...

資料7 世界と日本の石炭事情

by user

on
Category: Documents
11

views

Report

Comments

Transcript

資料7 世界と日本の石炭事情
資料7
世界と日本の
石炭事情
平成21年2月6日
資源エネルギー庁
資源・燃料部 石炭課
目 次
クリーンな石炭の利用を巡る政策動向
1.我が国における地球温暖化対策への考え方
2.我が国のエネルギー需給見通し等エネルギー・
環境関連政策における石炭の位置付け
3.海外のクリーンな石炭利用の政策動向
4.海外の石炭生産分野における政策動向
世界と日本の石炭市場動向
1.世界の石炭埋蔵量
2.世界の石炭消費量
3.世界の石炭生産量
4.世界の石炭貿易量
5.石炭の価格
6.世界の主要な石炭サプライヤー
7.石炭の自給率
8.日本の石炭消費量
9.日本の石炭輸入量
10.日本の石炭の国内生産
11.我が国の海外炭開発状況
2
クリーンな石炭の利用を
巡る政策動向
3
1.我が国における地球温暖化対策への考え方
<2050年までの世界のCO2排出量目標>
○「2050年までにCO2排出量を半減」という長期目標を実現するためには、世界のCO2
排出量を、今後10年から20年くらいの間に、ピークアウト(頭打ち)させる必要がある。
EU 2020年 1990年比20%減
日本2020年 2005年比14%減
(1990年比8%減)
日本の責務は果たせるのか?
4
出所:福田ビジョン参考資料 4
低炭素社会づくり行動計画について(平成20 年7 月29 日閣議決定)
~我が国の目標~
<長期目標>
・2050年までに我が国のCO2排出を現状から60~80%の削減を行う。
<中期目標>
・来年のしかるべき時期に国別総量目標を発表する。
<世界各国の取組に対する支援>
・5年間累計100億ドル程度の資金供給を可能とするクールアース・パートナー
シップを推進。(気候変動対策円借款を新たに制度 設計し、2008年7月、第一
弾として、インドネシアに対して総額約308億円を上限とする円借款の供与を
決定。また、アフリカ諸国に対しては、「日・アフリカ・クールアース・パートナー
シップ」を呼びかけ、政策協議を継続。その他、ツバル、ラオス等その他の途上
国との間での取組も引き続き積極的に推進。)
・7月1日、世界銀行に気候投資基金を設立。早期に基金の運営を開始し、
積極的に関与。
5
<低炭素社会づくり行動計画における石炭の位置づけ>
(2)石炭利用の高度化
○発電効率を高め排出量を削減できるクリーン燃焼技術や、排出された二酸化炭素を大気中
に出さずに地中に埋め戻すCCS(Carbon Dioxide Capture and Storage:二酸化炭素回収貯
留)技術の開発を推進する。
○以下の目標達成を目指す等必要な技術開発、実証試験等を進める。
・IGCC(石炭ガス化複合発電)の発電効率: 2015年頃に48%、長期的には57%
・IGFC(石炭ガス化燃料電池複合発電)の発電効率: 2025年頃に55%、長期的に65%
・CCSは、分離・回収コストを2015年頃にトン当たり2000円台、2020年代に1000円台に低減
するとともに、2009年度以降早期に大規模実証に着手し、2020年までの実用化を目指す。
実用化に当たっては、環境影響評価及びモニタリングの高度化、法令等の整備、社会受容
性の確保などの課題の解決を図る。
○上記の技術を併せ、最終的には二酸化炭素の排出をほぼゼロにするために、石炭火力発電
等からの二酸化炭素を分離し、回収し、輸送、貯留する一貫したシステムの本格実証実験を
実施し、ゼロエミッション石炭火力発電の実現を目指す。
6
Cool Earth-エネルギー革新技術計画
(平成20年3月 経済産業省)
○重点的に取り組むべき「21」の革新技術のなかに、「高効率石炭火力発電」と「二酸化
炭素回収・貯留技術(CCS)」の二つの技術が選定。
7
<革新的技術によるCO2削減効果>
○21の革新技術全体で、CO2半減に要する削減量の約6割を占める。
○「高効率火力発電+CCS」にCO2削減量の12%の寄与が期待されている。
2050年世界のCO2削減に至る削減へのエネルギー革新技術別の寄与度
8
<日本の石炭火力発電効率を主要国に適用した場合の効果>
 日本で運転中の最新式の石炭火力発電の効率を米、中、インドの石炭火力発電に適用
すると、CO2削減効果は、約13億トン。
 これは、日本一国のCO2排出量に相当。
石炭火力発電からのCO2排出量 (2004年)
- 実績 vs 日本のベスト・プラクティス(商業中の最高効率)適用ケース Mt-CO2
2000
▲387 (百万㌧)
+▲776 (百万㌧)
+▲184 (百万㌧)
約 ▲13億㌧
(▲776)
(▲387)
1500
1949
1562
(▲23)
269
米国
最新鋭
導入ケース
実績
最新鋭
導入ケース
実績
最新鋭
導入ケース
日本
(▲184)
572
246
実績
0
1493
中国
388
最新鋭
導入ケース
500
2269
実績
1000
インド
「BPケース」 : 日本のベスト・プラクティス(商業中発電所の最高効率)を適用した場合。
「実績」データの出典 : IEA “World Energy Outlook 2006”
(財)日本エネルギー経済研究所 試算
9
2.我が国のエネルギー需給見通し等
エネルギー・環境関連政策における石炭の位置付け
長期エネルギー需給見通し(平成20年5月
総合資源エネルギー調査会)
ケースによって異なるものの、2030年時点においても、石炭は一次エネルギー供給
の18~21%(2005年実績21%)を担うとの見通し。
(単位:原油換算百万kL)
年度
石 油
1990
実績
265
52%
LPG
19
4%
石 炭
85
54
11%
原子力
49
10%
水 力
22
4%
地 熱
43%
18
13
508
232
40%
18
3%
123
21%
88
15%
69
12%
17
0
3%
合 計
255
3%
0%
新エネルギー等
下位
3%
17%
天然ガス
2010
2020
2030
2005
現行対策
現行対策
追加対策
追加対策
現状固定
努力継続
最大導入
現状固定
努力継続
最大導入
実績
20%
95
16%
83
14%
19
3%
0%
16
3%
587
227
39%
19
3%
117
1
上位
20%
94
16%
83
14%
19
3%
0%
20
3%
584
223
39%
18
3%
117
1
下位
20%
89
16%
83
15%
19
3%
0%
24
4%
583
218
38%
19
3%
114
1
上位
21%
89
16%
83
15%
19
3%
0%
20
4%
568
ケース
ケース
ケース
ケース
ケース
248
232
209
245
220
183
38%
19
3%
113
1
ケース
21%
107
16%
99
15%
19
3%
0%
24
3%
566
18
3%
136
1
39%
20%
87
14%
99
16%
19
3%
0%
22
3%
651
18
3%
121
1
37%
20%
79
14%
99
18%
19
3%
0%
22
4%
601
19
3%
110
1
36%
21%
129
19%
99
14%
19
3%
0%
26
5%
561
19
3%
146
1
37%
20%
94
16%
99
16%
19
3%
0%
26
4%
685
18
3%
123
1
35%
95
18%
73
14%
99
19%
19
4%
1
0%
26
4%
601
1
0%
38
7%
526
10
<クリーンコールテクノロジーとは>
クリーンコールテクノロジー(CCT)とは、環境と調和した形で石炭利用を実現する
