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微生物の概要-細菌の増殖 Bacterial growth ①細菌の増殖に関する
微生物の概要-細菌の増殖 Bacterial growth ①細菌の増殖に関するTerminology(専門用語)(微生物全般に適用可) 培養 (Culture; Cultivation, Incubation) : 実験室内等の定まった条件下で人工的に微生物を増殖させること。 純粋培養 (Pure culture);単種培養(Axenic culture) : 一種類の微生物からなる培養。 混合培養(Mixed culture) :二種類以上の微生物を含む培養。 分離(単離)(Isolation) :自然界に存在する混合微生物群の中から特定の微生物だけを得る こと。→分離“株“ (Isolate(s); strain(s)) 培地(Medium, 複数Media) :微生物を培養するための栄養素を含む培養基。 微生物の概要-細菌の増殖様式 二分裂(Binary fission) 指数関数的増殖(Exponential growth) :母細胞が二分裂し、まったく同 じ大きさの娘細胞が2つ生じる Bf=Bi×2n 、 n=(tf-ti)/GT log10Bf=log10Bi+0.3((tf-ti)/GT) Bf:(tf-ti)時間後の菌数、 Bi:初期菌数、 n:世代、 GT:世代時間 微生物の概要-細菌増殖曲線 Growth curve (回分培養下) 遅滞期 誘導期 対数増殖期 定常期 死滅期 微生物の概要-細菌増殖曲線 Growth curve 細菌の増殖曲線は次の4つのステージから成る。 1.Lag phase 遅滞期・誘導期:細菌細胞が新しい環境(培地)に接種されると、細菌は すぐに分裂を開始せず、新しい環境に適応する時間が必要である。この時期を誘 導期と呼ぶ。この時期には細胞数の増加は認められないが、細胞の代謝は極め て活発である。分裂の準備期間といえる。なお、細菌細胞の状態がすでに活発な 状態であり、新しい培地への適応が必要なければ、誘導期は極めて短い。 2.Logarithmic phase 対数増殖期:誘導期での分裂の準備が整うと、細菌細胞は2分 裂により指数関数的に最大増殖速度で増加する。この時期を対数増殖期と呼ぶ。 しかし、対数増殖期は、栄養分の枯渇あるいは代謝過程で生じた有害産物の蓄積 により、増殖速度が低下し、終焉をむかえる。 3. Stationary phase 定常期:対数増殖期が終わると見かけの細菌数が変化しない時 期になる。これを定常期と呼ぶ。この時期には細菌細胞の代謝活性が低下し、増 殖速度が下がる。分裂せずに生きている状態となっている。多くの代謝産物の産 生量が最大となる。芽胞形成菌であれば、芽胞形成が始まる。栄養制限が厳しい 環境(外洋など)では、多くの細菌細胞がこの状態にあると考えられている。 4. Death phase死滅期:劣悪な環境が続けば、細菌細胞数は減少し始め、死滅期に 入る。この時期には自己溶解酵素が産生され、細胞が損傷する。この状態では、 新しい培地に接種しても、増殖することは難しい。 微生物の概要-細菌の増殖 連続培養 (自然界に一般に見られる培養形態) 微生物の概要-細菌の栄養要求 代謝(Metabolism)の基礎 異化(Catabolism)-酸化(Oxidation) 同化(Anabolism)-還元(Reduction) 微生物の概要-細菌の栄養要求 代謝(metabolism)の基礎 エネルギーを無駄にしないために 電子(還元力)の有効利用 ATP (adenosine triphosphate) Electron carriers: NAD, NADP, FAD 微生物の概要-細菌のエネルギーと炭素源の獲得様式 表 微生物の栄養区分 Table Nutritional categories among microorganisms 栄養区分 Category 光合成独立栄養細菌 光合成従属栄養細菌 Photoautotrophs エネル Energy ギー源 source 光 Light 炭素源 Carbon source 二酸化 CO2 炭素 Photoheterotroph 光 有機化 Organic Photosynthetic 合物 compounds bacteria 化学合成独立栄養細菌 Cemoautotrophs (Lithoautotrophs) Light 無機化 Inorganic 二酸化 CO2 合物 compounds 炭素 Representative Microbes Cyanobacteria, photosynthetic bacteria, algae Sulfur-, iron-, and ammoniaoxidizing bacteria; several types of methanproducing bacteria 化学合成従属栄養細菌 Chemoheterotrophs 有機化 Organic 有機化 Organic Protozoa; fungi; 合物 compounds 合物 compounds most bacteria 微生物の概要-細菌の増殖温度特性 高温菌(好熱菌) 中温菌 低温菌(好冷菌) 微生物の概要-細菌の酸素要求 1) 2) 3) 4) 偏性嫌気性菌 通性嫌気性菌 微好気性菌 好気性菌 微生物の概要-嫌気培養法 グローブボックス Glove box) ガスパック (GasPak) 微生物の概要-培地 Medium 人工的に細菌(微生物)を増殖させるための栄養成分がバランス よく充分含まれた培養基 合成培地 C源 N源 P源 S源 固形化剤 複合培地、天然培地 ビタミン エネルギー源 C, N源 固形化剤