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UNU-IAS GEOC - UNU Collections
August May
20142014
Water for Life Awards
MDGs
21
2
1
Newsletter 2
International
Water Management Institute (IWMI)-Tata
Water Policy Programme
2
NEWater Programme
2013
1
http://www.un.org/waterforlifedecade/waterforlifeaward.html
World Water Development Report
WWDR
UNESCO
UNU-IAS
UNU-IAS
2014
WWDR
2003
2012
GEOC
3
United Nations University Institute for the Advanced Study of Sustainability GEOC Programme
United Nations University Institute for the Advanced Study of Sustainability GEOC Programm
7
7
20
GEOC
UNU-ISP
35
13
1996
UNU-IAS
UNU-IAS
http://www.unwater.org/publications/
publications-detail/en/c/218614/
UNU-IAS
3
UNU-IAS
ya
ISP
IAS
12
2014
UNUUNU-
2010
10
13
10
1
CBD/COP
2012
Rio+20
2
NGO
UNU-IAS
UNU-IAS
IR3S
GEOC
GEOC
1992
GEOC
NGO
2015
1992
MDGs
21
90
21
SDGs
1996
NGO
2015
2015
geoc.jp
ias.unu.edu/jp
SDGs
2014
GEOC
GEOC
SDGs
UNU-IAS
150-8925
5-53-70
03-5467-1212 [email protected]
GEOC
ESD
11
2015
3
3
Global Environment Outreach Centre
GEOC
Global Environment Outreach Centre
GEOC
NGO
10
2014 年「世界水の日」の公式記念行事を開催
毎年 3 月 22 日は国連が定める「世界水の日」です。国連水関連機関調整委員会(UN-Water)は、国連大学(UNU)および国連工業開発機関
(UNIDO)とともに、2014 年 3 月 20 日と 21 日の 2 日間、「世界水の日」公式記念行事を東京の国連大学本部で開催し、延べ 300 名以上
が出席しました。今年のテーマは「水とエネルギーのつながり」。エネルギーの生産は水資源を必要とし、一方で水資源の供給のため
にエネルギーが消費されるなど、両者は密接に関連しています。公式記念行事の 1 日目は、「アジアにおける水とエネルギーのつなが
り」に関するシンポジウムや、ジャーナリストを対象にしたワークショップが開催されました。2 日目は、午前に「国連命のための水
大賞」や「世界水発展報告書(WWDR)」の発表が行われたほか、午後の記念式典では、基調講演、各国政府や国際機関の代表による
ハイレベル政策パネル、水やエネルギーの専門家によるパネルセッションが行われました。2 日間の記念行事を通じて、水とエネルギ
ーの問題について様々な視点から議論が交わされ、課題解決の方向性が示されました。
基調講演
はじめに、皇太子殿下が、水に関
する多面的な議論が深まり、21 世紀
が水問題解決の世紀になることを願
ってやみません、と英語でお言葉を
述べられました。続いて、太田昭宏
国土交通大臣と石原宏高外務大臣政
務官が、日本の水・エネルギー分野
における取組や技術、国際貢献につ
いて基調講演を行いました。
太田氏は、日本は度重なる洪水や渇水の被害を軽減するために努力と工
夫を重ねてきた結果、河川を制御するのではなく、河川をなだめ、自然と
の共生を考えながら様々な技術を獲得してきたと述べました。そして、日
