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日中間も路線・便数を 大幅拡大 - Travel Journal Gateway
Promotion & Campaign 采访 CHINA REPORT vol. 12 Interview 日中間も路線・便数を 大幅拡大 呉国翔氏 中国南方航空 日本支社長・東京支店長 広州を拠点とする中国南方航空(CZ)はアジア最大級の運航規模を持ち、世界でも五指に入る巨大航空会社。 躍進する中国社会と中国経済の勢いを象徴する航空会社でもある。 そのCZが国際化推進計画の一環として、今年は日中路線でも積極的な事業拡大を計画している。 ―今年の路線・便数計画を説明してください。 チャンス到来の2015年 過去最大級の増便計画を立てています。3月31 日からは、運休していた名古屋/長春線を週2便で ―積極的な増便戦略の狙いは何でしょう。 再開。大阪/鄭州、大阪/長沙にも就航予定。こ ここ数年、日中間の航空交渉は両国間の関係が のほか、桂林線や南寧線の運航も計画しています。 冷え込んだことを反映して、なかなか進展が見られ 地方路線も拡充する計画で、茨城/深圳、静岡/ ませんでした。しかし今年は、日中航空関係の枠 武漢にも就航予定です。子会社である厦門航空 組みを抜本的に拡大するという12年の合意を基に (MF)が大阪/厦門に、四川航空(3U)が大阪/ 進展が期待されます。このチャンスを逃さないため 成都に、それぞれ就航する予定です。 にも、積極的な増便策を用意しています。 成田と羽田に関しては、国土交通省の認可を待 一方で CZ は航空会社としての国際化を推進して たねばなりませんが、多くの新規路線や増便を申 おり、オセアニアや欧州、北米の各路線でも精力 請しています。羽田は広州線のダブルデイリー化の 的に路線や便数を拡大。中国とオーストラリアを結 ほか、貴陽線や南寧線の就航も申請。成田からは ぶ路線や韓国路線では CZ が座席供給の最大シェ 武漢、鄭州、長沙、ハルビンの各路線を申請中です。 アを占める航空会社となっています。日中路線の これらを含み今年中には合計20路線以上の新規就 強化は、CZ が全社的に進めている国際化推進の一 航を計画しています。実現すれば日本から中国へ 環でもあります。 の就航地は8都市増え、日本における乗り入れ空港 ―新機材の導入やサービス面の取り組みを教え も3つ増えます。既存の路線に関しても、それぞれ てください。 機材の大型化を図り、座席供給量を拡大します。 われわれはエアバス A380型機とボーイング B787 型機を同時運用する世界で初めての航空会社とな りました。 現 在、A380を5機、B787を10機 保 有 しており、さらに新型機材を積極的に導入してい ます。保有機材の平均使用年数が若いのも CZ の 特徴です。 サービスに関しては現地化を推し進めています。 日本支社でも日本人を積極的に採用しており、社 34 TRAVEL JOURNAL 2015.3.30 員の90%以上が日本人です。このほか空港のグラ ンドスタッフやコールセンターのスタッフも日本で 採用しています。日中路線の大部分のフライトが、 日本国籍のクルーによって運航されており、昨年も 20人の日本人客室乗務員を採用しました。今年は 日中路線の増便に伴い、日本人客室乗務員の採用 を例年の2倍以上の90人に増やす予定です。 機内食についても日本の機内食会社を使用し、 日本人客の口に合う、満足度の高い食事を提供で きるように努めています。 ―日中路線の需要動向については、どのように 見ていますか。 12年下期から、日中関係の冷え込みが需要動向 にも影響し始めました。ただし、これは限定的な Profile Wu Guo Xiang ●中国民航大学を卒業後、中国南方航空に入社。フライトディスパッチャー (運 航管理者)、マーケティング部門部長、湖北支社副支社長を経て、2011年1月から現職 現象だと見ています。日中路線は基本的な部分で 成長する方向にあります。中国は日本にとって最 日本から中国への需要が伸び悩んでいるのは確 大の貿易相手国ですし、日本は中国にとって第2の かです。しかし、これは中国路線だけの現象では 貿易相手国です。経済関係において両国は重要な なく、日本人の海外旅行全体が低迷しています。 パートナー同士なのです。ですから CZ の路線でも 円安も大きな理由だと思います。ただし、あまり 東京、名古屋、大阪といった幹線は影響が大きく 悲観はしていません。 ありませんでした。逆に影響が感じられたのは地方 冷え込んでいた日中関係にも改善の兆しがあり 路線で、仙台、富山、広島路線などは、日中関係 ます。二階俊博・自民党総務会長が5月に観光業 の冷え込みの影響が目立ちました。 界関係者ら3000人を連れて中国を訪れることが発 ―中国人旅行者による訪日旅行の増加について、 表されましたが、これが良い意味でのきっかけにな どう受け止めていますか。 ることを期待しています。 日本の観光立国政策の推進や円安効果もあって、 また中国が日本人旅行者にとって魅力的な観光 中国人の訪日旅行意欲は高まっています。CZ は日 素材をそろえていることは間違いありません。日中 中路線で多くの訪日中国人旅行者を運んでいます 間に横たわる誤解が解ければ、再び日本人の訪中 が、日本の観光立国の動きや訪日旅行人気は、中 旅行者は増加していくでしょう。 国人旅行者以外の需要ももたらしています。CZ は 私が個人的に期待したいのは、日本の若者たち 広州を拠点に東南アジア、オセアニアなどへも路線 です。年配の方々にとって訪中旅行は人気があり を展開し、毎日多数のフライトを運航しており、 ますし定着しています。ところが若者は日本にとど これらの国々から広州経由で日本へ向かう需要も まる傾向があるようです。中国に関してもメディア 取り込めています。そういう意味でも日本の観光 の報道をうのみにしている面が否めません。積極的 立国の進展は望ましく思います。 に世界へ出て、自分の目で世界を確かめ、世界で 若い世代の相互交流を 起きていることを実感し、オープンな考え方を持て るようになっていってほしい。日本と中国の関係に おいて、お互いに何が足りないのか、何が問題なの ―その一方で日本から中国への旅行需要は低迷 かを学び合って、根本的な関係改善の突破口を開 しています。 いてほしいと思います。 TRAVEL JOURNAL 2015.3.30 35