデ ィテ ー シ ョン と機 関 ア ク レデ ィ テ ー シ ョ ンが あ る が 、 そ の う ち専 門 ア ク レ
デ ィテ ー シ ョ ンは政 府 認 定 の 専 門 ア ク レデ ィテ ー シ ョ ン協 会 に よっ て 評価 が な され る。 理 学 療
法 の 分 野 に お い て は 、 ア メ リカ理 学 療 法 士 協 会 が そ の役 割 を担 っ て い る27)。わ が 国 にお い て も
2000年 よ り大 学 評価 機構 が 設 置 され た が 、 これ は ア メ リカ で い う機 関 ア ク レデ ィ テー シ ョ ンの
一169一
理学療法士の生涯教育プログラムに関する教育学的考察(日
高
正 巳)
た め の 機 関 で あ り、 専 門 ア ク レデ ィテ ー シ ョン を行 っ て い くた め に は、 専 門職 能 団体 が 外 部 評
価 機 能 を 持 つ よ う に な る こ とが 必 要 で あ る。
(3)臨
床現場の役割
臨 床 現 場 で は 臨 床 経 験 を 通 し て 、 知 識 や 技 術 を 向 上 させ る 「現 場 研 修 」(OntheJob
Training)が
重 視 さ れ て い る 。 開 業 権 の な い理 学 療 法 士 は ほ と ん どが 労 働 者 と して 雇 用 され て
お り、 そ の雇 用 先 で多 くの対 象 者 と関 わ っ て い る こ と よ り、 雇 用 主 に対 す る責任 と対 象 者 に 対
す る責 任 の 二 つ を果 た さ な け れ ば な ら ない 。 対 象 者 に 対 して 、 自 らの 知 識 ・技術 を向 上 させ る
こ と に よ っ てサ ー ビス の質 的 向上 を 図 り、 技 術 ・知 識 を還 元 す る こ とが 必 要 で あ る。
生 涯 教 育 にお け る 臨床 現 場 の 役 割 と して は 、 雇 用 主 に求 め る とこ ろ が 大 きい 。 現 在 、 日本 の
労 働 時 間 は諸 外 国 に比 べ て 長 時 間 で あ る と され 、 週 休2日 制 の導 入 や 週40時 間制 度 の導 入 な ど
に よっ て 、 労働 時 間 の短 縮 が 図 られ て い る 。 週休2日
制 と生 涯 教 育 の 関係 につ い て、 山 下 は28)、
「周 囲 の 人 か ら 『強 制 的 に』 与 え られ た 課 題 を解 決 す る こ と と して の 学 習 で はな く、 誰 もが 、 自
らの 充 実 、 啓 発 や 生 活 向 上 の た め 、 自発 的 意 志 に基 づ い て、 いつ で も、 ど こ で も、 何 で も学 習
す る 、 志 向学 習 と して の 『生 涯 学 習 』 は 、働 く成 人 に とっ て は 、 週 休 二 日制 の確 立 、労 働 時 間
の 一 層 の 短 縮 が な け れ ば 、 絵 に画 い た モ チ に な る他 は な くな る の で は なか ろ う か」 と述 べ て い
る 。 週 休 二 日制 に よ って もた らさ れ る余 暇 や ゆ と りを、 自己 実現 の た め に使 用 す る とい う もの
で あ る。
ま た、ILOは1974年
の 第59回 総 会 に 於 い て 「有 給 教 育 休 暇 に 関す る条 約 」29)を採 択 し た。 こ
れ は、 教 育休 暇 が す べ ての 労 働 者 の権 利 と な る た め の制 度 で あ り、 給 与 の全 部又 は 一 部 が 支 給
され る有 給 の 休 暇 制 度 で あ る 。 労 働 者 が教 育 を受 け る た め に は 、 非 常 に有 効 な 制 度 で あ るが 、
わ が 国 は ま だ批 准 してい ない 。 ま た、 「
労 組 も、 夏休 み な どの長 期 休 暇、 年 次有 給 休 暇 の 完全 取
得 に対 して は、 力 を入 れ て い るが 、 有 給 教 育 休 暇 の 導 入 に つ い て は 、 そ れ ほ ど熱 心 で は ない 。