ための技術
単位発熱量当たりのCO2排出量
<石炭利用における課題>
CO2、SOx、NOx等の排出量が多い
○固体資源であるため、石油や天然ガス等の
流体エネルギーと比べて扱い難い
○燃焼に伴って多量の石炭灰が発生し、粉末
の処理が必要
(g-C/1000kcal)
○石油や天然ガスと比較して燃焼時における
120
100
80
60
40
20
5
:
4
:
3
0
石 炭
LNG
石 油
石 炭
石 油
LNG
(出典)「気候変動に関する国際連合枠組条約」
に基づく日本国政府報告書
これらの課題に対応するためにはCCTが必要
11
<我が国のクリーン・コール・テクノロジーの優位性>
○熱効率の観点では、我が国の石炭火力発電は世界最高水準。
○SOx、NOxの発生量については世界最低水準。
1.熱効率の各国比較
熱効率(発電端・LHV)
(%)
2.SOx, NOx発生量の各国比較
日本
45.0
〔g/kWh〕
40.0
35.0
30.0
25.0
中国
フランス
ドイツ
日本
USA
イギリス+アイルランド
北欧諸国
インド
韓国
オーストラリア
20.0
1990
1991
1992
1993
1994
1995
1996
1997
1998
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
5.0
4.5
4.0
3.5
3.0
2.5
2.0
1.5
1.0
0.5
0.0
4.9
3.9
3.7
硫黄酸化物
窒素酸化物
2.6
1.7
2.0 2.0
1.9
1.7
1.5
0.7
米国
(2002)
カナダ
(2003)
4.0
0.6
0.7
0.2 0.3
英国 フランス ドイツ イタリア 中国
日本
(2002) (2002) (2002) (2002) (2000) (2005)
(年度)
出典:ECOFYS ”INTERNATIONAL COMPARISON OF FOSSIL POWER EFFICIENCY”(2008)
出典:OECD Environmental Data Compendium 2004, Energy Balances of
OECD Countries 2002-2003, 日本のデータ:電気事業連合会調べ
12
技術戦略マップ2008
(平成20年4月 経済産業省)
CCT関連の各種技術を位置づけ
▼分野
: エネルギー分野
▼政策目標 : ⑤化石燃料の安定供給の確保と有効かつクリーンな利用
▼中分類
: ④石炭のクリーン利用技術
: ⑤その他・共通技術
石炭のクリーン利用技術
その他・共通技術
省エネ型産業プロセス
CO2回収
バイオマス燃料製造
CO2貯留
水素製造
石炭開発技術
石炭火力発電
石炭利用(石炭液化・ガス化)
現在、「石炭火力発電+CCS」と「石炭利用(石炭液化・ガス化)」の2つの大
きな技術体系に世界的関心が含まれている。
13
環境エネルギー技術革新計画
(平成20年5月 総合科学技術会議)
▼大分類
▼中分類
▼小分類
: ①エネルギー供給技術
: 火力発電
: 高効率石炭火力発電
▼大分類
▼中分類
▼小分類
: ④二酸化炭素固定化技術
: 二酸化炭素回収・貯留(CCS)
: 二酸化炭素回収・貯留(CCS)
分野別推進戦略 (平成18年3月 総合科学技術会議)
▼戦略重点科学技術
⑩クリーン・高効率で世界をリードする石炭ガス化技術
▼重要な研究開発課題
①エネルギー源の多様化
(e)化石燃料の開発・利用の推進
18.クリーン石炭利用技術
22.二酸化炭素回収・貯留技術
14
新・国家エネルギー戦略
(平成18年5月 経済産業省)
▼4.新エネルギーイノベーション計画
(3)具体的取組
③ 革新的なエネルギー高度利用の促進
「石炭ガス化複合発電など、エネルギーの可能性を開くための新たな技術
オプションの開拓を続ける。」
▼6.総合資源確保戦略
(3)具体的取組
②戦略的な資源技術開発の推進
「石炭のクリーン利用技術や炭素貯留技術等の開発に重点的に取り組む。」
④化石エネルギーのクリーンな利用の開拓
「石炭ガス化複合発電、石炭ガス化燃料電池複合発電などのクリーンコール
テクノロジーの開発と普及促進CO2の回収・貯留技術の開発と普及の促進」
▼7.アジア・エネルギー環境協力戦略
(3)具体的取組
③ アジアにおける石炭のクリーン利用、生産・保安技術の普及
「中国、インド等において、十分な環境対策が講じられないまま石炭の利用が
拡大していることにかんがみ、我が国の優れた石炭クリーン利用技術をアジア
地域に普及する。」等
15
エネルギー基本計画
(平成19年3月 経済産業省)
○化石燃料の安定供給確保と有効かつクリーンな利用に資する技術における
重点的施策
クリーン・コール・テクノロジーの開発を進め、環境負荷の低減を図る
→石炭ガス化による燃焼効率向上に資する技術
→化石燃料の利用に伴い発生する二酸化炭素の回収・貯留技術
○石炭需給の安定化に向けた取組の強化
経済成長に伴いエネルギー需要が急増するアジア地域において、石油価格の
高騰等を背景に、需要が増大しつつある。
→炭鉱開発への協力、生産・保安技術の普及、人材育成等を通じて産炭国と
の関係強化を図りつつ、石炭需要を急増させるアジア地域の開発途上国に
対して、環境制約を克服しつつ利用効率向上の実現に資するクリーン・コール
・テクノロジーの普及に努める。
16
資源確保指針(平成20年3月 閣議了解)
本邦企業が関連する、石炭を含む重要な資源獲得案件に対する支援に係る基
本方針を定めるもの。
▼二国間および多国間外交による資源獲得支援
▼資源産出国の情勢に応じた柔軟な対応
① 潜在的な資源産出国に対する対応
② 具体的資源開発プロジェクトが進行している資源産出国に対する対応
③ 自立的・安定的な経済発展を目指す資源産出国に対する対応
▼関係機関による支援策や政府開発援助の活用
①石炭資源については、豪州、インドネシア、中国等の産出国との二国間資源
外交や国際協力。
②また、潜在的な我が国への資源供給国となりうるモンゴル、ロシア、南部アフ
リカ等への対応も重要。
17
3.海外のクリーンな石炭利用の政策動向
3-1.多国間合意におけるCCSの取り扱いについて
○G8エネルギー大臣会合共同声明 (平成20年6月8日)
2020年までのCCSの幅広い普及の開始に向け、技術開発やコスト削減を支援すること
を目的として、各国の多様な国情を考慮しつつ、 2010年までに20の大規模な実証プロジェ
クトを立ち上げる必要があるという勧告(※)を強く支持する。
※IEAと炭素隔離リーダーシップフォーラム(CSLF)による勧告。
○G8北海道洞爺湖サミット首脳宣言 (平成20年7月8日)
我々は、2020年までに CCSの広範な展開を始めるために、各国毎の様々な事情を考慮し
つつ、2010年までに世界的に20の大規模なCCSの実証プロジェクトが開始されることを、強
く支持する。
○クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ(APP)
石炭パートナーシップ6カ国すべてにとって、現在、そして今後も重要な燃料であり続ける。
環境影響を大きく削減する技術の中心には、CCS、IGCC、酸素燃料、燃焼後回収も含まれ
る。その他、超臨界微粉炭燃焼、石炭汚染物除去処置、ポリジェネレーション、水素生産、
炭鉱と廃棄炭鉱でのメタン回収及び石炭ガス化・液化といった技術も、重要な要素である。
※ポリジェネレーション:電力の他に、水素や合成ガス、液体燃料などを併産するプラントをいう。
○炭素隔離リーダーシップフォーラム(CSLF)
CCS技術の連携強化、海外での実証プロジェクトの推進、内外プロジェクト間の連携促進
による新たな連携の推進。
18
3-2.各国のCCSの取り扱いについて(その1)
○ EU
