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2009年03月号(PDF:3311KB)

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2009年03月号(PDF:3311KB)
IFRS outlook
2009 年 3 月号
国際会計実務の解説
本号の主な内容
不確実な時代における財務報告 2
のれんの開示に関する詳細解説 5
財務報告制度の動向
8
不確実な時代における財務報告
今般の経済危機における市場暴落のスピードとスケール、それに続く大規
模な政府の介入は、多くの人にとって予期せぬできごとでした。そのため、
世界中の規制当局は 2008 年度における財務諸表の開示の強化を図って
います。企業が財務諸表を完成する上で、企業が検討すべき年金、公正
価値、リスク及び資本政策に関する重要な開示について議論していきます。
のれんの開示に関する詳細解説
のれんの減損テストに関する企業の開示は、これまで以上に細かく見ら
れる領域になるでしょう。昨今の金融危機に先立って世界経済が成長して
いた時期に相次いで行われた企業買収の結果として、現在、企業は多額
ののれんを抱えており、今後これらののれんを抱え続けることはますま
す難しくなります。IAS 第 36 号「資産の減損」の開示規定について詳し
く見ていきます。
財務報告制度の動向
認識の中止に関する暫定的な決定事項、金融商品の開示、公正価値及び
「中小企業のための IFRS」
(旧「非公開企業のための IFRS」)など、審議
会の討議内容のうち、貴社のビジネスに大きな影響を及ぼす可能性があ
るものについてとりまとめました。
2009 年 新日本有限責任監査法人
IFRS デスク 河野 明史
不確実な時代における財務報告
今般の経済危機における市場暴落のスピードとスケール、それに続く大規模な
政府の介入は、多くの人にとって予期せぬできごとであった。投資家、金融機関、
年金基金、従業員、納税者、究極的には一般の人に至る誰もが今回の金融危機
のコストを負担している。また、規制当局も所管企業の監督を一層厳しくしつ
つある。今年度末には、企業の次年度の業績がどうなりそうなのか、また、企
業がリスクをどのように管理しているかについての判断材料を得るために、財
務諸表における開示は、利用者によってかつてないほど細かく見られることに
なるであろう。そこで本稿では、現在の状況下で影響を受ける可能性が大きい
と考えられ、重要性が増している開示項目に注目していく。
経営者による判断
資産及び負債の帳簿価額を算定するには、多くの場合、不確実な将来事象の影
響を見積ることが必要である。現在の市場の乱高下は、必然的に様々な不確実
性が高まっていることを意味する。そのため、計算上の仮定及び適切なインプッ
ト変数の選択は、一段と複雑で判断を要する作業となる。また結果的に、来年
度以降これらの財務諸表上の資産及び負債に重要な修正が発生するリスクも増
大している。
財務諸表の利用者は、こうしたリスク、つまり不確実性の存在とその不確実性
の性質、及び経営者が用いた判断についての詳細な情報のいずれもが開示され、
確認できることを期待している。このような開示があってはじめて、財務諸表の
利用者はこれらのリスクから発生が見込まれる影響について独自の評価を下す
ことができる。また、IAS 第 1 号「財務諸表の表示」は、財務諸表作成上の仮
定が変わる合理的な可能性がある場合には、異なる仮定を用いた場合における
潜在的な影響についての開示を求めている。これは、決算日現在の見積りの不
確実性の原因を特定するだけでなく、これらの不確実性が将来、重要な修正を
もたらす可能性を評価するうえで、重大な責任を企業に課すものといえる。そ
のため、今年度は財務情報の簡潔明瞭な開示を担保する上で、財務諸表の作成
により多くの時間及び注意が必要になると考えられる。
見積りの重要性の高い領域としては、有形固定資産及び無形固定資産の回収可
能価額、年金債務ならびに金融資産及び負債の公正価値を算定する際の減損
評価などが挙げられる。
2
IFRS outlook 2009 年3月号
「今年度は財務情報の簡潔明瞭な開
示を担保する上で、財務諸表の作
成により多くの時間及び注意が必
要になると考えられる。」
減損評価
今年度は減損評価をより厳格に行われることが求めら
れており、有形固定資産、無形固定資産及びのれん
の評価減により、多額の減損損失の計上が見込まれ
る。将来の評価減の可能性を評価するために、財務
諸表の利用者は、減損損失がどのように発生したか、
ならびに損失を算定するために適用された仮定及び計
算根拠(たとえば、
活発な市場や使用価値の参照など)
の開示に高い興味を示すと考えられる。以下の記事で
考察するように、減損の有無を問わず、のれんに関し
ては追加的開示も要求される。
年金債務
現在、多くの給付建制度で多額の制度資産の積立不
足が見受けられることにより、将来の積み立てを行う
