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東 京 都 の 国 土 調 査 東 京 都 の 国 土 調 査

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東 京 都 の 国 土 調 査 東 京 都 の 国 土 調 査
東 京 都 の 国 土 調 査
平 成 2 6年 度
東
京
都
都
市
整
備
局
都 市 づくり政 策 部 土 地 利 用 計 画 課
目
次
ページ
1 国土調査のあらまし ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
1
2 地籍調査の内容 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
4
3 19条5項指定‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
9
4 基準点測量 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
10
5 地籍調査事業(一般)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 11
6 都市再生地籍調査事業 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
12
7 地籍予備調査事業(概況・予備)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
13
8 都市再生街区基本調査(国直轄)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
14
9 都市部官民境界基本調査(国直轄)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
16
10 地籍調査成果のシステム化(旧地籍活用GIS推進事業)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
18
11 土地分類調査
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 20
12 都道府県水調査 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
22
13 その他 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
24
(資料編)
(1)国土調査年度別総括表及び事業計画表
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
26
(2)地籍調査事業(一般)
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
27
年度別実績表
(3)都市再生地籍調査事業(旧地籍情報緊急対策事業)
年度別実績表
(4)都市再生地籍調査事業(旧民間成果活用モデル事業)
‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥
29
年度別実績表‥
30
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
30
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
31
(8)東京都地籍調査実施状況‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
32
(9)国土調査法第19条第5項指定実績(基準点指定を除く。)‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
33
(10)土地分類調査
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
36
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
36
(5)地籍予備調査事業(旧都市部地籍調査促進事業)
(6)地籍調査成果のシステム化
(7)都単認証促進事業
(11)水調査(都営)
年度別実績表
年度別実績表
実績表
実績表
(12)地籍調査成果システム導入区市町村一覧表
(13)国土調査実施区市町村担当一覧
(14)東京法務局関係(登記所)一覧表
年度別実績表
28~29
概況調査・予備調査
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
37
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
38
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
39
(15) 東京都地籍調査事業実施状況図
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
40~41
(16) 東京都土地分類調査実施状況図
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
42~43
1
国 土 調 査 のあらまし
国 土 調 査 と は 、 国 土 調 査 法 ( 昭 和 26年 6 月 1 日 法 律 第 180号 ) に 基 づ く 国 土 の 基 礎 調 査
をいい、調査の目的は、同法第1条で「国土の開発及び保全並びにその利用の高度化に資
するとともに、あわせて地籍の明確化を図るため、国土の実態を科学的かつ総合的に調査
すること」と規定されています。
国土調査の内容は、次の三調査に大別されます。
①
地籍調査
土地の境界・面積・所有者・地目・地番の調査
②
土地分類調査
土地の利用現況・自然的要素・生産力等の調査
③
水調査
雨量・流量・水質・流況・水利等の調査
国土調査の経過
国土調査の実施については、当初、調査を行う者の任意の申請により実施されていまし
た が 、 国 土 調 査 促 進 特 別 措 置 法 ( 昭 和 37年 5 月 19日 法 律 第 143号 ) の 制 定 に よ り 、 計 画 的
な実施が定められました。
(1) 任 意 方 式 ( 昭 和 26年 ~ 昭 和 31年 )
昭 和 26年 の 国 土 調 査 法 の 制 定 以 降 、 ま ず 地 籍 調 査 が 事 業 化 さ れ ま し た が 、 調 査 を 行 う
者の任意の申請に対する国土調査の指定によって実施されたため、全国での事業実績は
1,840k㎡ で し た 。 ま た 、 東 京 都 に お け る 実 績 は 7.99k㎡ で し た 。
(2) 特定計 画 方 式 ( 昭 和 32年 ~ 昭 和 37年 )
昭 和 32年 に 国 土 調 査 法 の 一 部 が 改 正 さ れ 、 「 特 定 計 画 」 ( 国 土 調 査 法 第 6 条 の 2 ) を
設 定 し 、 事 業 の 促 進 を 図 り ま し た が 、 全 国 で の 事 業 実 績 は 5,562k㎡ に と ど ま り ま し た 。
土 地 分 類 調 査 に つ い て は 、 昭 和 29年 以 降 に 事 業 化 さ れ 、 37年 ま で に 国 が 行 う 土 地 分 類
調 査 に つ い て 5,351k㎡ が 実 施 さ れ ま し た 。 ま た 、 東 京 都 に お い て は 地 籍 調 査 が 300k㎡ 計
画 さ れ ま し た が 、 21.29k㎡ ( 達 成 率 7 % ) の 実 施 に と ど ま り ま し た 。