本が誇る水技術として、ダムなど水資源開発施設の整備や水力発電、97%
を超える普及率の水道などを紹介しました。また、気候変動により、日本
でも災害が局地化・集中化・激甚化している状況に触れ、防災・減災対策
として、情報通信技術を活用した観測・予測体制の整備や、既存のダムを
運用しながら洪水調節機能の強化を行う「ダム再生」などの先進的な技術
の活用が進んでいることを説明しました。そして、こうした水技術を活用
した支援を行い、世界の水問題解決に取り組んでいきたいと述べました。
石原氏は、日本が水・エネルギー分野のトップドナーとして、開発途
上国の人々の生活環境改善を支援し、経済・社会の開発を後押ししてきた
努力と成果について言及し、こうした日本の取組は、MDGs の達成に貢献
してきたと述べました。最後に今後の日本の取組について、「万人のため
の衛生と水(Sanitation and Water for All)」や「万人のための持続可能な
エネルギー(Sustainable Energy for All)」イニシアティブに積極的に参加
し、日本の知見、経験、技術を伝えることで、両分野の開発課題に関する
国際的な議論に引き続き貢献していきたいと述べました。
ハイレベル政策パネル
ポスト 2015 開発アジェンダと持続可能な開発目標(SDGs)における
水とエネルギーのつながりに関する取組
モデレーター
ザファール・アディール 国連大学水・環境・保健研究所所長
パネリスト
アルバート・ブタレ ルワンダ共和国前インフラ整備省国務大臣、アフ
リカ・エネルギー・サービス・グループ CEO
ミシェル・ジャロー UN-Water 議長、世界気象機関(WMO)事務局長
ハンス・ドービル ユネスコ本部戦略計画局事務局長補
ニゾミディン・ゾヒドフ タジキスタン共和国外務次官
足立敏之 国土交通省技監
水とエネルギーのつながりが開発アジェンダにどのように貢献できるの
かを明らかにすることを目的として、(1)なぜ水とエネルギーの問題を
政策課題として同時に考える必要があるのか、(2)現在抱えている課題
をいかに克服し、どのようにポスト 2015 開発アジェンダで具体化するの
か、(3)国レベル、国際レベルにおいてどのような実践メカニズムや対
策が必要か、を議論しました。
アルバート・ブタレ氏
水とエネルギーの問題はあまりに大きく、簡単に解決できる問題ではあ
りません。水とエネルギーのセクターはそれぞれ別に課題に取り組んでお
ディスカッションでは、水資源管理に関する政策について、国家間の協
力と信頼関係の構築が重要だという意見や、水分野における民間セクター
の協力について、補助金や適正な電力価格の設定が必要だという意見が出
ました。また、研究開発分野における国連の役割について、国連は多国間
の取組における主要なコーディネーターなので、協力関係を築き、知識や
アイデアを提供、共有する場として機能すべきだという提案がありまし
た。パネルディスカッションを通して、教育、食糧、水、エネルギーなど
あらゆる分野における貧困問題の撲滅が最優先課題であることが確認さ
れ、貧困撲滅のためには、技術や研究開発の推進、地域における協力の強
化、政策決定プロセスへの科学的知見の反映、さらに民間セクターの参画
を推進する政策等が重要であるとのメッセージが発信されました。
り、問題解決に向けて、まず両セクター間の隔たりをなくす必要がありま
す。また、ルワンダではミレニアム開発目標(MDGs)での水に関する目
標は達成されましたが、例えば「水へのアクセスがある人」には自宅に水
道がある人ばかりではなく、家の近くに水道がある人々も含まれていま
す。そうした人々は深夜になると水へのアクセスが難しいので、今後の開
発アジェンダに向けて水へのアクセスの定義について見直すことが必要で
す。
ミシェル・ジャロー氏
我々は今、2015 年以降どのような意思決定をすべきか考える非常に大
切な時を迎えています。国連の役割は、加盟国が政策決定において正しい
決断を下すための支援を行うことです。持続可能な開発を進める上で「水
とエネルギーのつながり」について議論することは、貧困撲滅、保健、食
糧安全保障、エネルギー供給など、人類が今日直面している課題を解決す
るための鍵となります。水問題は様々な要素が絡む分野横断的な問題であ
