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「渡邉博史 写真展にあたって」 画廊代表 ご挨拶
渡邉博史 写真展にあたって 画廊代表 武田泰幸 前回ベネチアシリーズの展覧会の際にも サルの写真展の話が出て、正直なところ戸惑った覚えがある。 彼の得意にしている役者や伝統芸能の肖像作品でなく サルなのである。 しかし、今回の周防猿まわしの画像をみて、これは是非やってみたいと 強く思った。 我々人類に一番近いといわれる動物が人といっしょに芸をする。 日本古来のキモノや今の若者風のパーカーを着こなし、 木戸銭を払ってやって来るお客達の前で。 これは立派なプロの仕事なのである。 何によらずアマチュア嫌いの私にとって、 彼らプロ達の肖像から垣間見える、鋭い眼力と少々疲れきった表情にひどく惹かれた。 彼らに一番近い動物であるヒトとして。 類人猿といわれるチンパンジーを、一万年飼っても人類にはならないという説を 昔聞いた記憶がある。しかし、今回の渡邉氏の作品を見て、彼らサル達は 何万年か前に人類という進化をすでに終えてきたのではないかとふと思った。 そういえば、来年は申年である。