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全体会

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全体会
平成27年度 学校研究 全体計画 -
1 研究主題
「自ら学び、共に学び合う子の育成」
―国語科を中心として―
2
主題設定の理由
今の時代は、さまざまな情報が渦巻いている。そんな中で子どもたちは生きていかなければならない。
そのために子どもたちがつけなければならない力は、「自ら考え、それを人に伝え、その中で自己判断・
自己決定していける力」ととらえることができる。私たちは、各教科・領域の中で、自分で考え、伝え交
流し合い、自分で決定できる子ども達を育てていくことが求められている。これは、本校の研究と合致す
るものである。
昨年度までの学校研究で、主体的に学ぼうとする児童が増え、自ら考えをもち、表現できる力がついて
きている。また、学び合いを通して自分の考えを再構築できる姿も見られる。
しかし、その一方で、個人差が見られ、全体としての高まりにはまだ課題が見られるのが現状である。
したがって、本年度も研究主題を「自ら学び、共に学び合う子の育成」とし、主体的に学ぶ児童を育成し
ていきたいと考える。
さらには、主体的に学ぶ児童同士がつながり、関わり合いながら協働的に学ぶ姿も意識していきたい。
自分の考えを伝えるだけでなく、それを聞き合う中で、互いの考えをつなげたり広げたりしながら、児童
同士で課題解決に向かっていける力が必要である。そのためには、教師の関わりが重要となってくる。
そこで、今年度は、昨年度特に重点を置いてきた「深い教材研究」を十分に生かし、さらに一歩進めた
「授業づくり」に取り組んでいきたい。主体的・協働的に学ぶ児童を育てていくために、児童にどのよう
な学びの場を設定していくことが必要なのか、そして、具体的に教師がどのように関わっていくことが必
要なのかを、昨年度までの取り組みを土台として、さらに積み上がるよう授業改善を行い、めざす児童像
に迫っていきたいと考える。
3
研究の組織
低学年部会
推進委員会
校長・教頭・教務
研究主任
低・中・高部会から各 1 名
全体会
中学年部会
高学年部会
4
研究構想図
〈小松市教育目標〉
生涯にわたり
〈学校教育目標〉
研究主題
~智仁勇 あすのこまつを創る人~
みずから学ぶ人・思いやりのある 心豊かな人・すこやかで 活力のあふれる人・
ふるさとを愛し 世界にはばたく人
心豊かでたくましく、しっかり考え、自ら進んで行動する児童の育成
自ら学び、共に学び合う子の育成
―国語科を中心として―
〈研究を通してのめざす児童の姿〉
○主体的に学ぶ子
・「学びたい」という意欲をもち、進んで学習にむかう。
・自分の考えをもち、考えに対する根拠や理由をもち、表現の仕方を工夫し、相手に伝えることができる。
・友だちの考えと自分の考えの共通点や相違点を比べながら聴き合い、確かな根拠をもって自分の考えを再
構築することができる。
・自ら気付いたこと、考えたことを進んで行動にうつそうとする。
○協働的に学ぶ子
・さまざまな形態で、学び合い、自分の考えを表現し深めていくことができる。
・課題・議題について話し合い活動を行い、集団決定していく。
○既習の知識・技能を身につけている子
・読み・書きなどの基礎的・基本的な知識や技能を身に付けている。
・既習を身に付けている。
・学習活動の基盤となる言語に関する能力を身に付けている。
・各教科等の学習の基本となる国語の能力を身につけている。
「読むこと」の力をつけるための授業改善 4条
【研究内容】主体的・協働的に学び合う授業づくり 6条
児
童
の
姿
・自分の考えをもち,表現する
課題の吟味
・自分の考えを深め広げる
必要感のある学習形態の工夫
・自分の考えをまとめる(再構築)
発問(問い返し,共通点や違いに目を向けさせる)
・1時間のふり返りをする
