梱包資材の全面リターナブル化へ

News Release
平成１６年２月５日
新物流システムの構築により、梱包資材の全面リターナブル化へ
旭 化 成 ホ ー ム ズ 株 式 会 社（ 本 社 ： 東 京 都 新 宿 区 、代 表 取 締 役 社 長 ： 岡 本 利 明 ）は 、
住 設 ・ 部 材 メ ー カ ー 各 社 と 共 同 で リ ユ ー ス 可 能 な 梱 包 資 材 を 開 発 し 、現 在 構 築 中 の 新
物流システム（※注１）に梱包資材の回収システムを組み込むことにより、梱包資材の
全面リターナブル化に取り組みます。
既にヤマハリビングテック㈱と共同で新たなキッチンセット梱包材を開発しており、
本年４月より関西地区から展開を開始します。
梱 包 資 材 の リ タ ー ナ ブ ル 化 は 、こ れ ま で は 主 に 住 設 ・ 部 材 メ ー カ ー に よ り 個 別 に 取
り 組 ま れ て き ま し た が 、納 入 先 で あ る 新 築 現 場 が 個 別 散 在 す る た め 回 収 シ ス テ ム の 整
備 が 難 し く 、進 展 が 遅 れ て い ま し た 。そ こ で 当 社 は 、 回 収 コ ス ト ・ 搬 入 部 材 の 品 質 確
保 ・ 梱 包 資 材 の 管 理 と い っ た リ タ ー ナ ブ ル 化 の 課 題 を 克 服 す る た め 、全 国 ６ 箇 所 の 物
流 セ ン タ ー を 活 用 し た 回 収 ル ー ト を 確 立 し 、ハ ウ ス メ ー カ ー 主 導 に よ る 全 部 材 の 梱 包
リターナブル化を推進することとしました。
また、木枠・建具については梱包および輸送パレットの開発が完了、洗面化粧台や下
駄箱などについても開発が進んでおり、平成１７年度中に全面リターナブル化を実現す
る予定です。
な お 、今 回 開 発 し た リ タ ー ナ ブ ル 梱 包 資 材 や 輸 送 パ レ ッ ト な ど に つ い て は 、 今 後 他
のハウスメーカーにも共同活用を呼びかけていく予定です。
Ⅰ .取 り 組 み の 背 景
「 ロ ン グ ラ イ フ 住 宅 の 実 現 」を 目 指 す 当 社 で は 、住 ま い の 長 期 耐 用 化 に よ る 地
球 環 境 へ の 対 応 を 進 め て い ま す が 、新 築 現 場 に お け る 環 境 対 応 に つ い て は リ デ ュ
ース・リユースの推進を最重要課題として取り組んでいます。
新 築 現 場 に お い て 発 生 す る 梱 包 資 材 の 排 出 量 は 、１ 棟 あ た り 約 ３ ．５ ㎥ 程 度 に
上 り ま す 。こ れ を 抑 制 す る た め に ハ ウ ス メ ー カ ー 各 社 で は 、住 設 ・ 部 材 メ ー カ ー
に 対 し て 梱 包 材 の リ デ ュ ー ス ・ リ ユ ー ス を 要 請 し て い ま す 。し か し な が ら 、納 入
先 の 新 築 現 場 は 個 別 散 在 し て い る た め 、リ ユ ー ス を 実 現 す る に は 回 収 ル ー ト の 確
立が大きな課題となっています。
当 社 で は 現 在 、平 成 １ ７ 年 度 中 の 完 成 に 向 け 、品 質 向 上 ・ コ ス ト 削 減 ・ 工 期 短
縮 を 目 標 と し た 新 物 流 シ ス テ ム の 構 築 に 取 り 組 ん で い ま す 。こ の 高 効 率 な 新 物 流
シ ス テ ム の 中 に 新 築 現 場 か ら の 梱 包 資 材 回 収 ル ー ト を 組 み 込 む こ と に よ り 、普 及
の 遅 れ て い る 梱 包 資 材 の リ ユ ー ス（ リ タ ー ナ ブ ル 化 ）を ハ ウ ス メ ー カ ー 主 導 で 実
