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ステンレス鋼板に関するJISを改正
資料3 ステンレス鋼板に関する JIS を改正 -新しい鋼種の需要増加に対応し、用途に適した鋼材の選択を可能にします- 平成27年9月24日 ステンレス鋼板の日本工業規格(JIS G 4304、JIS G 4305)について、近年、需要が増加している鋼種 であるリーン二相鋼及びスーパー二相鋼を追加する改正を行いました。 1.規格改正の目的・背景 ステンレス鋼は、鉄を主成分(50%以上)とし、クロムを 10.5%以上含むさびにくい合金鋼で、 家庭用品、建築・土木、発電所、化学プラント、自動車、船舶等の幅広い分野で使用されており、 用途に応じて様々な種類があります。 近年、世界的な規模で需要が増加している二相ステンレス鋼(※)の中で、従来の主流であった汎 用二相鋼に加え、より廉価な種類である「リーン二相鋼」 、より高性能な種類である「スーパー二相 鋼」の需要が近年大幅に増加しており、ダム・堰等の土木構造物やプラントの海水ポンプ、備蓄槽、 船舶等の材料に使用され、国際標準化機関等では既に規格化されています。 今回、国内の鋼材メーカーやユーザーからの要望を受け、JIS G 4304(熱間圧延ステンレス鋼板 及び鋼帯)及び JIS G 4305(冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯)を改正し、リーン二相鋼及びスーパ ー二相鋼を追加しました。この改正により、用途に適した鋼材の選択肢が広がるとともに、需要の 拡大に対応でき、製品の一層の普及が期待されます。 (※)二相ステンレス鋼 常温で異なる二種類の結晶構造を有するステンレス鋼。オーステナイト系ステンレス鋼(腐 食に強く、破断しにくい)とフェライト系ステンレス鋼(応力腐食割れに強い)の特性を併 せ持ち、強度と耐食性に優れています。 2.規格改正の主なポイント 従来から JIS に規定されている汎用二相鋼(SUS329J1、SUS329J3L、SUS329J4L)に加えて、新た にリーン二相鋼の種類を2種類(SUS821L1、SUS323L) 、スーパー二相鋼の種類を1種類(SUS327L1) の、計3種類を追加しました。 【写真1】 太陽光発電パネル架台での使用例 (SUS821L1 相当材を使用) 【写真2】 ケミカルタンカー(内装タンク)での 使用例 (SUS821L1 相当材を使用) 【写真3】 フラップゲート式防潮堤での使用例 (SUS821L1 相当材を使用) 【写真4】 雨水吐室スクリーンでの使用例 (SUS323L 相当材を使用) 【写真5】 樋門(扉体・戸当り部)での使用例 (SUS323L 相当材を使用) 【写真6】 海水ポンプ(取水管)での使用例 (SUS327L1 相当材を使用) 【担当】経済産業省 産業技術環境局 国際標準課(03-3501-9283、内線 3423~3427) (課長)福田 泰和 (担当)坂本 浩一 経済産業省 製造産業局 製鉄企画室 (室長)坂元 耕三 (補佐)平塚 洋一