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薬局だより2月号 - ケーアイ調剤薬局公式ホームページ

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薬局だより2月号 - ケーアイ調剤薬局公式ホームページ
また、乳幼児突然死症候群・早産・流産等のリスクも高まると言われており、妊
娠中の喫煙が子供のアレルギー疾患発症に関与しているという報告もあります。
●授乳中の喫煙:
薬局だより
2016 年第 2 号
ケーアイ調剤薬局
母乳中に含まれるニコチン濃度は、母親の血漿濃度の3倍だと言われています。
そのため、赤ちゃんに不眠・下痢・嘔吐等のニコチン中毒症状が現れることがあ
ります。また、母乳の味が変わってしまうため赤ちゃんが飲む量が減り、成長が
2016 年 2 月 1 日発行
妊娠・授乳中の嗜好品・サプリメント
当薬局には赤ちゃんから高齢の方まで様々な年代の方がいらっしゃいます。そ
の中にはもちろん、これから妊娠を望んでいる方・妊娠中の方・授乳をされてい
る方もいます。妊娠・授乳中は自分の口に入る物に特に気を使うため、薬やサプ
遅れてしまいます。その他のタバコの害としては、受動喫煙によって呼吸器疾患
にかかりやすくなる、誤飲によるニコチン中毒(タバコ1本分のニコチンが子供
には致死量に相当すると言われています)等が挙げられます。
◆アルコール
●妊娠中の飲酒:
リメント等について不安を相談される方は多くいらっしゃいます。そこで今回は、
「少量のアルコールをたまに飲むくらいなら大丈夫」という考えもあるようです
が、どれくらいまでなら飲んでも良いという量がはっきり分かっているわけでは
妊娠・授乳中に一般的に気をつけることをテーマに書いていこうと思います。
ないため、避けることが望ましいです。妊娠中の習慣的なアルコール摂取により
妊娠・授乳中に特に注意してほしいものは、
「タバコ」「酒」「カフェイン」で
す。何となく悪い影響を与えそうだなというのは想像できると思いますが、実際
どのような悪影響を及ぼすのでしょうか?
◆タバコ
「胎児性アルコール症候群」が報告されています。
※胎児性アルコール症候群…①発育の遅れ②中枢神経の異常(学習障害・多動等)
③特徴的な容貌(頭蓋形成不全・特徴的な顔つき)を3大特徴とする先天性疾患
●授乳中の飲酒:
アルコールは急速に母乳中へ移行します。母親が飲酒直後に授乳し、赤ちゃんが
タバコの煙には 4000 種類以降の化学物質が含まれており、その中には発がん
性物質も存在します。
「タバコ」と言えば「ニコチン」という言葉をよく聞き
急性アルコール中毒で死亡したケースもあります。アルコールを摂取した時は、
母親がアルコールの影響を感じなくなるまで授乳を待つ必要があると言われて
ますが、このニコチンは青酸カリの倍以上の毒性を持つと言われ、脳に作用す
います。(ビール1杯で3~6時間程度(個人差あり))
ることで煙草への依存性を生み出します。また、血管を収縮させる作用があり、
血圧上昇・頭痛・興奮等の症状が現れることがあります。煙には酸欠を引き起
こす一酸化炭素も多く含まれており、これも胎児や子供に悪影響を及ぼします。
●妊娠中の喫煙:
ニコチンの作用でお母さんの血管が収縮されます。それにより、赤ちゃんへ酸素
や栄養がうまく行き渡らなくなってしまいます。さらに煙中の一酸化炭素が赤ち
ゃんにも送り込まれるので、赤ちゃんはより一層酸欠状態に。その影響で赤ちゃ
んの成長が遅れてしまい、出生時に低体重になる確率が高くなってしまいます。
◆カフェイン
適量(コーヒーを1日3~4杯程度まで)であれば問題はないと言われています
が、摂取量が多いと注意が必要です。カフェインはコーヒーだけでなく、緑茶、
紅茶、ウーロン茶、コーラ、栄養ドリンク等、様々な飲料に含まれています。
多量摂取の影響
●妊娠中:突発性流産、発育遅延、不妊症などに影響すると考えられています。
●授乳中:乳児に神経過敏、不眠の症状が現れることがあります。
妊娠中・授乳中のサプリメント
持っていて良かった、お薬手帳。
あくまで栄養成分は食事から摂るのが基本ですので、まずは食生活を見直しま