企業の能力と積立てが企業のキャッシュ ・フローに及
ぼす影響について、財務諸表の利用者は懸念を抱い
ている。したがって、年金の開示はより綿密に見られ
ることになろう。現在、給付建債務(又は資産)を算
定する際に適用される保険数理上の仮定で最も重要
なのは、カウンターパーティー及び市場リスクの上昇
の結果として、高格付債券のスプレッドが拡大してい
る状況にある割引率である。現在の債券のイールド
カーブの形状は、異なる満期を有する債券間の債券利
回りの差が過去数年よりも大きくなっていることを示
している。そのため、企業がどのように割引率を選択
したか
(債券と給付金支払の対象期間
(デュレーション)
をどのように対応させたかを含む)の詳細が、財務諸
表の利用者にとってより重要になってきている。さら
に読者は、異なる割引率が給付建債務にどのような影
響を及ぼすかについても興味を持つと考えられる。下
された判断及び重要な仮定の変化に伴う給付建債務
の感応度が開示されることにより、利用者はリスク及
び将来キャッシュ・フローへの影響の規模が理解でき
るようになる(IAS 第 1 号で一般的な開示規定として
の定めがあり、IAS 第 19 号「従業員給付」で、一定
の保険数理上の仮定に関してより詳細な開示要件が
示されている)。
金融資産及び負債の公正価値
市場におけるボラティリティーが増大し、取引が活発
でなくなったことにより、財務諸表の資産及び負債の
公正価値の算定が困難な状況にある。そのため、金
融商品をモデル等の評価技法を用いて測定しなけれ
ばならない場面が、これまでと比べてますます増えて
くると考えられる。このため企業は、期待将来キャッ
シュ・フロー、金利及びイールドカーブを算定するため、
又は参照すべき類似の条件及び類似の残存償還期間
を有する類似金融商品を特定するため、重要な判断を
下す必要に迫られるようになる。一方、財務諸表の利
用者は、公正価値が測定された方法を理解し、独自
の評価を行いたいという希望がある。金融商品の評
価に当たって用いられる仮定が市場で観測可能な情報
に基づいていない場合、IFRS 第 7 号はその他の適切
と考えられる仮定をとった場合、これが及ぼす影響に
ついて開示することを求めている。現在の市場環境で
は、経営者がおいたほぼすべての仮定に関して、他の
合理的と考えられる仮定をとることもできる。したがっ
て、採用した計算上の仮定について、より多くの開示
が必要になろう。
同様に、取引量が大幅に減少しているため、投資不動
産及び有形固定資産の公正価値算定を行うことも困
難になっており、将来キャッシュ・フローの見積り、割
引率及びその他の仮定に基づく割引後キャッシュ ・フ
ローの予測も不確実な市場環境下にある。投資不動
産というもの自体の重要性もさることながら、投資不
動産に関わる計算上の仮定はそれが微妙な変更であ
れ、もたらす財務上の影響の重要性は決して小さくは
ない。これを勘案すれば、仮定の変更による影響につ
いて追加的開示を行うことは、不確実な市場から生じ
たリスクを独自に評価する財務諸表の利用者にとって
重大な意味を持つと考えられる。
IFRS outlook 2009 年3月号
3
不確実な時代における財務報告(続き)
金融リスク管理
ほぼすべての企業が、過去数年間晒されることのな
かった流動性、金利及び為替に関する新たなリスクに
直面することになる。したがって、IFRS 第 7 号が求
める、企業の晒されるであろう金融商品から生じたリ
スクの性質及び程度の開示は、必要性が以前に増し
て高まっている。財務諸表の利用者は、企業が重要
な信用リスク ・エクスポージャーを抱えているかどう
か、債権に関する減損損失(貸倒)引当金の水準、及
び信用リスクの集中の程度についての情報を求めるで
あろう。同様に、金融負債の弁済時期の状況及び企
業が流動性リスクを管理している方法についての開示
は、将来キャッシュ ・フロー及び経営者の対応の充分
性を評価する財務諸表利用者にとってカギになると思
われる。
企業はまた、報告日現在で晒されている市場リスクの
種類 別の感応度分析を開示し、リスク要因が合理的
な可能性がある範囲内で変化した場合の損益又は資
本への影響を示すことが求められている。また、この
開示を作成する際に用いられる方法及び前提も開示
し、利用者がリスクの影響を十分に評価できるように
すべきである。その際、安易にこれらの開示が作成さ
れた場合、当該開示はリスク別に予想される財務上の
影響を計算した単なる数学的な加工に過ぎないもの
になってしまうので注意が必要である。しかし、当該
開示について、その開示に当たっての方法論や仮定に
ついてを十分に考え抜いた上で説明を行えば、財務諸
表の利用者に対して、企業の経営ならびにそれに影響
を与える具体的な地理別及び産業別の状況に関する
有用な判断材料を提供することができるものとなる。
4
資本政策
企業により、資本の定義はまちまちであるため、資本
を管理するための目的、方針及びプロセスは異なる。
これは、IAS 第 1 号で求められる開示でも見落とされ
