軸荷重計算 軸荷重計算に関する一般情報

軸荷重計算
軸荷重計算に関する一般情報
軸荷重計算に関する一般情報
トラックを使用する輸送形態のすべてにおいて、工場から出荷されたシャシに何
らかの形の架装を取り付ける必要があります。
軸荷重計算の目的は、シャシおよび架装の位置を最適化することです。これは、
法的要件および技術的制限を考慮したうえで、最大許容軸荷重およびボギー荷重
を超えずに、最大限の荷物の輸送を可能にするために重要です。
荷重の最適化を行うには、シャシ重量、ディメンションなどの情報が必要です。
詳細情報は車両の ICD ( 個別シャシ図面 ) に記載されています。
注記：
同一軸の左右ホイール間の荷重の差は、軸荷重合計の 3% を超えてはなりません。
不均一な荷重は車両を片方へ傾かせることになります。
注記：
車両に良好なけん引力を持たせるためには、車両重量の少なくとも 20% が被操舵
アクスルにかかる必要があります。しかし、地域の法規によっては異なる配分を
指定する場合もあります。
積載量および軸荷重を最適化するための支援ツールとして、Scania のディストリ
ビューターおよびディーラーが計算プログラムを持っています。
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軸荷重計算
部分積載時の軸荷重
部分積載時の軸荷重
また、リヤアクスルの最大許容軸荷重はまったく超えなかったことが、この図か
ら分かります。
廃棄物回収車両などの計算を行う場合は、状況が逆転します。これらの車両では
リヤから積載されるため、満載以下の量でリヤアクスルの最大許容荷重を超える
ことがあります。
1
7
6
9
9 000
11 500
2
8 000
7 100
7 000
6 000
3
5 000
4 000
3 000
5
4
2 000
1 000
8
0
10
20
30
40
50
60
70
80
部分積載時の軸荷重の例
1. フロントアクスルの軸荷重 (kg)。
2. フロントアクスルの最大許容軸荷重。
3. フロントアスクルの荷重曲線。
4. リヤアスクルの荷重曲線。
5. 部分積載時に達したフロントアクスルの最大軸荷重。
6. 車両のフロントから積載される様子を表します。
7. リヤアクスルの軸荷重 (kg)。
8. 最大許容積載量に対するパーセントとして表した積載量。
9. リヤアクスルの最大許容軸荷重。
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90
12 000
11 000
10 000
9 000
8 000
7 000
6 000
5 000
4 000
3 000
2 000
1 000
100 %
372 362
場合によっては、部分的に積載されたトラックの方が、満載のトラックより軸荷
重が大きくなることがあります。図は、トラックの積載量が約 65% である時に、
フロントアクスルの軸荷重が最大に達している例を示しています。積載量が 65 %
のときのフロントアクスルの最大軸荷重は、最大許容荷重を上回っています。一
方、満載時での軸荷重は、最大許容荷重に達していません。
軸荷重計算
部分積載時の軸荷重
テコの原理
次のような例でテコの原理を説明することができます：
地面に対する手押し車の 2 つの支点は、一方は車輪、もう一方は手押し車の端を
持ち上げる人とから成り立っています。荷物が人の近くにあるとき、人は荷物の
大部分を、車輪は軽い方の部分を担うことになります。
100 kg
317 000
70 kg
荷物を車輪の方へ近づけると車輪にかかる負担が増し、人の負担は軽くなります。
100 kg
317 001
20 kg
荷物が車輪の中心より前方にある場合は、人は手押し車が前方に傾かないように
ハンドルを押し下げなければなりません。
100 kg
317 002
10 kg
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軸荷重計算
部分積載時の軸荷重
人の負担は、手押し車上の荷物の位置との関係で変わります。
システムが動いていない場合、すべての力とトルクの合計は 0 に等しくなります。
車輪の中心の周囲に均衡が保たれている場合、次の計算式が適用されます：
U (kg)
荷重 ( 積荷 )· テコの長さ = 荷重 · テコの長さ
U · C = TR · A
= 荷重
TR
= 荷重 ( 人に作用する荷重の反力 )
C
= 車輪の中心から荷物の重心までの距離
A
= 地上の支点（車輪の中心と人）間の距離
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C
A
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317 003
U
TR (kg)
軸荷重計算
概念および計算
概念および計算
L102
BL/2
BL/2
U
アクスル荷重と架装の計算は静的均衡を基に成り立ちます。
• 下向きに作用する力の合計は、上向きに作用する力の合計と同等です。これは
すなわち、トラックの全コンポーネントと積載重量の総計はトラックのアクス
ル荷重の総計に等しいということを意味します。
• ある点を中心として重力によって作用するトルクの合計は、同一点を中心とし
て反力によって作用するトルクの合計と同等です。これは、前項に記載のテコ
の原理によって説明できます。前項の例の車輪をトラックのフロントホイール
に、人をリヤホイールに置き換えてください。
BEP コー 説明
ド
-
L011
フロントアクスルと第一ドライブアクスル間の距離
-
L102
フロントアクスルから架装までの距離
-
L014
第一ドライビングリヤアクスルからボギーの理論的荷重中心ま
での距離
-
L015
理論的軸間距離、フロントおよびリヤの理論的荷重中心間の距
離
BL
-
積載面 ( 荷台外部の長さ )
K
-
荷台中心点から積荷および架装または追加重量の重心までの距
離
C
-
フロント荷重中心から積荷および架装または追加重量の重心ま
