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21 水資源豊富な青海省 - Travel Journal Gateway
Promotion & Campaign China por t Re 21 2015中国シルクロード観光年 水資源豊富な青海省 青海湖と崑崙山脈に代表される豊かな風土 中国の北西部でチベッ ト高原の北東部に位置する青海省は、山河に恵まれた雄大な土地が特徴だ。 中国最大の塩水湖である青海湖を中心に、美しい自然景観の観光資源が豊富にある。 長い歴史によって培われた多元的な民族文化、 奥深い宗教文化が形成されている。 文/皆方久美子 青海省の略称は「青」 。青海湖が省 屋根」を走る青藏鉄道に乗り、青海湖 内にあることで付けられたことからわか や崑崙山脈、ゴビ砂漠などを車窓から るように、青海湖を中心に多くの観光 楽しむ鉄道旅行もおすすめだ。 スポットが点在している。中国の中で も新疆ウイグル自治区、 チベット自治区、 文化の融合地、西寧 西寧市内にある東関清真大寺 内蒙古自治区に次ぎ4番目に広い面積 標高2275mにある西寧は、古くは「湟 をもつ青海の広大な土地は、雄大な自 中」と呼ばれ、約2000年前から屯田地 タール寺はかつて4000人以上もの僧 然景観と豊かな歴史文化を育んできた。 として史書に記されている歴史のある が在籍し、チベット仏教センターとして 省内に横たわる崑崙山脈には氷河が 町。シルクロードの南ルートと唐蕃古 重要な位置を占めていた。現在は観光 広がり、 溶けた氷河や雪山からの渓流は、 道の要衝の商業都市として栄え、中原 地として整備され、多くのお堂を見学 長江、黄河、瀾滄江(メコン川の上流) 文化と西域文化が融合した地である。 することができる。 の大河の源流になっている。世界遺産 人口は約100万人。漢民族のほか、 一番の見どころは、チベット仏教最 に登録されている「三江源流」である。 回族やチベット族、モンゴル族、満州 大の学僧とされるツォンカパの霊塔が安 水資源の豊富さは「中華の給水塔」と 族などが居住している。 置されている、金色に輝く屋根を持つ 称されるほどだ。 夏の平均気温は20℃ほどで、 「夏の都」 大金瓦殿。お堂の前では、五体投地で 省都は、甘粛省に近い省東部に位置 と呼ばれる避暑地として人気が高い。 祈りを捧げる巡礼者の姿が見られる。 する西寧。曹家堡空港が隣接する海東 観光スポットとして真っ先に挙げら また、タール寺の三絶と呼ばれる壁画、 地区にあり、青海省の旅の起点となっ れるのは、黄教の聖地タール寺。市中 酥油花 (バター細工) 、 堆繍 (刺繍の一種) ている。北京、成都、広州からの便が 心から約25㎞、高速道路で30分ほどの のタンカ(掛軸)なども必見だ。 多くあり、上海からも毎日就航している。 ところにある。チベット仏教ゲルク派の 西寧市内の見どころには、省内各民 西寧は2006年に開通した青蔵鉄道の 6大寺院の1つで、創建は1560年。ゲル 族の衣装や出土された文物、チベット 起点の町であり、ゴルムドを経てチベッ ク派は代々のダライ・ラマが信仰する 仏教の仏像、曼荼羅などを展示する青 ト自治区のラサを結んでいる。 「世界の 宗派で、開祖はツォンカパである。 海省博物館や、中国で唯一のチベット 西寧市の北、門源県の見事な菜の花畑 32 TRAVEL JOURNAL 2015.6.8 青海湖の北東にある金銀灘景勝地 氷河をたたえる崑崙山 ツァイダム盆地の東にあるチャカ塩湖 チベット寺院のタール寺 緻密なバター細工の酥油花 チベット仏教の世界を描いたタンカ 互助トゥ族民俗故郷園の「輪子秋」 医学博物館の中国蔵医葯文化博物館、 スは日月山の峠に立ち寄る。