がちな領域であるものの、財務上の困難に直面してい
るか、あるいは(銀行からのローン等にあたって)外部
から一定の最低資本が求められる企業にとり、極めて
重要な意味を持つ。資本政策の質的及び量的開示によ
り、財務諸表の利用者が、企業が昨今の金融危機下で、
経営者が特にどのような視点に立って資本及び最低資
本(これがある場合)を管理しているのか、その方法
を理解できるようになるという点で意義がある。
おわりに
企業は、財務諸表における開示内容に関して、これま
でになかったほどに多くの注意を払う必要がある。金
融危機の余波が未だ世界景気を震撼させる中で、金
融業界を再建していく上で最大の課題はおそらくそれ
に対する信頼の回復であり、財務諸表における開示の
質を向上させることは正しい方向に向かうための第一
歩となろう。
Good Group (International) Limited ‐ 財務 諸 表 の 記
載例 2008 年度 版(ey.com/ifrs で入手可能)には、上記
の開示規定に関する例示が含まれているので参照されたい。
IFRS outlook 2009 年3月号
のれんの開示に関する詳細解説
背景
IFRS outlook2008 年 10 月 号(ey.com/ifrs で 入
手可能)で「金融危機及び景気後退局面における減損
テスト」という記事が発表されて以降、世界景気は一
段と悪化している。同記事は、金融危機の重要な側
面及びこの状況が IAS 第 36 号「資産の減損 」の適
用にあたりどのような影響を及ぼすかを中心としたも
のであった。
昨今の危機に先立つ企業買収ブームの時代に多くの企
業取得が行われた。その結果、多くの企業は依然とし
て、貸借対照表上で多額ののれんを計上している。本
稿では、IAS 第 36 号ののれんの開示要件及び現在
の環境に関連して検討すべき事項に注目していく。
現在の環境では、のれんの減損テストだけでなく、減
損テストについての開示も、より詳しい精査の対象に
なる可能性がある。多くの投資家は、企業がのれん
の回収可能性を評価した方法、及びその回収可能価
額に影響を及ぼす要因を理解したいと考えるであろ
う。規制当局ものれんの開示に焦点を当てていること
は驚くに値しない。
IAS 第 36 号の開示要件及び関連する検討事項
単位別の開示
IAS 第 36 号は、企業に対し、資 金生 成単位に配分
されたのれんの金額がのれん合計と比 較して「重要
性」がある場合、資金生成単位又は資金生成単位の
グループ(以下「単位」)別に、のれんについての情報
を開示することを要求している。この開示には、の
れんの帳簿価額、経営管理者の評価方法―使用価値
(以下、VIU)又は売却費用控除後の公正価値(以下、
FVLCS)のどちらを使用しているか―、関連する重
要な仮定及び感応度分析が含まれる。
英国財務報告評議会をはじめとする規制当局は、過
年度ののれんの開示が単位レベルではなく、合算レベ
ルで行われることが多かったということを認識しては
いたが、これまで単位別の開示は大半の企業にとって
問題となる領域ではなかった。現在の環境においては、
企業が単位別に開示を行う必要性(及び規制当局から
の要求)が高まると考えられる。
しかし、合算による開示が適切である状況が存在する。
のれんが複数単位に配分され、配分された各々のの
れんの「重要性」が高くない場合、開示はそれらの単
位を合算して行うことができるが、その事実を開示す
る必要がある。
経営管理者の評価方法
IAS 第 36 号は経営管理者に対し、評価基準(VIC 又
は FVLCS)、及びそれぞれの主要な仮定に割り当てら
れた価値をどのように計算したか(それぞれの主要な
仮定に割り当てられた価値が過去の実績を反映してい
るか否か、又は該当する場合、それぞれの主要な仮定
に割り当てられた価値が外部から得た情報と整合して
いるか否か、一致していない場合、その理由など)を
開示するよう要求している。これは、FVLCS が観察
可能な時価に基づいていない場合、企業が VIU 及び
FVLCS の両方における回収可能価額の計算にあたり
採用した仮定をどのように決定し、検証したかについ
て、経営管理者が説明する必要があることを意味する。
IFRS outlook 2009 年3月号
5
のれんの開示に関する詳細解説(続き)
回収可能価額が VIU に基づいている場合の開示
する。前に述べたように、IAS 第 36 号では、それぞれの
IAS 第 36 号は、経営管理者が回収可能性評価にあたって
主要な仮定に割り当てられた価値が過去の実績に基づいて
採用した各々の重要な仮定について説明することを要求し
いるか否か、又は該当する場合、それぞれの主要な仮定に
ている。一般的に、重要な仮定にはキャッシュ ・フロー予測、
割り当てられた価値が外部から得た情報と整合しているか
成長率及び割引率といった重要なインプットが含まれる。企
否かについて開示を要求している。現在の環境では、過去
業はこれらの開示が、ほかのマーケット・コミュニケーショ
