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平成17年度和歌山県高校総体登山競技 審査講評 計画書 計画書
平成17年度和歌山県高校総体登山競技 審査講評 ◎ 計画書 計画書については【メンバー表・装備(個人・団体に分ける)・行程表(時間または距離 の記入のあること)・断面図・食料計画・緊急連絡先】について、1項目3点で最大減点 18点、未提出はマイナス20点で審査しました。概ね全パーティーともよくできていま したが、必要事項だけを記入していればいいやという、装丁が雑であるパーティーも見受 けられた。 計画書は、パーティーの資料であると同時に、登山届けとしての提出物であり、第三者が 見てもよくわかるように記載し、極端な小さな字は避け、加筆ができることも必要です。 緊急連絡先は、休日・夜間の連絡先も記載すること。 行程は、自宅・学校から帰るまで。 断面図は水平距離と標高の比を正しくして地形を読み取れるような工夫も必要です。 ◎ 知 識 今回の出題は、過去の問題を中心に山の基礎知識、大会コース、救急法について出題し ました。準備して望んだパーティーはおおむねよくできていたと思います。登山は、ただ 山に登るだけではなく、生活技術や体力を含めて総合的な力量が試される競技です。 知識に関しても、単に知っているだけではなく、実際の登山行動に生かせなければ何もな りません。そういった観点に立って日頃から学習してください。 今回は、過去にあまり出題されていなかった観天望気について若干出題しています。観 天望気だけで山での天候の変化を予測することはできませんが、雲の形や名称、その特徴 についても日頃から興味を持ってほしいと思います。また、今回は救急法について、あま り出題していませんでしたが、全国高体連から示されている参考図書などを活用して、学 習を深め、実践で活用できる力量を身につけてほしいと思います。 ◎ 天気図 今回の放送は、基準となる等圧線が放送されませんでした。そのため、書くことができ ない人もいたと思いますが、それだけに普段からいかに多くの天気図を書いたり見たりし ているかが分かれ目となりました。 記入の手順は、まず、全体的な高気圧と低気圧の傾向を判断します。日本付近から台風 4号まで南北に大きな気圧の谷になっています。また、日本の東と大陸が気圧の高い所に なっていました。これらの高気圧と低気圧の間に1008hPaを引くとよかったと思い ます。また、台風については、記載する範囲にはありませんが、等圧線の記入は必要にな ります。東の高気圧についても同様です。 天気図をもとに行う予報については、予報の根拠となる事項も記入してください。 ◎ 炊事・生活技術 評価基準通り必要用具として、シート、風防、コンロ台、軍手のチェック及び計画書通 りにメニューがたてられ、制限時間内で調理ができているか確認しました。おおむね良好 でうまく食事が作れていたと思いますが、火気使用中に軍手を床に置いたままのパーティ ーが2.3あったと思います。 ◎ 耐久力 標準時間にゴールしたパーティー数は、縦走男子8パーティ、踏査男子9パーティー、 踏査女子2パーティーであった。夏季大会など今後の山行に向け、日頃の練習を積み重 ねてください。 中間計量では、男子60kg未満のパーティーはありませんでした。スタートしてから ゴールするまでの間の減量はⅠパーティー当たり平均13.0kg、一人当たりに換算す ると3.3kgになりました。今後の山行のための参考データとして下さい。ちなみにゴ ール地点で60kg未満となったパーティーは2パーティーでした。 ◎ 読 図 制限時間のある中、歩きながらの読図は苦労も多かったと思います。今回、満点が8チ ームとたいへんよい成績だったと思います。 地図を広げて現在地を確認することも大切ですが、あわせて何百mか先の地形を地図で 確認してから歩くとよい練習になると思います。今回の読図ポイントは、全て地図上で特 定できる地点に設置しました。読図ポイントが尾根上に設置されていたにもかかわらず、 地図上では谷に解答している者がありました。正解とのずれが小さくとも大きな間違いだ と思います。 解答用紙に書き込んだ正解と併せ、以下の観点も参考にしてください。今回の読図ポイ ントの地形的な特徴は以下の通りです。 地点F:登山道が西の小尾根に入った地点。 地点A:林道対岸西からの小谷の合流点、北側に2mm以上ずれた場合、東からの谷の 合流点となるため北側の許容誤差は2mmとしました。 地点Y:北斜面からやせた尾根上に出た地点、東側へ2mm以上ずれた場合、尾根上で なくなるため、東側の許容誤差は2mmとしました。 地点B:如法山西の尾根の上、地図上で前後2mmのずれは谷上になるため、許容誤差 は2mmとしました。 地点J:登山道が尾根上から北側斜面に移る地点、西側へ2mm以上ずれた場合、尾根 上でなくなるため.、西側の許容誤差は2mmとしました。 なお、解答は、ルートに直交する細い線で記入してください。 ◎ 幕 営 ほとんどのパーティーが時間内で設営できた。審査項目の中で特に幕営後の耐久性(張 り綱・ペグ)はどうかを慎重に見ました。悪天候を予想した時、テントはどうなるかを念 頭に入れながらチェックしました。一部ですが、マイナス点が生じたパーティーはほとん どが上記の項目です。従って山行では拠り所であるテント生活が快適になるためにも、ど んな状況でも耐えられる幕営をこころがけて下さい。 ◎ 装 備 地図と磁石については、すぐに取り出せるところに収納していないパーティーがいくつ か見受けられた。常に現在地点を確認しながら歩くという観点から言うと具合が悪いもの です。 テントを携行していない踏査チームに、ツェルトを持っていないチームが多かったのも 問題です。 ◎ マナー・チームワーク マナーの点では ・今回は、比較的体育館・テントサイトでやかましいパーティーが少なかったように 思う。睡眠不足は、体力低下・注意力散漫につながり、翌日の山行に支障をきたす ので今後も絶対に就寝・起床時間を守ること。 チームワークの点では ・チームが間延びしたり、パーティーの中で遅れた子を放ってくるということも比較 的少なかったように思う。今後もチームワークを大切にして安全で快適な山行を心 がけてもらいたい。 頑張った点では ・あきらめずに12時間あまりをかけてコースを踏破したパーティーがいたこと。大 会運営上どうなるのかという危惧はあったのですが、最後まで歩くとスイーバーの 先生に申し入れて歩ききったのは、見事と言うか、ご苦労様でした。