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ミラノのサン・ラッファエーレ病院でトモセラピー治療を開始(イタリア)

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ミラノのサン・ラッファエーレ病院でトモセラピー治療を開始(イタリア)
NEDO海外レポート
NO.956, 2005. 6. 1
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海外レポート956号目次 http://www.nedo.go.jp/kankobutsu/report/956/
【産業技術】ライフサイエンス
ミラノのサン・ラッファエーレ病院でトモセラピー治療を開始(イタリア)
2005 年 3 月 10 日ミラノのサン・ラッファエーレ病院において非常に高い確率によ
って腫瘍を治療する、ヨーロッパで第1番目に使用される、新技術による放射線治療・
トモセラピー機械による治療実験が開始された。
こ の 放 射 線 治 療 新 機 械 は 、 機 械 に 装 備 さ れ て い る TAC ( Tomografia assiale
computerizzata/コンピューター断層撮影装置〔英語名 CT〕)によって腫瘍の場所を
非常に正確に見極めることが出来る。また治療プログラムを立てて患者の周りをらせ
ん状に動いて患部の位置を決め、回転する加速器によって生産される放射線の束を腫
瘍の形、アングルにそって正確に放ち、よって健康な組織を損なうことなく腫瘍の治
療を可能にすると言う医療器具である。
従来の放射線治療機械では、攻撃すべき腫瘍部分への照射が充分に正確でないため
に患者に副作用をもたらす等の大きな弊害があったが、トモセラピーではこれらの副
作用を極端に縮小させる。
保健衛生省の協力によって同病院で開始されたトモセラピー治療は、今のところ基
礎実験段階であり、全ての腫瘍患者に適用される訳ではない。サン・ラッファエーレ
病院の放射線治療科ディレクターのフェルッチォ・ファツィオ医師は、「本セラピーは
革新的で実験的なものであり、目下の所、科学プロトコールをベースにして肺、脳、
首、前立腺、膵臓の腫瘍患者の治療に適用される。
機械の正確性によって放射線照射回数を縮小させることが本プロジェクトの特に重
要な目標の1つになっている。既にトモセラピー治療は開始されているが、従来の治
療では 30∼40 回の照射を必要としていたが、本トモセラピーでは 20 回の照射で済む。
我々は、今後更に 10 回以下の照射で治療を終わらせる事が出来るであろうと考えて
いる」と述べた。
正確性を更に改善させるためにサン・ラッファエーレ病院の研究者達は、世界で始
めて実施される“新陳代謝ガイド・トモセラピー”と呼ばれる新しい治療法を実験し
ている。
“新陳代謝ガイド・トモセラピー”とは、トモセラピーと PET/TAC メソードを連
結した治療法である。TAC は、腫瘍質量の形の地図を作り、PET(Tomografia a
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Emissione di Positroni/陽電子放射断層撮影装置)は、腫瘍の生物的、新陳代謝的特
徴を割り出す。つまり放射線束を照射するために、より正確な標的となる新陳代謝活
動細胞を究明する。
サン・ラッファエーレ病院の専門家達は、この治療は2つの大きな長所を持ってい
ると説明する。1つは、腫瘍段階をより詳細に究明、 定めることを可能にする(例え
非常に小さくても周囲に転移していてトモセラピーの効用をもたらさない患者は除
外)。もう1つは、治療が1度開始されると PET は、エネルギーを使って生物活動し、
そのために究明が可能となる腫瘍細胞ゾーンをリアルタイムに示しつつ、“新陳代謝”
のガイド(案内役)を務める。
本実験プロジェクトの総投資額は 1,500 万ユーロで、トモセラピー機械のコストは
300 万ユーロであった。総投資額の 30%は保健衛生省が負担し、70%は、サン・ラッ
ファエーレ機関が出資した。
ミラノ、ローマ、アヴィアーノ、バーリ、ナポリ、ジェノバ市のガン対策協会連盟
は 2005 年 1 月よりサン・ラッファエーレ病院の実験に協力しており、既に 30 名の患
者が治療中、あるいは治療を終了している。来る何ヶ月間において専門家達は治療結
果と不測の副作用等の結果を割り出し、本年末までには更に幅広い適用実施を予定し
ている。
以上
(参考資料)
コッリエーレ・デッラ・セーラ紙、他
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