の実績は適切とはいえず、外部から得られる情報はまだ更
ンと一致するよう確認しなければならない。
新されていないかもしれない。したがって、経営管理者は、
見積りのプロセスに関し、より多くの詳細な情報を提供す
キャッシュ ・フロー:企業は通常、最新の予算に基づいて、
る必要がある。
最大 5 年分のキャッシュ ・フローを予測する。この期間以
後のキャッシュ ・フローは、予想成長率を使って推定される。
成長率:IAS 第 36 号では、キャッシュ ・フローを当初の予
測期間を超え、さらなる長期間にわたって推定するために
キャッシュ・フローの見積もりを更新する際、企業は、現在
採用された成長率(「出口価値」としても知られている)の
の景気の状況を考慮するとともに、収益又は費用がどの程
開示、及びその成長率が、単位(たとえば、製品、業界又
度変動するかについて現実的でなければならない。景気後
は企業が営業している国など)の長期平均成長率を上回る
退はすでに企業のキャッシュ ・フローに直接的な影響を及ぼ
場合にはその理由を説明することが要求されている。
していると思われるが、経営管理者は、景気後退の長期的
6
な影響についての仮定を慎重に検討し、開示する必要があ
現 在の 環 境において、1990 年代前半以 降 の 長 期間にわ
る。たとえば、経営管理者は、景気後退が急激で短期間で
たる成長率のみを反映し、1990 年代以前、又は目下突入
あるケース(V 字型)、又は長期化するがおそらくは浅いケー
している景気後退時期の成長率を反映しないと、誤った長
ス(U 字型)のどちらだと考えているだろうか。景気後退が
期成長率が計算されてしまうおそれがある。しかし、長期
経営管理者の仮定よりも深刻であった、あるいは景気回復
成長率の計算について、統一見解は存在せず、したがって、
が想定よりも遅れた場合、キャッシュ ・フローにはどのよう
計算結果が大きく異なる可能性がある。企業は、単位別に
な影響があるのだろうか。キャッシュ・フロー予測の 2 年
合理的な成長率を算定し、それぞれの根拠を開示する必要
目の収益が想定よりも減少したり、景気回復が 12 ヶ月も
がある。自社の成長率が平均成長率よりも高くなるべきで
遅れた場合には、のれんに減損損失が生じるまでの余地が
あると経営管理者が判断した場合には、それを裏付ける理
縮小するだろうか。
由も開示に含める必要がある。
多くの企業では、過去の実績に基づいて内部で見積った収
割引率:IAS 第 36 号は、企業が、キャッシュ ・フロー予測
益又は営業利益を使用してキャッシュ・フローを予測して
を割り引く際に使用した割引率を開示するよう要求してい
いることがあるが、過去の実績はもはや信頼できる基礎で
る。現在の環境では、不確実性によりリスクが増大しており、
はないかもしれない。昨年において、価格が比較的安定し
それが割引率の引上げにつながる可能性がある。流動性危
予測可能な時期から、非常に短い期間で大きな変動を生じ
機により借入れは一段と難しく割高なものとなっている。概
うる時期に移行したことが明らかとなった。同様に、いくつ
して、割引率はどんなに良くても昨年から横ばいで、昨年よ
かの通 貨が、米ドルに対して 1 ヵ月足らず の間に 25% 以
りもいくぶん高くなると期待される。繰り返しになるが、妥
上下落した。原油価格が予想を超えて 2 倍以上にはね上が
当と考えられる割引率の幅はかなり広く、その中で上限に
り、いくつかの航空会社 ・ 旅行会社が破綻に追い込まれた。
近い場合には、企業の回収可能性評価に影響を及ぼすこと
これは、経営管理者の仮定を裏付けるために外部データを
も考えられる。企業は単位別に合理的な割引率を算定し、
今までよりももっと利用することが必要になることを意味
それぞれの根拠を開示する必要がある。
IFRS outlook 2009 年3月号
感応度分析: 重要な仮定の「合理的に起こりうる変化」に
回収可能価額が FVLCS に基づいている場合の開示
より、単位の帳簿価額がその回収可能価額を上回った場合、
回収可能価額が FVLCS に基づいている場合、経営管理者
企業は、それぞれの主要な仮定に割り当てられた価値(た
が使用した評価方法を開示しなければならない。たとえば、
とえば、長期予想成長率 5% など)及び、その価値がいく
FVLCS は、企業自身が以前に実行した企業の買収もしくは
ら変化すると単位の回収可能価額が帳簿価額と一致するか
処分、又は別の企業による比較可能な類似取引に基づいて
(たとえば、1%の引下げなど)を開示するよう要求される。
計算することができる。このような場合には、その旨を開
「合理的に起こりうる変化」は基準では定義されていない。
示する必要がある。だが、過去の取引は、下降局面にある
変化が合理的に起こりうるかどうかについて、企業は自ら判
市場では比較対照として適切でない場合もあり、それゆえ
断しなければならない。
に、公正価値を算定する際に参照できない可能性がある。
大半の企業は、景気見通しが非常に不透明という不慣れな