り、包括的視野と国や専門性の境界を越えた協力が不可欠です。特に重要
な課題として、水の管理とガバナンスの推進、水関連災害への対策強化、
MDGs の課題でもある飲料水や衛生施設へのアクセス向上、MDGs に含ま
れていなかった下水処理対応の強化などに取り組んでいきたいと考えてい
ます。
ハンス・ドービル氏
水やエネルギーの問題を解決する上で重要なのは、将来に向けて明確な
目標を据えて取り組むこと、そして過去の歴史から学び、内省的になるこ
とです。日本政府の支援を得てユネスコが主導している持続可能な開発の
ための教育(ESD)は、国際社会の課題を自らの問題としてとらえ、自身
の行動や価値観を振り返り問題解決を促すもので、過去と未来への両方の
視座を備えるものです。また、水とエネルギーの分野において、技術と革
新につながる科学の推進は非常に重要です。各国政府が環境や価値観を重
視した教育を推進すること、同時に国家予算にターゲットを設定するなど
して研究開発のための財源の確保に努めることを期待します。
ニゾミディン・ゾヒドフ氏
気候変動と持続可能な開発の観点から水問題がますます重要になってい
ます。タジキスタンは、国連の水に関する事業を支持し、国連決議の採択
を先導してきました。また、豊富な水資源に恵まれる一方で他のエネルギ
ー資源に乏しいため、水力発電の開発に一貫して取り組み、電力不足の削
減、エネルギーの安全保障、国民の生活水準向上を図ってきました。水力
発電事業は再生可能資源の活用という持続可能な発展の基本原則に合致
し、経済成長と環境を両立するグリーンエコノミーに寄与するものです。
水資源管理は、ローカル、国、リージョナル、地球レベルでの相互利益と
共同発展の原則に基づいたものでなければならず、この原則こそが世界の
貧困撲滅や不平等の解決の鍵となります。
足立敏之氏
今日の国際社会における最重要課題の一つが貧困撲滅であり、貧困問
題を解決するためには、水とエネルギーの問題をポスト MDGs と SDGs に
位置づけ、世界全体で共有することが必要です。日本は、1960 年代から
産業発展や都市人口の増加により水や電力の需要が増加したため、水やエ
ネルギーの総合的開発のための法制度を整え、法律に基づいた整備を進め
て経済の再生と発展を実現してきました。また、技術面では、大規模ダム
の建設や河川改修を効率的、経済的に行い、その技術をアジアをはじめと
した世界各国に提供してきました。今後もこうした技術や経験を活用し、
環境との調和や気候変動への対応を視野に入れて、持続可能な社会システ
ムを構築していくことが重要と考えています。
産業界と学会関係者による専門家間パネル
モデレーター
レザ・アルダカニアン 国連大学物質フラックス・資源統合管理研究所所長
パネリスト
ナンダ・ガヴェンダー 南アフリカ国営電力会社エスコム ゼネラル・
マネジャー
クリスチャン・ジェルサレ ヴェオリア・ウォーター・ジャパン株式会
社代表取締役社長
フィリップ・ジュベール 持続可能な開発のための世界経済人会議シニ
ア・アドバイザー兼マネージング・ディレクター
ジョセフィーナ・マエストゥ UN-Water アドボカシーとコミュニケーシ
ョンにおける 10 年計画コーディネーター
竹村公太郎 日本水フォーラム代表理事兼事務局長
リチャード・テイラー 国際水力発電協会エグゼクティブ・ディレクター
このセッションでは「ストックホルム世界水週間」(2013 年 9 月)と
「国際サラゴサ会議」(2014 年 1 月)の 2 つの水に関する会議の成果を
踏まえ、(1)営利目的の水と開発目的の水の問題、(2)水とエネルギー
のつながりにおけるパートナーシップのあり方、(3)水とエネルギーの
つながりに関するリスクとその軽減策、の 3 点について議論が行われまし
た。
クリスチャン・ジェルサレ氏
「営利目的の水」と「開発目的の水」は矛盾するものではありません。
水に関する課題は、飲料水の供給、維持費の適正化、水道整備や老朽化対
策、供給サービス改善など国や自治体によって様々ですが、企業は持続可
能なシステムの構築や安全な飲料水の提供などへの解決策を提供すること
ができます。例えば、ヴェオリア・ウォーターは、インドのナグプールで
スラム街に住む人々への飲料水を提供したり、バングラデシュではグラミ
ン銀行とのジョイントベンチャーを通じて地域の人的・技術的資源を活用