個に返す場の設定、ふり返りの場の設定
これまでの教材研究の活用
主体的・協働的な学び
つけたい力の定着
学び合える基盤づくり
学習集団づくり
・学習規律の徹底
・やる気・元気・活気プロジェクト
・主体的・協働的な学びを育てる教師の声かけ
・目指す授業像の共有・学び合うよさの共有
検証
言葉の力を育てる活動
・様々な場で行う音声言語活動
・様々な機会に書く場を設定
・様々な機会に話し合う場を設定
・語彙を豊かにする活動
○ノートやプリント等、日常の児童の記録の分析から
○アンケートや実態調査から
○評価問題の到達度から
(児童の「学習についてのアンケート」等の実施と変化の把握)
教
師
の
関
わ
り
5
研究の内容
自
分
の
考
え
(1)主体的・協働的に学び合う授業づくり
本校がめざす学び合いの授業は、
◎
・自分の考えをもち,表現する
・自分の考えを深め広げる
・自分の考えをまとめる(再構築)
理
由
・学んだことを実感できるふり返り
根
拠
の4つの段階があると考えている。4つの段階に合わせて、以下のポイン
トを意識し、学び合う授業を創造していく。
ア.「自分の考えをもつ」
「自分の考えを表現する」ための本時の課題の吟味
一時間の課題は、付けたい力につながるものか・言語活動とつながりのあるものかに加え、
・考えたく
なる話し合いたくなる、話し合う必要感のあるもの・共に解決していくゴールが明確なもの・ほとんどの
児童が既習を活用していけるもの・根拠となる叙述があるものであるかどうかという6つの観点で吟味す
る。
その中で、
「自分の考えをもつ」
、
「それを表現する」ために、最も重要だと考えるのは、
「考えたい」
「話
したい」と思えるような課題、話し合う必要感のある課題である。『~を考えよう』『~を書こう』とい
った Let’s 課題がよいか、
『どうして~かな』といった思考課題がよいかも含め、十分に検討する。
情報へのアクセスと取り出しにとどまる課題ばかりにならないようにする。特に単元の後半にかけては、
統合・解釈、熟考・評価につながる課題を組んでいく。
統合・解釈の課題については、三角ロジックで考えをもたせる方法もある。ノートには、自分の考え、
根拠、理由を区別して書かせる。ノートを上下半分に区切り、上には自分の考えを、下には、その根拠と
なる部分とその根拠からなぜそう考えられるのか理由を書く。
A
情報へのアクセ
文中に答えがある
スと取り出し
B
統合・解釈
① 「中」には、何のことが書いてあるかな
② 豆太は、どんなくらしをしているかな
叙述から推測するこ
とで、発問の答えはは
③4段落と5段落はなぜ同じように書かれてい
るのか考えよう
っきりと示されてい
④筆者が伝えたかったことは何かな
る
⑤なぜ、兵十は火なわじゅうをばたりと落とし
たのか考えよう
C
熟考・評価
答えは、読み手自身の
経験や知識を用いて
考えたもの
⑥筆者の伝えたいことに対して、あなたはどう
思うか
⑦あなたが兵十なら、最後の場面でなんと声を
かけるかな
イ.
「考えを表現する」
「考えを深め広げる」必要感のある学習形態の工夫
全体、ペア、グループ等、様々な学習形態があるが、あくまで、ねらい達成のための、学習活動や学習
形態でなければならない。ペア学習のよさ、グループ学習のよさ、またその弱点などをよく考慮し、意図
的に取り入れていく。
ウ.「考えを深め広げる」ための問い返し発問や共通点や違いに目を向けさせる発問
児童同士が、自分たちで学び合う力を育てていくためには、教師の関わり方が大切である。教師は、ね
らいを達成するために、授業をコーディネートしていく意識で児童に関わっていく。そのために、教師は
「どうして?」
「それってどういうこと?」など根拠や理由を明らかにする発問や考えや根拠の共通点や
相違点を明らかにしていく発問など、児童の「思考」に沿い、思考力を育てていく意識での関わりを考え
ていく。そして、授業の終わりには確かな根拠をもって自分の考えを再構築していけるようにする。
エ.