FVLCS が観察可能な時価に基づいていない場合、主要な
環境の下で今年度ののれんの開示を行うことになるであろ
仮 定 及びこれらを算定する際 の 経営 管 理者のアプローチ
う。当然のことながら、重要な仮定の「合理的に起こりうる
を開示しなければならない。FVLCS は割引キャッシュ ・フ
変化」がはるかに多く発生すると予想されることから、財
ロー・モデル又は市場倍率に基づいて算定されることもあ
務諸表の利用者が環境上の影響及び経営者の意思決 定を
る。2009 年 1 月 1 日以降の報告期間に関しては、VIU ア
理解できるよう、今年度はますます多くの情報の開示が求
プローチを採用した場合と同じ開示が求められる。この新
められる。
しい開示要件は、同日より前に終了する期間の財務諸表に
感 応 度を報告する際に企業が遭 遇する 1 つの課題は、仮
の環境においては適切とみなされるであろう。
関しては適用されないが、この開示を行うことは特に現在
定が相互に作用して機能する場合があるということである。
IAS 第 36 号は、すべての変数についての派生的な影響を
おわりに
減損テストに反映するよう要求している。たとえば、低いイ
世界景気は大きな不確実性の時代に突入している。悪化が
ンフレ率を仮定した場合、割引率も低めになる。減損テス
続いている現在の状況では、良くてものれんに減損損失が
トへのこれらの直接的な影響のほかに、企業は、のれんに
生じるまでの余地を縮小させ、最悪の場合、多額ののれん
減損損失が生じるまでの余地の縮小をもたらす可能性があ
の減損をもたらす可能性がある。この困難な時期において、
る特定のシナリオを検討することもある。たとえば、予想
開示は必要最小限にとどめるものというよりも、経営管理
よりも景気後退が深刻かつ長期にわたり、永続的な成長率
者による投資家への重要なコミュニケーションとして捉える
が低いことを原因として、キャッシュ ・フローが今後 5 年間
べきものである。企業は、時間及び労力をかけてのれんの
低調に推移する場合、これら 2 つの要因が合わさって、の
開示を再構築し、練り直し、充実させる必要がある。有効
れんに減損損失が生じるまでの余地が縮小する可能性があ
なマーケット・コミュニケーションは、投資家からの信頼を
り、両方の要因が同時に発生する合理的な可能性がある。
獲得し確保するため重要であり、そのためには事前の入念
なプランニングが必要であることを念頭におかれたい。
IAS 第 36 号は、仮定について、合算された影響ではなく、
個別の仮定(上述の派生的な影響を含む)の影響を開示す
ることのみ要求している。これらの状況では、また現在の
環境では、企業は当然、それぞれの立場を適切に説明する
ために、IAS 第 36 号の要件以上の開示を行うことができる。
IFRS outlook 2009 年3月号
7
財務報告制度の動向
国際会計基準審議会(以下「審議会」)は、2009 年 1 月 19 日から 23 日にロンドンで会議を開催した。1 月に
予定されていた国際財務報告解釈指針委員会(以下「IFRIC」)の会議は中止された。下表は、主な論点を整理し
たものである。なお、表中でハイライトされた項目について、次頁以降に詳細な情報及び解説を示した。
議論されたプロジェクト
重要な論点
進捗状況
金融商品の認識の中止
審議会は、認識の中止のための 2 つのアプローチに関する議論を続行し、いくつかの暫
定的な意思決定を下した。
ED は 2009 年 3
月/4 月に公 表さ
金融商品の開示
「公正価
審議会は、最近の ED「金融商品についての開示の改善」及び論点整理(DP)
値測定」で提案された開示の改善について暫定的な意思決定を下した。
審議会は、ED「負債金融商品への投資」を進めないことを決定したが、金融商品会計
の改善に関するより幅広いプロジェクトで当該 ED が取り扱っていた論点を検討する。詳
しくは IFRS outlook 増刊号(第 28 号)の ED「負債金融商品への投資」を参照。
資 本 の 特 徴 を 有 する金 融
商品
審議会は、持分金融商品を識別するアプローチの開発に関する議論を続行し、以下の事
項について議論した。
• 負債及び資本の概念上の定義
れる予定。
改 訂は 2009 年 第
1 四半 期に公 表さ
れる予定。
ED は 2009 年 下
半 期 に 公 表 さ れる
予定。
• 各種プッタブル金融商品及び強制償還金融商品の分類
公正価値測定
審議会は、特に以下の事項について議論した。
• IFRSにおける「公正価値」という用語の使用
ED は 2009 年 3 月
に公表される予定。
• 公正価値の開示
• サービス契約に関する「初日」利得
IFRS の年次改善(2008 年) 審議会は、7 つの改訂案を再確認した。提案のうちの 3 つは 2 月の会議で議論される。 改 訂 は 2009 年 4
IAS 第 39 号を改訂するための残り 2 つの提案に関する再審議は延期された(すなわち、 月 に 公 表 さ れる 予
