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TSC 事業サポートサービス種目別プロジェクト (ハンドボール)

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TSC 事業サポートサービス種目別プロジェクト (ハンドボール)
P31
TSC 事業サポートサービス種目別プロジェクト
(ハンドボール)
○白井克佳 1 、齋藤 実 1 、飯田晴子 2 、栗山雅倫3
1
国立スポーツ科学センター スポーツ情報研究部
2
国立スポーツ科学センター スポーツ科学研究部
3
(財)日本ハンドボール協会
1.目的
近年のハンドボール におけるチーム戦術の発達は
めざましいものがある.これに伴い,ゲーム分析の
重要性は非常に高くなっている.本プロジェクトで
はハンドボール協会分析サポートチームのゲーム分
析活動をサポートし,国際大会におけるナショナル
チームの活躍に寄与することと同時に,ここでの分
析の結果をレポートとしてまとめ,強化,育成の資
料を作成することを目的としている.
2.年間活動計画
基本的には年度当初には年間での活動計画を立案
し,その後は主に大会での分析サポート活動と年度
末のテクニカルレポートの作成のサポートを実施す
る.ただし,何れもハンドボール協会の分析サポー
トチームが活動の主体となり,JISS の役割はこのサ
ポートチーム の活動が円滑に進むための支援となる.
3.大会における分析サポート活動
ここで対象としている大会は国際競技大会および
そのための準備の大会である.分析サポートは大き
く分けて3つのフェーズに分けることができる.1
番目のフェーズは対戦国の事前分析である.これは
過去に集めたビデオからその特徴を抽出することが
メインとなる .この結果は大会前にフィードバック
し,大会における戦術を検討する資料とする.
2番目は大会中の分析である.大会中 の分析の目的
は2つある.1つは自チームの分析である.自チー
ムのパフォーマンスを評価することによりチーム戦
術の修正等を行うための資料とする.もう1つは対
戦相手の分析である.対戦相手の分析は事前に実施
しているが,これと実際の大会における分析結果を
照らし合わせ,変更があればそれをチームにフィー
ドバックする.
3番目は試合中の分析である.試合中 はビデオで撮
影している映像をコンピュータに取り込みながら専
用ソフトでデータを入力する.この分析ソフトから
簡単な統計データを抽出し,ハーフタイムにチーム
にフィードバックした.
なお,補足だが,分析サポートチームは直接選手に
フィードバックすることはなかった.単に試合映像
を選手にフィードバックする場合でも,必ず監督,
コーチの承諾を得てから実施した.分析サポートチ
ームはあくまでもナショナルチームのサポートスタ
ッフであり,全体のマネージメントは監督,コーチ
が行うものである.この垣根を越えてしまうと,監
督,コーチの信頼を失うことにつながる可能性があ
るのでこの点には十分注意した.
4.分析結果の総括
ゲーム分析の結果は単に大会におけるチームサポ
ートの資料としてだけではなく,強化・育成のため
の資料とすることでよりその価値が高まる.
ハンドボール においては年度末にテクニカルレポー
トとしてこれをまとめ,協会内強化・育成担当者に
配布した.
5.まとめ
これまで ハンドボール分析サポートチームの支援
という形でサポートを進めてきた.ゲーム分析はか
なり競技によって特殊性が強いため,具体的なオペ
レートを JISS のスタッフが受け持つことが難しい.
したがって各競技でスタッフを育成することが必要
であると考えられる.今回のハンドボールのサポー
トは各競技団体が分析サポート体制の立ちあげをす
る際の JISS の果たすべき役割のひとつのモデルケ
ースになるのではないか.
写真:
大会における分析活動の様子
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