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5. 石炭利用技術の新展開 ~今、何故石炭か?~ つづき 坑内掘り シールド:天盤を支えてシェアラーを押し出す機械、シェアラー:ピックを回転させて石炭を掘り出す機械 坑内掘りには安全確保(落盤・出水・自然発火対策)が不可欠 主要産炭国の石炭生産量・輸出量 (百万トン) 2,500 2,219 生産量 : 世界計 60億42百万トン 2,000 輸出量 : 世界計 8億74百万トン 1,500 1,196 1,054 1,000 454 368 500 63 45 286 245 231 69 2 266 221 172 26 他 そ ネ イ ン 南 ド ア の ア シ シ ロ フ リ ア カ 州 豪 ド イ ン 米 中 国 国 0 IEA Energy Statistics 2006 より作成 世界の石炭貿易(2006年) 我が国は世界最大の石炭輸入国であり、年間約1.8億トン(世界の石炭貿易量の約 4分の1に相当)を輸入 主な石炭輸入国の輸入量 順位 国名 第1位 第2位 第3位 第4位 第5位 合 計 日本 韓国 台湾 北米 英国 世界 輸入量 [百万トン] 177.9 79.7 63.5 51.6 51.2 814.8 割合 [%] 22 10 8 6 6 100 (注)石炭はHard Coal (無煙炭、瀝青炭、 一部の亜瀝青炭) 2006年の数値。 (出所)OECD/IEA「Coal Information 2007」 国別輸入炭入着量 (平成18年分) 石炭輸入割合 (1億9,093万 トン) ロシア 5.2% カナダ 5.5% 中国 7.0% 無煙炭 (588万 トン) ベトナム 1.0% 米国 0.9% その他 0.5% ロシア 6.9% その他 0.3% 豪州 12.6% 中国 46.3% ベトナム 33.9% インドネシア 18.6% 豪州 61.3% 原料炭 (8,073万 トン) 一般炭 (1億505万 トン) カナダ 1.8% ロシア 6.5% 米国 0.2% その他 0.3% 中国 8.0% 中国 2.7% 米国 1.7% ロシア 3.4% その他 0.9% カナダ 10.6% インドネシア 23.9% 約2,510万トン インドネシア 23.9% 約2,000万トン 豪州 56.8% 約4,600万トン 豪州 67.7% 約7,100万トン 財務省貿易統計をもとに作成 我が国の石炭需要 2007年の石炭(一般炭・原料炭・無煙炭)輸入数量 : 1億8600万t(前年比5%増) 電力需要を中心に堅調に推移 (参考1)近年の石炭輸入量推移 出典:財務省貿易統計 万t 20,000 18,000 16,000 14,000 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 無煙炭 一般炭 原料炭 2000 電力 47% 鉄鋼 36% 窯業土石 6% 紙・パルプ 3% その他 8% 2002 2003 2004 2005 2006 電気業 47% 1 0% 出典:エネルギー経済統計要覧 2001 10% 20% 30% 2007 CY 鉄鋼 36% 40% 50% 60% 70% 6% 3% 8% 80% 90% 100% 電気業 鉄鋼 窯業土石 紙・パルプ その他 日本向け石炭輸出契約価格の推移 US$ / t-FOB 350.0 300.0 価格は代表的豪州炭のFOB価格 300.0 250.0 200.0 126.2 150.0 100.0 128.0 98.0 124.0 57.2 52.3 51.3 50.8 48.8 45.0 50.6 53.2 53.2 51.0 41.9 39.8 42.8 48.1 46.2 50.0 0.0 115.0 40.9 39.9 38.9 36.4 34.4 40.3 40.3 37.7 34.5 42.0 30.0 28.8 34.5 31.9 26.8 0 9 9 1 1 9 9 1 2 9 9 1 3 9 9 1 4 9 9 1 5 9 9 1 6 9 9 1 7 9 9 1 8 9 9 1 9 9 9 1 0 0 0 2 1 0 0 2 