この峠が の花一色になる。青空と菜の花の黄色 約600年の歴史があるイスラム教の礼拝 中国内陸とチベットの分水嶺で、ここ が輝き、まるで広大な菜の花畑の海の 堂、東関清真大寺などがある。 を越えると、麦畑などの農耕の土地か ようなシーズンには、西寧からツアーバ 中国蔵医葯文化博物館には、 幅2.5m、 ら草原の遊牧の世界へと景色が変わる。 スも出る。 長さ618mの世界最大の綿製のタンカ 峠には唐代に吐蕃を樹立した古代チベ 「万山の祖」と称えられる崑崙山脈の 「中国チベット文化芸術彩色絵画大観」 ット王ソンツェンカンポに嫁いだ、文成 北側にはツァイダム盆地が広がっている。 公主を偲ぶ日月亭が建つ。 ツァイダム盆地の東部、青海湖の西側 トゥ族の芸術家400余名が4年をかけて 紺碧の水をたたえる湖は周囲約360㎞、 にチャカ塩湖がある。塩の厚さは5 ~ 描いたものだ。チベット族の宇宙万物 琵琶湖の6倍の規模を誇る。二郞剣風 10m弱の天然の塩湖である。乾期には の形成に対しての認識や歴史、宗教、 景区や金銀灘景勝地など、湖の周囲に トロッコに乗って塩湖の中ほどまで行 医学、文化生活などが表され、チベッ いくつもの風景区があり、湖の真ん中 くことができる。 ト族文化の百科事典ともいわれている。 には海心山という島がある。湖のほと 青海省第2の都市であるゴルムドは、 この壮大なタンカはギネスブックにも登 りに建つ遊牧民のテントが風情を添え、 モンゴル語で「河川の集まる土地」の意 録。計6カ所の継ぎ目があり、最後の4 湖畔には宿泊施設もある。シーズン中 味。ツァイダム盆地の中南部に位置し、 mは展示室の幅が足りずに端が巻かれ はテント風の施設に泊まることも可能。 南に崑崙山脈、北にチャルカン塩湖が て展示されている。 最も美しい景観が得られるのは7 ~ 8 ある。北は敦煌、南はラサ、西は新疆 また、市内の市場である水井巷市場 月の菜の花が咲くころ。湖の周囲一面 のチャクリク、東は西寧に通じる交通 の周囲には、野菜や果物から漢方薬の が黄色に染まるさまは見事だ。湖の北 の要衝にある。砂漠の盆地という地理 店、食堂、青海省の特産品を売る店が 西部に浮かぶ鳥島はその名のとおり、 に恵まれ、崑崙文化や塩湖、氷河、砂 並んでいる。店々を覗きながら巡ると 渡り鳥が集まることで知られ、毎年5月 漠ヤルダン地形など、独特な自然景観 楽しい。 には多くの鳥が飛来する。カワウなど の観光資源が豊富だ。 数十種類、10万羽を超す鳥が島を覆い このほか、西寧の北東にある互助ト 尽くすほどで壮観。 ゥ族風情園や青海省西部にある野生動 西寧から西へ約150㎞のところにある 菜の花の群生地で有名なのは西寧市 物の宝庫、 ココシリ国家自然保護区など、 青海湖は、 青海省最大の見どころであり、 の北、海北チベット族自治区の門源県。 文化や雄大な自然に触れられる観光ス 西寧市内からは多くのツアーバスが出 祁連山脈と大坂山脈に挟まれた平坦な ポットが多数ある。 ている。 土地がナタネアブラの生産地になってい 問い合わせ:青海青藏国際旅行社有限公司 市内を出発するとたいていのツアーバ て、7月になると山あいの広大な畑が菜 E-mail:[email protected] がある。チベット族、蒙古族、漢族、 青海湖と崑崙山脈の雄大さを実感 TRAVEL JOURNAL 2015.6.8 33