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k1510-25(455KBytes)
掘り出し物は身近な所に
道端に見つける郷土史⑤
大昭和製紙白老工場(現 日本製紙北海道工場
白老事業所)が白老に建てられることになった決
め手は、たまたま工場側の目に留まった北吉原の
古砂丘の存在でした。白老で見つけやすい古い時
代の砂丘というと、ポロト湖の南側に残る地形が
挙げられます。縄文時代(約1万2000年前∼約
2300年前)と呼ばれる大昔の海岸線がアイヌ民族
博物館の近くにあったことを示すもので、海水と
淡水の混ざり合う潟湖であったポロト湖周辺では
数カ所で遺跡が確認されています。
では昔の海岸線の名残がほかにないかというと、
そうではありません。当時の大昭和製紙白老工場
建設の経緯にもあるように、普段はなかなか気づかないだけで、とある拍子に古砂丘の存在が確認されること
もあります。
昭和60年8月13日、竹浦に住む方から教育委員会へ土器の発見が報告されました。場所は竹浦駅より少し西
側のメップ川右岸にあったお宅の庭でした。野菜を保存するための穴を掘ったところ、土器1個分に相当する
土器片が見つかったのです。その後、町の職員が周辺を調査したときにも、線路の南側にある砂丘から土器の
欠片16点を発見しました。どちらも続縄文時代(約2300年前∼約1300年前)のものと判断されています。
早くから市街地がつくられた地域は十分な調査が行われていないことも多いので、ひょっとしたら皆さんの
家の下にも昔の人々が暮らした名残が埋まっているかもしれません。幸運にも発見することがありましたら、
忘れずに教育委員会までお知らせください。 仙台藩白老元陣屋資料館学芸員 平野敦史
地域の特色示すゴザ
白老は大きなひし形文様
静内の伝承者の方が製作したゴザ
︵博物館収蔵品︶
詳しくはアイヌ民族博物館
☎82−4199へお問い合わせください。
25
2015年10月号
イランカラプテ。今回は工芸についてちょっとだけ紹介します。
9月はアイヌ民族にとって、昔はいろいろと忙しい時期だった
ようです。男性はサケ漁を行い、秋の終わり頃には次の年のクマ
猟の準備を行っていました。女性はサケの加工と保存を行い、そ
してチセ(家)の中で使うチタラペというゴザの材料を確保する
時期だったようです。
ゴザの材料はガマです。アイヌ語ではシキナなどと言われてい
ます。採ったシキナは、天日干しで2週間ほど、カラッカラに乾
かし、ゴザを作るときに水に戻して製作されていました。
普段使いのゴザは無地なのですが、儀礼などに使われるゴザは
文様が入っています。
ゴザにも地域的な特色があるとされていて、白老の文様といわ
れているのが、大きなひし形の文様なのだそうです。
博物館内のチセの北東側には、この伝統的な文様を使用したゴ
ザが貼り付けられています。製作した方の手仕事への思いを垣間
見ることができますよ。
ぜひ博物館のチセのゴザをご覧ください。
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