組込デリバティブを有する非金融主契約への公正価値オプションの適用及び組込為替デ 定。
リバティブの分岐)
。
概念フレームワーク
8
審議会は、
概念フレームワーク ・プロジェクトのフェーズ A(質的特性)及びフェーズ D(報
告企業)についての暫定的な意思決定を下し、これを再確認した。
IFRS outlook 2009 年3月号
フェーズ A:最終章
は 2009 年 第 2 四
半 期 に 公 表 さ れる
予定。
フ ェーズ D:ED は
2009 年下 半 期 に
公表される予定。
議論されたプロジェクト
IFRIC
重要な論点
進捗状況
審議会は、
(第 29 号)
IFRIC 第 18 号「顧客からの移転」を承認した。
IFRS outlook 増刊号
「顧客からの資産の移転」を参照。
審議会は、IFRIC 第 9 号「組込デリバティブの再査定」及び IFRIC 第 16 号「在外事業
体に対する純投資のヘッジ」の改訂案に関する ED を公表した。IFRS outlook 増刊号
(第
30 号)「IFRIC 第 9 号及び IFRIC 第 16 号の改訂案」を参照。
審議会は、企業が将来の負担を削減する早期償還のために資産を認識するよう要求する
ため、IFRIC 第 14 号「IAS 第 19 号 ‐ 確定給付資産の制限、最低積立要件及びそれら
の相互関係」の改訂を暫定的に決定した。
中小企業のための IFRS
審議会は、会計方針オプションの採用、連結、のれん及びその他の耐用年数を確定でき IFRS は 2009 年
ない無形資産、金融商品ならびに特別目的事業体についての暫定的な意思決定を下した。 第 2 四 半 期 に公 表
される予定。
法人所得税
審議会は、法人所得税に関する ED で、企業が当期支払うべき税額(払戻額)を割り引
くべきか否かについて記載すべきでないことを暫定的に決定した。
ED は 2009 年 第
1 四半 期に公 表さ
リース
審議会及び FASB は、貸手の会計処理問題についての全体的な議論を DP に盛り込む
ことを決定した。
DP は 2009 年 3 月
退職後給付
審議会は、論点整理「IAS 第 19 号『従業員給付』の改訂に関する予備的見解」から 2
つの ED を開発することを暫定的に決定した。
ED は 2009 年 下
パート 1(確定給付債務及び年金資産の変動)に関して、審議会は、企業が以下の事項
を行うべきであることを暫定的に決定した。
れる予定。
に公表される予定。
半 期 に 公 表 さ れる
予定。
• 変動を雇用、財務及び再測定の構成要素に分解し、これらを損益計算書で認識する
• 雇用及び財務の構成要素を損益計算書又は注記で開示し、再測定の構成要素を損益
計算書で開示する(他の項目と区別する)
パート 2 では拠出ベース約定を取り扱う。
ED =公開草案、DP =論点整理
IFRS outlook 2009 年3月号
9
財務報告制度の動向(続き)
認識の中止
金融商品の開示
審議会は、引き続き認識の中止のための 2 つのアプローチ
審議会は、DP「公正価値測定」及び ED「金融商品につい
outlook2008 年 12 月号 を
ての開示の改善」の両方に対して寄せられた反応について
に関する議論を行った(IFRS
参照)。以下の暫定的な意思決定が下された。
議論した。審議会は、リスク開示、満期分析及び公正価値
• アプローチ1 の下では、譲渡において留保される金融資産
(又は金融資産グループ)の構成要素は新規資産として
取り扱われるが、アプローチ2の下では、留保された構成
要素は原資産の留保部分として取り扱われる
• 譲渡人がキャッシュ・フローにアクセスできるか否かだけ
でなく、譲渡人が譲渡前に保有していた資産の「その他
の将来の経済的便益」にアクセスできるか否かにも焦点
を当てるためにアプローチ1を修正する。当該アクセスが
ない場合、金融商品(その構成要素を含む)に対する認識
の中止が適格になる可能性がある
• アプローチ2の下では、デリバティブ、ハイブリッド金融商
品又は持分金融商品の部分の譲渡は、特に識別された又
は比例したキャッシュ・フローを伴う場合、認識の中止の
会は、公正価値開示に用いられる 3 段階のヒエラルキーを
SFAS 第 157 号「公正価値測定」で要求されるものと同じ
にすべきであることを暫定的に決定した。また、公正価値
で測定されない金融商品には公正価値ヒエラルキーの適用
を要求しないことが暫定的に決定された。
最 終 的 な 改 訂 は、
(ED の 2009 年 7 月 1 日 に 対 して )
2009 年 1 月 1 日以降に開始する会計期間に適用され、初
年度の比較はなく、早期適用が認められる。
公正価値測定
IFRS における公正価値の使用
審議会は、公正価値の定義を資産に関して受領された、又
みに関して評価される(すなわち、
「資産」に適格になる)
は負債の譲渡に対して支払われた価格に基づくものとして提
。金融資産はたとえ類似する特徴を共有していなくても、
