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中高年の皆様、是非運動習慣を。 ∼筋肉と基礎代謝∼
Nittsu Kenpo encyclopedia of medical treatment 医療 百科 1 中高年の皆様、是非運動習慣を。 ∼筋肉と基礎代謝∼ そして、基礎代謝量を決める1番の要素は何と言って 基礎代謝とは も筋肉量です。この筋肉量は、成長ホルモンの分泌量の 基礎代謝とは、生命活動を維持するために生体で自動 低下や、たんぱく質合成の低下により、30代を頂点と 的に(生理的に)行われている活動で必要なエネルギー して徐々に落ちていきます。いわゆる中年太りが置き始 のことを示します。 める頃と合致しますし、メタボリックシンドロームに悩 私たちは横に寝転がって体を全く動かしていなくて む人が増えるのもこの年代です。ならば出来るだけ下が も、自分の意思とは関係なく、体温を保つ、呼吸をする、 らないようにするには、筋トレなどのトレーニングで筋 心臓を動かすなどさまざまな生命活動がなされていま 肉量を維持・あるいは増やすことが重要です。 す。そういった活動に使われるエネルギーが「基礎代謝」 つまり、筋肉をつければ基礎代謝がアップし、太りに です。 くく、やせやすい体となるわけです。 基礎代謝量は10代をピークに、年齢とともに低下し 図2:基礎代謝と筋肉量 ていきます。男性は10代後半で、女性は10代前半で基 礎代謝量がピークになります。50歳を過ぎると、男性 はピーク時の88%、女性は81%、70歳を過ぎると、男 性はピーク時の81%、女性は74%にまで基礎代謝量が 低下します。 (図1参照) 食事誘発体熱産生 10∼20% 活動誘発性体熱産生 20∼30% 全エネルギーの 24∼28%を 筋肉が消費している 基礎代謝 60∼70% 図1:年齢別基礎代謝量 1,700 男性 (kcal/日) 女性 1日のエネルギー量の内訳 1,600 1,500 脳 心 膵 その他 腎8% 胃腸 8% 筋肉 38% 肝臓 12% 1日のエネルギー量の内訳 1,400 あきらめないで! これからできる基礎代謝Up法 1,300 1,200 1,100 1,000 年齢 10∼11 12∼14 15∼17 18∼29 基礎代謝において 筋肉が最も重要な役割 30∼49 50∼69 70歳以上 では、年齢による基礎代謝低下に負けず、できるだけ 若い頃の体重・体組成を維持するためにはどうしたらよ いのでしょうか。 図2参照 年々低下する基礎代謝を意識して摂取エネルギー(カ ロリー)を減らせば、とりあえずはエネルギーが余るこ 基礎代謝は消費される全エネルギーの約60-70%とそ とを防げますが、これには注意が必要です。バランスを の大半を占めています。そして、残りの30%∼40%の内、 考えず「食べる量全体」を減らしてしまうと、「筋肉を 20%∼30%が「活動誘発性体熱産生」と言われ、日常 作るたんぱく質」や「代謝を促進するビタミン、ミネラル」 行動で消費されるエネルギーを示します。あとの10% まで減ってしまい、このような状態が続くと加齢変化以 ∼20%が「食事誘発体熱産生」と言われ、食事をして 上にもっと基礎代謝が落ちてしまうからです。これでは 消化、吸収する時に発生するエネルギーになります。 逆効果で、食事量を減らす前より太りやすい効率の悪い 12