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• CFOの吉田でございます
• これからご説明が長くなりますが、この3つの内容で20分ほどお話いたします
1
• 熊本県および大分県で発生した地震により被災されました方々に、心よりお見舞い
申し上げます
• 今回の地震の影響により申し訳ございませんが、本日時点では、エレクトロニクス5
分野および連結全体について、2016年度の業績見通しの発表を見合わせることとさ
せていただきました
• まずは、地震の影響自体についてご説明いたします
• 当社グループの従業員は、ソニーセミコンダクタマニュファクチャリングおよびソニー
生命、ソニー損保など、約3,500人が熊本地方に在籍しております
• 一部の従業員とそのご家族は避難所での生活を余儀なくされておりますが、幸い人
的な被害は出ておりません
• 九州には、熊本、長崎、鹿児島、大分と4つの半導体工場があり、地震発生直後に
は、熊本に加え、長崎、大分の半導体工場も、建物や設備の点検のため一時的に
操業を停止しましたが、これらはすぐに稼働を再開しています
• ここからは、現在も稼働を停止している熊本テクノロジーセンターに絞ってご説明い
たします
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まず熊本テックの概要は、ここにある通りです
設立は2001年の10月です
住所は熊本県菊池郡(きくちぐん)菊陽町(きくようまち)です
4月16日に発生したマグニチュード7.3の、いわゆる本震の震源地から12km弱の距
離です
• 従業員数は約3,200名となります
• 主な生産品目はご覧の通りです
• デジタルカメラや監視カメラ向けのイメージセンサーや、プロジェクター用のキーデ
バイスの基幹工場と位置付けております
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• 熊本テックの基本構造は、このスライドにあります通り、クリーンルームが二層に分
かれた構造となっています
• 低層のクリーンルームは、より高い精密度を要求されるウェーハ工程を設置してい
ます
• 今回の地震では、この低層クリーンルームとその中の生産ラインには大きな悪影響
は生じておりません
• 一方で高層のクリーンルームには、測定工程やカメラモジュールの生産設備などを
設置しています
• こちらについては、構造上、高層に位置することもあって、地震の揺れがより大きく
なり損傷が生じております
• 4月14日の最初の地震での被害は限定的でしたが、その後、16日に発生した本震
による影響が大きい
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• 地震ののち余震が長期間継続したこともあって、人員の安全確保を最優先したため、クリー
ンルームに入室しての確認作業が速やかに実施出来ず、状況の把握や復旧計画の検討に
時間を要した経緯にあります
• 確認の結果、低層階のクリーンルームに損傷はなく、昨日より設備の立ち上げを開始してお
り、5月末を目途に生産を開始する見込みです
• 高層階については、クリーンルームおよび生産設備等の損傷が認められ、現在、フロアおよ
び装置ごとに検証しているところです
• また、半導体部品としての完成品在庫については被害は限定的ですが、仕掛品在庫につい
ては引き続き状況を確認中です
• 各事業分野への影響としては、デバイス分野において、熊本テックにおける直接的な物的
損害や、復旧費用、補強工事費用などが生じる見込みとなっております
• 加えて生産停止が一定期間継続することにより、主にデバイス分野およびイメージング・プ
ロダクツ&ソリューション分野において、多額の機会損失が生じる可能性があります
• また、この熊本テックにおける生産停止、および、一部のサプライヤー様の工場が被災地域
にあり、部品供給に支障が生じる可能性があることから、モバイル・コミュニケーション分野、
ゲーム&ネットワークサービス分野、ホームエンタテインメント&サウンド分野においても、事
業に影響が出る可能性があります
• こうした状況から、これらのエレクトロニクス5分野、および連結全体の2016年度業績見通し
については、本日時点の発表を見合わせることとしました
• なお、熊本テックでの生産品は、デジタルカメラ向けセンサーを中心に社外のお客様に対し
ても販売をさせていただいておりますが、この供給にも支障が生じており、大変申し訳なく
思っております
• 最後に、地震保険についてお話しします
• 当社は、直接的な物的損害や売上がたたないことによる機会損失など、を対象とする地震
保険に加入しているものの、補償額の上限は当社の免責額を差し引いたネットで200億円と
なっており、今回の地震によって生じる損失の全てをカバーできない可能性があります
• 一般論にはなりますが、地震保険は火災や洪水に対する保険と比較して補償額に対する
保険料が高く、得られる補償額も限定的であることから、総合的に判断して現在の契約内
容とした経緯にあります
• では、これから2015年度実績の説明に移ります
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2015年度の連結売上高は、前年度から1%減の8兆1,057億円となりました
連結営業利益は、前年度から4.2倍の2,942億円となりました
当社株主に帰属する当期純利益は、1,478億円となりました
当期純利益が黒字となったのは、約2,800億円の一時的利益を計上して415億円の
最終黒字となった2012年度以来、3年振りのこととなります
• 仮に、この2012年度を除くと、2007年度以来、8年振りの最終黒字となります
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• 2015年度第4四半期の実績は、ご覧の通りです