(3) 第 1 次 十 箇 年 計 画 ( 昭 和 38年 ~ 昭 和 44年 )
地籍調査の進捗が必ずしも順調でないこと、また、農業基本法、新産業都市建設促進
法等、一連の経済立法の制定に伴い、農業構造の改善、産業立地の適正化等、社会経済
的情勢の推移により国土調査の推進を図ることが認識され、国土調査促進特別措置法が
制 定 さ れ た こ と に よ り 、 昭 和 38年 を 初 年 度 と す る 「 第 1 次 十 箇 年 計 画 」 が ス タ ー ト し ま
した。
こ の 計 画 で は 、 昭 和 47年 ま で に 、 地 籍 調 査 が 42,000k㎡ 、 国 が 行 う 土 地 分 類 基 本 調 査 が
16,000k㎡ 、 市 町 村 が 行 う 土 地 分 類 細 部 調 査 が 2,500k㎡ が 計 画 さ れ 、 44年 ま で に そ れ ぞ れ
18,909k㎡ ( 達 成 率 45% ) 、 9,600k㎡ ( 達 成 率 60% ) 、 362k㎡ ( 達 成 率 14% ) が 実 施 さ れ
ま し た 。 ま た 、 東 京 都 に お い て は 地 籍 調 査 が 36.22k㎡ 実 施 さ れ ま し た が 、 計 画 面 積 に つ
いては不明です。
(4) 第 2 次 十 箇 年 計 画 ( 昭 和 45年 ~ 昭 和 54年 )
昭 和 44年 に 国 土 総 合 開 発 法 に 基 づ く 全 国 総 合 開 発 計 画 の 新 計 画 が 策 定 さ れ 、 昭 和 60年
を目標として各種の国土開発事業が急速に実施される見込みとなりました。これに合わ
せ て 、 国 土 調 査 も ペ ー ス を 加 速 さ せ る た め 、 昭 和 45年 に 国 土 調 査 促 進 特 別 措 置 法 の 一 部
が改正され「第2次十箇年計画」がスタートしました。
こ の 計 画 に よ り 、 地 籍 調 査 は 計 画 数 値 85,000k㎡ に 対 し て 38,238k㎡ ( 達 成 率 45% ) 、
-
1-
国 が 行 う 土 地 分 類 基 本 調 査 は 計 画 数 値 6,400k㎡ に 対 し て 6,400k㎡ ( 達 成 率 100% ) 、 都 道
府 県 が 行 う 土 地 分 類 基 本 調 査 は 計 画 数 値 120,000k㎡ に 対 し て 120,000k㎡( 達 成 率 100% )、
市 町 村 が 行 う 土 地 分 類 細 部 調 査 は 計 画 数 値 2,500k㎡ に 対 し て 999k㎡ ( 達 成 率 40% ) が 実
施 さ れ ま し た 。 東 京 都 に お い て は 地 籍 調 査 が 500k㎡ 計 画 さ れ ま し た が 、 202.61k㎡ ( 達 成
率 40% ) の 実 施 に と ど ま り ま し た 。
(5) 第 3 次 十 箇 年 計 画 ( 昭 和 55年 ~ 平 成 元 年 )
第2次十箇年計画の実績を鑑み、第3次全国総合開発計画と連携し、引き続き緊急に
実施すべき地域(平野部のほとんどと隣接の林地)の調査を完了させることを目標に、
昭 和 55年 に 国 土 調 査 促 進 特 別 措 置 法 の 一 部 が 改 正 さ れ 、 「 第 3 次 十 箇 年 計 画 」 が 策 定 さ
れました。この計画では、公共事業の確定測量等の地籍類似調査についても積極的な取
組がなされています。
こ の 計 画 に よ り 、 地 籍 調 査 は 計 画 数 値 60,000k㎡ に 対 し て 32,735k㎡ ( 達 成 率 55% ) 、
都 道 府 県 が 行 う 土 地 分 類 基 本 調 査 は 計 画 数 値 140,000k㎡ に 対 し て 100,091k㎡ ( 達 成 率 71
% ) 、 市 町 村 が 行 う 土 地 分 類 細 部 調 査 は 計 画 数 値 5,000k㎡ に 対 し て 3,007k㎡ ( 達 成 率 60
%)が実施されました。
東 京 都 に お い て は 、 地 籍 調 査 が 200k㎡ 計 画 さ れ ま し た が 、 67.40k㎡ ( 達 成 率 34% ) の
実 施 に と ど ま り ま し た 。 ま た 、 土 地 分 類 基 本 調 査 は 昭 和 63年 度 か ら 調 査 を 開 始 し 、 91k㎡
を実施しました。
(6) 第 4 次 十 箇 年 計 画 ( 平 成 2 年 ~ 平 成 11年 )
第4次十箇年計画では、都市地域における人口集中地区の相当部分について実施する
ことを目標に、平成2年に国土調査推進特別措置法の一部が改正されました。この計画
では、都市地域での地籍調査の促進を図るため、街区調査や概況調査などの手法につい
て具体的に明示しています。
こ の 計 画 に よ り 、 地 籍 調 査 は 計 画 数 値 49,200k㎡ に 対 し て 22,261k㎡ ( 進 捗 率 45% ) 、
国 が 行 う 垂 直 方 向 の 土 地 分 類 調 査 は 計 画 数 値 8,500k㎡ に 対 し て 3,400k㎡ ( 進 捗 率 40% ) 、
都 道 府 県 が 行 う 土 地 分 類 基 本 調 査 は 計 画 数 値 95,000k㎡ に 対 し て 58,751k㎡( 進 捗 率 62% )、
市 町 村 が 行 う 土 地 分 類 細 部 調 査 は 計 画 数 値 5,000k㎡ に 対 し て 2,824k㎡( 進 捗 率 56% )が 実
施されました。
東 京 都 に お い て は 、 地 籍 調 査 が 200k㎡ 計 画 さ れ ま し た が 、 16.58k㎡ ( 達 成 率 8 % ) の
実 施 に と ど ま り ま し た 。 ま た 、 土 地 分 類 基 本 調 査 は 2,020.24k㎡ を 実 施 し 完 了 し ま し た 。
な お 、 土 地 分 類 細 部 調 査 に つ い て は 平 成 3 年 度 か ら 調 査 を 開 始 し 、 222.64k㎡ を 実 施 し
ました。
(7) 第 5 次 十 箇 年 計 画 ( 平 成 12年 ~ 平 成 21年 )
第5次十箇年計画では、人口集中地区について第4次十箇年計画を相当上回る面積を
実 施 し 、 特 に 都 市 部 で の 進 捗 を 図 る こ と を 目 標 に 、 平 成 12年 に 国 土 調 査 推 進 特 別 措 置 法
の一部が改正されました。
こ の 計 画 に よ り 、 地 籍 調 査 は 計 画 数 値 34,000k㎡ に 対 し て 16,400k㎡ ( 進 捗 率 48% ) 、
国 が 行 う 垂 直 方 向 の 土 地 分 類 調 査 は 計 画 数 値 8,500k㎡ に 対 し て 3,400k㎡ ( 進 捗 率 40% )
が実施されました。
東 京 都 に お い て は 、 地 籍 調 査 が 251k㎡ 計 画 さ れ ま し た が 、 45.86k㎡ ( 達 成 率 18% ) の
実 施 に と ど ま り ま し た 。 ま た 、 土 地 分 類 細 部 調 査 は 250k㎡ 計 画 さ れ ま し た が 、 59.57k㎡
( 達 成 率 24% ) の 実 施 に と ど ま り ま し た 。
-
2-
(8) 第 6 次 十 箇 年 計 画 ( 平 成 22年 ~ 平 成 31年 )
第6次十箇年計画では、優先的に地籍を明確にすべき地域を絞り込み、この地域のお
よ そ 半 分 の 地 域 に つ い て 地 籍 を 明 確 化 す る こ と を 目 標 に 、 平 成 22年 に 国 土 調 査 推 進 特 別
措置法の一部が改正されました。
こ の 計 画 で は 、 地 籍 調 査 は 21,000k㎡ 、 国 が 行 う 土 地 分 類 基 本 調 査 ( 土 地 履 歴 調 査 ) は