政 府 も、 労働 時 間の 短 縮 に 関 して は 、 週 休 二 日制 、有 給休 暇 の 取 得 、 夏休 み な ど に は力 をい れ
て い る が 、 有 給 教 育 休 暇 の 導 入 に まで は着 手 して い ない 」 と され る3°)。
こ れ らの 週 休 二 日制 や
有 給 教 育 休 暇 を導 入 す る こ とに よっ て 、 社 会 人 が 大 学 院 で の 学 習 や 研 究 を行 い や す い 環 境 が 整
備 され る もの と考 え る。
(4)生 涯 教 育 ・学 習 の 方 法
大 学 ・大 学 院 で の教 育 な らび に 協 会 が 行 う研 修 会 ・講 習 会 は、 特 定 の 時 間や 場 所 に学 習 者 が
出 向 い て い くこ と を前 提 と して い る通 学 方 式 に よ る もの で あ る。 白石 は31)、通 学 方 式 の 大 学 院
の 限界 に つ い て ① 地 理 的 限 界 、② 時 間 的 限界 、③ 経 済 的 限界 の3つ
を挙 げ て い る が 、 これ ら は
通 学 方 式 に よる学 習 方法 に共 通 した 問題 で あ る と考 え る。
ウ ィ ッテ ン(P.Whitten)は32)、
地 方在 住 の 医 師 や 医 療 技 術 者 が 参 加 しや す い継 続 的 医 学 教 育
一170一
佛教大学大学 院紀要
第29号(2001年3月)
プ ロ グ ラ ム の 提 供 を考 え る 中 で 、 双 方 向 ビ デ オ 学 習 シス テ ム につ い て 、 そ の 効 果 を従 来 の伝 統
的教 育 シ ス テ ム との 問 で比 較 検 討 を行 っ て い る 。 そ の 結 果 、 内容 や 講 師 、 プ ロ グ ラ ム の大 部 分
に お い て有 意 な差 を感 じて い な い と し、 差 が 見 られ た もの と して は 、 「視 覚 教 材 の読 み や す さ」
「
発 表 の視 聴 覚 的 拡 張性 」 にお い て伝 統 的 な 対 面 学 習 が優 れ て い る と した が 、 講 師 との 十分 な討
議 につ い て は、 双 方 向 ビデ オ 学 習 シス テ ム を用 い た メ ンバ ー の方 が 高 い 評価 を示 して い た と述
べ て い る。 また 、 ラ ン ジル(Langille)は33)、
継 続 的 医学 教 育 に お け る双 方 向 ビデ オ電 話 利 用 学
習 の満 足 度 と経 費 につ い て伝 統 的 な対 面 型 学 習 との 比 較 検 討 を行 っ て い る 。 学 習 効 果 につ い て
は 同 様 の 結 果 が 得 られ た と し、 参 加 者 の65%が 教 師 の70%が 満 足 で あ る と し て い る 。 そ して 、
費 用 面 に お い て も、 田舎 の場 合 、 参 加 の た め の 旅 費 や 宿 泊 費 を合 わ せ る と、 ビデ オ電 話 利 用 学
習 の方 が 安 価 で あ っ た と して い る。
通 学 の便 を考 え た もの と して 、 サ テ ラ イ ト教 室 の 設 置 が あ る 。 これ は、 大 学 院 の キ ャ ンパ ス
ま で終 業 後 に通 学 す る こ とが 困 難 な社 会 人大 学 院 生 に対 す る講 義 を 、 駅 前 な どの 通 学 の便 が よ
い とこ ろ に 教 室 を設 け て 、 そ こで 授 業 を 開 講 す る と い う も の で あ る 。 この 点 を発 展 的 に考 え る
な らば 、 中 核 的 な 医療 施 設 や福 祉 施 設 の研 修 室 等 をサ テ ラ イ ト教 室 と して 認 可 す る こ と に よ っ
て 、 さ らに 通 学 の便 が 得 られ る理 学 療 法 士 の 数 は 増 加 す る も の と考 え る。 しか しなが ら、 現 在
の我 が 国 に お け る大 学 院教 育 の教 員 は大 学 の 学 部 教 育 の教 員 との 兼務 で あ り、 学 部 教 育 で理 学
療 法 士 の 養 成教 育 を 実 施 し なが ら、 大 学 院教 育 を担 当 して い る の が 実 状 で あ る 。 そ うす れ ば 、
