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6 港湾振興施策

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6 港湾振興施策
Ⅵ 港湾振興施策
1 国際海上輸送拠点の形成
本道は、経済成長が著しい東アジアと北米の航路上に位置するという地理的優位性を有してお
り、この優位性を活かして「食」や「観光」といった本道のリーディング産業の振興を図っていく
ためには、港湾の国際機能の向上に向けた取組みを進め、本道のグローバルな展開を支える国際海
上ネットワークの形成を図ることが重要である。
また、石油、天然ガス、石炭、鉄鉱石、穀物等は、本道の産業や道民の生活を支えるために必要
な物資であるが、その多くは港湾を通じて輸入されており、これらを安定かつ安価に輸送するため
にも、港湾機能の向上が必要である。
(港湾振興に向けた取組)
・ 北東アジア・ターミナル構想の実現に向けて、付加価値の高い商品開発や海外への販路拡大の取
組などによる道産品の輸出拡大と併せて、コンテナターミナルや荷役機械、大型船に対応した岸壁
など、国際的な海上輸送拠点の機能の強化や本道と東アジアやロシア極東などを結ぶ航路の充実を
図る。
また、近年の北極海の海氷面積の減少により北極海航路の活用の可能性が高まってきており、国
などの動向を踏まえながら、本道港湾の活用に向けた取組を進める。
・ 資源、エネルギー、食糧等の安定的かつ安価な供給を実現する国際バルク戦略港湾に選定された
釧路港においては、港湾の機能強化に向け、必要な岸壁や荷役機械などの整備を促進する。
・ 日本海周辺の対岸諸国の経済発展を取り込むため、小樽港、稚内港、石狩湾新港、留萌港など、
日本海側の拠点となる港湾において、国際競争力強化等に向けた港湾機能の強化を図る。
・ 地域資源などを活かしたものづくり産業の利便性や効率性を向上させるため、港湾背後地に荷捌
きや在庫管理などの物流機能の強化を図る。
・ 利用者のニーズに応じた港湾背後地などの有効利用、民間への施設の長期貸付や利用実態に即し
たきめ細かな施設使用料の設定、ゲートオープン時間の拡大などにより、国際海上輸送の拠点とな
る港湾の競争力の強化に向けた港湾の運営を促進する。
・ 物流の高度化、効率化に向け、船舶の入出港や輸出入などの手続きのペーパーレス化、ワンスト
ップサービス化など港湾における手続きの利便性を向上させる。
また、2港寄りなど複数の港湾間で総合的な物流システム(サプライチェーン・マネジメント)を
構築し、物流コストの削減を図る。
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・ 国際海上輸送の信頼性、安全性を向上させるため、SOLAS条約に対応したハード・ソフト面
の対策を進めるとともに、関係機関が連携を強化し港湾における保安対策の強化を図る。
・ アジア等海外からの道産の農林水産品・食品需要が近年増大していることから、国際コンテナタ
ーミナルの機能強化及び、有望な輸出貨物である水産品取扱量を増加させるためのHACCP等
に対応した衛生管理対応の推進などの流通機能強化、道産食品の小口混載輸送サービスの推進等
を図る。
・ 道内の物流は、生産地・消費地から港湾までの輸送距離が長く、トラックやトレーラーなどによ
る輸送が大部分を占めることから、外貿の大型コンテナなどの陸上輸送の効率化や輸送コストの低
減に向けて、高規格幹線道路や国際標準コンテナ車に対応した道路などの整備により、港湾へのア
クセス機能の強化を図る。
・ 外航クルーズ船の誘致に向けては、快適で利便性の高い港湾施設の整備を進めるとともに、迅速
・円滑な出入国審査体制の確保やホスピタリティの向上など海外観光客の受入体制の充実を図る
ほか、関係機関が連携したポートセールスなどの取組を進める。
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2.国内海上輸送拠点の形成
四方を海に囲まれ広大な土地を有し、都市間距離の長い本道において港湾は、生活や産業を支え
る重要な物流基盤となっていることから、国内海上交通ネットワークの充実が重要である。また、
道内外との連携・交流の強化、本道観光の振興や緊急時の諸活動などを支えるためにも国内海上ネ
ットワークの形成を図る必要がある。
(港湾振興に向けた取組)
・ 国内物流を担う港湾においては、岸壁の整備など国内物流ターミナル機能の強化や利用者ニーズ
に対応したサービス水準の向上、アクセス道路の整備などを促進するほか、港湾施設の計画的かつ
的確な維持管理や施設の更新などを促進し、地域の経済活動や住民生活を支える国内海上輸送ネッ
トワークの維持・充実を図る。
・ 複合一貫輸送は、農水産品等の輸送において重要な役割を果たしており、その拠点となる港湾に