18,000k㎡ の 計 画 数 値 が 設 定 さ れ て い ま す 。
な お 、 東 京 都 に お け る 地 籍 調 査 は 230k㎡ の 計 画 数 値 が 設 定 さ れ て い ま す 。
※ 平 成 25年 度 末 現 在 に お け る 全 国 の 地 籍 調 査 の 進 捗 率 は 次 表 の と お り で す 。
全国地籍調査進捗率
(%)
100
63
50
98
93 91
88
51
85
66
61 61
80
61
52
49
49
38
36
36
34
31
30
29
27
24
23
22
22
1514
15 13 13
14 13
12
9 8 10
75
78
64
78
65
61
50
31
沖縄
鹿児島
宮崎
大分
熊本
長崎
佐賀
福岡
高知
愛媛
香川
徳島
山口
広島
岡山
島根
鳥取
和歌山
奈良
兵庫
大阪
京都
滋賀
三重
愛知
静岡
岐阜
長野
山梨
福井
石川
富山
新潟
神奈川
東京
千葉
埼玉
群馬
栃木
茨城
福島
山形
秋田
宮城
岩手
青森
北海道
全国
0
84
99
※都市部官民境界基本調査と山村境界基本調査の実績分を含む。
東京都の国土調査
東 京 都 内 の 地 籍 調 査 は 、 昭 和 29年 、 都 区 内 6 地 区 に お い て 土 地 改 良 区 施 行 で 開 始 し 、 そ
の 後 、 多 摩 地 区 の 秋 留 台 で 昭 和 32年 か ら 着 手 し 、 昭 和 43年 か ら 大 島 町 を 皮 切 り と し て 島 し
ょ 地 域 に て 都 が 測 量 委 託 を 発 注 す る 都 営 事 業 を 開 始 し ま し た 。現 在 、47区 市 町 村 で 着 手 し 、
うち8町村で完了しています。特に地籍調査は、平成7年1月の阪神・淡路大震災を契機
に、震災対策の一環として都市部において重点的に推進することとしています。
土 地 分 類 調 査 は 、 昭 和 63年 か ら 開 始 し 、 平 成 11年 に 都 営 基 本 調 査 を 完 了 し 、 そ の 後 一 部
の市町村営細部調査を実施しています。
ま た 、 水 調 査 は 島 し ょ 地 域 を 都 営 で 実 施 し 平 成 12年 に 完 了 し ま し た 。
東 京 都 の 国 土 調 査 事 業 は 、 都 市 部 で の 進 捗 を 図 る こ と と し 、 平 成 14年 4 月 に 産 業 労 働 局
から都市整備局(旧都市計画局)へ移管しました。
-
3-
2
地 籍 調 査 の内 容
地籍調査では、一筆ごとの土地について、その所在・地番・地目の調査や登記簿に記載
された所有者に関する確認、境界・地積の測量を行い、その結果に基づき地籍図と地籍簿
を作成します。言い換えれば、地籍調査は、土地の実態調査で、土地に関する戸籍調査と
いう性格を有しています。
東 京 都 は 、 島 し ょ 地 域 で は 都 営 事 業 で 、 23区 や 三 多 摩 地 域 で は 区 市 町 村 営 事 業 で 地 籍 調
査を実施しています。
地籍調査の必要性
道路の新設・拡張、あるいは農地や宅地の区画整理等の公共事業等を行うに際し、各事
業主体は、事業の事前調査として当該用地の所有者、地目、面積、用地境界等の確認調査
を行います。
土地に関するあらゆる行為のために、基礎資料が多くの場面で必要となります。
これまでに、土地に関する資料といえば、公図と登記簿でした。ところが、公図は明治
時代に作成されたものが多く、その当時の測量精度や制度上の不備もあり、必ずしも正確
な姿を表しているとはいえません。
地籍の成果が従来の公図等と異なる点は、土地の各境界点が、世界測地系に基づく測地
基準点成果(国家基準点)を基に最新の技術水準で測量していることです。このため、土
地の境界点は正確に測量され、仮に現地が洪水・地滑り・噴火等で失われたとしても、境
界点を復元することが技術的に可能となりました。
ま た 、 地 籍 調 査 の 成 果 は 登 記 所 に 送 付 さ れ 、 不 動 産 登 記 法 第 14条 の 地 図 ( 公 図 ) と な り
ます。
地籍調査の作業とその手順
地籍調査の作業は、次に述べるA~Hの各工程と、成果の認証・成果の写しの送付とい
う作業に分類されます。
(1) 計 画 工 程 ( A 工 程 )
(2) 準 備 工 程 ( B 工 程 )
(3) 地 籍 図 根 測 量 ( 地 籍 図 根 三 角 測 量 ・ C 工 程 、 地 籍 図 根 多 角 測 量 ・ D 工 程 )
国家基準点等、公共測量を基に境界の基準点を設置する測量をいい、各基準点が公共
座標を持つので、測量杭が失われたとしても復元することが可能です。この基準点は、
地籍調査以外の測量にも使用することが可能で、地籍調査後の公共事業等の測量費用を
節約することができます。
(4) 一 筆 地 調 査 ( E 工 程 )
①
あ ざ ぎ り ず
公 図 や 字 限 図 (明 治 時 代 初 期 の 地 租 改 正 に よ っ て 作 成 さ れ た 地 図 )を 基 に 調 査 素 図 を
作成し、一筆ごとの土地について土地所有者が示した境界の現地確認を行い、調査図
を作成します。必要な場合は、関係者(利害関係人)に立会いを求めます。
調査を円滑に進めるためには、地域の自主性や協力体制が必要です。そのため、地
籍調査推進委員による啓発や、地元説明会の開催等も大切です。
②
登記簿に記載された事項を、一筆ごとの土地について現地確認を行い、異動事項を
調査票にまとめます。
-
4-
伊豆諸島では、調査以前、公図が整備されていなかったため、未登記の土地や現地
確認不能地が多く、調査成果を出すまでに予想以上の時間を要しています。
(5)細 部 図 根 測 量 ( F Ⅰ 工 程 ) 及 び 一 筆 地 測 量 ( F Ⅱ 工 程 )
C 、D 工 程 で 設 置 さ れ た 図 根 点 か ら 更 に 細 か い 細 部 図 根 点 を 設 置 し 、調 査 図 に 基 づ き 確
認された境界を測量します。
ま た 、都 市 部 で は 、境 界 立 会 い の 困 難 性 が 高 い こ と が 特 徴 と し て 挙 げ ら れ ま す 。例 え ば 、
境 界 に 関 す る 新 旧 多 数 の 既 存 資 料 が 存 在 す る こ と 、地 権 者 の 権 利 意 識 が 高 い こ と 、隣 人 へ
の 干 渉 を 嫌 い 境 界 の 意 思 表 示 を 行 わ な い こ と が 理 由 と し て 挙 げ ら れ ま す 。こ の よ う な こ と
か ら 、東 京 都 で は 、現 地 立 会 い で の 中 立 性 の 確 保 及 び 作 業 の 円 滑 化 を 目 的 と し て 、地 形( 現
況 )測 量 と( 境 界 )復 元 測 量 を 実 施 し 、立 会 予 定 線 を 表 示 し た 地 籍 調 査 素 図( 現 況 重 ね 図 )
を作成しており、この工程をFR工程と呼称しています。
な お 、こ の F R 工 程 は 、国 庫 負 担 金 の 補 助 対 象 と な っ て い ま す が 、東 京 都 の 他 に 数 県 し
か制度化されていません。
C、D、FⅠ、FⅡの各工程測量では、GNSS(GPSや日本の「みちびき」など
の衛星を利用した)測量をはじめとする正確かつ迅速な測量手法を推進しています。
-
5-
(6) 地 積 測 定 ( G 工 程 )
土地の面積を一筆ごとに測定します。
(7) 地 籍 図 及 び 地 籍 簿 の 作 成 ( H 工 程 )
地 籍 図 を 作 成 し ま す 。 こ こ で 作 成 さ れ た 地 籍 図 は 、 (3)で 設 置 し た 基 準 点 か ら 測 量 し て
いますから、現況の土地形状が災害等で失われ、境界が分からなくなったとしても、各
境界点の復元が可能です。
