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2. 温水供給施設・設備の現況および利用状況調査

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2. 温水供給施設・設備の現況および利用状況調査
第2章
温水供給施設・設備の現況および利用状況調査
2. 温水供給施設・設備の現況および利用状況調査
2.1 温水造成設備の現況
現況の小国町熱供給システムは、昭和 60 年に国の地域エネルギー開発利用モデル事業
を導入し、町内企業である日本重化学工業から排出される廃熱エネルギーで温水造成する
システムを構築し、熱供給を行ってきた。
現在では日本重化学工業の業務転換によって、当初のシステムから重油ボイラー(80 万
kcal/h)2 基による温水造成に切り替わっており、小国庁舎における床暖房、駐車場消雪、
町道電興社宅 5 号線歩道消雪、小国大橋歩道消雪を行っている。
現況の熱供給システムフローを図表 2-1 に示す。
図表 2-1
現況の熱供給システムフロー
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第2章
温水供給施設・設備の現況および利用状況調査
《温水供給設備概要》
設備名
概要
重油ボイラー
出力
800,000kcal/h(2 基)
効率
85%
108.6 L/h
燃料消費量
バーナー制御
Hi-Low
運転時間
24 h/日
貯湯槽
循環ポンプ
50℃
最高使用温度
80℃
有効貯水量
50m3
5,000×6,000×2,000
温度
70℃
最高使用温度
80℃
全楊程
35m
吐出量
2.0m3/min
回転数
1,450RPM
出力
供給ポンプ
2,000×6,000×2,000
温度
形状寸法
25m
吐出量
0.7m3/min
回転数
1,450RPM
写真
(W)×(L)×(H)
7.5kW 50H2 201V
80℃
温水温度
2.2
(W)×(L)×(H)
22kW 50H2 200V
全楊程
出力
(A 重油:8,760kcal/L、三浦仕様書ベース)
20m3
有効貯水量
形状寸法
(低位基準)
9.37 m2
伝熱面積
給水槽
暖房時は 1 基のみ ON
重油ボイラー80 万 kcal/h (2 機)
写真
21
給水槽(左)貯湯槽(右)
第2章
温水供給施設・設備の現況および利用状況調査
温水配管ネットワークおよび利用システム
小国町役場庁舎では造成された温水を利用して床暖房、駐車場の消雪を行っている。床
暖房は 10 月~4 月の冬季間に利用されており、駐車場消雪については定期的に天気を予測
しながら利用している。
庁舎内温水配管ネットワークおよび利用システムの概要を図表 2-2 に示す。
図表 2-2
小国町役場庁舎の熱利用システム概要
22
第2章
温水供給施設・設備の現況および利用状況調査
2.3 稼動状況および燃料消費状況
現状の温水利用用途は、暖房と歩道・庁舎駐車場の消雪であり、稼動の状況は天候によ
り大きく左右される。温水造成施設における燃料消費量について日本重化学工業の温水造
成施設運転日誌を参照し図表 2-3 に示す。
既存の設備の年間重油消費量は 27 万 L~31.5 万 L 程度で推移していることがわかる。
また、図表 2-4 に平成 17 年度における月別の燃料消費量実績についてまとめる。
図表 2-3
温水造成設備における年度別燃料消費
重油消費量
電力消費量
(L/年)
(kWh/年)
平成 12 年度
295,644
90,850
平成 13 年度
315,939
94,970
平成 14 年度
311,102
89,680
平成 15 年度
311,274
89,630
平成 16 年度
289,537
82,850
平成 17 年度
267,830
77,440
平均年間燃料消費量
298,554
87,570
図表 2-4
平成 17 年度における月別のエネルギー消費量実績
10 月
11 月
12 月
1月
2月
3月
4月
3,495
13,482
69,057
86,936
61,039
21,718
12,103
267,830
年間計
重油消費量
(L/月)
暖房のみ利用
運転日数
(日)
6
30
4
0
7
29
24
100
暖房・消雪
運転日数
(日)
0
0
25
31
21
2
0
79
平均気温
(℃)
14.0
6.6
-0.3
-1.3
0.4
1.9
5.4
─
※ 毎年 12 月については設備メンテナンスにより 2 日間運転停止している
温水造成施設の既存ボイラーは故障時やメンテナンス時を除いては、基本的に 24 時間連
続運転であり、時間別流量は暖房のみ利用時(60 度、7m3/h)と暖房・消雪の利用時(60
度、21m3/h)でそれぞれ一定の流量となっている。
図表 2-4 より、11 月の暖房のみ利用時と 1 月の暖房・消雪に利用した場合を比べると重
油消費量の差が大きい。
23
第2章
温水供給施設・設備の現況および利用状況調査
次に、暖房時と暖房・消雪時の熱最大負荷と 1 日の熱需要パターンについて調査した結
果を示す。運転日誌から平成 17 年度のボイラー稼動状況を見ると、最も熱負荷の高い暖房
のみ利用時では 259kW、暖房・消雪時で 1,155kW となっている。また、暖房時の平均負
荷は 185kW、暖房・消雪時で 1,084kW であった。さらに 1 日当りの重油消費量の実績値
は暖房時平均で 538L/日、暖房・消雪時平均で 2,712L/日となっている。
図表 2-5
暖房時と暖房・消雪時の最大負荷
流量
(㎥/h)
往水温度
(℃)
還水温度
(℃)
往還温度差
(℃)
最大負荷
(kW)
暖房時
7.1
67.1
35.7
31.4
259
暖房・消雪時
21.0
58.8
11.5
47.3
1,155
熱利用
図表 2-6
暖房時と暖房・消雪時の平均負荷
平均流量
(㎥/h)
平均往水温度差
(℃)
平均還水温度
(℃)
平均往還温度差
(℃)
平均負荷
(kW)
暖房時
6.9
60.7
37.7
23.0
185
暖房・消雪時
20.8
59.8
15.0
44.8
1,084
熱利用
図表 2-6 で試算した平均負荷より燃料消費量を算出したところ、実績値と大きな差がな
いため時間ごとの負荷変動は小さいものと考えられる。
・暖房時重油消費量
502 L/日 =(185kW×24 時間)÷(重油熱量 10.4kW/L×ボイラー効率 0.85)
・暖房・消雪時重油消費量
2,942 L/日 =(1,084kW×24 時間)÷(重油熱量 10.4kW/L×ボイラー効率 0.85)
図表 2-7
熱利用
暖房
暖房・消雪
1 日当りの重油消費実績と計算値
重油消費実績値
(L/日)
重油消費計算値
(L/日)
誤差
(%)
538
502
-6.7
2,712
2,942
10.8
24
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