2 0 0 2 3 0 0 2 4 0 0 2 71.0 53.0 52.5 55.5 5 0 0 2 6 0 0 2 7 0 0 2 豪州原料炭 豪州一般炭 8 0 0 2 9 0 0 2 年 度 資エ庁エネルギー白書 2008 と最新のニュース記事(例えば、J-CAST モバイルニュース等)をもとに作成 輸入炭(一般炭)の輸入量推移と国内炭(一般炭)地域別生産推移 万トン 12,000 9598 10,000 8,000 北海道地区 本州・九州地区 輸入一般炭 6,000 4,000 2,000 0 75 980 985 990 995 996 997 998 999 000 001 002 003 004 005 006 007 9 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2 2 2 コールノート2008から作成 国内炭(一般炭)地域別生産推移 万トン 1,000 800 三井砂川 76(1987.7) 真谷地 57(1987.10) 幌内 111(1989.1) 600 400 200 0 南大夕張 63(1990.3) 三井芦別 26(1992.4) 赤平 46(1994.6) 北海道地区 本州・九州地区 高島 63(1986.11) 太平洋 181(2002.1) 三池 227(1987.3) 池島 96(2001.11) 75 80 85 90 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 19 19 19 19 19 19 19 19 19 20 20 20 20 20 20 20 20 1965年度(昭和40年度) : 出炭 5,011万トン、炭鉱数 222、従事者数11万人 1975年度(昭和50年度) : 出炭 1,860万トン、炭鉱数 35、従事者数 2万人 コールノート2008から作成 asahi.comより 2002年(平成14年)1月30日 2002/01/09 http://www.asahi.com/national/update/0109/015.html 1) 採掘及び販売事業(生産量=年間約55万トン) 2) 研修事業(産炭国石炭産業高度化事業)等 2007.2 釧路コールマイン入坑時 こ こ で 質 問 で す • 質問: 石炭は、石油や天然ガスに比べてCO2、NOx、 SOxを多く排出し、クリーンな燃料ではないとい われています。それぞれの燃料を利用したときの CO2、NOx、SOxの排出量は、例えば石炭を基準 (100)にするとどのくらいだと思いますか? 二酸化炭素等の排出量相対比較(石炭基準:100) 100 100 100 100 80 80 70 70 60 60 天然ガス 石油 石炭 40 40 20 0 0 CO2 NOx SOx 石炭は石油、天然ガスに比べ「クリーンでない」。しかしそれを全く利用しないというオプションでは なく、効率的にクリーンに利用するクリーン・コール・テクノロジー(CCT)の推進が重要ではないか。 SOx, NOx発生量の各国比較 〔g/kWh〕 4.9 5.0 4.0 3.9 硫黄酸化物 3.7 4.0 窒素酸化物 2.6 3.0 2.0 2.0 1.9 1.7 1.7 2.0 1.5 0.7 0.7 0.6 1.0 0.2 0.3 0.0 米国 (2002) カナダ (2003) 英国 フランス ドイツ イタリア 中国 (2002) (2002) (2002) (2002) (2000) 日本 (2005) 出典:OECD Environmental Data Compendium 2004, Energy Balances of OECD Countries 2002-2003, 日本のデータ:電気事業連合会調べ 石炭火力発電の熱効率の国際比較 W.H.J.Graus, M. Voogt, E. Worrell, Energy Policy 35(2007) 3936 をもとに作成 (%) 発電端効率 フランス 43 北欧諸国 日本 41 39 37 35 33 31 英国+アイルランド 米国 豪州 ドイツ 中国 インド 29 27 韓国 25 23 