そして、一筆地調査と地積測定の結果を基に、地籍簿を作成します。この地籍図と地
籍 簿 は 、 20日 間 土 地 所 有 関 係 者 に 閲 覧 し て い た だ き 、 成 果 の 内 容 に つ い て 確 認 し て も ら
います。この閲覧期間中に限り、土地所有関係者は、成果の内容について訂正の申出が
できます。
-
6-
(8) 成 果 の 認 証 及 び 成 果 の 写 し の 送 付
20日 間 の 閲 覧 を 終 え て 誤 り 等 の な か っ た 成 果 は 、 国 土 調 査 法 に 基 づ き 国 土 交 通 大 臣 又
は 都 知 事 の 認 証 を 受 け ま す 。認 証 さ れ た 成 果 は 、地 域 を 管 轄 す る 東 京 法 務 局 の 出 張 所( 登
記所)に写しを送付し、各種の計画や登記事務に利用されます。
地籍調査成果の効用
地籍調査の成果(地籍図・地籍簿・地籍集成図等)は、認証後に各種の仕事に活用され
ます。
区市町村や都などの仕事に利用するのはもちろんのこと、登記所へも送付します。
主な活用例は、次のとおりです。
(1) 公 共 事 業 の 際 に 、 地 籍 図 及 び 地 籍 集 成 図 を 利 用 す る こ と に よ り 、 事 業 用 の 測 量 費 用 と
時間が節約・合理化できる。
(2) サ ー ビ ス 業 、 農 林 業 等 の 産 業 経 営 合 理 化 の た め の 資 料 が 得 ら れ る 。
(3) 土 地 の 権 利 関 係 が 明 確 に な る 。
(4) 公 租 ・ 公 課 等 の 負 担 を 公 平 化 で き る 。
(5) 登 記 の 内 容 が 改 善 で き る 。
(6) コ ン ピ ュ ー タ 利 用 の 地 図 整 備 を 図 る こ と が で き る 。
(7) そ の 他 の 土 地 行 政 全 般 の 合 理 化 、 効 率 化 を 図 る こ と が で き る 。
成 果 を 利 用 し た 実 例 と し て 、 昭 和 58年 10月 の 三 宅 島 噴 火 と 昭 和 61年 12月 の 大 島 噴 火 災 害
の復旧などがあります。
三宅島災害復旧では、被災者用の集団住宅建設の用地調査や、農地災害復旧(火山灰排
除)の実施面積決定等に、また大島災害復旧では、被災農地の境界・面積調査や溶岩堆積
地の緊急事業等に、各々、地籍図と地籍簿が利用されました。両災害では、もし、地籍調
査を実施していなければ、災害復旧は遅れていただろうと推測されます。
ま た 、 平 成 12年 6 月 の 三 宅 島 噴 火 で は 、 長 期 に わ た る 全 島 避 難 と な っ た こ と か ら 、 復 興
後の固定資産税徴収業務の適正化・円滑化のために、地籍調査成果を用いた「固定資産税
シ ス テ ム 」 を 平 成 16年 度 か ら 17年 度 に か け て 三 宅 村 が 構 築 し ま し た 。
東京都では、東京都地域防災計画(震災編)にも地籍調査の項目を盛り込んでいます。
さらに「地籍調査成果の証明」を登記手続における境界確認の証明書と同様の効果を有
するものとして取り扱う事例は全国にありますが、東京都ではFR工程を実施しているた
-
7-
め、登記所との連携により「官民境界等先行調査の成果」も同様に取り扱われています。
これからは、三宅島や大島のように、成果を直接利用することに加えて、成果に様々な
情報を組み合わせていくことも考える必要があります。地籍調査成果をGIS(地理情報
システム)の基礎データとして活用していくことに大きな期待が寄せられています。
* * * * * *
応
用
例
* * * * * * *
①
地域計画(都市計画・道路計画・河川計画・交通計画・上下水道計画・防災計画)
②
施設維持・管理(道路管理・河川管理・上下水道管理・公園緑地管理・施設管理)
③
地図情報(都市計画図・道路台帳図・上下水道図・家屋図)
④
施設・用地台帳(道路台帳・施設台帳・固定資産台帳)
⑤
そ の 他 (税 務 ・ 保 健 ・ ご み 収 集 ・ 消 防 ・ 救 急 ・ 警 察 ・ 観 光 案 内 ・ シ ョ ッ ピ ン グ 案 内 )
※地籍調査成果の利活用例(街路事業認可申請図)
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8-
3
19条 5項 指 定
国土調査に準ずる指定
土地区画整理事業や土地改良事業などで実施する確定測量等の成果は、地籍明確化の総
合的な推進の上で、地籍調査と同じ効果が期待できます。このため、これらの成果を国土
調査の基準によって審査し、国土調査の成果と同等以上の精度又は正確さを有すると認め
ら れ る 場 合 に は 、 そ の 成 果 を 国 土 調 査 に 準 ず る も の と し て 国 土 調 査 法 第 19条 第 5 項 に よ り
指 定 す る こ と が で き ま す 。 し か し 、 残 念 な が ら 東 京 都 で の 指 定 実 績 は 約 22k㎡ と 少 な い こ と
から、今後なお一層、関係機関へ理解と協力を求めていきます。
【指定の意義】
①
成果の精度・正確さが統一的に定められている地籍調査の成果と同等以上であると
公証され、その調査・測量が極めて正確なものであるという権威付けがなされる。
②
類似した調査・測量を同じ地区で重複して行うことを防止するとともに、地籍調査
と一体となって、総合的に地籍の明確化を推進できる。
③
地籍調査の完了後、広い範囲にわたって一筆ごとの土地の形状が変更された場合に、
以前行われた地籍調査の成果の効果が確保できる。
【指定の対象】
①
出来高確認測量・確定測量等で、一定基準以上の精度又は成果性を有しているもの
②
公共測量等で設置された基準点等で、一定基準以上の精度又は成果性を有している
もの
【法令等により指定が義務付けられているもの】
① 「沖縄県の区域内における位置境界不明地域内の各筆の土地の位置境界の明確化等に
関 す る 特 別 措 置 法 」( 昭 和 52年 法 律 第 40号 )に 基 づ く 地 籍 調 査 に 準 ず る 調 査 に よ り 作 成
さ れ た 地 図 及 び 簿 冊 ( 同 法 第 17条 )
②
「 新 住 宅 市 街 地 開 発 法 」 ( 昭 和 38年 法 律 第 134号 ) に 基 づ く 新 住 宅 市 街 地 開 発 事 業 、
「 首 都 圏 の 近 郊 整 備 地 帯 及 び 都 市 開 発 区 域 の 整 備 及 び 開 発 に 関 す る 法 律 」( 昭 和 39年 法
律 第 145号 ) に 基 づ く 工 業 団 地 造 成 事 業 、 「 近 畿 圏 の 近 郊 整 備 地 帯 及 び 都 市 開 発 区 域 の
整 備 及 び 開 発 に 関 す る 法 律 」( 昭 和 33年 法 律 第 98号 )に 基 づ く 工 業 団 地 造 成 事 業 及 び「 流
通 業 務 市 街 地 の 整 備 に 関 す る 法 律 」 ( 昭 和 41年 法 律 第 110号 ) に 基 づ く 流 通 業 務 団 地 造
成 事 業 に 係 る 嘱 託 登 記 に 用 い る 土 地 の 所 在 図(「 新 住 宅 市 街 地 開 発 法 等 に よ る 不 動 産 登
記 に 関 す る 政 令 」 ( 昭 和 40年 政 令 第 330号 ) 第 6 条 3 項 及 び 第 11条 か ら 第 13条 ま で 。 )
【指導通達等により指定の促進が図られているもの】
①
換地を伴う土地改良事業
昭 和 56年 1 月 5 日 付 55構 改 B 第 1847号
平 成 10年 3 月 31日 付 10構 改 B 第 210号
②
農林水産省構造改善局長通達
農林水産省構造改善局長通達
土地区画整理事業
平 成 15年 4 月 8 日 付 国 土 国 第 537号