「公正価値」という用語の使用が審
案している。審議会は、
グループとしての認識の中止に関して評価することができ
議会の定義案及び解釈指針案に一致していないため、以下の
る。しかし、金融商品又はグループの部分が償還期間にわ
項目に関してこの用語を残さないことを暫定的に決定した。
たり資産又は負債になる可能性がある場合(例:金利ス
ワップ)、又はキャッシュ・フロー以外のその他の将来の
経済的便益を譲渡する場合(例:持分金融商品)、その部
分は認識の中止に適格にならず、当該金融商品はグルー
プの部分を構成しない
• 両アプローチの下では、証券化手段から購入した投資は
新規資産として取り扱われる
• アプローチ2において、譲受人が唯一の償還請求権が譲
渡資産を対象とするものである場合、認識の中止に適格
にならない譲渡資産及び負債の結合表示を進めないこと
が決定された。その代わりに、その関係を注記で開示する
アプローチ 1 譲受人が現時点において、譲渡資産の基礎とな
る経済的便益に対してその他の方法によりアクセスできる場合
であっても、譲渡人は資産の認識を中止する。
10
開示に関する ED の提案の大半を暫定的に確認した。審議
• 株式報酬取引‐持分決済型の金融商品の測定は、サービ
ス及び履行条件又はリロード要素の影響を考慮しない。
契約価格が、市場参加者が支払う価格にならない可能性
があるため、持分決済型の株式報酬に関して受領した財
貨及びサービスの価値は、必ずしも市場ベースであると
は限らない。また現金決済型の株式報酬における株式増
価受益権に関する負債の測定には、サービス条件は含ま
ない
• 企業結合における再取得権‐現在、再取得権を評価する
際に市場参加者が検討する情報を無視している
• 要求払い条項のある金融負債‐将来キャッシュ・フローの
タイミングについての市場参加者の予想を考慮していない
審議会はまたスタッフに対し、投資不動産の公正価値評価
アプローチ 2 資産(又はその構成要素)の部分として適格に
に現在のリースからのリース料収 入を含めることを定めた
なる可能性がある項目を制限する代わりに、特定の条件が満た
IAS 第 40 号「投資不動産」の要件が公正価値の定義案に
された場合、何らかの形式による結合表示を要求する。
一致しているか否かを検討するよう求めた。
IFRS outlook 2009 年3月号
審議会は、後に償却原価で測定されるか、又は売却可能と
フェーズ D ‐ 報告企業
して計上される金融商品の当初測定について議論した。審
審議会は、以下の事項を暫定的に決定した。
議会の過半数は、取引価格を採用すべきであり、その場合は、
「初日」損益は認識されないものと考えた。これがどのよう
に「オフ ・ マーケット」価格又はレートの金融商品に影響を
及ぼすかは明確ではない。
(フェーズAで達した結論に
• 報告企業についての説明を、
従い)資本提供者としての資格での意思決定に関して、そ
の財務情報が現在及び将来の株式投資家、貸付者及び他
の資本提供者に対して有用となる可能性がある画定され
た経済活動領域として修正する
「初日」利益 ‐サービス契約
審議会は、取引価格が当初認識時に資産又は負債の公正価
値の最良の証拠であるという仮定がサービス契約に適用さ
• たとえ企業が現在、活動を停止していたとしても、企業が
報告企業になりうることを明確化する
れるか否かについて議論した。サービスプロバイダーに関し
• 報告企業が法的企業である必要がないことを明確化する
て、審議会は、以下の事項を暫定的に決定した。
• 法的企業及び法的企業の支店又はセグメントが報告企業
• 唯一の真の出口市場は他のサービスプロバイダーがいる
流通(卸売)市場である
の要件を満たすことができるが、必ずしも要件を満たす
必要がないことを明確化する
• 出口価格はサービスプロバイダーの視点を反映している
グループ報告企業に関して、審議会は以下の事項を暫定的
• 当初認識時の出口価格は取引価格にならない可能性があ
に決定した。
る。したがって、出口価格は一般に組成費用を回収するた
めの金額及び組成活動に係るリターンを含む
• 他の企業を支配している報告企業は、支配企業モデルを
用いて連結財務諸表を表示すべきである
• 支配企業が報告企業でない場合、共通支配下にある企業
概念フレームワーク
の結合財務諸表を表示することが有用になることがある
フェーズ A ‐ 財務報告の質的特性及び制約
審議会は、ED で行われた以下の提案を暫定的に再確認した。
• 既存のフレームワークにおける「信頼性」という用語を「表
現の忠実性 」に置き換える
• 目的適合性及び表現の忠実性を基本特性に分類する
• 検証可能性、比較可能性、適時性及び理解可能性を強化
• リスク及び経済価値の評価は、支配企業モデルを適用す
る際に連結すべき企業を識別する基準として、支配を置
き換えるべきではない
• 親会社のみの財務諸表は連結財務諸表と一緒に表示され
た場合、有用な情報を提供することができる
特性に分類する
• 重要性及びコストを財務報告の制約として記載する
