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パリ協定の意義と建築分野における今後の展望 -プラチナ構想の実現と
グリーン建築推進フォーラム 基調講演 2016年7月25日 パリ協定の意義と建築分野における今後の展望 -プラチナ構想の実現と建築分野- 小宮山 宏 プラチナ構想ネットワーク 会長 三菱総合研究所 理事長 東京大学 第28代総長 Copyright © 小宮山宏( Dr. Hiroshi Komiyama) 内容 Ⅰ 人類史の転換期 パリ協定:人類は正しい舵を切った キーワードは飽和 Ⅱ 21世紀のビジョン「プラチナ社会」 モノも心も豊か、誇りをもって輝く社会 プラチナ構想ネットワーク Ⅲ プラチナ社会とグリーン建築 イノベーションの時代が来ている Copyright © 小宮山宏( Dr. Hiroshi Komiyama) 2 人類史の転換期 人類の発展 世界の一人 当たりGDP 世界の平 均寿命 80 90 各国・地域の一人当たりGDP 米国:312 ドイツ:208 日本:228 中国:67 インド:30 ロシア:91 ブラジル:64 アフリカ:18 80 CO2濃度 420 400 70 70 380 60 60 360 50 50 340 40 30 40 20 320 300 30 10 280 世界の一人当たりGDP(100GK$/人) 世界の平均寿命(歳) 2000 2015 1950 1900 1850 1800 1700 1600 1500 1400 1300 1200 1100 20 1000 0 CO2濃度(ppm) 1人あたりGDP・平均寿命:Angus Maddison、CO2濃度:NOAA 地球を変え始めた、パリ協定は正しい舵を切った Copyright © 小宮山宏( Dr. Hiroshi Komiyama) 3 人類史の転換期 人工物の飽和の最終段階、そして需要不足 四輪乗用車保有台数 2007 2010 保有台数 (百万台) 一人当たり 保有台数 保有台数 (百万台) 一人当たり 保有台数 2014 保有台数 (百万台) 一人当たり 保有台数 58 0.45 58 0.46 60 0.48 アメリカ 138 0.45 119 0.38 120 0.38 イギリス 31 0.51 31 0.50 32 0.57 フランス 31 0.50 31 0.50 31 0.50 ドイツ 41 0.49 42 0.51 44 0.55 中国 32 0.02 61 0.05 120 0.09 インド 13 0.01 13 0.01 27 0.02 日本 (Data) Japan Automobile Manufacturers Association, UN WPP 2015 Copyright © 小宮山宏( Dr. Hiroshi Komiyama) 4 ビジョン「プラチナ社会」 21世紀のビジョン「プラチナ社会」 モノも情報も手に入る、移動も長生きもできる ものの豊かさを求めて、それを実現した 先進国が求めるのは質的満足だろう モノも心も豊かな社会をプラチナ社会と定義 誇りをもって自由に輝く社会 文責 小宮山 宏 Copyright © 小宮山宏( Dr. Hiroshi Komiyama) 5 ビジョン「プラチナ社会」 プラチナ社会の必要条件 資源の心配がない エコロジー ・省エネ・新エネ ・一次産業 ・循環型社会 ・公害克服 ・生物多様性 ・地球環境 だれでも参加できる ・交流 ・生涯成長 ・健康で安心な加齢 自由な選択 ・文化・芸術・スポーツ ・多様な選択肢 ・GDP 雇用がある ・イノベーションによる新産業 この周辺に新しいビジネスがある Copyright © 小宮山宏( Dr. Hiroshi Komiyama) 6 プラチナ産業 エコはビジネスになる 静岡県三島市 源兵衛川 昭和30年代 1980年代 地域課題解決への自らの意思 平成21年度の観光客数430万人 平成26年度は620万人 整備された遊歩道の総延長は56km 現在 写真) Copyright © 小宮山宏( Dr. Hiroshi Komiyama) グラウンドワーク三島 7 プラチナ産業 プラチナ産業としての林業 大規模化 機械化 サプライチェーン改革 全国土への展開で 5兆円の産業 50万人の雇用 全国土の強靭化 豪雨後の山崩れ (Photo)Annual Report on Trends in