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住友商事のリスクマネジメント
2005年3月23日 早稲田大学日本橋キャンパス 1周年記念シンポジウム 住友商事のリスクマネジメント 住友商事 代表取締役 専務執行役員 島崎憲明 1 総合商社ビジネスの変遷 Ⅰ バランスシート 流動資産 固定資産 1986年 82% 18% 2004年 55% 45% 1986年 1.3倍 1.5倍 2004年 2.9倍 3.2倍 損益の連単倍率 売上総利益 当期純利益 2 187 総合商社ビジネスの変遷 Ⅱ • 総合商社を取り巻く環境 – ∼80年代前半 モノのトレード仲介が主体 ⇒信用・金融リスクの負担 – 80年代後半∼ ビジネス多様化・トランスプラント への対応 ⇒投融資の急増 3 リスマネジメントの方向転換 ミクロのリスクマネジメントの限界 各事業部門・組織でのリスクマネジメントの必要性 全社共通の「ものさし」づくり → リスクの定量化 4 188 リスク/リターン経営の考え方 リスクアセット: 最大損失可能性額 (資産残高にリスク係数をかけて算出) リスク・リターン: リスクアセットに対する連結当期純利益 株主資本コストをカバーするよう、7.5%を目標とする。 リスクアセット リスクバファー リスク・リターン 株主資本コスト 5 経営資源の最適配分 リスクアセットと人材の最適配分 経営資源は有限である リスクアセットの入替による収益力の拡大強化 ビジネスラインと戦略マップ 「拡大」 「維持」 「売却・撤退・縮小」 6 189 リスクアセット構成比の推移 RR:リスク・リターン(利益ベース) RR>7.5% 7.5%>RR>3.0% 3%>RR>0% 59% 2004 41% 2002 19% 1998 0 8% 8% 25% 24% 9% 26% 34% 17% 200 0%>RR 400 30% 600 800 1,000 7 リスクタイプ別の管理 Ⅰ 計測可能リスク 定量化しうるリスク 損失発生の可能性もある反面、利益の源泉でもある リスク量をコントロールしながらリスクリターンを最大化 計測不能リスク 利益は生まずにもっぱら損失のみ発生する 出来るだけ損失発生の確率を抑える 8 190 リスクタイプ別の管理 Ⅱ 計測可能リスク ① ② ③ ④ 投資リスク管理 信用リスク管理 市場リスク管理 集中リスク管理 ハードルレート、Exitルール 格付けに基づくリスクウエイト ポジションモニタリング゙・損失限度管理 特定分野/特定地域への集中の排除 9 リスクタイプ別の管理 Ⅲ 計測不能リスク オペレーショナルリスク ・ 労務リスク ・ 法務リスク ・ レピュテーショナルリスク ・ 自然災害 インターナルコントロールシステムの確立へ グローバル連結ベースでの「業務品質」の向上 10 191 リスクセンスの向上 • 経営トップのコミットメント • ひとりひとりのリスク管理能力の向上が全社の 競争力・収益力の向上に • どんな優れた管理の手法や指標も、各人がしっ かり体得していなければ十分な成果は期待出来 ない 11 192