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 各国の石炭火力発電所の発電効率(2003年)比較 インド 中 国 米 国 ドイツ 日 本 効率 (%) 30 33 36 39 42 比較 (日本を基準) 0.71 0.79 0.86 0.93 1.00 2001 2002 2003 日本の石炭火力発電効率を主要国に適用した場合の効果 石炭火力発電からのCO2排出量(2004年) 最新機導入ケース:日本の商業中発電所の最高効率を適用した場合 (▲ 約13億トン) Mt-CO2 2500 2269 1949 2000 (▲387) (▲776) 1562 1493 1500 1000 572 (▲184) (▲23) 388 500 269 0 実績 246 最新機導入 ケース 日本 実績 最新機導入 ケース 米国 実績 最新機導入 ケース 中国 実績 最新機導入 ケース インド 日本で運転中の最新式の石炭火力発電の効率を米国、中国、インドの 石炭火力発電に適用するとCO2削減効果は 約13億トン これは、日本一国のCO2排出量に相当 日本エネルギー経済研究所の試算 石炭利用技術の新展開 -改質・利用技術/高効率発電技術- クリーンコールテクノロジーの開発状況 環境負荷低減 (CO2削減等) 電力分野 超々臨界圧発電技術(USC) 高度加圧流動床燃焼技術(A-PFBC) 石炭ガス化複合発電技術(IGCC) 石炭ガス化燃料電池複合発電技術(IGFC) 鉄鋼分野 石炭高度転換コークス製造技術(SCOPE21) 効率向上に資する技術 一般産業他 循環流動床ボイラー(CFBC) 流動床セメント焼成システム(FAKS) CO2回収・固定技術 大気汚染対策技術 CO2分離・回収技術 CO2固定化技術(帯水層、炭層、海洋) 新たな石炭活用 の可能性 原燃料への転換技術 石炭部分水素化熱分解技術(ECOPRO) 石炭利用CO2回収型水素製造技術 石炭直接液化技術(NEDOL, BCL) ジメチルエーテル(DME)直接合成技術 資源制約 品位の向上、低品位炭 の有効利用技術 高効率選炭システム 低品位石炭改質技術(UBC) 無灰化技術(HyperCoal) 無灰化・石炭灰有効利用 石炭灰の処理 石炭灰の建設・土木分野活用技術 石炭灰溶融繊維化技術 等 石炭安定供給施策研究会中間報告(2006.5)より 石炭改質・利用技術(Ⅰ) • バイオ・ブリケット – • バイオブリケットは、石炭に木材バガス(サ トウキビの絞りかす)、わら、トウモロ コシ の茎などの植物質(バイオマス)を10~ 25%と石炭中の硫黄量に応じた脱硫剤 (Ca(OH)2)を添加、混合し高圧で成型し た固形燃料。 乾留ブリケット – – 製造工程は、乾留工程と成型工程からな る。乾留工程では、内熱式低温流動乾留 炉(乾留温度:約450℃)によって、揮発 分約20%の無煙半成コークスを製造。 成型工程では、無煙半成コークス及び副 原料(消石灰、粘土)を混合・粉砕された 原料に粘結剤を添加。成型機でブリケット に成型した後、乾燥・冷却。 日本のクリーン・コール・テクノロジー(NEDO/JCOAL)より 石炭改質・利用技術(Ⅱ) • コールカートリッジシステム(CCS) コールカートリッジシステム(CCS) – – • 石炭を微粉炭にし、密閉系の粉体輸送シス テムによって、石炭のハンドリングを改善した 石炭利用システム。 年間の石炭使用量が数万トン規模の、独自 で海外炭を安定輸入することが難しい中・小 口需要家を対象として、海外炭をまとめて輸 入し、各々の需要家に適した品質に混炭し、 微粉炭にして供給。 石炭液体混合燃料(CWM, 石炭液体混合燃料(CWM, COM) – – 石炭は固体であるため、液体に比べハンドリ ングが複雑なこと、粉塵に対する環境対策が 必要なこと、貯炭場などの広い用地を要する 等の問題があり、石炭をクリーンで重油並に 利用する手段として、石炭スラリーが注目。 水と混合したCWM(Coal Water Mixture)の ほか、石炭に重油を加えてスラリー化したCO M(Coal Oil Mixture)を製造。 日本のクリーン・コール・テクノロジー(NEDO/JCOAL)より