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出荷豚絶食の肉質検査に対する影響について 当研究所では銘柄豚の

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出荷豚絶食の肉質検査に対する影響について 当研究所では銘柄豚の
○出荷豚絶食の肉質検査に対する影響について
当研究所では銘柄豚の評価技術の開発及びイノシシとアワヨークの交雑家系によるDNA
マーカーを利用した育種技術の開発等で豚肉の肉質検査を多数実施していますが、豚の出荷
時の絶食がどの程度肉質検査に影響を与えるのかこれまで検討したことがありませんでし
た。
一般的に出荷前に絶食する方が少ないながらも飼料の無駄をなくし、解体時の衛生面でも
良いと思われますが、絶食は肉の品質にも影響するという報告もあることから、今回、豚の
出荷時の絶食が豚肉の肉質検査項目にどの程度影響を及ぼすのかについて調査したので紹介
します。
試験に使用した豚は大ヨ−クシャ−種24頭で絶食区(約24時間)
、給餌区の各12頭です。
肉質検査はと殺後一昼夜冷蔵した胸最長筋(ロース)について実施しました。
1
供試豚の概要
平均格付け、歩留まりともは給餌区が少し良かったですが大きな差はありませんでした。
性去勢 雌
平均
出荷日齢
出荷体重
と体重
歩留まり
格付け*
(日)
(kg)
(kg)
(%)
絶食区
12
0
2.09
185.0
115.9
73.3
63.3
給餌区
11
1
1.75
191.4
114.5
72.6
63.4
*上1、中2、並3、外4として計算
2
肉質検査結果
肉中の全糖及び肉色において差がみられ、絶食区では全糖が少なく、赤色度を表すa*値お
よび黄色度を表すb*値ともに低い結果となりました。これは、絶食により肉色が濃くなるこ
とを示しています。
また、絶食により保水性が高くなる傾向がみられました。
DFD肉は、暗く、しまりがあり、乾いた肉の総称で、肉色と保存性が悪いため異常肉と
されていますが味は良いといわれています。
DFD肉の原因として、と殺前の全糖( グリコーゲン量)が関係するという報告がありま
す。今回の結果は、絶食により全糖含量は減少するものの、24時 間程度の絶食ではDFD
肉の発生はなく、むしろ保水性が高く、肉のしまりがある品質の良い豚肉の生産が可能にな
ることを示しています。
さらに、骨格筋の微細構造を調査することで、保水性に及ぼす各種効果を明らかにし、高
品質豚肉生産のための育種面、飼養面からのトータル的なアプローチを行っています。
項目
絶食区
給与区
5.72
5.60
加圧保水性(%)
76.8
73.3
遠心保水性(%)
66.23
64.75
pH
伸展率(cm2/g)
23.80
22.40
加熱損失率(%)
26.14
26.47
圧搾肉汁(%)
43.54
42.46
剪断力価(kg/cm2)
41.11
3.55
3.22
3.65
ヘマチン(mg/100g)
0.561
全糖(g/100g)
0.938 **
PCS
3.63
3.65
しまり
1.42
1.83
L値
47.85
48.73
a値
7.54
8.36
b値
0.97
1.73
L値
47.68
49.05
a値
7.91
9.40 **
b値
2.88
4.40 *
カット直後
肉色
カット1時間後
* :p<0.05 ** :p<0.0
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