IFRS outlook 2009 年3月号
11
中小企業のための IFRS
連結
審議 会は、
「中小企業のための国際 財務報告基 準」
(SME
親会社が子会社であり、最終親会社(又は中間親会社)が
のための IFRS)とタイトルを改称することを暫定的に決定
IFRS 準拠の連結財務諸表(完全な又は中小企業基準に従っ
した。
た)を作成する場合を除き、連結財務諸表が要求される。
加えて、SIC 第 12 号「連結 ‐ 特別目的事業体」に記載さ
会計方針の選択
れる原則は、ED の「連結及び個別財務諸表」セクションに
審議会は 2008 年に、一般に中小企業は、完全な IFRS に
組み込まれる。
おけるすべての会計方針が利用できることを暫定的に決定
した。今回の会議では、審議会は、以下の事項を暫定的に
のれん及びその他の耐用年数を確定できない無形資産
決定した。
当該資産は、有限の耐用年数を有しているとみなされ、最
• 過度の費用又は労力なしに算定することが可能である場
合、投資不動産は公正価値で測定しなければならない。
それ以外の場合は原価モデルを適用する
• 有形固定資産及び無形固定資産の再評価は認められない
• 借入費用及び研究開発費はすべて費用計上しなければな
らない(選択の余地なし)
• 営業キャッシュ・フローは間接法又は直接法を用いて表
示することができる
• 関連会社及び共同支配企業は、原価法、持分法又は損益
「兆候アプロー
長 10 年間にわたって償却される。これらは、
チ」を用いた減損テストの対象にもなる。■
公表済みの新規文書
プロジェクト
発効日
ED「IFRIC 第 9 号 及 び IFRIC コメント受 付 期 間 は、
第 16 号に対する適用後の改訂」 2009 年 3 月 2 日まで。
IFRIC 第 18 号「顧 客からの 資
産の移転」
計算書を通じて公正価値で会計処理することができる。
原価法を適用するときには、投資先の取得前の利益剰余
金と取得後の利益剰余金の区別を行わない。受け取った
2009 年 7 月 1 日 以
降に開始する年度に顧
客から受け取った資産
の移転に対して将来に
向かって適用される。
すべての配当は損益で認識する
• 金融商品に対しては、完全なIFRSまたは中小企業向けの
簡略版のいずれかを適用することができる。審議会は、
金融商品の規定を簡素化する方法についての議論を続行
した
Ernst & Young ShinNihon LLC
アーンスト・アンド・ヤングについて
アーンスト・アンド・ヤングは、監査、税務、トランザクション・アドバイザリー・サー
ビスなどの分野における世界的なリーダーです。全世界の 13 万 5 千人の構成員は、
共通のバリュー
(価値観)に基づいて、品質において徹底した責任を果します。私どもは、
クライアント、構成員、そして社会の可能性の実現に向けて、プラスの変化をもたら
すよう支援します。
詳しくは、www.ey.com にて紹介しています。
「アーンスト・アンド・ヤング」とは、アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッ
ドのメンバーファームで構成されるグローバル・ネットワークを指し、各メンバーファー
ムは法的に独立した組織です。アーンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、
英国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提供していません。
新日本有限責任監査法人について
新日本有限責任監査法人は、アーンスト・アンド・ヤングのメンバーファームです。全
国に拠点を持ち、日本最大規模の人員を擁する監査法人業界のリーダーです。品質
を最優先に、監査および保証業務をはじめ、各種財務関連アドバイザリーサービスな
どを提供しています。アーンスト・アンド・ヤングのグローバル・ネットワークを通じて、
日本を取り巻く世界経済、社会における資本市場への信任を確保し、その機能を向
上するため、可能性の実現を追求します。
詳しくは、www.shinnihon.or.jp にて紹介しています。
アーンスト・アンド・ヤングの国際財務報告基準(IFRS)グループについて
国際財務報告基準(IFRS)への移行は、財務報告における唯一最も重要な取り組み
であり、その影響は会計をはるかに超え、財務報告の方法だけでなく、企業が下すす
べての重要な判断にも及びます。私たちは、クライアントによりよいサービスを提供
するため、世界的なリソースであるアーンスト・アンド・ヤングの構成員とナレッジの
精錬に尽力しています。さらに、さまざまな業種別セクターでの経験、関連する主題
に精通したナレッジ、そして世界中で培った最先端の知見から得られる利点を提供す
るよう努めています。アーンスト・アンド・ヤングはこのようにしてプラスの変化をも
たらすよう支援します。
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