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専修学校における 中退防止の取組について
資料11 平成24年5月15日 第4回雇用戦略対話ワーキンググループ 専修学校における 中退防止の取組について 学校法人 重里学園 日本分析化学専門学校 校長 重里 徳太 高等専修学校における取組事例 A高等専修学校 【入学者の背景】 ①中学校段階等から生徒指導上問題のある生徒が多い ②保護者の教育に対する関心も低い傾向にある ③経済的に困難な家庭が多い(約60%が母子・父子家庭・ 約15%が生活保護世帯) 等、様々な問題を抱えている 【対応策】 ・生徒の学習意欲向上のため、生徒の学習レベルに合わせた 資格取得を促進。 (学校で定める簡易な資格から国家資格レベルまで) ・入学式後に生徒の資格取得等に関する保護者説明会を開 催。また、欠席者にも後日参集等を依頼することにより、必ず 保護者全員へ説明を実施。 ・入学後すみやかに新入生全員に対する家庭訪問を実施。 ・高等学校等就学支援金の支給。 (経済的理由による中退者数が減少 ○設置学科 (H21/9名→H22/0名)) ・自動車整備科(3年制)/工業科(3年制)/商業科(3年制) ○卒業後の進路(主な例) ・就職;自動車整備士3級を取得し、運輸会社・整備工場等へ就職 建築・土木関連資格を取得し、大工、建築事務所等へ就職 トリマーサロン、ネイルサロンへ就職 ・進学;大学・短期大学、専門学校へ進学 1 A専門学校 専門学校における取組事例 【入学者の背景】 通信制高校の卒業生等で、精神的な問題等を抱え毎日通学することが困難な生徒が多い傾向にある。 【対応策】 ・市立の保健施設等の心のケアの専門家に教員がカウンセリング等の研修を受け、 教職員全員で問題を抱える生徒を対応。 ・生徒同士の絆を深め、意欲向上を図る、合宿やコミュニケーションゲーム等を実施。 ・学習意欲向上のため、三つ星レストラン等への校外研修や校内におけるコンクール等を充実。 ・関係機関との連携。 B専門学校 【入学者の背景】 高校既卒でフリーター経験等がある者(約2割)や、精神面や学習面に問題を抱える者等、様々な背景を 持った者が入学している。また、約4割の生徒が奨学金の貸与を受けており、経済的に不安を抱える者も多い。 【対応策】 ・入学後4月中に担任が学生全員と面談を行う、無連絡欠席の生徒に対しては当日中に必ず連絡する、 生徒の出身校を訪問し情報交換を行う等、教員によるきめ細かな指導の実施。 ・昼休みや放課後等に教員が学生の学習相談を受け付ける「特別基礎質問講座」を開設し、 学習面に不安を抱える学生のサポートを充実。 ・SNSの開設により、インターネット上でも学生の相談を受け付ける等の多様な媒体を活用した 相談体制の整備。→ SNSの開設後、中退率が2年間で半減 ・関係団体((社)大阪府専修学校各種学校連合会ヘルプコール)に常駐する人権相談の専門家との連携。 ・退学者の徴候と <チェックリストの項目例> その対策指導チェックリストを作成し、 ○生徒のSOSサイン発見 ○教員の指導と対策に係る意識 教職員の間で中退対策のために活用。 ・欠席、遅刻等の状況 ・生徒の特徴の把握 ・相談を受ける場の設定 ・保護者とのコミュニケーション生徒の意欲向上のための工夫 等 ・作文・日記 等 2 技能連携校等における取組事例 A技能連携校 【入学者の背景】 ①全生徒220人うち、中学校・高校で不登校、中退者となった 者が6割。中には、中学校に全く通っていなかった生徒も在籍。 ②保護者の教育に対する関心も低い傾向等様々な問題を抱え ている。 → 現在の出席率は約9割。 教育理念 『人はそれぞれの過程において「多様な選択肢と敗者復 活の繰り返し」の中で人間的成長を遂げられる』 多様な能力を持ちながら、それを十分に発揮できないで いた若者達に対し、 ①再学習の機会 【対応策】 ○個に応じたきめ細かい指導:居場所づくり、仲間づくり、補習、行 事参加への支援/指導 →生徒の学習意欲向上のため、生徒の学習レベルに合わせたコース選択制を実施。 ②高等学校卒業資格の取得援助 ③専門知識・技能の修得 ④持ち合わせている能力の違いの育成 ⑤豊かな感性の発揮 ○体験の充実:農業、工芸、職場体験 を目指し、多様な感性と適性に応じた教育を生徒と教師、 さらには保護者や地域の皆様と共に、『豊かな人間性を もつ人づくり教育』を実践 →全生徒に農業体験を実施し、学校生活、社会生活への意欲を高める取組や保護者と生 徒と一緒 に農業体験を実施。 ○全員進級・卒業を目指した指導:日々の出席管理、多欠席者 への指導、生徒・学習・進路指導の充実、多数の学校との 連携強化 【卒業生の活躍】 ○小学校5年より不登校。卒後、自動車大学校へ進学し、 国家整備士1級取得。卒後は大手自動車本社勤務。 →精神的な理由等で登校が困難な者に対し、担任が家庭訪問・カウンセリング・学習指導。 →不登校生だったため基礎学力が十分でない生徒に定期的に「基礎学力強化期間」を設け、 始業前・放課後に補習。土曜日登校、専門学校との連携。 →保護者へのきめ細かな説明・連絡・相談。 →お昼休み、放課後を通じた生徒一人一人へのケア。 ○検定指導 →個々の能力や特性に応じて多くの検定試験にチャレンジさせ、生徒のやる気や意欲、達 成感、充実感を持たせる。各学年で最低3つの検定試験へ挑戦。放課後検定指導も実施。 ○小学校1年より不登校。入学時は放課後登校からスタート し、3年時は皆勤。体育際委員長として活躍。卒後は専門 学校へ進学し、現在、大手IT系の企業で技術者として活躍。 ○高校時に不登校となり、編入。専門学校へ進学し、国家資 格合格、情報系の企業で活躍。 ○中学校から不登校。家庭訪問、放課後登校、個別指導、 個室学習等2年を経て通常の登校が可能となった。卒後は 建築関係の専門学校へ毎日通学。 ○社会性 →多くの学校行事、体験学習、ロータリークラブとの交流 ○ボランティア活動 →定期的に学校周辺の清掃、公園の環境整備、福祉活動等 技能連携制度は、高等学校の定時制又は通信制課程に在学す る生徒が、一定の要件を備えた技能教育のための施設(専修学 校、各種学校、職業訓練施設等)において教育を受けた場合に、 その学習を高等学校における履修とみなすもの 3 退学者等の情報公開事例 (社)大阪府専修学校各種学校連合会発行「進学情報カード」 【進学情報カードとは】 ①近畿および中四国の全高等学校進路指導教員を対象に発行 ②発行部数約8,000部 ③大阪府私立学校情報提供指針に則った情報を網羅(大阪府府民文化部私学・大学課による監修) ・強制力は無いものの、情報提供参画115校中83校(平成23年度)が前年度中退率と その主な理由を公開 ・平成23年度中退率平均は5.46% ・主な中退理由は、経済的事情、進路変更 4 退学者等の情報公開事例 5