国土交通省都市・地域整備局市街地整備課長通
知
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【指定の条件】
①
図面上に表示されている基準点、図郭線、筆界点等の位置が、国が定めた平面直角
座 標 系 に 基 づ い て い る こ と 。す な わ ち 、当 該 測 量 の 出 発 点 と し て 基 本 三 角 点 又 は 公 共 基
準点が使用されていること。
②
調査・測量上の誤りがなく、測量上の誤差が国土調査法施行令第6条に規定されて
いる限度内であること。
③
4
東日本大震災後の座標値になっていること。
基準点測量
(1) 基 準 点 測 量
地籍調査の基礎とするため、全国に設置された基本三角点(1~3等三角点)を基に
し て 、基 準 点( 4 等 三 角 点 )を 設 置 し て お り 、そ の 測 量 は 国 土 地 理 院 が 実 施 し て い ま す 。
な お 、 第 6 次 国 土 調 査 事 業 十 箇 年 計 画 ( 平 成 22年 ~ 平 成 31年 、 平 成 22年 5月 25日 閣 議 決
定 ) に お け る 計 画 事 業 量 は 、 8,400点 が 予 定 さ れ て い ま す 。
基 準 点 測 量 に 要 す る 事 業 費 に つ い て は 、 100% 国 費 で 国 土 地 理 院 が 実 施 し ま す 。
(近年)
平成24年度
奥多摩町において設置
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地 籍 調 査 事 業 (一 般 )
土地と所有者との正確な結び付きを全国的な規模で統一的に把握するため、土地に関す
る権利の基礎となる毎筆の土地について、その所有者、地番及び地目の調査を行うととも
に境界及び地積に関する測量を行って、その結果を地図(地籍図)及び簿冊(地籍簿)に
作成する事業です。
日の出町、奥多摩町、小笠原村(都営)で行われています。
(1) 一 般
地籍調査の工程のうち一筆地調査(E工程)及び地籍図・簿の作成(H工程)につい
て、区市町村職員自らが実施するものです。
(2) 一 般 ( 外 注 )
前 述 の と お り 、地 籍 調 査 の 工 程 の う ち 一 筆 地 調 査( E 工 程 )及 び 地 籍 図・簿 の 作 成( H
工程)については、区市町村職員自らが実施することを原則としますが、区市町村にお
け る 定 数 確 保 に 配 慮 す る た め 、 平 成 12年 度 か ら 外 注 型 が 創 設 さ れ 、 進 捗 の 促 進 を 図 る た
め、専門技術者(土地家屋調査士、土地改良換地士、土地区画整理士など)を活用して
調 査 を 実 施 す る こ と が 可 能 と な り ま し た 。 創 設 当 初 か ら 平 成 17年 度 ま で は 、 中 山 間 、 過
疎、火山、豪雪、地震などの地域要件による制限がかけられていましたが、現在では地
域要件が撤廃されどのような地域でも外注が可能となりました。
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6
都市再生地籍調査事業
都 市 部 で の 地 籍 調 査 の 進 捗 率 は 、 全 国 で も 20% に と ど ま っ て お り 、 今 後 、 積 極 的 に 推 進
を図っていく必要があります。このため、平成7年1月の阪神・淡路大震災を契機に開始
さ れ た 地 籍 情 報 緊 急 整 備 事 業 を 始 め と す る 様 々 な 事 業 メ ニ ュ ー が 創 設 さ れ ま し た 。 平 成 14
年 度 に 、 都 市 再 生 地 籍 調 査 事 業 と し て 都 市 部 を 対 象 と し た 各 事 業 が 一 本 化 さ れ 、 平 成 17年
度のメニューの一部統廃合により引き続き調査を実施しています。
なお、東京都内では、千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、台東区、墨田区、江
東区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区、中野区、杉並区、豊島区、北区、荒川区、板
橋 区 、練 馬 区 、足 立 区 、葛 飾 区 、江 戸 川 区 、八 王 子 市 、青 梅 市 、府 中 市 、調 布 市 、町 田 市 、
小金井市、小平市、東村山市、国分寺市、福生市、多摩市、羽村市、あきる野市、瑞穂町
の22区14市町で行っております。
【調査の種別】
(1) 官 民 境 界 等 先 行 調 査
官官、官民、民民等全ての筆界を調査する一筆地調査に先行して、官官及び官民境界
の一部又は全部の筆界点の調査及び測量を実施するものです。その成果は、大縮尺地図
( 1/250~ 1/1,000) と 組 み 合 わ せ る こ と に よ り 詳 細 な 地 籍 調 査 図 素 図 を 作 成 す る 基 礎 資
料となり、後年の一筆地調査の円滑な実施に資するとともに、区市町村の道路管理や各
種行政計画策定における基礎資料として活用が可能です。
(2) 高 精 度 民 間 活 用 調 査
民間開発や都市整備に伴う事業(区画整理、再開発、街路等整備、民間宅地開発等)
が行われた地域では、近年、数値法による測量(位置を座標値で求める測量方法)の普
及 に 伴 い 、測 量 成 果 が 国 家 座 標 系 に 基 づ か な い も の の 、十 分 な 精 度 で 確 定 測 量 が 行 わ れ 、
地籍調査に容易に活用できる好条件が揃った測量成果が蓄積されてきています。このた
め、都市整備に伴う事業が行われ、一定の精度・正確性が見込まれる成果が存在する地
域を対象として、簡便な地籍調査手法の導入を行い、迅速化・効率化を図るのがこの調
査です。
平 成 13年 度 に 足 立 区 が 実 施 し ま し た が 、 こ れ 以 降 実 施 し て い ま せ ん 。
(3) 筆 界 情 報 収 集 調 査
地積測量図等の筆界に関する情報及び測量成果を数値化公図に合わせて収集・整理を
行います。また、当該資料が任意座標等である場合は、街区基準点等を利用し、筆界点
測量を行うことで現地整合性の高い精緻な調査図を作成することが可能となり、後続の
地籍調査の円滑かつ効率的な推進を図ることができます。
(4) そ の 他 の 地 籍 調 査
その他の調査メニューとして、全ての筆界について調査を行う一筆地調査の全部又は
一部を民間等の専門技術者に委託して実施する手法や、一筆地調査と測量を併せて民間
等の専門技術者に委託して実施する手法も認められています。
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地 籍 予 備 調 査 事 業 (概 況 ・予 備 )
地籍調査の進捗が遅れている都市地域(主に人口集中地区、DID地域)を対象に、地
籍調査を優先する地域や地籍調査を実施する場合の問題点等を明らかにする調査です。
【概況調査】
現況調査は、登記所にある地図(公図)と地域の現況図等を対照調査して、現況の土
地境界と公図の乖離状況等を事前把握します。この調査成果から、地籍調査を優先して
実施する地域や地籍調査を実施する場合の問題点を整理することができます。
調査項目は
①
登記所地図一覧図作成
②
登記簿記載事項(地番、面積、所有者、地目等)の一覧表作成
③
公図と現況図の重ね合わせ(公図の乖離状況調査)
④
街区ごとの登記簿面積と現況面積との集計表作成
⑤
現況調査
⑥
総合評価
現況地目の相違・境界杭の有無等
が 挙 げ ら れ ま す 。な か で も 、公 図 と 現 況 図 の 重 ね 合 わ せ は 、公 図 と 現 地 の 土 地 境 界 等 の 乖