現 す る こ と と し ま し た 。こ れ に よ り 現 場 発 生 排 出 物 を 抑 制 す る こ と で 、環 境 問 題
への対応を一層進展します。
Ⅱ .開 発 し た リ タ ー ナ ブ ル 梱 包 資 材
１ .ヤ マ ハ リ ビ ン グ テ ッ ク ㈱ キ ッ チ ン セ ッ ト 梱 包 資 材
・ 梱 包 材 ・ 管 材 の 主 原 料 は 古 紙 。緩 衝 材 は ポ リ エ チ レ ン 。保 護 材 は ポ リ プ ロ ピ
レン。
・ 現 在 １ キ ッ チ ン あ た り 約 ２ ５ ｋ ｇ（ 年 間 総 量 約 ２ ５ ０ ｔ ）発 生 し て い る 廃 棄
ダンボールを削減。
・梱包材コストは１０倍程度となるが、２０～３０回の繰り返し使用が可能。
・ 梱 包 容 器 は 配 送 時 に 開 梱 し て 持 ち 帰 る（ 現 場 に 残 す の は 保 護 用 ポ リ エ チ レ ン
袋のみ）。
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・ 梱 包 容 器 は 平 面 状 に 展 開 で き る の で 、回 収 ・ 保 管 時 は 体 積 が 小 さ く 場 所 を 取
らない。
・単純な構造・形状のため既存の製造ラインとなじみがよく拡大展開が容易。
２ .木 枠 ・ 建 具 枠 用 梱 包 資 材 と 輸 送 パ レ ッ ト
・梱包材の原料はプラスチックダンボール。
・ 現 在 １ 棟 あ た り 約 ３ ８ ｋ ｇ（ 年 間 総 量 約 ３ ４ ０ ｔ ）発 生 し て い る ダ ン ボ ー ル
を削減。
・繰り返し使用が可能なプラスチック梱包材と輸送パレットの組み合せによ
り、最低限の養生材以外は配送時に持ち帰り可能。
・パレット単位での邸別輸送を行うことで現場での部材取り出しが容易とな
り、品質・効率ともに向上。
・梱包材が展開可能で、回収・保管時に場所を取らない。
Ⅲ .今 後 の 展 開
現 在 、当 社 に 設 備 ・ 部 材 を 納 入 す る 各 社 と 共 同 開 発 お よ び 試 行 を 進 め て い ま す 。
汎 用 性 の 高 い 梱 包 資 材 を 仕 様 化 す る こ と で 、同 品 目 を 納 入 す る 各 社 間 の 共 同 使 用
を可能とし、平成１７年度中には梱包資材の全面リターナブル化を実現します。
ま た 、今 回 開 発 し た 仕 様 が 普 及 拡 大 す れ ば 、納 入 メ ー カ ー ・ ハ ウ ス メ ー カ ー と
も に コ ス ト ダ ウ ン 効 果 が 高 ま る た め 、今 後 は 他 の ハ ウ ス メ ー カ ー に も 積 極 的 導 入
を呼びかけていく予定です。
（※注１）新物流システム
現 在 当 社 で は 、住 宅 設 備 機 器 や 内 装 部 材 の 配 送 に つ い て 、物 流 セ ン タ ー を 核 と
し た Ｊ Ｉ Ｔ（ ジ ャ ス ト イ ン タ イ ム ）物 流 の 実 現 を 進 め て い ま す 。Ｉ Ｔ を 活 用 し た
新 た な 物 流 シ ス テ ム を 平 成 １ ７ 年 度 中 に 構 築 し 、住 設 ・ 部 材 メ ー カ ー 主 体 か ら 新
築 現 場 工 程 主 体 の 仕 組 み に 切 り 替 え る こ と に よ り 、品 質 向 上 ・ コ ス ト 削 減 ・ 工 期
短縮などを目指します。
住設・部材メーカーなどから個別の新築現場に直接納入する既存の物流ルー
ト で は 、必 要 な も の を 必 要 な 時 に タ イ ミ ン グ よ く 現 場 に 搬 入 す る Ｊ Ｉ Ｔ 物 流 が 困
難 で し た 。そ の た め 、部 材 の 集 約 拠 点 と な る 物 流 セ ン タ ー を 全 国 ６ 箇 所 に 設 置 し 、
住設・部材メーカーから物流センターに納品することにより部材を一旦ここに