今後もエネルギー供給において石炭は重要な地位を占めるが、よりクリーンな利用に向
けた行動が必要との認識。特にCCS技術が特に重要との位置づけ。(2008年1月 Climate Action)
2008年10月に、2015年以降に新設される30万kW超の火力発電について、
0.5kg-CO2/kwhの排出係数上限値を定めた指令案が検討される等、欧州議会において、
CCSに関する規制の動きがある。
また、「石炭生産」「選炭・転換」「燃焼・CCS」の3分野について、第7次研究開発プログラム
の枠組みにおいて、研究開発に対する支援が行われている。
○ アメリカ
オバマ政権の環境エネルギー政策の1つとして、クリーンな石炭火力発電の支援を挙げ
ている。上院公聴会において、新エネルギー長官は、石炭を「偉大な国家資源」と呼んで、
クリーン・コール・テクノロジーの開発促進に努めると述べている。
連邦政府(DOE)では各種の支援措置を実施。
- Innovation for Existing Power Plant(IEP): 既存の石炭火力に、35%以内の電気料金増
でCCSを追設することを目指す研究開発プログラム
- Clean Coal Power Initiative(CCPI):CCTの技術開発に対する助成
- Carbon Sequestration Regional Partnership:地域の実情に会わせてCCSの導入を促す
ことを目的に、連邦政府が主導して7つの地域パートナーシップを創設。
- FutureGen:2008年1月にCCS設置を助成するプログラムに変更。
19
3-2.各国のCCSの取り扱いについて(その2)
○ オーストラリア
- 豪州主導で、2008年9月にGlobal CCS Initiative(GCCSI)を創設。CCS技術の開発、普及
の促進を目的とした多国間枠組みであり、我が国も官民で参加している。
- クイーンズランド州では、 石炭ガス化・CO2ゼロエミッション発電システム実証である
ZeroGenプロジェクトを計画。ステージ1では2012年目標に80MW級実証プロジェクト、
ステージ2では2017年目標に300MW級大型プロジェクトを計画。
- ビクトリア州では、ETIS(エネルギー技術革新戦略)を作成し、CCSへ1億豪ドル以上
を助成。
○ 中国
エネルギー政策(第11次5ヵ年計画)の課題の一つとして、石炭火力の発電効率向上
や、煤塵・SOx・NOxの排出量削減が取上げられている。
IGCCについては、「国家高度技術研究開発計画」において重点プログラムとして取上げ
られている他、「国家中長期科学および技術発展計画要綱」にも盛込まれている。
代表例としては「GreenGenプロジェクト」が挙げられ、同プロジェクトではIGCCとCCSの
組合せが計画されている。
また、大慶油田のCCS・EOR(石油増進回収)プロジェクトでは、我が国の研究機関、民間
企業も参加している。
20
3-3.世界的なクリーンな石炭の利用の進展
○石炭液化(Coal To Liquid)
- 南アフリカでは、Sasol社が1955年から商業規模のCTL設備が稼動しており、2006年
の石炭消費の約20%をCTLが占めている。
- 米国、中国、フィリピン、オーストラリア、インドネシア等で複数のCTLプロジェクトが進
行中である。
開発者
Sasol社
DKRW Advanced Fuels社
Arch Minerals社
Bull Mountain Coal社
Great River Energy社
Headwaters社
North American Coal社
神華集団公司
神華集団公司
Sasol社
神華寧夏媒業集団公司
Sasol社
Headwaters CTL社
H&WB社
Altona Resources社
PT Nuansa Cipta Investment社
Kenertec社
POSCO Engineering and Construction社
場所
南アフリカ
セクンダ
生産能力
投資額
備考
3万B/D
―
既存能力15万B/Dから18万B/Dに増強予定
アメリカ
モンタナ州中央部
2.2万B/D
―
2013年頃稼動予定
アメリカ
ノースダコタ州
3.2万B/D
20億ドル 合弁会社American Lignite Energy社を設立
中国
2万B/D
2008年生産開始予定
16億ドル
内モンゴル自治区
(直接液化)
10万B/D規模に増強予定
中国
12万B/D
50億ドル 2013年操業開始予定
山西省 楡林
(間接液化)
中国
8万B/D
50億ドル 2013年操業開始予定
寧夏回族自治区
(間接液化)
フィリピン
6万B/D
―
2009年までに建設開始予定
バターン石油化学工業地帯
第1・2段階3万B/D
オーストラリア
7.5万B/D
―
第3段階4.5万B/D
インドネシア ボルネオ島
東カリマンタン
10万B/D
55億ドル 当初3万B/D、その後10万B/Dに増強予定
○ 石炭ガス化
- 中国では、内陸部において、石炭ガス化による化学肥料向けプラントなどの建設が
拡大。
- 米国においても、石炭ガス化による、都市ガス・化学原料向けプラントの建設が盛ん。
21
3-4.石炭利用拡大に関するIEA宣言
(昭和54年5月 IEA第3回閣僚会議)
第二次石油危機が発生した1979年に、石油に代わるエネルギー源としての
石炭を見直し、石炭の生産、貿易及び利用について加盟国がとるべき諸施策
を示したもの。
ベースロード用石油火力の新設及びリプレースの排除等が盛り込まれた。
▼本文
・将来のエネルギー需給に不可欠な要素である石炭の利用拡大を図るとと
もに、これを広く国民各層に周知させる。
・大量の石炭を取扱うための輸送システムの整備を促進する。
▼付属書
・石炭火力建設の促進
・電力会社の石炭確保支援
22
4.海外の石炭生産分野における政策動向
4-1.主要産炭国の動向
○ 中国、インドネシアなどの産炭国においては、生産量も伸びているが、国内需要も
増加。国内需要優先の観点などから、輸出枠の設定、輸出税の増税などの輸出規
制を実施。
【中国】 石炭輸出許可数量の減尐
2006年:8,000万トン → 2008年:5,300万トン
輸出用石炭に対する増値税の還付廃止
原料炭:2004年5月、一般炭:2006年9月
【インドネシア】 DMO(Domestic Market Obligation、国内市場(供給)義務)の法制化
【ベトナム】 石炭輸出税の導入(2007年1月1日、輸出額の10%)と税率引き上げ
→ 2008年4月:15% → 2008年6月:20% → 2009年1月:45%
○ 豪州等では、鉄道や港湾におけるインフラの不足から、滞船問題などが発生してい
た。インフラの整備計画を策定し、解消に向けて動き出している。
○ 中国は、活発な資源外交を展開し、豪州を中心に石炭権益の獲得を進めている。
豪州での石炭権益への投資拡大
エン州煤業 = NSW 州オースター炭鉱の買収(2004年10月)
中信集団 = マッカーサー・コールの株式保有率拡大 17.66% → 20.39%(2008年7月)
神華能源 = NSW 州ガネダ炭田の探査権取得(2008年8月)
五鉱集団 = シベリア、エリガ・プロジェクトへの協力を表明(2008年10月)
23
4-2.中国の石炭輸出抑制策
• 石炭輸出許可数量と
輸出実績の推移
(単位:万トン)
輸出許可数量
一般炭 原料炭
• 石炭輸入税の引下げ
計
一般炭 原料炭
差
計
一般炭 原料炭
計
2004
7,430
570
8,000
8,092
569
8,661
662
-1
661
2005
7,397
603
8,000
6,646
526
7,172
-751
-77
-828
2006
n.a.
n.a.
8,000
5,893
437
6,330
n.a.