離 状 況 が 明 ら か と な り 、こ の 結 果 か ら 、地 籍 調 査 を 実 施 す る に 際 し て の 問 題 点 等 を あ ら か
じめ知ることができます。
【予備調査】
予備調査は、登記所地図が閉鎖されている等地籍調査を行う上で作業の困難性の高い
地域(公図混乱地域)において、地籍調査素図等を事前に作成し、地域の問題点把握や
その解決手法を検討する調査です。
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都市再生街区基本調査
(国 直 轄 )
地 籍 調 査 に は 多 く の 労 力 と 時 間 が か か り 、特 に 都 市 部 で は 土 地 の 権 利 関 係 が 複 雑 な た め 調
査が遅れています。
このような都市部の地籍整備の状況を改善し、都市開発事業や公共事業の円滑化・迅速
化及び安心のできる土地取引の基盤づくりを進めていくことが都市再生を推進する上で極
めて重要です。
ま た 、 平 成 15年 6 月 の 都 市 再 生 本 部 会 合 に お い て 、 全 国 の 都 市 部 に お け る 地 籍 整 備 を 推
進するため、関係省庁が協力して推進するよう総理大臣指示がありました。
これらを踏まえて、全国の都市部における地籍整備の推進を図ることを目的として、地
籍調査のための基礎的調査を実施する「都市再生街区基本調査」が行われました。
都市再生街区基本調査
(1) 調 査 の 内 容
現 況 測 量 結 果 図 と 公 図 の 重 ね 合 わ せ 図 を 作 成 し 、こ れ を デ ー タ ベ ー ス 化 す る た め 、以 下
の4つの作業が行われました。
ア
街区の官民境界等に関する資料の収集と現地踏査(街区の状況把握)
道 路 台 帳 附 属 図 等 に 関 す る 資 料 の 収 集 と と も に 、既 存 の 公 共 基 準 点 の 整 備 状 況 の 把 握
を 行 い ま す 。こ れ ら の 資 料 を 基 に 現 地 踏 査 を 行 い 、街 区 点 と な る べ き 位 置 等 を 確 認 し ま
した。
イ
街区基準点整備・街区点測量(現況測量結果図の作成)
四等三角点、公共基準点等を基準として、街区基準点(3級相当)を測量・整備し
ます。街区基準点を基に街区点を測量し、現況測量結果図が作成されました。
ウ
公図の数値化(紙ベース(アナログ)公図の数値化)
登記所にある公図のうち紙ベース(アナログ)の公図をスキャナー等で取り込み、
デジタル処理がされました。
エ
データベース化(現況測量図と公図の重ね合わせ、データベースシステムの構築)
現況測量結果図と公図を重ね合わせ、両図の整合性を確認します。現況測量結果図、
数値化された公図等をデータベースとするシステムが構築されました。
(2) 調 査 期 間 及 び 経 費
平 成 16か ら 18年 度 ま で の 3 か 年 間 。 約 100億 円 ×3 年 = 約 300億 円
(3) 調 査 対 象 地 域
全 国 D I D ( 人 口 集 中 地 区 、 平 成 12年 国 勢 調 査 ベ ー ス ) の う ち 、 地 籍 調 査 が 未 了 の 地
域 ( 国 土 調 査 法 第 19条 第 5 項 指 定 済 、 不 動 産 登 記 法 第 14条 地 図 指 定 済 、 地 籍 調 査 実 施 中
の地域を除く。)
東京都における対象区市町村は次のとおりです。
対 象 区 市 町 村 ( 23区 26市 )
千 代 田 区 、中 央 区 、港 区 、新 宿 区 、文 京 区 、台 東 区 、墨 田 区 、江 東 区 、品 川 区 、目 黒
区 、大 田 区 、世 田 谷 区 、渋 谷 区 、中 野 区 、杉 並 区 、豊 島 区 、北 区 、荒 川 区 、板 橋 区 、練
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馬 区 、足 立 区 、葛 飾 区 、江 戸 川 区 、八 王 子 市 、立 川 市 、武 蔵 野 市 、三 鷹 市 、青 梅 市 、府
中 市 、昭 島 市 、調 布 市 、町 田 市 、小 金 井 市 、小 平 市 、日 野 市 、東 村 山 市 、国 分 寺 市 、国
立 市 、福 生 市 、狛 江 市 、東 大 和 市 、清 瀬 市 、東 久 留 米 市 、武 蔵 村 山 市 、多 摩 市 、稲 城 市 、
羽村市、西東京市、あきる野市
(4) 調 査 実 施 主 体 及 び 作 業 機 関
ア
調査実施主体
国土交通省土地・水資源局国土調査課
イ
作業機関
都市再生機構:資料収集及び現地踏査並びに3大都市圏における街区点測量
国土地理院
:街区基準点整備、3大都市圏以外の街区点測量
(5) そ の 後 の 経 過
①
調査の翌年などに国土交通省から街区基準点測量成果は市区に移管され管理されて
います。
②
平 成 22年 度 (23年 1月 ~ 3月 )、 国 土 交 通 省 は 23区 と 15市 で 街 区 基 準 点 現 況 調 査 を 行 い 、
亡 失 な ど の 状 況 を 調 査 し ま し た 。 結 果 は 市 区 に 平 成 23年 6月 に 送 付 さ れ ま し た 。
③
平 成 23年 度 (24年 1月 ~ 3月 )、国 土 交 通 省 は 48市 区 で 街 区 基 準 点 等 の 震 災 後 の 座 標 補 正
を 行 な い ま し た 。内 容 は 国 土 地 理 院 の 補 正 パ ラ メ ー タ を 使 っ た 補 正 と 点 検 測 量 で す 。結
果 は 市 区 に 平 成 24年 7月 に 送 付 さ れ ま し た 。
都市再生街区基本調査(土地活用促進調査)
都市中心部などで無計画に市街化が進んできたような地域では、境界確認資料の蓄積が
乏しいことなどにより境界確認が困難となっており、潜在的に高度な土地利用が可能であ
るにもかかわらず、境界問題が大きな要因となって開発が停滞しているため、都市再生街
区基本調査の対象地域の中で必要な地域について、同調査成果を活用して実施されました。
(1) 調 査 の 内 容
密集市街地、中心市街地など国として重点的な対応を講ずる必要のある地域において、
地籍整備の前提となる街区外周の調査を行い、遅れている都市部の地籍調査の進捗を図
るとともに、都市部の土地活用を促進します。
(2) 調 査 期 間
平 成 19年 度 か ら 平 成 21年 度 ま で
(3) 調 査 対 象 地 域
都 内 23区 26市
(4) 調 査 実 施 主 体 及 び 作 業 機 関
ア
調査実施主体
国土交通省・水資源局国土調査課
イ
作業機関
国土地理院
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都市部官民境界基本調査
(国 直 轄 )
(1) 調 査 の 内 容
区市町村等の地籍調査の実施に先立ち、官有地・民有地間の境界(官民境界)に関する基礎的
な情報を整備する「都市部官民境界基本調査」を国が実施しています。
現地の塀や境界標などの測量(現況測量)と、公図等に示された境界の位置を現地に復元(復
元測量)します。
市町村が実施する地籍調査(官民境界等先行調査)で活用することができる精緻な調査図素図
を国が整備します。
測量方法や作業内容等について、地籍調査実施主体である区市町村等と調整を行いながら実施
します。
(2) 事業実施地区の要件
・都市部(DID又は宅地)の地域
・調査の成果を用いて、地籍調査(官民境界等先行調査等)を実施する予定があること。
・成果の移管(基準点の維持管理)に同意ができること。
・資料収集等で区市町村等の協力が得られること。
(3) 実施年度と実施地域
平成22年度~
平成22年度
渋谷区、世田谷区、三鷹市
平成23年度
杉並区、世田谷区
平成24年度
杉並区、三鷹市
