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2006年7月25日 06053 「発泡酒飲んで格差を生きのびる」(特選作品) ∼「ビール川柳」入選作発表∼ サッポロビール株式会社(本社・東京、社長・福永 勝)が一般公募した今年の「ビール川柳」の入選 作が決定しました。応募総数は27,340句、日本川柳ペンクラブ理事長・尾藤三柳先生による審査の 結果、「発泡酒飲んで格差を生きのびる」など、別紙の通り計31句(特選1句、一席10句、二席20 句)が入選作品に決定しました。 今年で9年目を迎えるビール川柳ですが、今回の入選作品は「格差社会」「W 杯」「共謀罪」「イナバ ウアー」「偽装」など今年前半のキーワードを含むユニークな作品が多く見られました。 当社では、これらの名句をおつまみに、ビールや発泡酒などをより美味しく味わっていただけるもの と期待しています。 記 タイトル ビール川柳 テ ー マ お酒にちなんだもの 選 尾藤三柳先生(日本川柳ペンクラブ理事長) 者 募集期間 2006年4月24日(月)∼6月16日(金) 募集方法 ハガキまたはインターネット 賞 特選(1名)サッポロビールギフト券※100枚とヱビスビール※※5ケース 品 一席(10名)サッポロビールギフト券※30枚と黒ラベル※※2ケース 二席(20名)黒ラベル※※1ケース ※ サッポロビールギフト券1枚で、缶350ml×2本分です。 ヱビスビール、黒ラベルは缶350ml×24本入りです。 ※※ 入 選 作 【ご参考】 別紙の通り 8月4日は「ビヤホールの日」 1899(明治32)年のこの日、現在の東京銀座に日本で最初のビヤホール「恵比寿ビール Beer Hall」(㈱サッポロライオンの前身)がオープンしました。今年もこの日には、ライオンチェーン全 店で生ビール半額などのサービスがあります。 以上 <ビール川柳入選作品一覧> 【特選】 発泡酒飲んで格差を生きのびる 兵庫県 平林ひろこ 50 歳 政治に罪を着せて泣き寝入りはしたくない。格差があるなら、それを乗り越えればいい。 さいわい発泡酒という「強い味方」がある。 【一席】 家計簿の分母減らして飲むビール 福島県 佐久間博信 59 歳 上の好むところ下必ずこれより甚しという。我家でも社保庁のチエを拝借してカンパーイ。 まずビール これが僕らの共謀罪 愛知県 安藤博昭 28 歳 事前の相談も役割分担もない、顔を合わせれば以心伝心。こんな「共謀」なら罪はない。 偽装かな 妻がグラスで出すビール 埼玉県 畔川健 38 歳 日頃とは勝手が違う大瓶とピカピカのグラス、「これは何かある」とカンぐらざるを得ない。 W 杯終わってみれば二日酔い 埼玉県 福田智 32 歳 酩酊状態の一ヶ月が終わっても、身内の余熱は続く。二日酔いにも似た寂寥感を伴って。 豪快にイナバウアーでジョッキ干し 山口県 竹重満夫 72 歳 優雅な氷上の花とは一転、これは大ジョッキとの対決。ともに一滴の水さえ漏らさない妙技。 ビヤホール父の日の無い父で混み 東京都 久保田穂積 60 歳 毎年ウヤムヤに素通りしてしまう父の日を、せめて我が手で死守しようとする父たちの抵抗。 期待したほどは飲めない妻の留守 岩手県 新里山歩 69 歳 千載一遇のチャンスも、結局は独り飲む空しさと、胃袋の容量に限界を自覚させられただけ。 その昔ビールも飲めぬ妻がいた 広島県 安村耀嗣 64 歳 「いた」といっても、それほど遠い過去形ではなさそう。ヒョウ変するのに時間はいらない。 磯野家は昔も今もビンビール 新潟県 梅田幸恵 41 歳 波平さんの食卓に並んだ茶色のビンとコップ。磯野家の家族と同様、ビールも歳を取らない。 甘党と書けぬビールのお礼状 宮城県 武井志保 56 歳 折角のご好意に対して「大好物」などと書いてしまうと、あとあとどうなるか、それが心配。 【二席】 空き缶に格差社会があるビール 格差社会 俺はヱビスを 譲らない 生き急ぎしないビールの句読点 温暖化ビールは美味くなるけれど 酒のみと言われたくないビール党 仕事中 友のメールは飲んでます 出てくるかオーイビールと呼んでみる 妻からのメール絵文字は大ジョッキ ビアガーデン今日は夫が運転手 短冊に ビール2本と 父が書き 我が家でも オレとオヤジの W杯 ロスタイム 終電前のもう1杯 黒ラベル2本で彼女赤ラベル オレの部屋ビールの缶がインテリア 常備薬ビールはいつも冷えてます ビール飲む牛を見ながら発泡酒 ジョッキ持つ美人昭和が懐かしい 発車ベル缶ビールまで見送られ 空き缶を 積んだら月に いけるかも もう一杯自己責任で飲むビール <総 埼玉県 井原千鶴子 神奈川県 市川健雄 62 歳 43 歳 鳥取県 木村誠 75 歳 鳥取県 門脇一男 49 歳 神奈川県 山田利文 70 歳 長野県 三重野楷 63 歳 広島県 堀江寿満 72 歳 島根県 網師充 46 歳 埼玉県 室橋るりこ 44 歳 東京都 原田千絵子 55 歳 京都府 池嶋佑介 25 歳 熊本県 小野弥 37 歳 埼玉県 松本翔太朗 20 歳 静岡県 海野利治 26 歳 福岡県 岡田幾 50 歳 東京都 中島慎一 58 歳 京都府 増田邦比古 52 歳 神奈川県 中村秀夫 63 歳 大阪府 山口雄一郎 34 歳 兵庫県 一木仁奈 26 歳 評> タイトルは何度か変わりましたが、〈ビール川柳〉も本年で通算9回目。その9年間には、時 代の変遷を背景に、ビールの顔も次から次へと新しい風景を展開してきました。 そうした社会の推移とビールの変貌を敏感にとらえて、川柳もまた常に新しい時代相を克明に とらえ、同じ「ビールのある風景」でもこんなに変化があるのかと驚くほどの新しいバリエー ションを描き続けてきたのが、過去9年間の歴史です。 無慮3万句に及ぶ応募作品から選りすぐった今回の作品もその例に洩れず、特選を初めとする 上位には、社会性の色濃い作品が並びました。いずれも、時代の中に息づくビールの姿を生き生 きと繰り広げて、ビールがもはや個人的な嗜好品というより、時代と連動する客観的存在となっ たことを裏書きしています。 全体として作品水準も上がり、前回はやや振るわなかった女性陣も、今回は力を盛り返してが んばりました。 社会もビールも今後まだまだ変わっていくでしょうし、川柳もまた、それを見逃すことなく とらえ続けていくことでしょう。 (尾藤三柳)