-1,670
2007
6,400
600
7,000
5,062
254
5,317
-1,338
-346
-1,683
2008
4,840
460
5,300
4,198
346
4,543
-642
-114
-757
n.a.
増値税還付率
• 輸出用石炭に対する増値税の還付廃止
に向けての還付率の変遷
• 石炭輸出税の改定
輸出実績
施行年月日
コークス用石炭
(原料炭)
その他石炭
(一般炭、無煙炭)
2004年 1月 1日
13% ⇒ 5%
13% ⇒ 11%
2004年 5月24日
5% ⇒ 0%
-
2005年 5月 1日
-
11% ⇒ 8%
2006年 9月15日
-
8% ⇒ 0%
施行年月日
一般炭
原料炭
無煙炭
その他石炭
2006年11月 1日
0%
5%
0%
0%
2008年 8月20日
0% ⇒ 10%
5% ⇒ 10%
0% ⇒ 10%
0% ⇒ 10%
施行年月日
一般炭
原料炭
無煙炭
その他石炭
2005年 1月 1日
-
3% ⇒ 0%
-
-
2005年 4月 1日
6% ⇒ 3%
-
-
-
2006年11月 1日
3% ⇒ 1%
-
3% ⇒ 1%
5% ⇒ 1%
2007年 6月 1日
1% ⇒ 0%
-
1% ⇒ 0%
1% ⇒ 0%
出典:各種情報より日本エネルギー経済研究所が作成
24
4-3.インドネシアの国内石炭需要拡大への対応
<DMO(Domestic Market Obligation、国内市場(供給)義務)>
○ 2010年以降に予想されるインドネシア国内向け石炭需要(電力用)の増大に対
処するため、生産者に対して国内市場に石炭の優先供給を義務付け、石炭輸出
の無制限な増加を抑制する。
○ エネルギー鉱物資源省では、2008年内に省令としての成立を予定していたが、
2009年1月現在成立していない模様。
<鉱物石炭鉱業法の国会成立>
○ 2008年12月16日のインドネシア国会で、鉱物石炭鉱業法(新法)が可決された。
○ 鉱業事業者はこれまでの鉱業契約(KK)や石炭鉱業契約(PKP2B)ではなく、鉱業
許可証(IUP)などの政府許可(地方政府:州、県)が必要となる。
○ 現行のKKとPKP2Bの契約期間は順守されるものの、同法施行後1年以内に契約
内容を同法に則した内容に改定することが盛り込まれている。
○現行のKKとPKP2Bは政府と鉱業事業者が対等な立場で契約するものであったが、
新法では国家に不利益が発生することが明らかになった場合、政府はその事業
内容を変更する権限を持つことになる。
出典:JCOAL Magazineなど、各種情報より作成
25
世界と日本の石炭市場動向
26
1.世界の石炭埋蔵量
<エネルギー資源別可採年数>
○ 石炭は可採埋蔵量が8,475億トンと豊富であり、その可採年数は石油の3.5
倍、天然ガスの2.3倍となっている。
1.埋蔵量
○ しかし、近年の石炭需要増に伴い、可採年数は急速に減尐している。
世界のエネルギー資源の可採年数比較
1993年
1996年
1999年
250
231
2002年
2005年
227
212
R/P比(年)
200
188
144
150
93
100
65
50
44
43
40
41
64
63
66
101
88
79
69
62
41
0
石油
天然ガス
石炭
ウラン
出典:WEC, “Survey of Energy Resources”
27
<エネルギー資源の埋蔵分布>
○ 中東に偏在する石油と比べ、石炭は幅広い地域に分布している。
○ 今後エネルギー需要の急増が見込まれるアジア太平洋地域にも豊富に存在している。
地域別エネルギー資源可採埋蔵量の分布
100%
80%
アジア太平洋
アフリカ
60%
中 東
欧州・ユーラシア
40%
中南米
20%
0%
北 米
石 油
天然ガス
石 炭
国別石炭可採埋蔵量
カザフスタン
313億トン
(3.7%)
ウクライナ
339億トン
(4.0%)
南アフリカ
480億トン
(5.7%)
インド
565億トン
(6.7%)
その他
870億トン
(10.3%)
米 国
2,427億トン
(28.6%)
可採埋蔵量
8,475億トン
豪 州
766億トン
(9.0%)
中 国
1,145億トン
(13.5%)
ロシア
1,570億トン
(18.5%)
出典:BP統計2008
28
<石炭の可採埋蔵量分布(国別・品位別)>
○ 埋蔵量の豊富な国は、米国、ロシア、中国。
7%
31%
ヨーロッパ(781億t)
30
%
44
%
ロシア(1,570億t)
34%
62%
カナダ(66億t)
16%
53%
13%
13%
中国(1,145億t)
30%
26
%
54%
46%
米国(2,427億t)
インド(565億t)
26%
8%
11
%
41%
2%
72%
89
%
その他アジア(419億t)
92%
その他アフリカ(16億t)
18%
5%
コロンビア(70億t)
40%
95%
42%
インドネシア(43億t)
その他南米(93億t)
49%
48%
無煙炭
100%
南アフリカ(480億t)
0% 7%
93%
3%
瀝青炭
オーストラリア(766億t)
+無煙炭
亜瀝青炭
出典:WEC, “Survey of Energy Resources 2008”、BP統計2008
29
<石炭の炭種別可採年数>
○ 炭種別可採年数を見ると、瀝青炭の減尐が顕著であり、6年間で4割以上減尐。
○ 今後は褐炭、亜瀝青炭の活用が重要。
炭種別可採年数の推移
1993
1996
1999
527
467
2002
炭種別可採埋蔵量
(2005年末)
2005
褐 炭
1,498億トン
(17.7%)
514 504
457
339
可採埋蔵量
250 238
164 156 172
139
97
瀝青炭+無煙炭
8,475億トン
190 172
亜瀝青炭
亜瀝青炭
2,668億トン
(31.5%)
瀝青炭
+
無煙炭
4,309億トン
(50.8%)
褐 炭
通常、石炭の取引においては、石炭の用途から無煙炭、原料炭、一般炭の3種類に分類される。無煙炭は、コー
クス配合用、焼結用、練炭、豆炭の製造などに用いられる。原料炭は、粘結性のある瀝青炭で製鉄高炉用コー
クス製造の原料となる。一般炭は、粘結性のない瀝青炭および亜瀝青炭で発電用、ボイラー用の燃料となる。
出典: WEC, “Survey of Energy Resources”
30
<石炭の多様性(炭質)>
○ 石炭の性質(品質)には、石炭の生成年代、賦存地域によりばらつきがある。
○原料炭には「粘結性」、一般炭には「着火性」などが求められるが、利用国やユー
ザーにより利用しうる炭質が限定される場合がある。
原料炭:強粘結炭(瀝青炭)
グニエラ炭(豪州)
IM (20%)
HGI (100)
VM (40%)
SE
(8,000
kcal/kg)
Ash (20%)
S (1.6%)
一般炭(瀝青炭)
ベンガラ炭(豪州)
IM (20%)
HGI (100)
VM (40%)
SE
(8,000
kcal/kg)
Ash (20%)
S (1.6%)
原料炭:強粘結炭(瀝青炭)
エルクビュー炭(カナダ)
IM
(2
0 V(100)
H HGI
S %) As
GI
M
E
h
(1
(4
(8
(2
S
0
0SE
,0 (1(8,000
0
kcal/kg)
.6
%)
IM (20%)
原料炭:非微粘結炭(瀝青炭)
レンド・レイク炭(カナダ)
IM (20%)
IM (20%)
VM (40%)
HGI (100)
VM (40%)
HGI (100)
VM (40%)
Ash (20%)
SE
(8,000
kcal/kg)
Ash (20%)
SE
(8,000
kcal/kg)
Ash (20%)
S (1.6%)
S (1.6%)
一般炭(瀝青炭)
ピナン6300炭(インドネシア)
IM
(2
0 V(100)
H HGI
S %) As
GI
M
E
h
(1
(4
(8
0 S (2
0SE
,0 (1(8,000