平成25年度
杉並区
平成26年度
杉並区、小平市
(4) 事 業 主 体
国土交通省
土地・水資源局
国土交通省
土地・建設産業局
国 土 調 査 課 ( 平 成 22年 ~ 平 成 23年 6月 )
地 籍 整 備 課 ( 平 成 23年 7月 ~
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)
【参考】
不動産登記法の改正と「筆界特定制度」
地 籍 調 査 の 成 果 は 、 認 証 後 登 記 所 に 送 付 さ れ 不 動 産 登 記 法 第 14条 の 地 図 と し て 備 付 け さ
れることから、調査の過程においては不動産登記法を所管する登記所(東京法務局)との
調整が不可欠です。
平 成 16年 6 月 18日 に 不 動 産 登 記 法 が 全 面 的 に 改 正 さ れ 、 平 成 17年 3 月 7 日 に 施 行 さ れ ま
した。その主な改正点は以下のとおりです。
①
申請手続にオンライン申請手続を導入
②
法文の現代語化
③
登記記録は表題部と権利部に区分(甲区・乙区は登記細則で規定)
④
全ての土地・建物に固有の番号を付加(不動産番号)
⑤
出頭主義の廃止(郵送でも可)
⑥
申請書副本による申請の廃止(登記原因証明情報の提供)
⑦
登記済証に代わるものとして登記識別情報制度の創設
⑧
保証書による登記申請は廃止(事前通知制度へ移行)
⑨
予告登記の廃止
ま た 、 平 成 17年 4 月 13日 に 同 法 の 一 部 改 正 が あ り 、 「 筆 界 特 定 制 度 」 が 創 設 さ れ 平 成 18
年 1 月 20日 に 施 行 さ れ ま し た 。
筆界特定制度とは、法律上の筆界(所有権界を除く。)の位置を「筆界特定登記官」が
筆界調査委員の意見を参考にしながら特定する制度です。筆界調査委員は、各地の法務局
長が、弁護士や土地家屋調査士などから任命されます。
これまで筆界の紛争(認識不一致)については、境界確定訴訟という裁判による解決方
法しかなかったことを考えると短期に決着し、地籍調査における「筆界未定」といった処
理を回避する有効な手段といえ、「民活と各省連携による地籍整備の推進」の中の「法務
局が境界確定等に関与して迅速に正式な地図とするための法整備」に位置付けされるもの
と期待されています。
境界紛争を簡易、迅速に解決するため、東京土地家屋調査士会が東京3弁護士会(東京
弁護士会、第一東京弁護士会及び第二東京弁護士会)の協力を得て運営する「東京土地家
屋調査士会境界紛争解決センター」が、東京都管内においては設立されています。
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地 籍 調 査 成 果 のシステム化
( 旧 地 籍 活 用 G IS 推 進 事 業 )
地籍調査成果のシステム化は、地籍調査が完了した区市町村や実施中の区市町村が成果
を 適 正 に 維 持 管 理 し 多 方 面 へ の 利 活 用 を 目 的 と し て 、地 籍 調 査 成 果 を 基 図 と し た G I S( 地
理情報システム)を構築するものです。
GISは、緯度・経度や高さのみならず、人口やライフライン、土地利用、産業や観光
スポットなど、あらゆる地理的位置に関する情報を持ったデータ(空間データ)を総合的
に管理・加工し、視覚的に表示することで高度な分析や迅速な判断、対処のために情報提
供を可能にする技術です。全ての空間データは同じ縮尺を持つレイヤー構造として階層化
されるため、自由な組合せによる表示、分析等が可能となります。つまり、GISはこれ
までの紙ベースの地図や統計数値、画像などを全て1つの画面に納めた電子地図ともいう
べきものです。
一方、地籍調査成果は、GISの導入に際して次のようなメリットを持っています。
①
1/250~ 1 /5,000と い う 大 縮 尺 の 数 少 な い 高 精 度 な 地 図 で あ る ( 国 土 地 理 院 の 地 形 図
は 縮 尺 1/10,000~ 1/50,000) 。
②
地籍図は、所有者、地番、地目、筆界などの土地の基本情報を有しているため、行
政他分野への利用度が極めて高い。
③
地籍調査成果は座標値を持っているため、デジタル化が容易である。
このように、地籍調査成果はGISの基盤図となり得るものであり、積極的に行政他分
野への活用を図るため、LAN回線による全庁型GISを構築することが肝要です。
こ の シ ス テ ム 化 は 、 平 成 13年 度 ま で 実 施 さ れ て い た 「 地 籍 調 査 管 理 事 業 」 、 そ の 後 、 利
活用面に特化された「地籍活用GIS推進事業」が地籍調査のメニューとして国庫負担金
の補助対象となったものです。
事業の具体的内容は、次のとおりです。
(1) シ ス テ ム 構 築
基図サーバ、LAN構築、操作端末整備等で、GISシステム構築に必要なハード部
分の整備を行う。
(2) デ ー タ 整 備
土地に関連する行政分野の情報で、地籍調査成果と組み合わせて利用することが適当
なデータ(各種レイヤー図)の整備を行う。
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【参考】
東 京 都 で は 、 前 身 の 「 地 籍 調 査 管 理 事 業 」 に よ る 地 籍 調 査 成 果 の シ ス テ ム 化 を 昭 和 61年
度 新 島 村 、 同 63年 度 御 蔵 島 村 で 実 施 し 、 平 成 元 年 度 に は 都 営 事 業 で 測 量 し 作 成 し た 各 島 し
ょ地域の成果をシステム化しました。その後、平成2年度利島村、同4年度八丈町と実施
し 、 同 9 年 度 に は 葛 飾 区 を 対 象 に 利 活 用 モ デ ル 地 区 、 同 12年 度 に は 墨 田 区 、 北 区 で 地 籍 活
用 型 G I S 構 築 地 区 、 同 16年 度 に は 新 宿 区 、 三 宅 村 が 地 籍 調 査 負 担 金 の メ ニ ュ ー と し て シ
ステム化されています。なかでも、葛飾区の成果管理システムは、街区調査成果の維持管
理と道路台帳成果の更新を主眼に構築された基本システムですが、公共基準点や筆界点の
座標、道路幅員、隣接する土地の地番、地目、地積、所有者等の附帯情報をデータベース
化し、手入力で追加・更新ができる発展型のシステムとなっています。つまり、今後の地
籍調査の成果や土地異動情報によるデータの更新が、区職員の手で可能であるということ
です。
このように、日常の業務の中で確認された筆界や売買等で得られた土地異動情報で、常
にデータを追加・更新し、境界証明や各種設計業務へのリアルタイムでの情報提供が可能
であり、汎用性は非常に高いといえます。
また、後進の墨田区、北区、新宿区においても、基本システムの構築は同様の考え方に
基づいています。
※地籍調査成果システムの一例(北区)
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土地分類調査
土地分類調査は、土地の成因・性状等の実態を総合的に調査するもので、土地分類基本
調査と土地分類細部調査の二つに大別されます。
(1) 土 地 分 類 基 本 調 査
土地分類基本調査は、都道府県が事業主体として、5万分の1地形図(国土地理院発
行の地形図)を基図として、現地調査や既存の資料整理を行うことです。東京都は、平
成 11年 度 に 調 査 を 完 了 し 、 「 表 層 地 質 図 」 、 「 土 地 利 用 現 況 図 」 、 「 土 壌 図 」 、 「 地 形
分類図」、「傾斜区分図」、「起伏量図」、「水系谷密度図」及び各図についての説明
書を作成し印刷しました。
調査基図は、2万5千分の1地形図を使用し、印刷を5万分の1としています。