集 約 さ せ ま す 。各 新 築 現 場 が 必 要 と す る 部 材 を 現 場 に 近 い 場 所 で 邸 別 に パ ッ ケ ー
ジ ン グ で き る こ と か ら 、Ｊ Ｉ Ｔ 物 流 の 実 現 と と も に 配 送 回 数 の 削 減 を 図 る こ と が
できます。物流センターの運営は、住宅物流大手のセンコー㈱に委託します。
ま た 、Ｊ Ｉ Ｔ 物 流 を 実 現 す る た め に は 、個 別 に 散 在 す る 新 築 現 場 の 進 捗 具 合 を
リ ア ル タ イ ム で 正 確 に 把 握 し 、適 切 な タ イ ミ ン グ で 搬 入 指 図 を 行 な う こ と が 必 要
です。このために、ＩＴを活用した新工程管理システムを構築しました。
な お 、こ の 高 効 率 な 新 物 流 シ ス テ ム の 中 に 新 築 現 場 か ら の 梱 包 資 材 回 収 ル ー ト
を 組 み 込 む こ と に よ り 、回 収 コ ス ト や 梱 包 資 材 の 管 理 と い っ た 納 入 メ ー カ ー に と
っての課題が克服されるため、梱包資材のリターナブル化が可能となります。
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【ヤマハリビングテック㈱キッチンセット梱 包 資 材 】
＜現 状 のキッチン梱 包 資 材 ＞
カウンター類
キャビネット類
＜今 回 開 発 されたリターナブル梱 包 資 材 ＞
＜梱 包 材 を展 開 した状 態 ＞
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＜キッチンセット梱 包 資 材 のリターナブルルート＞
旭 化 成 ホームズ
キッチンメーカー
調達
生 産 ライン
投 入 （梱 包 ）
現場配送
保管
物流
センター
その場 で開 梱 し
梱 包 容 器 など を
持 ち 帰 り、 ポ リ エ
チレン袋 は残 す
新築
現場
再使用
返却
回収容器の
清 掃 、点 検 、
補修
梱包容器な
どが輸 送 に
適 した量 にな
る ま で蓄 積
再使用不可
マテリアルリサイクル
ヒートリサイクルなど
【木 枠 ・建 具 枠 用 梱 包 資 材 と輸 送 パレット】
＜現 状 の梱 包 ＞
ポリエチレン袋
ダンボール
木枠梱包状態
建具梱包状態
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ダンボール
＜今 回 開 発 された木 枠 ・建 具 リターナブル梱 包 資 材 ＞
プラスチックダンボール
ポリエチレンフィルム
木枠梱包状態
建具梱包状態
開梱状態
梱包作業状態
＜輸 送 用 オリジナルパレット＞
木枠
リタ ー ナ ブ ル 梱 包
パ レッ ト
建具
リタ ー ナ ブ ル 梱 包
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＜木 枠 ・建 具 梱 包 資 材 のリターナブルルート＞
旭 化 成 ホームズ
木 枠 建 具 メーカー
生 産 ライン
投 入 （梱 包 ）
調達
保管
回収容器の
清 掃 、点 検 、
補修
新築
現場
物流
センター
再使用
配送時に
開 梱 、ま た
は 、次 回 配
送 便 で持
ち帰 る
現場配送
返却
梱包容器
など が 輸 送
に適 した量
に なる ま で
蓄積
再使用不可
マテリアルリサイクル
ヒートリサイクルなど
＜本件に関するお問い合わせ先＞
旭化成ホームズ株式会社 広報室 木村、岩本、帯屋
〒１６０－８３４５ 東京都新宿区西新宿１－２４－１
（電話）０３－３３４４－７１１５
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エステック情報ビル