0
.6kcal/kg)
%)
原料炭:非微粘結炭(瀝青炭)
ブラック・ウォーター炭(豪州)
S (1.6%)
一般炭(亜瀝青炭)
ジョロン炭(インドネシア)
IM (20%)
無煙炭
ホンゲイ1炭(ベトナム)
IM (20%)
IM (20%)
VM (40%)
HGI (100)
VM (40%)
HGI (100)
VM (40%)
Ash (20%)
SE
(8,000
kcal/kg)
Ash (20%)
SE
(8,000
kcal/kg)
Ash (20%)
S (1.6%)
S (1.6%)
S (1.6%)
IM:固有水分、VM:揮発分、Ash:灰分、S:全硫黄 (以上、工業分析値:気乾ベース)
SE:気乾ベース総発熱量、HGI:ハード・グローブ・インデックス(HGI指数)
出典:Barlow Jonker, “Coal 2005”など
31
2.世界の石炭消費量
<石炭消費量推移・地域別>
○ IEAによると2007年の世界の石炭消費量は64.8億トン。
○ アジア地域を中心に需要は引き続き増加し、2005年から2030年にかけては年平均
伸び率2.1%で増加、2030年には98.3億トンまで上昇する見込み。
石炭消費量の見通し
(百万t)
10,000
実 績 予 測
2005-2030年の増加量
9,000
(億t)
32.3
39.9億t
8%
中南米、中東
7%
8,000
オセアニア
4.5
7,000
アジア
6,000
北米
1.5
欧州
1.6
16%
2007年の石炭消費量
上位10カ国(見込み)
アフリカ
その他
OECD欧州
5,000
14%
4,000
8%
3,000
27%
19%
2,000
23%
旧ソ連、非OECD欧州
北米
64%
アジア
1,000
52%
19%
25%
0
1980
1985
1990
1995
2000
2005
2010
2015
2020
2025
2030
出典:IEEJ
トルコ
0.9億トン
ポーランド (1.5%)
1.4億トン
(2.2%)
豪 州
1.5億トン
(2.3%)
南アフリカ
1.8億トン
(2.8%) 日 本
1.8億トン
(2.8%)
ロシア
2.2億トン
ドイツ
(3.5%) 2.5億トン
その他
11.4億トン
(17.6%)
石炭消費量
中 国
25.4億トン
(39.3%)
64億7,500万トン
インド
5.4億トン
(8.3%)
米 国
10.3億トン
(15.9%)
(3.9%)
出典:IEA, “Coal Information 2008”
32
<石炭消費量推移・用途別>
○ 消費量増加の要因は主に石炭火力発電。
○ 2005年から2030年にかけての増加量39.9億トンの8割以上を占める。
(百万t)
10,000
実 績 予 測
33.5
9,000
2005-2030年の増加量
5%
(億t)
10%
39.9億t
8,000
10%
7,000
発電等
6,000
3.2
3.1
コークス用
産 業
その他
産 業
0.0
その他
8%
5,000
11%
3,000
2,000
1,000
コークス製造
11%
4,000
76%
16%
14%
12%
発電・熱供給
70%
58%
0
1980
1985
1990
1995
2000
2005
2010
2015
2020
2025
2030
出典:IEEJ
33
<世界の電源構成の現状と見通し>
○ 世界の電源構成に占める石炭火力の比率は、4割程度で推移する。
○ 石炭資源が豊富な中国、米国、インドは、石炭火力の比率が5割を超える。
○ 天然ガスの生産地である中東、ロシアでも経済的な石炭の利用が拡大。
日本
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
100%
80%
60%
40%
20%
0%
1990 2006 2030
100%
100%
100%
80%
80%
80%
Other
60%
60%
60%
Hydro
40%
40%
40%
20%
20%
20%
0%
0%
0%
1990
2006
1990 2006 2030
2030
1990 2006 2030
2006
2030
Oil
Coal
世界
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
1990
Gas
1990 2006 2030
アフリカ
中東
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
1990 2006 2030
インド
Nuclear
EU
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
中国
ロシア
アメリカ
100%
90%
80%
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
1990
2006
2030
Other
Hydro
Nuclear
Gas
Oil
Coal
1990
2006
2030
出典:IEA, “World Energy Outlook 2008”
34
<石炭消費量推移・炭種別>
○ 炭種別消費量は瀝青炭の増加が顕著であり、1999年から2005年の6年間で1.5倍
となっている。
○ 一方、亜瀝青炭、褐炭は微増であり、同期間の増加量は対1999年比10%程度。
(百万㌧)
4,700
4,200
3,700
瀝青炭+無煙炭
3,200
2,700
亜瀝青炭
2,200
1,700
褐 炭
1,200
700
200
1993
1996
1999
2002
2005
出典:WEC, “Survey of Energy Resources”
35
<国別石炭消費量>
○ 世界の石炭消費量は2000年から2007年に向けて、年平均伸び率5.8%で増加して
いる。
○ 特に、中国の石炭消費量の増加が顕著で、同期間の年平均伸び率は11.1%と高
い値を示している( インド 5.9%、日本 2.5%、南アフリカ 1.8%、米国 1.0%、ロ
シア 1.0%)。
石炭(褐炭を除く)
2000年
2007年
注: 2007年は、見込み値。
出典:IEA, “Coal Information 2008”
36
<国別炭種別石炭消費量>
○ 2000年から2007年に向けて、世界の一般炭消費量は年平均伸び率5.8%で増加
し、原料炭消費量はこれを上回る6.2%で増加している。
○ 経済的な発展が著しい中国において、一般炭、原料炭共に消費量の拡大が顕著で
ある。同期間で中国の一般炭消費量は倍増しており(10.9億トン→21.8億トン)、原
料炭は3倍に増加している(1.2億トン→3.6億トン)。
一般炭
2000年
原料炭
2007年
2000年
2007年
注: 2007年は、見込み値。
出典:IEA, “Coal Information 2008”
37
3.世界の石炭生産量
<世界の生産量拡大>
○ 世界の石炭生産量は2000年頃まで45億トン程度で推移していたが、2000年以降
増加。2007年には、ほぼ65億トンに達する見込み。
○ 増加の主要因はアジア太平洋地域での生産増加であり、特に中国の生産量は2000
年から2007年に向けて約2倍の25億トンに拡大。
(百万トン)
7,000
6,000
その他
5,000
米 国
4,000
インドネシア
3,000
豪 州
2,000
インド
1,000
中 国
0
'90
'91
'92
'93
'94
'95
'96
'97
'98
'99
'00
'01
'02
'03
'04
'05
'06 '07*
注: 2007年は、見込み値。
出典:IEA, “Coal Information 2008”
38
<国別石炭生産量>
○ 世界の石炭生産量は2000年から2007年に向けて、増加する消費を賄うために着実
に増加している。
○ 国内での消費量が多い中国、インド、米国などの国々での生産拡大の他、輸出を主