して安価な水を提供するなど、安全な飲料水の提供や持続可能な経済の構
築に貢献しています。コストの最適化や革新的なアイデア・技術の提供に
より、「営利目的の水」と「開発目的の水」は両立できるので、既存のパ
ートナーシップの強化や産業界の参画を促すインセンティブが重要だと思
います。
ナンダ・ガヴェンダー氏
南アフリカでは水へのアクセスが容易ではなく、水の使用においてどの
ように優先順位をつけるか、配分するか、使用権を与えるかについてジレ
ンマがあります。例えば、優先順位をつける際、国際レベルでは MDGs や
SDGs などの目標、国レベルでは信頼性のある入手しやすい電力の供給、
使用効率など、様々な基準があるため水の配分は容易ではありません。こ
うした現状から、ビジネス界にとって水へのアクセスが難しくなっていま
すが、民間セクターは、革新的な技術、専門的知識、資金提供、投資など
を通して持続可能な水とエネルギーの提供を保障することにより、問題解
決に貢献できます。
ジョセフィーナ・マエストゥ氏
水とエネルギーへのアクセス、効率性、持続可能性は技術の問題だけで
はなく、どのように実施するかが重要ですが、水とエネルギーの問題は一
つの機関で取り組むには大きすぎる問題であり、様々な主体によるパート
ナーシップが不可欠です。パートナーシップを妨げる要因として、エネル
ギーと水に関する縦割り行政、従来の技術の償却期間であるために新しい
技術に投資できないこと、政府と企業という既存のパートナーシップに長
期的な視点が欠けていることなどが挙げられます。さらに今後水とエネル
ギーのつながりについて関係者のパートナーシップを推進する上では、両
セクターの経済的規模や活動範囲が大きく異なることや両セクターで扱う
情報の内容や性質の違いに留意する必要があるでしょう。
竹村公太郎氏
16 世紀の戦国大名・武田信玄は領地における水を巡る争いを、ガバナ
ンスによって水路という技術を用いて平等に水を分配することで争いを収
めました。このことは「水はパブリックのものである」として水を分け合
う認識が日本で浸透するきっかけとなり、また社会的技術の重要性を伝え
る事例となりました。都市と地方を巡る水問題の現状については、日本は
水源地域対策特別措置法と河川法という 2 つの法律によって上流と下流、
すなわち地方と都市における水資源の共有が推進されています。このよう
な歴史的・政策的背景により、日本ではかつて見られた水資源を巡る争い
が今はほとんど起こりません。
フィリップ・ジュベール氏
電力貯蔵の必要性が高まっており、水力発電は電力を貯蔵できる唯一の
実効的な技術であることから、水とエネルギーのつながりはますます強ま
っています。また、気候変動の観点から、水とエネルギーの問題はさらに
大きくなっています。水とエネルギーの問題のリスクを軽減するため、技
術を積極的に活用すること、用途に合わせて水を効率的に使用すること、
水管理のガバナンスをきちんとすること、法規制を整えること、研究開発
を進めることなどの対策が必要です。
リチャード・テイラー氏
水力発電、防災、灌漑、生態系サービスなど様々な用途で水の貯蔵への
期待が高まっています。しかし一方で、うまく機能するビジネスモデルを
見つけるのが困難である、初期投資が大きく多大なリスクを伴う、多くの
主体が関わっているなど、持続的な水の貯蔵や水力発電に関する課題はた
くさんあります。こうした課題を解決するために、複数の主体が集まって
水力持続可能評価基準(Hydropower Sustainability Assessment Protocol)を
作成しました。この評価基準により、水力発電のプロジェクトを進めるに
あたり、より予測できる形で十分な情報に基づいた意思決定を促し、水力
発電の計画、建設、稼動が持続可能かどうかを評価できるようになりまし
た。
討論を通して、営利目的の水と開発目的の水が両立されること、水とエ
ネルギー分野におけるパートナーシップは課題が多いが問題解決に向けて
不可欠であること、リスクを軽減するためには適切なガバナンスや評価基
準、技術が必要であることなどが確認され、水とエネルギーのつながりに
関する課題を克服する道が提案されました。
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