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• セグメントごとの通期実績は、ご覧の通りです
• エレクトロニクス5分野の合計で営業黒字となったのは、5年振りです
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• こちらは期初時点の各セグメントの通期見通しと最終的な実績との比較になってお
ります
• ご覧の通り、営業利益で特にデバイス分野で1,496億円の大幅な下振れ、ゲーム&
ネットワークサービス分野で487億円と大幅な上振れとなっています
• いずれも期初見通しからの乖離という点では、大きな反省材料と考えております
• 各セグメントの詳細は後ほどご説明します
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• 第4四半期のセグメント別実績は、ご覧の通りです
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• まず、モバイル・コミュニケーション分野についてご説明いたします
• 2015年度は売上高で20%の減収、営業利益は614億円の赤字となりました
• 営業利益は、前年度から1,561億円の改善となっていますが、前年度に計上した
1,760億円の営業権の減損を除いたベースでは、199億円の悪化となりました
• なお、構造改革費用を2015年度に216億円計上しております
• これまで進めて来た構造改革は、当初掲げた目標以上の効果を上げており、2015
年度のオペレーションコストは、2014年度との対比で、約800億円の削減ができまし
た
• また、ソニーモバイルの人員数については、2014年10月時点の約7,100人から、
2016年4月時点で約4,500人となっております
• 従来から申し上げて来た通り、2016年度は黒字化の実現を目標としてきています
• 熊本テックにおいて、スマートフォンの一部のイメージセンサーの生産とカメラモ
ジュールの一部工程を行っており、この生産ラインの状況によっては、業績に悪影
響が出る可能性があります
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• 次に、ゲーム&ネットワークサービス分野についてご説明いたします
• PS4の好調により前年度から大幅な増収増益となり、営業利益は887億円となりまし
た
• また、ネットワークサービスについても、前年度から5割を超える増収となりました
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• こちらのスライドにもある通り、PS4の発売以降、ネットワークサービスの売上高は非
常に大きく伸びております
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• 既にご案内の通り、米国でサービスを行っているTVサービスのPS Vueについて、3月
に施策を発表し、コンテンツと視聴可能エリアの拡充などを図っています
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• また、PlayStation VRについては、2016年10月に発売することを発表しました
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• 2016年度についても、プラットフォームとしてのPS4のモメンタムは引き続き好調に推
移すると見ております
• 地震の影響により一部のサプライヤー様からの部品供給に支障が生じる可能性が
ありますが、その影響があったとしても、2016年度のPS4の販売台数は前年度の
1,770万台を上回ることができると、現時点では考えております
• 現在、地震の影響を最小化すべく、対応策の検討を進めております
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• 続いて、イメージング・プロダクツ&ソリューション分野についてご説明いたします
• 2015年度は前年度から減収増益となり、721億円の営業利益を計上しました
• カメラ市場が縮小するなかで高付加価値モデルへのシフトに成功しており、前年度
から304億円の大幅な増益となりました
• 冒頭に述べた通り、熊本テックにおける部品の生産停止により、この分野における
製品の大半が最終製品としての影響を直接に受けている状況です
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続いて、ホームエンタテインメント&サウンド分野についてご説明いたします
2015年度は前年度から減収増益となり、営業利益は506億円となりました
この分野に含まれるテレビ事業は、258億円の営業黒字となりました
テレビについては、この数年で高付加価値モデルへのシフトと、販売会社まで含め
たオペレーション力の向上で、収益構造の改善を実現できたと考えており、それがこ
の結果に表れているとみております
• 2016年度については、地震の影響により、製品のうちブルーレイディスク・レコー
ダーの一部のモデルなどで、サプライヤー様からの部品供給に支障が生じる可能
性があります
• なお、テレビの生産や販売については地震の影響は軽微であると見ております
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• 続いて、デバイス分野についてご説明いたします
• 2015年度実績は、営業利益で前年度から1,176億円と大幅に悪化し、286億円の赤
字となりました
• 先週に発表させていただいた通り、第4四半期においてカメラモジュール事業の長
期性資産の減損を596億円計上しました
• 2016年度の業績見通しについては、先ほど述べた通り地震の影響により、策定でき
ていない状況にあります