Forests and Forestry, The Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries of Japan Copyright © 小宮山宏( Dr. Hiroshi Komiyama) 8 プラチナ産業 健康の産業化 日常生活でのICT利用の浸透 処方 ICT エンターテイメント 身体 ビッグデータ 治療 保険・金融 病因 病気 ・ものづくりと融合 ・M2M、O2O ・アンビエント化 ・BigData解析 スポーツ 装置・道具 教育育成 生活情報、病歴 環境・外形情報 生理・内部情報 遺伝子・神経情報等 従来型医療 ボディケア 薬膳、投薬、標的治療 ゲノム創薬、細胞治療等 リラクゼーション エコマネー ICT自体の革新的な進化 健康住宅 健康開発都市 ・脱PC(スマホ、タブレット、モバイル) 食サービス ・常に携行し、直感的操作 ・動画や絵による解り易さ ビークル・交通 ・クラウド等の基盤普及 ・ソーシャルネット ・大画面UIF ツーリズム ・ワイヤレス 食育、体育、知育、森林浴 ・その他 海水浴、湯治、レクリエーション 症状 研究開発 腰痛、偏頭痛、心疾患 うつ、アトピー、アレルギー 依存症、健忘症、不眠症 体調不良、精神不安定等 医療技術分野 の先進ICT活用 産業振興 ・センシング ・電子的診断処理 ・ゲノム解析 ・遠隔カンファレンス 支援ロボット 再生医療 PHRサービス 薬品 予防医療 Copyright © 小宮山宏( Dr. Hiroshi Komiyama) 9 ビジョン「プラチナ社会」 エネルギー×健康×林業 高断熱 : K=1.6 W/m2K 高効率給湯器・エアコン 冷蔵庫・LED ゴーヤカーテン 太陽電池 : 3.6 kW 家庭とオフィスの省エネが勝負 Ⓒ小宮山 宏 Copyright © 小宮山宏( Dr. Hiroshi Komiyama) 10 プラチナ産業 自立の産業化 脳が生きている限り 自立できる ロボットスーツHAL (下肢タイプ 福祉用) CYBERDYNE 製(日本) コミュニケーションロボット「ジラフ」 ロボットダレン製(スウェーデン) 食事支援ロボット 「ベスティック」 ロボットダレン製 (スウェーデン) 写真資料:各社HP Copyright © 小宮山宏( Dr. Hiroshi Komiyama) 11 ビジョン「プラチナ社会」 エネルギーは私達が使っている ものづくり 43% 日々のくらし 57% 運 輸, 23.8 産業, 42.8 業務 , 15.1 家庭, 18.3 2010年度 省エネルギーが重要 Copyright © 小宮山宏( Dr. Hiroshi Komiyama) 12 ビジョン「プラチナ社会」 家庭はゼロエネルギー 「屋根に積む」 から「屋根が太陽電池」の時代へ 高断熱 : K=1.6 W/m2K 高効率給湯器・エアコン 冷蔵庫・LED ゴーヤカーテン 太陽電池 : 3.6 kW 人工物の飽和×省エネ=? Copyright © 小宮山宏( Dr. Hiroshi Komiyama) Ⓒ小宮山 宏 13 ビジョン「プラチナ社会」 エネルギー消費は減っている 600 18 16 500 14 400 12 10 300 8 200 6 4 100 2 0 0 65 70 73 75 80 実質GDP(左目盛:兆円、2005年価格) 85 90 95 電力需要(右目盛:千億kWh) 00 05 10 15 最終エネルギー消費(右目盛:単位:1018J) 実質GDP:内閣府「国民経済計算」。電力需要:資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」。2015年度の電力需要は電気事業連合会発表の2015年度の発受 電電力量をもとに、事業用発電、自家消費・送配損失を推定し、自家発電(過去10年間の自家発による電力量のトレンドをから推定)を加えたもの。最終エネ ルギー消費:「総合エネルギー統計」。 Copyright © 小宮山宏( Dr. Hiroshi Komiyama) 14 ビジョン「プラチナ社会」 知の構造化:産業、経済、エネルギーの変遷 3.0 サービス化 省エネ 2.5 2.0 人工物飽和 省エネ 1.5 1.0 工業省エネ 0.5 工業 0.0 65 70 73 75 80 実質GDP指数 85 90 電力需要指数 95 00 05 10 15 最終エネルギー消費指数 次の出典の数値を1973年度=1として指数化したもの。