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2012 年
テクニカル・サマリー
IAS 第 19 号
従業員給付
これは、2012 年 1 月 1 日に公表されたものであり、2012 年 1 月 1 日以降に発効となる IFRSs を含み、置き換
えられる予定の IFRS は含まれない。
この抜粋は、IFRS 財団のスタッフが作成したものであり、IASB の承認を得たものではない。よって国際財務報
告基準の規定を参照しなければならない。
この日本語訳は IFRS 財団が指名するレビュー委員会により承認されていない。日本語訳は、IFRS 財団の許可の
下に日本公認会計士協会により発行される。日本語訳は IFRS 財団の著作物である。
従業員給付とは、従業員が提供した勤務と交換に、又は雇用の終了と交換に企業が与えるあらゆる形態の対価
をいう。
本基準の目的は、従業員給付に関する会計及び開示を定めることである。本基準は企業が次のものを認識する
ことを求めている。
(a) 従業員が、将来支払われる従業員給付と交換に勤務を提供した時の負債
(b) 企業が、従業員給付と交換に従業員が提供した勤務により生じた経済的便益を費消する時の費用
本基準は、IFRS 第2号「株式報酬」が適用されるものを除き、事業主のすべての従業員給付に関する会計処理
に適用しなければならない。
短期従業員給付
短期従業員給付とは、従業員が関連する勤務を提供した年次報告期間の末日後 12 か月以内にすべてが決済され
ると予想される従業員給付(解雇給付を除く)をいう。
ある会計期間中に従業員が企業に勤務を提供したときは、企業は当該勤務の見返りに支払うと見込まれる短期
従業員給付の割り引かない金額を、次のように認識しなければならない。
(a) すでに支払った金額を控除した後の金額を負債(未払費用)として認識する。すでに支払った金額が給付
の割り引かない金額を超過する場合には、当該前払額が例えば将来支払額の減少又は現金の返還をもたら
す範囲で、企業は当該超過額を資産(前払費用)として認識しなければならない。
(b) 費用として認識する。ただし、他の IFRS が当該給付を資産の取得原価に含めることを要求又は許容してい
る場合(例えば、IAS 第2号「棚卸資産」及び IAS 第16号「有形固定資産」参照)を除く。
退職後給付
退職後給付とは、雇用関係の終了後に支払われる従業員給付(解雇給付及び短期従業員給付を除く)をいう。
退職後給付制度とは、企業が1名以上の従業員に対し退職後給付を支給する正式又は非公式の取決めをいう。退
職後給付制度は、その主要な規約や条件に由来する制度の経済的実質により、確定拠出制度又は確定給付制度の
いずれかに分類される。
退職後給付:確定拠出制度
確定拠出制度とは、退職後給付制度のうち、企業が一定の掛金を別個の事業体(基金)に支払い、たとえ基金
が従業員の当期及び過去の期間の勤務に関連するすべての従業員給付を支払うために十分な資産を保有しない場
合でも、企業がさらに掛金を支払うべき法的債務又は推定的債務を有しないものをいう。確定拠出制度の下で
は、企業の法的債務又は推定的債務は、企業が基金に拠出をすることに同意した金額に限定され る。したがっ
て、従業員が受け取る退職後給付の金額は、企業(及び場合によっては従業員)が退職後給付制度又は保険会社
に支払った掛金額と、当該掛金から発生する投資収益とによって決定される。その結果、(給付が予想したよりも
少なくなるという)数理計算上のリスク及び(投資された資産が予想した給付を満たすのに不十分であるとい
う)投資リスクは、実質的に従業員が負担する。
ある期間中に従業員が企業に勤務を提供した場合には、当該企業は、当該勤務と交換に確定拠出制度に支払う
べき掛金を次のように認識しなければならない。
(a) すでに支払った掛金があればそれを控除した後の金額を負債(未払費用)として認識する。すでに支払っ
た掛金が報告期間の末日前の勤務に対する掛金を超過する場合には、当該前払が例えば将来支払の減少又
は現金の返還となる範囲で、企業は当該超過を資産(前払費用)として認識しなければならない。
(b) 費用として認識する。ただし、他の IFRS が当該掛金を資産の原価に含めることを要求又は許容している場
合(例えば、IAS 第2号「棚卸資産」及び IAS 第16号「有形固定資産」参照)を除く。
退職後給付:確定給付制度
確定給付制度とは、確定拠出制度以外の退職後給付制度をいう。 確定給付制度の下では、
(a) 企業の債務は、合意した給付を現在の及び前従業員に支給することであり、
(b) (給付が予想よりも多くのコストを要するという)数理計算上のリスク及び投資リスクは、実質的に企業
が負担する。数理計算上又は投資の実績が予想より悪い場合には、企業の債務は増加するであろう。
確定給付制度に関する企業の会計処理は、次の手順を踏む。
(a) 積立不足又は積立超過を算定する。これには次のことを要する。
(i) 数理計算上の技法である予測単位積増方式を用いて、当期及び過去の期間の勤務の対価として従業員が
稼得した給付について、企業にとって最終的なコストとなる信頼性のある見積額を求める。これには、企
業が、どれだけの給付を当期及び過去の期間に帰属させるかを決定し、給付費用に影響する人口統計上の
変数(従業員の離職率や死亡率等)及び財務上の変数(将来の給与や医療費の増加等)に関する見積り
(数理計算上の仮定)を行うことを要する。
(ii) 確定給付制度債務の現在価値及び当期勤務費用を算定するために、給付を割り引く。
(iii) 制度資産があれば、その公正価値を、確定給付制度債務の現在価値から控除する。
(b) (a)で算定した積立不足又は積立超過の金額に、確定給付資産の純額を資産上限額に制限することによる影
響を調整して、確定給付負債(資産)の純額を算定する。
(c) 純損益に認識すべき金額を算定する。
(i) 当期勤務費用
(ii) 過去勤務費用及び清算損益
(iii) 確定給付負債(資産)の純額に係る利息の純額
(d) その他の包括利益に認識すべき、確定給付負債(資産)の純額の再測定を算定する。これは次のものから
なる。
(i) 数理計算上の差異
(ii) 制度資産に係る収益(確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額に含まれる金額を除く)
(iii) 資産上限額の影響の変動(確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額に含まれる金額を除く)
企業が複数の確定給付制度を有する場合には、当該企業は、これらの手続を個々の重要な制度について個別に
適用する。
その他の長期従業員給付
その他の長期従業員給付とは、短期従業員給付、退職後給付及び解雇給付以外のすべての従業員給付をいう。
本基準は、その他の長期従業員給付に関して単純化した方法を定めている。退職後給付に関して要求される会
計処理と異なり、この方法では、再測定をその他の包括利益に認識しない。
解雇給付
解雇給付とは、次のいずれかの結果として従業員の雇用の終了と交換に給付される従業員給付をいう。
(a) 通常の退職日前に従業員の雇用を終了するという企業の決定
(b) 雇用の終了と交換に給付の申し出を受け入れるという従業員の決定
企業は、解雇給付に関わる負債及び費用を、次のいずれか早い方の日に認識しなければならない。
(a) 企業が、当該給付の申し出を撤回できなくなった時
(b) 企業が、IAS37号の範囲内であり解雇給付の支払を伴うリストラクチャリング費用を認識した時
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