サ テ ラ イ ト教 室 の 設 置 につ い て も、 教 官 が 移 動 可 能 な 地域 に 限 定 さ れ ざ る を得 な くな る。
こ の よ う な特 定 の場 へ の 通 学 を基 本 と して い る大 学 院 は、 大 都 市 に 集 中 して お り、 地 方 の社
会 人 は通 学 が 困 難 とな る。 こ れ ら時 間 と場 所 の 問題 を克服 す る 方 法 と して、 我 が 国 にお い て も、
通 信 制 大 学 院 が1999年 度 よ り開始 さ れ た 。 理 学 療 法 学 の分 野 に お い て も一 部 の 大 学 で 通 信 制 大
学 院設 立 の準 備 が な され て い る こ とか ら、 今 後 期 待 され る とこ ろ で あ る。
今 回 の 調 査 結 果 に お い て 、 これ ま で の学 習 活 動 は 研 修 会 や 講 習 会へ の 参 加 が ほ とん どで あ っ
た の に対 して 、 今 後 充 実 を希 望 す る学 習 手 段 の 中 に は、 こ れ らの他 に イ ン ター ネ ッ ト教 材 や 大
学 通 信 教 育 の 割 合 が増 え て きて い た 。 こ の こ とは 、 イ ンタ ー ネ ッ トの 急 速 な普 及 や 大 学 院教 育
の実 現 に よ る と ころ が大 きい。 ま た、 大 学 審 議会 も 「『遠 隔 授 業 』 の 大 学 設 置基 準 に お け る取 扱
い等 に つ い て 」34)の答 申 を出 して い る こ とか ら、 生 涯 教 育 の 時 間 と場 所 を越 えた 教 育 を考 え た
場 合 、 通 信 教 育 や 今 後 よ り一 層 普 及 して くる イ ン タ ー ネ ッ トの活 用 を考 えた 多 彩 な遠 隔 学 習 プ
ロ グ ラ ム35,36)の
実施が必要である。
そ して 、 時 間 や場 所 に 関係 な く、 自 己 決 定 的 学 習 が 継 続 的 に可 能 に な って きた 場 合 に は、 日
本 理 学 療 法 士 協 会 と して も、米 国看 護 協 会 が 定 め て い る よ うな 、 「自己 決 定 的継 続 学 習 の認 定 基
準 」37)を明 確 に示 し、 そ の 学 習 成 果 を 的確 に 認 定 し て い くこ とが 必 要 に な って くる もの と考 え
られ る。
-171一
理 学 療 法 士 の 生 涯 教 育 プ ロ グ ラ ム に 関 す る 教 育 学 的 考 察(日
結
高
正 巳)
語
理 学 療 法 士 の 生 涯 教 育 プ ロ グ ラ ム 参 加 に 影 響 す る 因 子 に つ い て 、 研 修 会 等 の 開 催 日程 、 開 催
場 所 に 対 す る ア ン ケ ー ト調 査 を 実 施 し分 析 を 行 っ た 。
開 催 日 程 と し て は 、 秋 、 週 末 、 午 後 、2∼4時
間 程 度 、 数 日 以 内 、 年 数 回 と い う条 件 が 参 加
し や す い こ と を 示 し 、 春 、 平 日 、 午 前 な ら び に 長 時 間 、 長 期 間 に わ た る も の は 参 加 し に くい こ
とが 明 らか とな っ た 。
これ らの こ とを 踏 ま えて 、 高 度 専 門職 養 成 と して の教 育 的対 策 と して は、 社 会 人大 学 院 の 充
実 と して 、 夜 間大 学 院 を含 め た 多 様 な プ ロ グ ラ ムが 必 要 で あ る 。 さ ら に、 通 学 方 式 に と ら われ
る の で は な く 、 遠 隔 学 習 プ ロ グ ラ ム と し て 、 通 信 制 プ ロ グ ラ ム 、 イ ン タ ー ネ ッ ト教 育 等 の 充 実
が 今 後 必 要 に な っ て くる と 考 え ら れ る 。
〔注 〕
1)森
田希一
「生 涯 教 育 論 の 登 場 」(白
石 克 己 編:『
隼 涯 学 習 論 、 自 立 と 共 生 』 所 収),実
務 教 育 出 版,
1997年,13-17頁.
