...

株式会社オホーツク物流(北海道網走市) 北海道経済産業局

by user

on
Category: Documents
44

views

Report

Comments

Transcript

株式会社オホーツク物流(北海道網走市) 北海道経済産業局
北海道経済産業局
株式会社オホーツク物流(北海道網走市)
~知的財産権を足がかりに起業・フランチャイズ化へ~
1.自身の経験を生かして、健康を考えた製品開発
起業のきっかけは、株式会社オホーツク物流の現社長自身が心臓を患った際、医者か
ら糖尿病、動脈硬化、心臓病に効くと薦められた「そば健康法」でそばを食べ続けたと
ころ、身体が回復したことからである。
この経験から、そばの提供を通じて高齢化社会の健康増進に貢献したい一念で独自の
研究を進め、1998年に十割そば製麺機を開発し、翌1999年にその製麺機を販売すると同
時に、オホーツクの新鮮な海産物や農産物を消費者に提供すべく同社を設立。
大都市に行かなくとも起業はできるとの信念で網走市に会社を起こし、更にもっと多
くの人に身体に良い美味しいそばを安心して食べてもらうため、同年、同所に十割そば
製麺機を使ったそば屋のモデル店を自ら開店し営業を開始した。
2.安価で職人並みの仕事ができる機械
従来のそば打ち機は大きい上、周辺機器を含めると購入価格は数百万円となるが、同
社が開発した製品はコンパクトな設計であり、構造も単純なため、約八分の一程度の価
格で販売できるようになった。
また、従来の押し出し式製麺機の欠点でもあった圧縮熱による風味の劣化等を解消す
る製法を発明し特許取得した。その技術は、熱を逃がしながら一定の圧力を加え製麺す
ることにより麺が冷たく作られるため、麺の劣化を防ぎ、そばの香りが失われず、豊か
な風味と強いコシを可能にした。更に、誰でも簡単に麺を作ることができ、コンパクト
ながら1時間に100食生産する能力を兼ね備えている。
特許出願中だったこの機械が2001年に特許権の登録となり、本格的に販売を開始して
いる。現在、本格的なそばを自宅で食べてもらえるよう家庭用製麺機の開発にも取り組
んでいる。
3.知的財産権を活かし、フランチャイズ化・海外進出を目指す
開発した十割そば製麺機により、短期間に小資本、省スペースでそば専門店を開業す
ることができるようになったことから、ハード(特許)とソフト(商標:知床・オホー
ツクブランド)を結びつけたフランチャイズチェーン事業の展開に取り組んでいるとこ
ろであり、既に数店舗の加盟店に製麺機などの設備と地元の有機無農薬栽培そば粉、無
添加そばつゆの食材を提供している。今後は、更に事業を拡大することにより経営基盤
の強化を図っていく考えである。
また、日本の伝統の味である「そば」を世界に広めたいという夢をもって、アメリカ
及び台湾では既に特許権を取得しており、2004年度中にアメリカへ海外第1号店を出店す
る予定。
─ 4 ─
特許活用企業事例集 Vol.2
株式会社オホーツク物流
【特許活用製品】
十割そば製麺機(商標名:生粉打名人(きこうちめいじん))
モデル店での製麺風景
<会社概要>
○代表者名
○本社所在地
○創業
○資本金
○従業員数
○主要製品
代表取締役社長 菅野 衛治
北海道網走市南4条東5丁目5番地
1999(平成11)年
1950万円
5人
製麺機の開発・製造及び販売、そば粉の販売、飲食店(蕎麦)経
営
─ 5 ─
Fly UP