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• デバイス分野について、イメージセンサー、カメラモジュール、電池、のそれぞれに
ついて見解を述べさせていただきます
• こちらは、2014年度と2015年度について、デバイス分野の営業損益実績の内訳を
グラフ化したものになります
• イメージセンサー、カメラモジュール、電池、その他の四つに分けて表示しておりま
す
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• このスライドは、その営業損益内訳を四半期別に展開したものになります
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• イメージセンサーについての反省は、結果的に顧客からの需要数量を大きく読み違
えたことにあります
• 現在、中国のスマートフォンメーカーを含め拡販を行っており、受注は順調ですが、
本格的な需要の回復は2016年度の下期となる見込みです
• イメージセンサーを当社の成長ストーリーの中核としてきていることもあり、この業績
の悪化については大変重く受け止めております
• 次に、カメラモジュールについては、当社では組み立ての自動化を進めることで、歩
留まりと利益率を高めていけるものと考えていました
• しかしながら、この事業は自動化を進めたが故に、仕様の変更と需要の変動への対
応力に欠けた事業構造となってしまった側面があります
• 加えて、カメラモジュールは当社にとっては2013年度後半からの新規事業であり、
製造の立ち上がりが予定から大幅に遅れたこともあって、結果として大規模な減損
を計上することとなりました
• 現在、カメラモジュール事業については、あるべき事業規模の再検討をしているとこ
ろです
• 最後に、電池についてですが、2013年度の321億円に続いて2015年度も306億円と
大規模な減損損失を計上しました
• 今回の減損に至った本質的な問題は、スマホ向けバッテリーにおいて基本性能で
競合他社に劣後していたことです
• 今後は引き続き性能の改善に努めるとともに、より強みを有する高出力の液系バッ
テリーへのシフトを進めていきます
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• 次に、映画分野についてご説明いたします
• 2015年度は、前年度から増収減益となり、営業利益は385億円となりました
• 2016年度は増収増益と見ており、430億円の営業利益を見込んでいます
• 3つのカテゴリーのうち引き続き映画製作が最大の課題であり、2016年度は、昨年
の春から始動した新しいマネジメント体制による、事業立て直しの移行期間と位置
付けております
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• 次に、音楽分野についてご説明いたします
• 2015年度は、前年度から増収増益となり、873億円の営業利益を計上しました
• この利益には、Orchardを完全子会社としたことによる再評価益181億円が含まれて
いますが、これを除いたベースでも増益となっております
• 既に発表の通り、音楽出版事業を営むSony/ATVについて、合弁の相手先より持分
を取得し完全子会社とすることを決定しました
• 音楽出版はリカーリング型事業の一つであり、この施策はその強化に向けた戦略的
な投資と位置付けております
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• なお、音楽の国際的な業界団体であるIFPIのデータによると2015年の全世界の音楽
市場全体の規模は、有料サブスクリプションに牽引される形で前年比で2.5%増加し
ました
• 音楽の市場規模が前年比で増加したのは、1999年以来、16年振りのこととなります
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• 2016年度の見通しは、営業利益で630億円を見込んでおります
• 減益の見通しとなっておりますが、これは2015年度に先ほど述べた再評価益が含
まれていたこと、また2016年度において、円高による為替の悪影響があることや本
社費用等の算出方法を変更したことによるものであり、事業としては好調を維持して
いると考えております
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• 続いて、金融分野についてご説明いたします
• 2015年度は減収減益となり、営業利益は前年度から368億円減少の1,565億円とな
りました
• この減益は、主にソニー生命において長期金利の低下という金利要因と、日本株式
相場の下落という相場要因により、会計上繰り延べられている費用のうち当年度に
計上すべき金額が増加したことによるものです
• これに加えて、2014年度は日本の株式相場が大幅に上昇したことがプラスの要因
になっており、年度の比較で見た場合の減益幅の拡大要因になっております
• 2016年度の見通しは、分野としての営業利益で1,500億円を見込んでおります
• ソニー生命は保険の新契約高の推移も好調であることから、事業自体は堅調と認
識しております
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最後に、今回の地震の影響については、当社の熊本テック、およびサプライヤー様の
状況をなるべく早期に把握し、ビジネスへの悪影響を最小限とするべく努めているとこ
ろです
現在、業績への影響の精査を行うスケジュールを引いており、現時点では5月24日を
目途に、エレクトロニクス5分野、および連結全体の業績見通しのご案内が可能と考え
ております
私からの説明は以上です
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