体としているインドネシアの生産拡大が顕著である。
○ 同期間の年平均伸び率は、インドネシア 20.4% 、中国 11.0% 、 ロシア 6.8%、
インド 5.5%、豪州 4.4% 、米国 1.3% 、南アフリカ 1.2%。
石炭(褐炭を除く)
2000年
2007年
注: 2007年は、見込み値。
出典:IEA, “Coal Information 2008”
39
<国別炭種別石炭生産量>
○ 2000年から2007年に向けて、一般炭の生産量を中国は11.1億トンから21.9億トン
へとほぼ倍増させ、インドネシアは0.6億トンから2.0億トンへと3.4倍に増加させた。
○ 同期間の原料炭の生産量も中国とインドネシアで顕著な伸びを示している。中国は
生産量をほぼ3倍に増させて(1.2億トン→3.6億トン)、インドネシアは7倍以上に増
加させた(400万トン→3,100万トン)。
○ 原料炭生産上位8カ国のうち、米国とウクライナがわずかではあるが、生産量を減じ
ている。
一般炭
2000年
原料炭
2007年
2000年
2007年
注: 2007年は、見込み値。
出典:IEA, “Coal Information 2008”
40
4.世界の石炭貿易量
<世界の貿易量拡大>
○ 世界の石炭貿易量は電力用一般炭を中心に拡大。
○ しかし、生産量(褐炭を除く)に占める貿易量割合は20%以下と、地産地消型のエ
ネルギー資源といえる。
注: 2007年は、見込み値。
出典:IEA, “Coal Information 2008”
41
<主要生産国の輸出と自国消費比率>
○ 3大生産国である、中国、米国、インドは共に自国消費割合が高い。
○ それに対し、輸出割合が高いのは豪州、インドネシア。
主要石炭生産国の生産量(褐炭を除く)と輸出量(2007年見込み)
(百万トン)
2,500
2,549.2
53.7
(2.1%)
2,000
1,500
980.8
53.4
(5.4%)
輸出量
上段:生産量
中段:輸出量
下段:生産量に占める輸出率
1,000
451.6
323.0
1.2
(0.3%) 243.6
243.6
241.4
231.2
(75.4%) 66.7
100.2
83.1
71.7
90.2
202.2
44.6
32.8
58.8
(27.4%) (41.5%) (87.5%) 11.8
67.2
22.6
29.6
30.4
3.4
(13.1%) (27.2%) (93.7%) (5.7%) (66.4%)
(92.8%)
500
カナダ
ベトナム
ウクライナ
コロンビア
カザフスタン
ポーランド
インドネシア
ロシア
南 ア
豪 州
インド
米 国
中 国
0
出典:IEA, “Coal Information 2008”
42
<世界の石炭貿易>
○ 豪州、インドネシアが2大石炭輸出国(2国で貿易量の約5割を占める)。
○ 日本は世界最大の石炭輸入国であり、年間1.8億トンを輸入(貿易量の約2割)。
国別石炭輸輸入上位10カ国
日 本
182百万トン
(20.4%)
その他
272百万トン
(30.5%)
石炭輸入量
8億9,200万トン
スペイン
24百万トン
(2.7%)
イタリア
25百万トン
(2.8%) 米 国
韓 国
88百万トン
(9.9%)
台 湾
69百万トン
(7.7%)
インド
33百万トン
54百万トン
(3.7%) ドイツ
(6.1%)
中 国
英 国
46百万トン
48百万トン 50百万トン
(5.2%)
(5.3%)
(5.6%)
22.6Mt
その他欧州
Other Europe
37.7Mt
11.8Mt
ポーランド
Poland
11.8Mt
18.8Mt
5.7Mt
(3.2%)
カナダ
30百万トン
(3.3%)
51.6Mt
豪 州
244百万トン
(26.6%)
石炭輸出量
南アフリカ
67百万トン
(7.3%)
カナダ
Canada
30.4Mt
11.2
Mt
11.3Mt
8.2Mt
北米
N. America
48.7Mt
日本
Japan
182.3Mt
35.9Mt
3.3Mt
114.8Mt
3.2Mt
7.6Mt
8.8Mt
OECD欧州
OECD Europe
257.9Mt
米国
United States
19.0Mt
53.4Mt
29.5Mt
25.5Mt
4.7Mt
136.6Mt
77.6Mt
9.4Mt
南アフリカ
South Africa
66.7Mt
13.0Mt
その他アジア
Other Asia
29.7Mt
270.1Mt
アフリカ・中東
Africa & Mid. East
21.5Mt
9.8Mt
カザフスタン
その他
ベトナム 23百万トン 48百万トン
(5.2%)
30百万トン (2.5%)
その他欧州
Other Europe
37.7Mt
中国
China
53.7.Mt
16.4Mt
国別石炭輸出量上位10カ国
中 国
54百万トン
(5.9%)
ロシア
Russia
100.2Mt
OECD欧州
OECD Europe 62.7Mt
257.9Mt
30.5Mt
米 国
53万トン
(5.8%)
カザフスタン
Kazakhstan
22.6Mt
コロンビア 5.7Mt
Colombia
67.2Mt
インドネシア
Indonesia
202.2Mt
6.7Mt
豪州
Australia
243.6Mt
4.9Mt
南米
Latin America
23.3Mt
9億1,730万トン
コロンビア
67百万トン ロシア
(7.3%) 100百万トン
(10.9%)
インドネシア
202百万トン
(22.0%)
注:2007年の見込み値。
出典:IEA, “Coal Information 2008”
注1:貿易量は、2007年見込み値。
注2:統計誤差により向け先別の輸出量合計と輸出国の輸出量は一致しない。
注3:300万トン未満は表記しない。
出典:IEA, “Coal Information 2008”
43
<インドの輸入量急増と中国の輸入国化>
○ インドの輸入量は、2003年から2007年までの4年間で2.5倍に増加。
○ 中国は、2003年以降、国内消費量が急増。輸入量は同期間で4.3倍となる。一
方、輸出量は4割を超える減尐となり、2008年には純輸入国になる見込み。
○今後も、両国の経済成長は続くものと思われ、石炭火力発電割合の高い両国の石
炭輸入量は増加の見込み。
インド
中 国
50
43.1
38.6
400
40
28.5
300
20.9
20.5
23.3
30
21.7
200
20
100
10
1.3
1.9
1.5
1.6
'00
'01
'02
'03
1.3
2.0
1.6
1.2
'04
'05
'06
'07*
0
3,000
0
生産量
消費量
輸入量
輸出量
120
2,500
90.1
94.0
100
86.6
83.9
71.7
2,000
80
63.2
1,500
55.1
53.7
47.6
38.1
1,000
60
40
26.2
18.6
500
2.2
2.7
'00
'01
11.3
11.1
'02
'03
20
0
石炭輸入・輸出量(百万トン)
500
60
石炭生産量・消費量(百万トン)
54.1
石炭輸入・輸出量(百万トン)
石炭生産量・消費量(百万トン)
600
0
生産量
消費量
'04
'05
輸入量
'06
'07*
輸出量
注: 2007年は、見込み値。
出典:IEA, “Coal Information 2008”
44
5.石炭の価格
<石炭市場の特徴>
○ 石炭は石油などと異なり、マーケット取引きではなく、相対契約での価格交渉が主
流。欧州(ICE)、米国(NYMEX)等に取引き市場は存在するものの取引量は僅か。
○ 石炭売買契約形態には大きく分けて長期契約(年間契約含める、以下同) 、ス
ポット契約の2つに区分できる。
○ 原料炭の契約は、世界的に長期契約が太宗を占める。
日本、韓国、台湾の電力、鉄鋼における石炭購入契約の形態
長期契約
スポット契約
