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トップランナー対応の変圧器(PDF形式:325KB)

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トップランナー対応の変圧器(PDF形式:325KB)
資料2
新たなトップランナー対応の変圧器のJIS改正(JIS C 4304、4306)
平成25年5月20日
1. 当該規格の改正の目的及び背景
配電用の変圧器は、6600 Vなどの配電電圧を100 V、200 V、400 Vなどの低圧
に変換する機器で、主に商業ビル、工場の受変電設備(キュービクルなど)で
使用される。負荷機器ではない変圧器のエネルギー消費効率はもともと高い状
況であったが、設置数が膨大であり、24時間働き続けるため、わずかなエネル
ギー消費効率の改善でもビル、工場の省エネに大きな効果が得られることから、
2003年にエネルギーの使用の合理化に関する法律(省エネ法)のトップランナー
制度(既存の製品で、最も省エネ性が高い製品の性能、将来の技術開発等の見
通し等を勘案して定める省エネ規準策定方式)の対象機器となり、変圧器メー
カーは、目標年度(油入変圧器:2006年度、モールド変圧器:2007年度)にお
いて、目標基準値(第1次判断基準)を達成することが義務づけられた。この
結果、トップランナー制度の対象となる以前の製品に対して、エネルギー消費
効率は32.8%改善された。
その後、さらに省エネ性能を向上するため、2012年4月に新しい判断基準が告
示された(第2次判断基準)。この第2次判断基準は、第1次判断基準に比べさら
に12.5%エネルギー消費効率の改善を見込む内容で、2014年4月を目標年度とし
ている。
今回、JIS C 4304(配電用6 kV油入変圧器)及びJIS C 4306(配電用6 kVモ
ールド変圧器)を、この第2次判断基準の内容を反映するために改正した。
油入変圧器の例
モールド変圧器の例の例
出典:一般社団法人日本電機工業会
エネルギー消費効率
100
32.8 %改善
67.2
12.5 %改善(見込み)
54.7
※1
※2
※1 2005年以前
※2 2006年以降(油入変圧器)、2007年以降(モールド変圧器)
図-エネルギー消費効率の改善状況(2005年以前を100とした場合)
2. 当該規格の改正のポイント
今回の改正は主に第2次判断基準及びIEC規格との整合を意図している。主な
改正点は次の通り。
(1) エネルギー消費効率(油入変圧器、モールド変圧器)
変圧器のエネルギー消費効率の値を、第2次判断基準に合わせて見直した。更
に、全ての負荷領域で省エネを達成させることが省エネ法の主旨であり、定格
容量に等しい出力(負荷率100 %)における効率値も、基準エネルギー消費効
率の改善量を反映する形で見直した。
表-変圧器の全損失低減の推移
(三相、50 Hz、500 kVA、負荷率40 %の例)
単位
変圧器の種類
トップランナー以前
2005年のJIS
2013年のJIS
油入変圧器
2151
1370
1250
モールド変圧器
2115
1640
1430
W
(2) 巻線温度上昇限度65 Kの採用(油入変圧器)
従来は、巻線の温度上昇限度は55 Kであったが、使用者からの小形軽量化の
要求に対応するため、IEC 60076-2※3の巻線温度上昇限度65 Kの導入についても
検討し、寿命損失に配慮して耐熱絶縁紙を用いることを条件に65 Kを採用した。
※3
IEC 60076-2(Power transformers - Part 2: Temperature rise for liquid-immersed
transformers)
(3) 排油装置及び温度計の標準付属の拡大(油入変圧器)
従前、排油装置及び温度計の付属は、150 kVA以上の変圧器であったが、保守
性の向上のため、標準として取付ける範囲を75 kVA以上の変圧器に拡大した。
(4) 繰返し耐電圧試験(油入変圧器、モールド変圧器)
今回新たに、既に運転中及び修理又は点検した変圧器に対して耐電圧試験を
実施する場合の規定を、IEC 60076-3に準拠して、規定電圧値の80 %を超えては
ならないとした。
(5) 部分放電試験(モールド変圧器)
従来の最高印加電圧値の乗数は1.5であったが、IEC 60076-11※4と遜色のない
評価とするため,1.8に変更し厳しくした。また,試験中の部分放電電荷量につ
いては、従来の50 pC(ピコクーロン)を10 pCに変更し,この値を超えてはな
らないこととした。
※4
IEC 60076-11(Power transformers - Part 11: Dry-type transformers)
3. 参考
目標基準値をクリアした変圧器を、従来品との差別化と普及を目指すため「ト
ップランナー変圧器」という製品呼称を定めており、2014年4月を目標年度とす
る「トップランナー変圧器2014」には、従来のトップランナー変圧器と区別す
るため、次のようにJISの年号が表示される他、日本電機工業会は下記のロゴマ
ークの添付を推奨している。
<表示例> JIS C 4304:2013、JIS C 4306:2013
JIS C 4304‐2013、JIS C 4306‐2013
目 標 基 準 を 達 成 した 省 エ ネ 性 マ ー ク
省エネ、
地球環境、
信頼をイメージ
従来のトップランナー製品
トップランナー変圧器2014
【担当】
産業技術環境局 環境局環境生活標準化推進室 (直通:3501-9283、内線3426)
(室長)坂元 耕三
(補佐)千葉 孝義
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