での距離
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TF
C
K
TR
L015
L011
L014
372 875
スカニ
アコー
ド
軸荷重計算
概念および計算
重量および公式
総重量 (T) の計算には次の数式を使用してください： 総重量とは、シャシの重
量、追加の重量、積荷および架装の重量の合計を指します。
T = W + N + U
重量のタイプ：
重量の分配
フロント
リヤ
TF
TR
T
= 総重量
W
= シャシ重量
WF
WR
N
= 追加重量、例えばクレーン
NF
NR
U
= 積荷および架装の重量
UF
UR
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軸荷重計算
概念および計算
均衡を得るには、負荷と架装の総重量 U にそのテコ C をかけたものが、リアアク
スルの重量の中心にかかる U の比率 UR に理論上のアクスル距離 AT をかけたも
のと等しくならなければなりません。
フロントアクスル周囲の均衡の計算には次の数式を使用してください：
C · U = AT · UR
または、以下の書き換え式を使用してください：
C =
AT · UR
U
U = UF + UR
まず C を計算し、次に積載面 BL を計算します。積載面 BL の位置は、一般的に偏
差 K によって決まります。この偏差はできる限り 0 に近いことが必要です。
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軸荷重計算
概念および計算
軸荷重の計算には以下の情報が必要です：
• 最大許容アクスル荷重
• トラックの重量および軸間距離
• 架装の重量および積荷の重量
計算
総重量a
フロント重量 (kg)
TF
リヤ重量 (kg)
総重量 (kg)
TR
T
シャシ重量
- WF
- WR
- W
追加重量
- NF
- NR
- N
荷重 + 架装
= UF
= UR
= U
a. 総重量とは、シャシの重量、追加の重量、積荷および架装の重量の合計を指します。
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軸荷重計算
概念および計算
計算例
例 1： ホイール構成 6x2 のトラクター
U
計算の目的は、最適なアクスル荷重を得るためにあるべきカプラー (C) の位置を
見つけることです。
まず以下の数値を入手して、計算を行います：
• 最大許容アクスル荷重
• トラック重量および軸間距離
= 3,950 mm
L014
= 585 mm
L015
= L011 + L014 = 4,535 mm
TF
計算
フロント重量 (kg)
総重量a
リヤ重量 (kg)
TR = 1,900
シャシ重量
- WF = 4,790
- WR = 3,350
- W = 8,140
荷重 + 架装
= UF = 2,310
= UR = 15,650
= U = 17,960
T = 26,100
a. 総重量とは、シャシの重量、追加の重量、積荷および架装の重量の合計を指します。
以下の計算を使用して C を計算します：
AT · UR
=
U
4,535 ·
15,650
17,960
= 3,952 mm
最大許容軸荷重を利用するには、カプラーをフロントアクスル後方 3,952 mm の位
置に配置する必要があります。
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TR
L015
総重量 (kg)
TF = 7,100
C =
C
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L011
L014
373 966
L011
軸荷重計算
概念および計算
BL
L102
例２： キャブ背後のクレーンおよびホイール構成 4x2 装備のトラック
計算の目的は、フロントおよびリヤの各アクスル上のクレーンの重量配分と架装
用の適切なプラットフォームの長さを決定することにあります。
N
BL/2
まず以下の要素を入手して、計算を行います：
• 最大許容アクスル荷重
• トラック重量および軸間距離
• 重量およびクレーンの重心
U
= L015 = 4,950 mm
L102
= クレーンメーカーの情報に従い、最小 2,120 mm
WF
= 4,764 kg
WR
= 1,656 kg
N
= 2,550 kg
フロント重量 (kg) リヤ重量 (kg)
総重量a
TF = 8,000
TR = 11,500
総重量 (kg)
TF
T = 19,500
シャシ重量
- WF = 4,764
- WR = 1,656
- W = 6,420
設備機器、クレーン
- NF = 1,767
- NR = 783
- N = 2,550
積荷 + 架装
= UF = 1,469
= UR = 9,061
= U = 10,530
L011
a. 総重量とは、シャシの重量、追加の重量、積荷および架装の重量の合計を指します。
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C
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10 (11)
TR
J
372 915
L011
計算
BL/2
軸荷重計算
概念および計算
以下の計算を使用して C を計算します：
C =
AT · UR
U
C
=
4,950 · 9,061
= 4,259 mm
10,530
最適な軸荷重配分で可能な限り長い積載面 (BL) を得るために、可能な限り短い
(AB) 寸法値を代入します。
C = AB + BL/2
4,259 = 2,120 + BL/2
BL/2 = 2,139 mm
最適な軸荷重配分で得ることのできる最長の積載面の長さ (BL) は、4,278 mm で
す。
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