実質GDP:内閣府「国民経済計算」。電力需要:資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」。2015年度 の電力需要は電気事業連合会発表の2015年度の発受電電力量をもとに、事業用発電、自家消費・送配損失を推定し、自家発電(過去10年間の自家発による 電力量のトレンドをから推定)を加えたもの。最終エネルギー消費:「総合エネルギー統計」。 Copyright © 小宮山宏( Dr. Hiroshi Komiyama) 15 安いし量も十分ある、豊かなエネルギーの時代が来る コスト(円/kWh) 現在 2030年 発電ポテンシャル (TWh/y) 太陽光 16 6 >400 風力(陸上) 16 8 >500 地熱 12 <12 70※1 , 500※2 小水力 30(12*3) <12 70 バイオガス※ 25(15) 13(5) 20 バイオマス(樹木) 31(8) 12(4) 40 ( 変動型 安定型 )数値は燃料費 ※1: 熱水系 150℃以上 ※2: 高温岩体 300℃以上 ※3現在実装中のデータ 参考: 年間電力消費:約1000TWh LNG火力 13.7円/kWh (2014年) ⇒13.4円/kWh (2030年) 原子力 10.1円/kWh~(2014年, 2030年) (資源エネルギー庁推計値 総合資源エネルギー調査会発電コスト検証ワーキンググループ(第6回会合:平成27年4月資料)) Copyright 科学技術振興機構 低炭素社会戦略センター Copyright © 小宮山宏( Dr. Hiroshi Komiyama) 16 ビジョン「プラチナ社会」 2050年エネルギー自給 エネルギー消費は減り、新エネルギーは豊富で安価 100 90 省エネによる エネルギー減 80 70 60 50 32/45 = 0.7 40 30 20 10 新エネ(太陽光・風力 18% 32% 地熱・バイオマス・水力) 0 2008年 2020年 2030年 2040年 2050年 これが転換期のプラチナイノベーション 国産エ ネルギ ー 輸入エ ネルギ ー Copyright © 小宮山宏( Dr. Hiroshi Komiyama) 17 人類史の転換期 世界は気がついた、日本の認識は遅れた エネルギー資源別世界の電力供給 Source: World Energy Outlook 2015 Copyright © 小宮山宏( Dr. Hiroshi Komiyama) 18 ビジョン「プラチナ社会」 都市鉱山は必要十分 鉱山 都市鉱山 エネルギー比 鉄鉱石 スクラップ 27倍 ボーキサイト スクラップ 83倍 金鉱石 モバイル 50倍 (品位比) 人工物の飽和×省エネ=必要十分 文責 小宮山 宏 Copyright © 小宮山宏( Dr. Hiroshi Komiyama) 19 ビジョン「プラチナ社会」 2050年資源自給国家を目指す!! 自給率 エネルギー 鉱物資源 食料 木材資源 水 70% 70% 70% 100% 100% 日本のモデルは地球のモデル Copyright © 小宮山宏( Dr. Hiroshi Komiyama) 20 ビジョン「プラチナ社会」 コミュニティを再生する参加型社会 食べるために 稲作 豊かになるために 会社 誇りある生のために プラチナ社会つくり 多様な選択肢の自由な参加型社会 Copyright © 小宮山宏( Dr. Hiroshi Komiyama) 21 ビジョン「プラチナ社会」 資源自給 自然共生 プラチナ社会 生涯自立 多様な選択肢 自由な参加 自由をどのように生きるのか? Copyright © 小宮山宏( Dr. Hiroshi Komiyama) 22 ビジョン「プラチナ社会」 プラチナ構想ネットワーク <自治体会員>151名 ・都道府県 28名 ・市町村 123名(うち政令市:10) <法人会員> 82名 <特別会員> 55名 <海外会員> 6名 <合計> 294名 *入会手続き中の自治体含む 地域を場に多様なプラチナ社会を創る Copyright © 小宮山宏( Dr. Hiroshi Komiyama) 23 ビジョン「プラチナ社会」 一冊くらい読んでください 基礎の全体像 課題先進国 プラチナ社会 御清聴ありがとうございました Copyright © 小宮山宏( Dr. Hiroshi Komiyama) 24