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ホウレンソウ ベと病菌レース12
平成28年10月3日(月)岐阜県発表資料 担 当 課 担 当 係 担 当 者 電 話 番 号 病害虫防除所 企画情報係 石川・安田 058-239-3161(直通) 農産園芸課 クリーン 農業係 三輪・松原 内線 2664 直通 058-272-8435 FAX058-278-2692 病害虫発生予察特殊報(第1号)を発表 (ホウレンソウ ベと病菌レース12) ホウレンソウの「ベと病菌レース12」について、県内での初発生を確認したため、病害 虫発生予察特殊報(別添資料)を発表しました。 ホウレンソウのべと病は糸状菌(カビ)により引き起こされる病害で、品種に対する病原性 の違いによって、その菌系(レース)が分類されています。これまで本県ではレース1~10あ るいは1~11に抵抗性を有する品種が栽培されていましたが、今回、県内で初めてレース12 による本病の発生が確認されました。 記 1 作 物 名 ホウレンソウ 2 病害虫名 ホウレンソウ ベと病レース12 3 発生状況 (1) 平成27年12月、県内の冬春ホウレンソウの本病レース1~10抵抗性品種及 びレース1~11抵抗性品種で、本病の発生が確認された。 (2) 県農業技術センターより国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構野菜 花き研究部門へ検定を依頼した結果、本県では未確認の本病レース12であること が確認された。 4 病徴 ホウレンソウべと病菌は、レースによって病徴に違いはなく、はじめ、下葉の表面に健全 部との境界に不明瞭な黄白色の小斑点を生じる。病斑はその後拡大し、淡黄色または淡紅色 の不正円形の病斑となり(別添図1) 、病斑部の裏側に灰紫色粉状のかび(分生子)を形成す る(別添図2) 。さらに症状が進展すると、葉全体が黄化し枯死に至る。 5 病原菌と伝染経路 病原菌(Peronospora farinosa)は糸状菌の一種で、卵菌類に属する。本菌は種子伝染および 空気伝染する。 6 防除対策 (1) 本病レース12に抵抗性を有する品種を使用する。なお、本病レース12に抵抗性を有 していない品種を発病のおそれのある時期に作付する場合、発病後の防除は困難である ため、発生前から薬剤散布を行う。 (2) 発病が見られた場合は発病葉を取り除き、本病に対して有効な薬剤を下葉や葉裏にかか るよう丁寧に散布する。 (3) 低温多湿条件で多発するため、ほ場の排水や通風、採光を良好にする。また、葉の過繁 茂は発生を助長するため、肥培管理に注意する。 (4) 発病株や罹病残渣をほ場内に放置すると次作の伝染源となるため、速やかにほ場外に持 ち出し処分する。 (5) 農薬は最新の登録情報(http://www.acis.famic.go.jp/index_kensaku.htm 農林水産消費 安全技術センター)を参照し、適正に使用する。 7 防除についての相談先 岐阜県病害虫防除所(TEL:058-239-3161)へお問い合わせください。 ※発生予察特殊報とは 病害虫防除所は、植物防疫法第23条第2項に基づき、農作物の病害虫の発生状況を把握するた めの調査を行っています。 同所は、県内で新たな病害虫の発生を確認した場合は「発生予察特殊報」を発表し、農業者に注 意喚起をします。 別添 平成28年度病害虫発生予察特殊報第1号 平成28年10月3日 岐 1 作 物 名 ホウレンソウ 2 病害虫名 ホウレンソウべと病レース12 阜 県 (Peronospora farinosa (Fries)Fries f.sp.spinaciae Byford (Race12)) 3 発生状況 平成27年12月、県内の冬春ホウレンソウにおいて、本病レース1~10に抵抗性を有する品種「弁天 丸」および本病レース1~11に抵抗性を有する品種「早生グローリー」にて本病の発生が確認され、新レ ースの発生が疑われたため、本県農業技術センターより国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 野菜花き研究部門へ検定を依頼した結果、本県では未確認の本病レース12であることが確認された。 4 病 徴 ホウレンソウべと病菌は、レースによって病徴に違いはなく、はじめ、下葉の表面に健全部との境界に不 明瞭な黄白色の小斑点を生じる。病斑はその後拡大し、淡黄色または淡紅色の不正円形の病斑となり(図1) 、 病斑部の裏側に灰紫色粉状のかび(分生子)を形成する(図2)。さらに症状が進展すると、葉全体が黄化 し枯死に至る。 5 病原菌と伝染経路 病原菌(Peronospora farinosa)は糸状菌の一種で、卵菌類に属する。本菌は種子伝染および空気伝染す る。 6 防除対策 (1) 本病レース12に抵抗性を有する品種を使用する。なお、本病レース12に抵抗性を有していない品 種を発病の恐れのある時期に作付する場合、発病後の防除は困難であるため、発生前から薬剤散布を 行う。 (2) 発病が見られた場合は発病葉を取り除き、本病に対して有効な薬剤を下葉や葉裏にかかるよう丁寧に 散布する。 (3) 低温多湿条件で多発するため、ほ場の排水や通風、採光を良好にする。また、葉の過繁茂は発生を助 長するため、肥培管理に注意する。 (4) 発病株や罹病残渣をほ場内に放置すると次作の伝染源となるため、速やかにほ場外に持ち出し処分す る。 (5) 農薬は最新の登録情報(http://www.acis.famic.go.jp/index_kensaku.htm 農林水産消費安全技術セン ター)を参照し、適正に使用する。 図1 葉に形成された不正円形病斑 図2 葉裏に形成された灰紫色粉状のかび