な お 、 同 調 査 の 成 果 は 国 土 交 通 省 国 土 情 報 課 の ホ ー ム ペ ー ジ ( http://nrb-www.mlit.go. j
p/kokjo/inspect/landclassification/land/l_national_map_5-1.html ) に て 公 開 さ れ て い ま す 。
(2) 土 地 分 類 細 部 調 査
土地分類細部調査は、上記の土地分類基本調査成果を活用し、更に細部にわたって調
査を行います。例えば、調査区域内の土地一筆ごとの土地の成因・性状等の実態を総合
的 に 調 査 し 、 縮 尺 1/2,500~ 1/5,000の 地 形 図 に 調 査 項 目 ご と に 図 化 し ま す 。
実施主体は区市町村であり、都では、平成2年度に利島村が当調査を開始して以後、
順次、区市町村ごとに実施しています。
同調査では、地籍調査事業の地籍集成図を重ね合わせ、土地一筆ごとの性状や性格・
成因・所有形態等を明らかにすることができます。
また、同調査の成果は、区市町村の都市計画、下水道計画、震災復興計画、離島振興
計画、過疎振興計画、農業振興計画、山村振興計画等の見直し及び策定、土地行政上や
区市町村の長期計画作成の基礎資料に利用することができます。都管内の利島村、大島
町、神津島村は、都で作成した土地分類基本調査デ-タを細部調査のGIとして位置付
け、関係大学機関の協力を得て電算機上で各種シミュレーションを行い、また、シミュ
レーション結果については、現地実証調査等を行い、当調査成果を各自治体の長期計画
基礎資料に利用しています。
※ 土 地 分 類 調 査 に つ い て は 、 「 三 位 一 体 の 行 財 政 改 革 」 に よ り 、 平 成 16 年 度 を も っ て 国
庫補助が廃止されました。
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土地分類基本調査データの種類
土壌データ
表層地質データ
・試杭点とその代表断面柱状
図も含みます。
地形分類データ
・柱状図、温泉地点、人
口改変地等も含みます。
土地利用データ
・地下等高線、埋没線、段丘
崖線地下水湧出地点等含
みます。
傾斜区分データ
・観測施設、急傾斜地崩
壊危険区域も含みます。
論文データ
・地域に合った傾斜幅で
7ランクで表示しています。
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・各地区ごとに詳細な論文
が用意されています。
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都道府県水調査
水調査は、河川等の水利用実態等の利水や水文等を総合的に調査するもので、以下の3
つの調査に大別されます。
(1)
主要水系調査
全 国 の 一 級 水 系 と そ の 周 辺 地 域 を 対 象 に し た 調 査 で 、都 管 内 の 利 根 川 、荒 川 、多 摩 川
流域は、国土交通省(旧国土庁)によって調査済みです。
(2)
都道府県水調査
全 国 の 二 級 水 系 と そ の 周 辺 地 域 を 対 象 に し た 調 査 で 、調 査 主 体 は 都 道 府 県 に 限 定 さ れ
ま す 。都 管 内 で は 、伊 豆 - 小 笠 原 諸 島 の 二 級 水 系 と そ の 周 辺 地 域 を 対 象 に 、平 成 10年 度
か ら 調 査 を 始 め 平 成 12年 度 に 完 了 し ま し た 。
(3)
地下水調査
地下水の利用と保全を目的にした調査で、都管内は国土交通省(旧国土庁)で調査
済みです。
都で行った都道府県水調査は、以下のとおりです。
調査項目は、水文(降水量観測所一覧、同観測所別降水量年表、該当河川の水位及び流
量観測所一覧、同観測所流況表、地下水位観測井戸一覧、同井戸水位記録年表、水質調査
地点一覧、同水質分析資料等)、利水(農業用水取水口一覧、同排水口一覧、同受益区域
一覧、水道用取水口一覧、使用目的別井戸一覧、上水道及び簡易水道地区一覧、水力発電
所取水口一覧、溜池一覧等)、治水その他(ダム一覧、下水道一覧、河川横断堰堤及び水
文一覧、漁業権一覧、地下水規制区域一覧、保安林区域一覧等)で、各調査成果を簿冊に
取りまとめると同時に、地形図上に図化しました。
年度
調 査 地 域 名
10 小笠原父島・母島、青ヶ島、八丈島、三宅島、
備
考
調
査
調
査
御蔵島の6島
11 神津島、式根島、新島、利島、大島の5島
12 上記11島
成果印刷
※ 都 道 府 県 水 調 査 に つ い て は 、 「 三 位 一 体 の 行 財 政 改 革 」 に よ り 、 平 成 16 年 度 を も っ て
国庫補助が廃止されました。
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※農業用水区域と農用地立地適性との関係図(神津島)
現況農用地(誤判別地)
評価適地
現況農用地(評価適地)
赤線内…農業用水区域
凡例
赤色
現状農用地である領域
のうち「農用地適性・
有」として判別された
領域
青色
現状農用地である領域
のうち「農用地適性・
無」として判別された
領域
黄色
評価対象領域のうち
「農用地適性・有」と
判別された領域
トレーニングデータ
(現状型設定法)
評価対象データ
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その他
(1)東京都国土調査推進協議会
都道府県ごとに国土調査を目的として設置された自治体を会員とする協議会の一つです。東
京都では東京都内の自治体のうち地籍調査事業を行っている自治体を会員としています。
また、協議会の事務局は、東京都都市整備局都市づくり政策部土地利用計画課地籍調査係が
担当しており、事務局では、官民境界先行調査(街区調査)と後続調査(一筆地調査)のリー
フレットを作成しています。
後続調査(一筆地調査)
官民境界先行調査(街区調査)
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(2)地籍調査 Q&A
Q1
測量するのにはお金がかかりますか?
A: かかりません。測量費用は、計画機関である区市町村が負担
します。
Q2
立会日時が都合の悪いときはどうなりますか?
A:
連絡を早めにいただければ、調整して日時を変更します。
また、立会いは代理の方(土地所有者からの委任状が必要)
でも可能です。
Q3
土地の境界等が確認できない場合はどうなりますか?
A: 境界が確認できない場合は、土地の形状、地積を特定するこ
とができません。調査による地図(地籍図)には境界線のない
土地として表示され、「筆界未定地」と処理されます。
この「筆界未定地」となりますと、登記簿の地目や地積の書
換えができなくなり、土地の売買や建物の建築などの土地利
用を図る際に支障を来すこととなります。
地籍調査終了後において、境界確認が必要となった場合に
は、当事者が手続及び測量を行うことになります。
また、この費用については、当事者の方の負担となります。
Q4 官民境界等先行調査(街区調査)において、隣との境界は、確認しないので
すか?
A: 後続事業の一筆ごとの調査で、民民の境界を含め関係する
境界を確認し、測量します。
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東 京 都 の 国 土 調 査
平成26年度版
登 録 番 号 (26)73
平成26年9月
編集・発行:東京都都市整備局都市づくり政策部
土地利用計画課地籍調査係
印
住所
東京都新宿区西新宿二丁目8番1号
電話
03-5388-3229
刷:鈴政印刷製本株式会社
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