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ステロイド外用薬の正しい使い方

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ステロイド外用薬の正しい使い方
ステロイド外用薬の正しい使い方
監修:九州大学大学院皮膚科学分野 教授
ステロイド外用薬の分類
強
ステロイド外用薬の効果と副作用
薬の強さ
Ⅰ群 ストロンゲスト
【Strongest:SG】
効 果
●皮膚の炎症を抑える
Ⅱ群 ベリーストロング【Very Strong:VS】
副作用
●皮膚が赤くなる
●毛細血管が拡張する
●皮膚がやや薄くなる
●にきびの悪化
●かぶれ
●薬を塗った部分に毛が増える
など
Ⅲ群 ストロング【Strong:S】
Ⅳ群 マイルド
(ミディアム)
【Medium:M】
弱
古江 増隆 先生
Ⅴ群 ウィーク
【Weak:W】
ステロイド外用薬の分類
ステロイド外用薬は、効果の強さによってストロンゲストからウィークまで5つのランクに分けられています。皮膚の炎症
の程度、皮膚症状の部位、患者さんの年齢などを考慮して、適切な強さの外用薬が選択されます。
顔、首や陰部などでは、外用薬の体内への吸収が良いため、薬効の弱い外用薬が選択されます。
また、乳幼児では吸収率
が高く、
お年寄りでは皮膚が薄くなっているため、弱めの外用薬を使用します。
ステロイド外用薬の効果と副作用
ステロイド外用薬は副腎で作られるホルモンを人工的に合成したもので、炎症を抑える効果があります。一方、副作用
としては以下のようなことがいえます。注射薬や飲み薬は、全身に作用するため全身性の副作用がでることがあります。
塗り薬は、皮膚の患部で作用するため、皮膚から吸収されても血液中に入る量はごくわずかです。通常の使用量では
全身性の副作用はまず発現しません。塗り薬による副作用は、塗った皮膚局所に生じるものです。ほとんどの副作用は
ステロイド外用薬の使用量が少なくなると、元の健常な状態に回復します。
ステロイド外用薬の塗り方
軟膏・クリームの場合
ローションの場合
1円玉程度の
大きさ
(実物大)
第一関節分
(約0.5g)
大人の手2枚分くらいの広さの患部に。
5gチューブ1本で、大人の手20枚分に相当します。
軟膏・クリームの場合:
大人の人差し指の先端から第一関節までの長さをチューブから押し出した量(おおよそ、0.5g)を、大人の手2枚分の
面積に塗るのが適量です。
ローションの場合:
1円玉くらいの大きさの円状に出した量を大人の手2枚分に塗ります。
具体的には、
お子さんの皮膚の炎症症状の範囲が、
お母さんの手で5枚分だったとします。
その場合、
計算すると、
1日1回
塗るとして4日間で5gのチューブを1本使用することになります。
外用薬の塗り方(アトピー性皮膚炎の場合)
アトピー性皮膚炎のreactive療法
軽快している期間がだんだん伸びてくる
皮膚炎の強さ
時間経過
適量をしっかり外用する※+保湿剤
保湿剤は毎日欠かさず全身に塗る
外用薬※はその日痒かったところに1日1回重ね塗りする
※ステロイド外用薬・タクロリムス外用薬
アトピー性皮膚炎のproactive療法
皮膚炎の強さ
週に3回
週に2回
週に1回
週に2回
週に1回
時間経過
適量をしっかり外用する※+保湿剤
症状が軽くても今までの発疹が出たところ全体に、
週に3∼2∼1日は薄く塗りのばす※
※ステロイド外用薬・タクロリムス外用薬
保湿剤は毎日欠かさず全身に塗る
アトピー性皮膚炎の急性期の皮膚炎症を抑えるためには、
ステロイド外用薬が基本です。皮膚の炎症が悪くなったとき
だけステロイド外用薬やタクロリムス軟膏を塗る方法(reactive療法)ではなく、炎症が収まって、良い状態が続いて
いるとき
(寛解維持期)
にも保湿剤の外用と組み合わせて、
間歇的にステロイド外用薬やタクロリムス軟膏を使用する方法
(proactive療法)が有用です。
この方法は、皮膚の炎症の再燃を抑えることが可能といわれています。
日本アレルギー学会:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2012,協和企画,2012.
2013年6月作成
SG10-1306P
ANTTZ005C
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