おいては、フェリーやRORO船などに対応した岸壁、荷捌き地やシャーシヤードなどの港湾機能
の充実を図るとともに、高規格幹線道路等との円滑な接続を進める。
・ 本道から本州への主力産品である農水産物の輸送については、収穫期における貨物が集中するこ
とから、需要に応じた輸送力の確保を図るとともに、出荷時期の平準化や農水産品の高付加価値化
に資する保管・貯蔵能力の確保・充実を図る。
・ 本道の漁業の総水揚量の約3割が港湾から水揚げされており、港湾における漁業利用に必要な機
能の向上が求められていることから、安全安心な水産物を供給するため、地域の基幹産業として漁
業活動が盛んな港湾において、水揚げや荷捌きなどに必要な施設の機能強化を図る。
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3 暮らしを支え安全安心な拠点の形成
地域の生活物資や地場産業の資材などを安定的・持続的に取り扱うためには、その地域の特性に応
じた港湾の機能を確保していくことが必要である。
特に、離島においては、港湾が地域の生活に欠くことのできない社会基盤であることから、フェリ
ー等の安定運航に向けた取組が重要である。
また、地震、津波などの災害時における緊急物資などの輸送拠点として、さらには、経済活動を維
持する物流を確保する観点からも施設の耐震性・耐津波性など港湾機能を向上させるとともに、事業
継続に向けた取組を港湾間や関係機関が連携して進めることが重要である。
(港湾振興に向けた取組)
・ 本道の港湾は、冬期などの厳しい海象条件にあることから、港湾における円滑な船舶の航行や荷
役作業などの安全性を確保するため、防波堤などの整備を促進する。
・ 大規模災害時の緊急物資の輸送などを支える拠点となる港湾においては、施設の耐震性の向上な
どを進めるとともに、災害時に低下した物流機能を早期に回復できるよう、港湾の事業継続計画を
策定するなど、ハード・ソフトの施策を総合的に進める。
また、大規模災害発生時における広域的なバックアップ体制や適切なリダンダンシーの確保の
ため、平常時における内貿航路の充実などを図るとともに、港湾施設の管理者や民間企業など関係
者が連携した取組を進める。
・ サハリンプロジェクトの原油通年出荷の開始に伴う原油タンカーの航行増加によってオホーツク
海や日本海において、大規模油流出事故のリスクが増大していることから、海洋汚染の拡大防止に
向けた取組を進める。
・ これまで建設されてきた港湾施設については、老朽化が進行し、今後の更新費用の増大が見込ま
れることから、必要な機能を維持しつつ、更新コストの最小化や長寿命化を図るため、適切な点検
・管理とともに、計画的な補修・更新に努める。
・ 離島及び地域の生活や地場産業を支えている港湾においては、地域の特性に応じた港湾機能の確
保はもとより、安全性を高めるための防波堤の整備や施設の老朽化対策を図る。
また、港湾への円滑な交通が確保できるよう、港湾へのアクセス道路などの整備を促進する。
・ 離島航路は離島住民の生活環境の維持・向上や地域産業の振興などに欠かせない交通手段である
が、人口減少や離島観光需要の減退などによる利用者の減少に加え、燃料費の高騰など、離島航路
事業は厳しい環境にあることから、観光振興策など離島振興のための諸施策による需要の喚起を進
めるなど、利用拡大に向けた取組を進める。
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4 環境にやさしい拠点の形成
地球温暖化対策の推進の観点から、環境負荷の少ない効率的な物流ネットワークの構築や港湾及び
臨海部の企業活動によるCO2排出量抑制などを進めるとともに、循環型社会の形成を推進するた
め、静脈物流網の拠点となる港湾においては、広域的な対応が求められる資源のリサイクルなどを支
援する取組が求められている。また、再生可能エネルギーの利用を促進する必要性が高まっている
中、洋上風力発電などの導入を進めていくエリアとして、港湾区域が期待されている。
(港湾振興に向けた取組)
・ 物流におけるモーダルシフトの推進に向けて、運輸事業者・荷主企業などの連携によりエネルギ
ー効率の向上や二酸化炭素排出量の削減に資する取組などを進める。
・ 港湾内におけるCO2排出量の抑制など環境負荷の少ない物流活動などが求められていることか
ら、港湾内の施設の機能的な配置や荷役機械等の省エネルギー化、港湾区域内における渋滞の緩
和、船舶版アイドリングストップなどの取組を進める。
・ 循環型社会の実現に向け、静脈物流網の拠点となるリサイクルポートなどにおいて、海上輸送の
特性を活かした循環資源輸送や循環資源を取り扱う埠頭や蔵置の整備を図る。また、港湾背後地な
どにおいては、リサイクル産業などの振興を促進する。
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