「自分の考えをまとめる」を感じることのできる個に返す場の設定
学び合いが一人一人の児童の力になっているかどうか、個の変容をみるため、個に返す場を一時間の中
に設定していく。方法としては
○自分の考えを再構築させる(考えの変容を意識して)
(例) 太一は一人前の漁師になれたと思う。
私の考えは・・・・に変わった。
(増えた)
わけは・・・・・
○条件付きで書かせる(キーワードを使って
書き出しや様式を指定して)
(例) すみれちゃんへの手紙風
すみれちゃんは・・・・・したね(大事な分を書きぬく)
わたしは~と思ったよ。わけは(自分だったら 自分も)だからだよ。
○学習用語で理解度を図る
活用をはかる適用題をする
(例) 今日は、
「対比」という筆者の説明のしかたがあることがわかった。わかることとわ
からないことが同じ順番で書かれていて、
「しかし」
「でも」という接続後でつながっ
ていて同じ書き方がしてあったので、違いがはっきりわかりやすかった。
オ.ふり返りの場の設定
1時間の授業の中で、自分の考えの変容や明確にならなかった所などをふり返りの場でメタ認知するこ
とで、次時の課題につなげて児童の学習意欲の高まりにつなげる。
カ.習得した知識や技能を活用・応用させる場の設定
その教材だけにとどまる指導ではなく、一時間の授業の中、もしくは単元の中において、習得した知識
や技能を活用・応用させる場を意識して設定する。例えば、本など他の資料から教材と同じ効果のものを
探す、学習したことを活用して文章を作るなどである。
また、学力の検証にも関係するが、PISA 型読解力学習ノートに組み込む。単元の目標に合う問題を選
択しておき、単元終了時期に取り組む。
(2) 学び合える基盤づくり
①学習集団づくり
ア.やる気・元気・活気プロジェクト
「主体的に学ぼうとする意欲」
「聞く・話す力」の向上をめざす。授業の中で、全校で取り組む共通実
践項目は以下の通りである。
○自分から手を挙げて、はりのある声で発表する。
○「きいたよ」の合図をする。
○授業は自分たちの声でスタートする。
○あいさつの徹底
イ.学習規律の徹底
学び合う授業を創るには、学習規律が大切である。べル着・学習の準備・姿勢・話し手の方に体を向け
るなどのことを基本とし、教師それぞれがもっている指導のよさを出し合い、共通理解を図った上で、学
校ぐるみの取り組みをしていく。
ウ.主体的な学びを育てる教師の言葉かけ(褒めて広げる)
褒めることが最大の支援と捉え、主体的な学びや自分で考えて行動したことに対して、すかさず、具体
的に褒める。具体的に褒めることによって、児童自身がどんな姿がよいのか具体的にイメージできるよう
にする。
エ.めざす授業像の共有・学び合うよさの共有
教師と児童がどんな授業にしたいかという同じイメージをもち、目標に向かって進むことは、主体的に
学ぼうとする姿勢につながると考える。教師と児童が自分達の目指す授業を出し合い、黒板上に掲示する。
折に触れ振り返り、授業改善につなげる。
②言葉の力を育てる活動
ア.様々な場で行う音声言語活動
朝の会や授業の中で、音読、朗読、詩の暗唱など、まずは書いてあるものを張りのある声で表現できる
ようにする。また、よい表現の仕方を価値づけ、相手に伝えるにはどうしたらよいかを意識して、表現す
るよう促す。
イ.様々な機会に書く場を設定
各教科において、自分の考えを書いたり,ふり返りを書いたりする時間をとる。
書くことは当たり前になっている児童が増えているので,内容が筋道立てて論理的に思考し表現できる
ように指導を工夫していく。
ウ.様々な機会に話し合う場を設定
自分の思いを話すことを厭わないようにする。話型にとらわれず、自由に話をさせる場を多く設定する。
話し合いの形態も,全体・ペア・グループと必要感に応じて工夫しながら,児童同士で課題・議題を解決
していけることを目指していく。
また,話し合いが一方的にならないよう、相手が話したことについて、感想を述べる、質問する,問い
返すなど、聞き手も同時に育てていく。
エ.語彙を豊かにする活動
語彙を豊かにするために、子ども達の作文の中で、五感を働かせた表現などよい表現が出てきたときは
紹介し、価値づける。また、読み聞かせ等を通じて読書活動を継続して取り入れたり、国語辞典をいつで
も取り出せる環境を作り、国語辞典を積極的に活用したりする。
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