2)P.Lengrand(波
3)小
多 野 完 治 訳)『 生 涯 教 育 入 門 第 一 部 』,全
橋 佐知子
「OECDの
日 本 社 会 教 育 連 合 会,1982年.
リ カ レ ン ト教 育 」(『 教 職 研 修 総 合 特 集 、 新 生 涯 教 育 読 本 』 所 収),教
育 開発
研 究 所,1991年,37-43頁.
4)小
橋 佐知子
「ユ ネ ス コ の 生 涯 教 育 理 念 」(『 教 職 研 修 総 合 特 集 、 新 生 涯 教 育 読 本 』 所 収),教
育 開発 研
究 所,1991年,30-36頁.
5)OECD『LifelongLearningforAll』,1996年.
6)広
井良典
「医 学 ・科 学 ・環 境 、 医 療 技 術 の 新 し い モ デ ル に 向 け て 」(西 村 昭 男 編
『医 療 科 学 』 所 収),
医 療 文 化 社,1999年,53-68頁.
7)KarpNVrPhysicalTherapyContinuingEducation,PartI:PerceivedBarriersandPreferences
(『JContEducHealthProf』12巻
所 収),1992年,111-120頁.
8)KarpNV「PhysicalTherapyContinuingEducation,PartII:MotivatingFactors」(『JContEduc
HealthProf』12巻
所 収),1992年,171-179頁.
9)KarpNV「PhysicalTherapyContinuingEducation,PartIII:AFramework」(『JContEduc
HealthProf』12巻
所 収),1992年,241-248頁.
10)TassoneMR,etalGeographicalChallengesforPhysicalTherapyContinuingEducation:
PreferencesandInfluences」(『PhysTher』77巻
11)溝
呂木忠
所 収),1997年,285-295頁.
「我 が 国 に お け る 理 学 療 法 士 の 卒 後 教 育 」(『 理 学 療 法 と 作 業 療 法 』12巻
所 収),1978年,3-9
頁.
12)紀
伊 克 昌 「理 学 療 法 士 の 卒 後 教 育 の 体 系 化 」(『理 学 療 法 ジ ャ ー ナ ル 』23巻 所 収),1989年,150-155頁.
13)文
部省
『21世 紀 医 学 ・医 療 懇 談 会 教 育 部 会 報 告 』,1996年.
172
佛教 大学大学院紀要
14)和
田修 二
第29号(2001年3月)
「大 学 に お け る 一 般 教 育 の 再 生 」(和
田修 二
『教 育 す る 勇 気 』 所 収),玉
川 大 学 出 版 部,
1995年,183-200頁.
15)藤
崎 和 彦 ・中 村 千 賀 子
16)河
村 光俊
・他
「大 綱 化 に 伴 う 一 般 教 育 の 変 化 」(『 医 学 教 育 』29巻 所 収),1998年,159-164頁.
「理 学 療 法 教 育 課 程 と カ リ キ ュ ラ ム 」(『 理 学 療 法 ジ ャ ー ナ ル 』29巻
所 収),1995年,
195-201頁.
17)Editors「EducationProgramsLeadingtoQualificationsasaPhysicalTherapist」(『PhysTher』77
巻 所 収),1997年,1766-1777頁.
18)Editors「EducationProgramsLeadingtoQualificationsasaPhysicalTherapist」(『PhysTher』78
巻 所 収),1998年,1350-1362頁.
19)山
田礼 子
『プ ロ フ ェ ッ シ ョ ナ ル ス ク ー ル 』,玉 川 大 学 出 版 部,1998年.
20)宮
脇 陽三
「大 学 看 護 学 部 教 育 制 度 に つ い て の 成 人 教 育 学 的 考 察 」(『 佛 教 大 学 教 育 学 部 論 集 』 第7号
所 収),1996年,37-57頁.