電 力
70 ~ 80%
20 ~ 30%
鉄 鋼
95 ~ 100%
0 ~ 5%
メリット
デメリット
契約数量の確保
需要変動に対する柔軟性が高い
需要変動に対する柔軟性が低い
数量確保に対するリスクが大きい
<石炭価格決定方式>
○ 我が国企業の一般炭契約では長期契約が大半を占め、スポット契約は一部。また
過去、長期契約の開始時期は4月が多かったが、価格の変動リスクを分散させるた
めに、現在は1月始め、10月始めなど、期ズレ契約を行うようになっている。
○ 我が国企業の一般炭長期契約は、年に一度価格を決めるものが多いが、近年、
globalCoal NEWC Indexに連動させる契約も一部に見られる。
45
<石炭長期契約価格の推移>
○ 世界の主要石炭輸入者である我が国企業(鉄鋼・電力)と主要供給者である豪州
メジャー企業とが締結する4月決め年間契約価格は石炭の代表的価格として、他
国の石炭価格決定に影響を与えた。
○ 一方、2007年、2008年は4月に我が国企業が年間契約価格を締結した後、一般
炭スポット価格は上昇を続ける。
原料炭・・・2005年度に高騰後、2年連続で低下したものの2008年度に急騰。
04年度:$57.2 → 05年度:$125 → 06年度:$115 → 07年度:$97 → 08年度:$300
一般炭・・・2004年度からやや上昇、その後安定基調も2008年度に急騰
04年度:$45 → 05年度:$53 → 06年度:$52.5 → 07年度:$55.5 → 08年度:$125
日本の輸入炭FOB価格(豪州産日本向け長期契約ベース)の推移
出典:コール・ノート
46
<一般炭スポット価格の推移>
○ 2004年頃まで30ドル/トンレベルで推移していたが、その後2007年春頃まで50~60
ドル/トン程度で推移。
○ 2007年夏ごろ、2008年初旬に石炭輸出国おいて相次いで豪雤などが起こり、供給
力が低下。需給が逼迫し、価格は著しく高騰。
○ 2008年7月以降、世界的な景気後退の影響等を受け、価格は急落。
○ 2009年1月末時点で約83ドル/トンとなっており、2007年秋頃と同程度。
(参考)
NEWC Index(豪州、ニューキャッスル港積出し価格指標)
最高値 2008年7月 194.79ドル/トン
2009年1月末現在 83.15ドル/トン
(ドル/トン)
200
RB Index(南ア、 リチャーズベイ港積出し価格指標)
最高値 2008年7月 176.54ドル/トン
2009年1月末現在 76.08ドル/トン
NEWC Index と RB Indexの推移
RB Weekly Index
NEWC Weekly Index
150
100
50
'01
/7
'02
/1
'02
/7
'03
/1
'03
/7
'04
/1
'04
/7
'05
/1
'05
/7
'06
/1
'06
/7
'07
/1
'07
/7
'08
/1
'08
/7
0
出典:globalCoal
47
<日本のエネルギー源別、1,000kcal当たりのCIF価格>
○石炭も、近年上昇傾向であるが、他の資源と比べ安価
○ 2007年11月時点で、一般炭価格は原油のおよそ2分の1、LNGの5分の2。
10
9
燃料価格(US¢/1,000kcal)
8
原油
LNG
原料炭
一般炭
7
6
第二次石油危機
湾岸戦争
5
4
第一次石油危機
3
2
1
0
'65 '67 '69 '71 '73 '75 '77 '79 '81 '83 '85 '87 '89 '91 '93 '95 '97 '99 '01 '03 '05 '07 '09
出典:財務省貿易統計よりEDMC(日本エネルギー経済研究所)作成
48
6.世界の主要な石炭サプライヤー
<石炭4大メジャーによる寡占化>
○ 2000年以降、世界的なM&Aが行われ、豪州を生産拠点の中心とする4社の生産
量に占めるシェアが高まってきている。
○ 2008年秋以降の石炭価格下落に対応して、4大メジャーによる資産見直しの動き
も予想される。
メジャー4社の石炭事業実績(2006/07会計年度)
石炭生産量(千トン)
原料炭
BHP Billiton
一般炭
計
石炭部門
の売上高
(百万ドル)
総売上高に
占める石炭部門
の売上高
38,429
87,025
125,454
8,345
17.6%
Rio Tinto
5,909
156,419
162,328
4,070
18.1%
Xstrata
5,500
53,000
58,500
3,617
20.5%
10,964
83,843
94,807
3,333
8.8%
60,802
380,287
441,089
19,365
15.4%
Anglo American
合 計
※ 石炭生産量は、権益炭量を示す。
Rio Tintoの一般炭生産量には、豪州で生産される非微粘結炭を含む。
Rio Tinto と Xstrata のデータは、2006年暦年。
出典:JOGMEC、“資源メジャーの動向2007”
49
<豪州における寡占化状況>
○ 豪州において、石炭メジャーが操業主体となる炭鉱の生産量は2000年から2006年
で約2倍に増加。
○ 豪州における石炭メジャー4社の石炭生産シェアは、炭鉱生産量ベースでおよそ7
割にまで達した。
350.0
百万t
100%
90%
その他
300.0
26%
250.0
46%
200.0
80%
Peabody
70%
Anglo Coal
5%
10%
60%
Rio Tinto
50%
17%
150.0
40%
55%
100.0
50.0
5%
16%
24%
8%
5%
13%
19%
20%
8%
20%
30%
22%
Xstrata (2001年までは
Glencore)
BHP Billiton (2001年Billitonと
合併)
ビッグ4合計
10%
ビッグ4+Peabody
0.0
0%
1995
2000
2006
※生産量は、各企業体が主体となり操業する炭鉱生産量の合計
出典:~2000年まではBarlow Jonker Pty Ltd,“Coal”各年版、2006年はNEDO平成19年度高度化調査(豪州)
50
7.石炭の自給率
<日本の石炭自給率>
○ 1960年代は年間5,000万トン程度の国内生産がなされ、自給率は75%以上。
○ 現在、我が国の生産量は年間130万トン程度。自給率は約0.7%にまで低下。
(千トン)
200000
輸入炭
175000
国内炭
150000
125000
100000
75000
50000
25000
0
65
70
75
80
85
90
95
00
05
(年度)
出典:エネルギー白書 2008
51
<世界の石炭自給率>
○ 我が国の石炭自給率は、約0.7%。
○ G8諸国で比較すると、イタリアに次いで2番目に低い自給率。
G8及びアジア新興国等における石炭自給率
低
高
純輸入国
イタリア
A. 国内生産量
(千トン)
石炭
B. 消費量
(千トン)
自給率
(A ÷ B)
一次エネルギー自給率
20
日本
フランス
韓国
純輸出国
イギリス
ドイツ
インド
中国
米国
ロシア
カナダ
1,319
380
2,886
18,528
24,185 451,592
2,549,183 980,787 241,400
32,809
24,952 187,253
20,190
92,092
69,761
70,097 504,445
2,543,124 956,936 152,435
16,900
0.1%
0.7%
1.9%
3.1%
26.6%
34.5%
89.5%
100.2%
102.5%
158.4%
194.1%
14.2%
15.9%
50.3%
18.7%
77.8%
39.7%
77.0%
93.1%
70.7%
180.4%
152.5%
※ 石炭に関するデータは、日本2007年度、その他は2007年見込みの値。
一次エネルギー自給率は、日本2007年度、OECD加盟国は2007年、OECD非加盟国は2006年データによる。