しょう。それでもどうしても不足してしまう栄養素は、サプリメントで補った方
が赤ちゃんのためにも良いと考えられています。ただ、全てのサプリメントが大
丈夫かというと、そうではありません。
「ビタミン・ミネラル」に関しては、通
常量であれば問題ないとされています。一方、その他のサプリメント等について
は、妊娠・授乳への影響についてデータが揃っていないものも多く、なるべく控
えた方が良いでしょう。
●妊娠中:
特に注意が必要なのは、
「ビタミン A」です。ビタミン A の過剰摂取で催奇形
性が報告されています。βカロチンとして摂取する場合は必要な分だけビタミン
A に変わるので問題ないのですが、レバーやうなぎ等を好んで食べる方が更にビ
タミン A の入ったサプリメントを摂ると、過剰摂取になりがちです。
●これから妊娠を考えている方:
「葉酸」を摂りましょう。葉酸はほうれん草・春菊・ブロッコリー等に多く含
まれている水溶性ビタミンの 1 種で、赤ちゃんの神経管閉鎖障害(下肢の運動障
害、膀胱や直腸の機能障害、脳の形成不全等)を軽減するとされています。妊娠
1カ月前~3カ月までは、食品からの摂取に追加して栄養補助食品等で1日 400
μg の葉酸を摂取することが推奨されています。妊娠が分かる頃にはすでに臓器
ができてきていますので、妊娠が分かってからではなく、妊娠を計画した時点で
習慣的に摂取し始めた方が良いです。
妊娠された方から「実は妊娠が分かる前に他の病院で薬を飲んでいたの
で、心配しているんですが・・」と相談されることがあります。その時に役
立つのがお薬手帳です。手帳には薬の名前だけでなく、いつからいつまで薬
を飲んでいたかも正確に記録されていますので、妊娠何週くらいに何の薬を
どれくらいの量、どれくらいの期間飲んでいたのかが分かるため、薬の影響
を調べるのに大変役立ちます。
「薬の影響は心配しなくて大丈夫ですよ」とお答えした時のほっとした笑
顔を見ると、不安をとりのぞくことができてよかったと感じます。
※妊娠と薬について
妊娠4週~10 週にかけては器官形成期にあたり、心臓・中枢神経・四肢・
消化器等の重要な器官が作られる時期です。この時期の薬の服用で問題にな
るのが、薬による催奇形性です。妊娠が発覚するのは妊娠 5 週以降が多い
ため、それ以前に服用した薬への不安を相談する女性も少なくありません。
最近ではインターネットで気軽に他人に相談できるサイトもありますが、わ
ざと人の不安を煽って楽しむ人もいますので、不安に思ったら医師や薬剤師
へ相談してください。
薬を服用していない健常妊婦においては、100 人に 3~5 人の割合で先天
異常(奇形)が見られます。この先天異常の発生率を高める医薬品は、ごく
●授乳中に特に注意が必要とされているサプリメント:
(授乳婦のホルモンバランスに影響したり、乳児への毒性・アレルギー反応・不
眠・昏睡等の悪影響を及したりする恐れがあるもの)
アロエ
ビルベリー
ルリヂシャ
大豆イソフラボン
キャラウェイ
セントジョーンズワート
レッドクローバ
ローヤルゼリー
キャラウェイ
ベニコウジ
プエラリア・ミリフィカ
ニガヨモギ
マテ
朝鮮人参
ユーカリ
セージ
フキタンポポ
ー・アカツメクサ
一部の特殊な医薬品のみです。ほとんどの医薬品については心配いりませ
ん。また、持病等で長期的に薬を服用する必要がある場合は、あらかじめ妊
娠希望である旨を主治医へ伝え、妊娠した時の対応を聞いておくと良いでし
ょう(妊娠したからといって、自己判断で薬を中止してはいけません)。
ジェネリック医薬品
Q&A
(第 3 回)
Q.ジェネリック医薬品には粗悪な原薬が使われているのでは?
A.いいえ。
薬の審査の段階で、原薬の品質についても審査を受けます。薬の有効性や安全性
*アロエや大豆イソフラボン等、食事から通常量を摂取する分には問題ありませ
に影響を与えるような粗悪な原薬を使った薬は承認を受けることができません。
先発医薬品の品質と同等あるいはそれ以上であると認められた薬だけが承認さ
ん。
れます。
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