21)生
田周 二
「大 学 の 生 涯 学 習 計 画 」(上 杉 孝 實 編
『生 涯 学 習 と 計 画 』 所 収),松
22)猪
山勝 利
「生 涯 学 習 の 推 進 と 大 学 」(『 大 学 と学 生 』377号
23)那
須野 隆一
籟 社,1999年,51-71頁
.
所 収),1997年,14-21頁.
「地 域 づ く り に お け る 大 学 の 役 割 、 日 本 福 祉 大 学 生 涯 学 習 セ ン タ ー の 事 業 を 中 心 に 」(日
本社会教育学会編
『日 本 の 社 会 教 育 第42集
、 高 等 教 育 と生 涯 学 習 』 所 収),1998年,70-79頁.
24)新
堀通也
「研 究 の 概 要 」(新 堀 通 也 編
『夜 間 大 学 院 』 所 収),東
25)牧
野暢 男
「社 会 人 の 大 学 院 」(市 川 昭 午 、 喜 多 村 和 之 編
信 堂,1999年,10-14頁.
『現 代 の 大 学 院 教 育 』 所 収),玉
川 大 学 出版
部,1995年,257-274頁.
26)日
本理学療法士協会
27)山
田礼 子
『生 涯 学 習 手 帳 』,1997年.
「ア ク レ デ ィ テ ー シ ョ ン の 概 要 」(山
田礼 子
『プ ロ フ ェ ッ シ ョ ナ ル ス ケ ー ル 』 所 収),玉
川
大 学 出 版 部,1998年,60-75頁
28)山
下政俊
「週 休 二 日制 と生 涯 教 育 」(『 教 職 研 修 総 合 特 集 、 新 生 涯 教 育 読 本 』 所 収),教
育 開 発 研 究 所,
1991年,290-295頁.
29)日
本生涯教育学会
30)瀬
沼克彰
『生 涯 学 習 事 典 』,東 京 書 籍,1992年,216-217頁.
「有 給 教 育 休 暇 制 度 の 課 題 」(『 教 職 研 修 総 合 特 集 、 新 生 涯 教 育 読 本 』 所 収),教
育開発研究
所,1991年,245-251頁.
31)白
石克己
「通 信 制 大 学 院 の 意 義 、 広 が る 社 会 人 の 学 習 機 会 」(『 社 会 教 育 』53巻
所 収),1998年,20-23
頁.
32)P.Whitten,DJFordetalComparisonofFace-to-FaceversusInteractiveVideoContinuing
MedicalEducationDeliveryModalities」(『JCont.Edu.HealthProf.』18巻
所 収),1998年,93-99頁.
33)DBLangille,JMSargeantetalAssessmentoftheAcceptabilityandCostsofInteractive
VideoconferencingforContinuingMedicalEducationinNovaScotia」(『JCont.Edu.HealthProf』
18巻 所 収),1998年,ll-19頁.
34)大
学審議会
35)宮
脇 陽三
『「遠 隔 授 業 」 の 大 学 設 置 基 準 に お け る 取 扱 い 等 に つ い て(答
申)』,平
成9年12月18日.
「通 信 教 育 に お け る ビ デ オ 電 話 利 用 学 習 に つ い て の 一 考 察 」(『 仏 法 と 教 育 の 森 』 所 収),
1991年,317-328頁.
173一
理 学療 法士 の生 涯 教育 プ ロ グラ ムに 関す る教 育学 的 考察(日
高
正 巳)
36)関
川 暁 他 「イ ン ター ネ ッ トを利 用 した 疫 学 遠 隔 教 育 」(『医 学教 育 』30巻 所 収),1999年,55-59頁.
37)宮
脇 陽三 「米 国 看 護 協 会 に よる 自己 決 定 的 継 続 教 育 の認 定 基 準 」(『佛 教 大 学 教 育 学 部論 集 』 第8号
所 収),1997年,57-67頁.
(ひ だ か
ま さみ
神 戸 大 学 医 学 部 保 健 学 科)
(指 導 教 員:宮
脇
陽 三 教 授)
2000年10月18日
一T74一
受理
Fly UP