一次エネルギーの国内供給量には、原子力を含める。
出典:IEA, “Coal Information 2008,” “Energy Balances of OECD & Non-OECD Countries”、
北海道経済産業局調べ、財務省貿易統計、およびEDMCエネルギー・データバンク
52
<我が国のエネルギー資源自給率>
石油 0.4%
石炭 0.7%
我が国のエネルギー自給率
4.0%
天然ガス 3.8%
ウラン 0%
出典: OECD/IEA「Energy Balances of OECD Countries 2004-2005」
資源・エネルギー統計年報、北海道経済産業局調べ、財務省貿易統計
53
8.日本の石炭消費量
<一次エネルギーに占める石炭割合>
○ 安価な石油の大量輸入により、1973年頃には76%を石油に依存。石炭は、18%。
○ 2度の石油危機を経て、石油代替エネルギーの導入を促進。
○ 現在、一次エネルギーに占める石炭の割合は2割超。資源エネルギー庁「長期エ
ネルギー需給見通し」によれば、2030年頃においても石炭の割合は2割前後。
(1018J)
新エネルギー・地熱等
水力
原子力
天然ガス
石炭
石油
25
22.76
22.75 22.70
22.00
19.66
20
3.1%
3.4%
12.6%
11.7%
12.3%
15.92
16.47
14.38
15
12.42
9.6%
11.5%
13.8%
16.5%
18.5%
21.2%
10.7%
16.5%
17.5%
18.0%
21.3%
16.8%
20.0%
10
6.38
71.6%
69.9%
64.7%
5 29.3%
56.0%
53.6%
90
95
49.0%
44.1%
55.4%
55.9%
0
65
70
75
80
85
00
05 06
年度
出典:総合エネルギー統計
54
<石炭用途別消費量推移>
○ 1960年代から70年代中頃にかけて、発電用需要が減尐する一方で鉄鋼製造用石
炭の需要が急増。
○ その後、鉄鋼用途での需要は横這い。
○ 石油危機以降、電力用途の消費が増加。現在まで右肩上がりの傾向を維持。
(千トン)
200,000
(千トン)
100,000
180,000
90,000
160,000
80,000
140,000
70,000
120,000
60,000
100,000
50,000
80,000
40,000
60,000
30,000
40,000
20,000
20,000
10,000
0
総需要(左軸)
コークス(右軸)
窯業土石(右軸)
鉄鋼(右軸)
電気業(右軸)
0
65
70
75
80
85
90
95
00
05
(年度)
出典: 2000年度までは「エネルギー生産・需給統計年報」、2001年度以降「石油消費動態統計年報」、「電気調査統計年報」より
日本エネルギー経済研究所計量分析ユニット算定(「エネルギー・経済統計要覧2008年版」)
55
9.日本の石炭輸入量
<我が国の石炭輸入推移>
○ 我が国の石炭輸入量は、約1億9千万トン(07年度)に迫るまでに増大した。
○ 豪州炭のシェアは、6割になる。
国別石炭輸入量の推移
(百万トン)
200
175
150
その他
インドネシア
125
ロシア
100
南アフリカ
75
中国
カナダ
50
豪州
25
米国
0
'75
'80
'85
'87
'89
'91
'93
'95
'97
'99
'01
'03
'05
'07
出所:経済産業省、「エネルギー生産・需給統計」、財務省、「貿易統計」
56
<我が国の炭種別石炭輸入の推移>
○ 原料炭の輸入量は、80年代後半から年間7千万トン程度で推移。
○ 原料炭輸入相手国は米国炭、カナダ炭が減尐。減尐分は、豪州炭にシフト。04年度
以降、中国からの輸入は中国国内需要の増加を背景に急激に減尐。
○ 一般炭の輸入は74年度に始まり、石油危機後の80年代から増加を続け、07年度に
は1億トンを突破。
○ 近年、豪州、インドネシアのシェアが一層拡大。07年度にはインドネシアのシェアが
中国を上回り第2位に浮上。
(百万トン)
120
(百万トン)
120
国別原料炭輸入量の推移
国別一般炭輸入量の推移
100
100
その他
80
その他
80
インドネシア
ロシア
60
南アフリカ
ロシア
60
40
中国
40
カナダ
中国
豪州
20
米国
豪州
20
0
インドネシア
南アフリカ
カナダ
米国
0
'75 '80 '85 '87 '89 '91 '93 '95 '97 '99 '01 '03 '05 '07
注:原料炭輸入量には一部鉄鋼製造用途外のものを含む。
'75 '80 '85 '87 '89 '91 '93 '95 '97 '99 '01 '03 '05 '07
出所:経済産業省、「エネルギー生産・需給統計」、財務省、「貿易統計」
57
<我が国の石炭輸入相手国の状況(2007暦年)>
(一般炭)1億73万トン
石炭輸入割合
(1億8,613万トン)
ベト ナム
カ ナダ 1%
その他
1%
南ア 0 %
その 他 0 %
カ ナダ
米国0 %
2%
ロ シア
8%
(原料炭)7,989万トン
中国
11%
豪州
65%
イン ド ネシ ア
14%
米国0 %
その他0 %
中国2 %
6%
ロ シア
4%
ロシ ア
6%
カナダ
11%
(無煙炭)551万トン
中国
8%
インドネシア
18%
ニュージーラ ン ド1 %
豪州
61%
インドネシ ア
24%
豪州
58%
その他
1%
ロシ ア
8%
豪州
14%
ベトナム
40%
中国
38%
出典:財務省、「貿易統計」
58
10.日本の石炭の国内生産
<国内の石炭生産に関する施策の現状>
○ 国内石炭政策は、平成13年に終了。
○ 現在の国内石炭の生産量は、130万トン。自由取引で価格等が決まっている。
○坑内堀炭鉱は釧路コールマイン(KCM)1炭鉱のみ。(2008年度は55万トン生産予定)
○ 露天炭鉱は北海道内陸にて7社が操業中。
採掘跡地の埋め戻しの費用を損金算入できる特定災害防止準備金制度について、平
成21年度から2年間延長予定。
○ 産炭国石炭産業高度化事業を実施。釧路コールマイン(KCM)、三井松島リソーシス
等が受託(平成21年度予算 33.8億円)。
国内稼動炭鉱数と石炭生産量の推移
800
80
生産量(右軸)
700
70
600
60
500
50
400
40
300
30
200
20
100
10
0
生産量(百万トン)
炭鉱数
稼働炭鉱数(左軸)
0
'60 '65 '70 '75 '80 '85 '90 '91 '92 '93 '94 '95 '96 '97 '98 '99 '00 '01 '02 '03 '04 '05 '06 '07
年 度
出典:コール・ノート各年版など
59
<生産中の国内炭鉱一覧>
○ 国内生産中炭鉱は北海道の8炭鉱。(坑内掘:釧路のみ、露天掘:北海道中央部)
【露天掘炭鉱位置図】
○ 釧路炭田、石狩炭田、及び留萌炭田地帯の石炭層に属する。
坑内掘炭鉱
露天掘炭鉱
計
吉住
1炭鉱(釧路炭鉱)
7炭鉱
8炭鉱
留萌炭田
空知新
東芦別
新旭
釧路炭鉱(坑内掘)
北菱美唄
●
札幌
(よしずみ)
三美
砂子
石狩炭田
釧路炭田
(ほくりょうびばい)
(さんび)
60
11.我が国の海外炭開発状況
<我が国企業の石炭開発投資傾向>
○ 我が国企業の権益炭量は、約8,000万トン。輸入量に占める権益比率は、約4割。
○ 石炭開発に投資を行う企業の中心は、商社。
○ 投資形態は大手メジャーとのJVが中心であり、マイノリティーでの参加が多い。
○ 現在、投資対象国は、豪州が中心。インドネシア、カナダ、モザンビークにもある。
我が国企業の権益炭量における業種別保有割合(2008年データ)
Total:約8000万トン
資源開発業
3%
鉄鋼業
4%
電力
3%
エネルギー産業
11%
商社
79%
出典:2008年資源エネルギー庁調べ
61
Fly UP