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豆知識 [PDFファイル/319KB]
メタンハイドレート豆知識 ○ メタンハイドレートとは・・・ メタンハイドレートは、別名「燃える氷」と言われる、海底や海底面下、シベ リアの永久凍土などに存在する可燃性の天然ガスです。資源が乏しい日本にとっ て、将来の貴重な国産エネルギー資源となることが期待されています。 メタンハイドレートという言葉は、「メタン (methane)」と「ハイドレート(hydrate)」の 2 つから構成されています。 メタンは、点火すると青い炎を出して燃える天然 ガスの主成分であり、そのまま大気中に放出される と、二酸化炭素と同様に地球温暖化を促進する働き があることが知られています。 もう一方のハイドレートは、日本語にすると「水 メタンハイドレート(人工)燃焼の様子 (メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム提供) 和物」であり、水と他の物質が結合した化合物です。 メタンハイドレートは、かご状の水分子の結晶構造の中にメタンガス分子が取 り込まれたもので、メタンと水だけで構成されています。したがって、メタンハ イドレートに火を近づけると、水に囲まれていたメタンが燃え、空気中に二酸化 炭素が排出されて、燃えない水だけが残ります。 なお、同じ熱量のエネルギーを得る際に排出される二酸化炭素の量を単純比較 すると、石炭を 100 とした場合、石油では 80、天然ガスでは 60 であり、メタン (メタンハイドレート)は石炭や石油よりも環境負荷が少ないエネルギー資源で あると言えます。 (CO2 排出量 出典:火力発電所大気影響評価技術証明調査報告書 1990.3/エネルギー総合工学研究所) また、メタンハイドレートの特徴としては、低い温度・高い圧力のある環境下 でないと安定して存在できないため、陸上では永久凍土層の地下深く、海洋では 水深 500m 以下の海底面下に存在しています。 1 ○ 上越沖でメタンハイドレートの存在を確認 平成 25 年 11 月に、経済産業省資源エネルギー庁(国)から、直江津港の北方、 上越沖でメタンハイドレートの存在を確認したとの発表がありました。 国では、平成 25 年度から 3 か年にわたり、日本 海側における資源量把握に向けた調査を実施して おり、平成 25 年度の調査で、上越沖と石川県能登 半島西方沖で、メタンハイドレートの存在が有望視 される地形が 225 か所確認されています。 日本の周辺海域に存在するメタンハイドレートは、 調査船:白嶺(独立行政法人石油 天然ガス・金属鉱物資源機構) すなそう 海底面下の深くの地層に砂と混じり合って存在する“砂層型”と、海底面やその すぐ下の層に含まれる“表層型”に分かれ、日本海側で確認されているのは主に 表層型のものです。 太平洋側で確認されている砂層型では、平成 25 年 3 月に愛知県~三重県沖で、 国による世界初の産出試験に成功していますが、表層型のものは資源量の把握が 行われている最中であり、また、有効な採掘技術も確立されていません。 (参考)平成 26 年度調査を実施した海域 平成 26 年度には、上越沖に加え、島根 県の隠岐周辺や秋田・山形沖、北海道日 高沖でも調査が行われ、表層型メタンハ イドレートの存在が有望視される地形が 新たに 746 か所確認されています。また、 上越沖と秋田・山形沖では地質サンプル 調査も行われ、日本海側で初めてメタン ハイドレートが採集されました。 国による 3 か年の調査の最終年度とな (経済産業省ホームページから) る今年度は、これまでの調査結 果を踏まえ、上越沖と隠岐周辺に海域を絞って集中的な掘削調査が実施され、メ タンハイドレートの分布状況や存在量などを詳細に把握することとされていま す。今年度末ごろには、商業化を目的とした研究・開発などに向けた、日本周辺 海域における表層型メタンハイドレートの資源量の評価や、今後の方向性等の議 論が行われ、これを踏まえてその後の本格調査や研究開発等に着手することとさ れています。 2 ○ 市の取り組み 市では、平成 26 年 1 月に、メタンハイドレートの調査や試掘、採取を支援す る拠点港湾として直江津港を活用するよう国などに要望活動を行っています。 今後、国による資源回収技術の本格調査や研究開発等が進められることとなっ た際、直江津港が表層型メタンハイドレートの開発・研究や生産施設の拠点港に 選定されるよう、関係機関と連携しながら働きかけを継続していく必要がありま す。 合わせて、新たに、メタンハイドレートの商業化に向けた下地づくりのため、 上越沖メタンハイドレートに関する市民の理解促進に取り組んでいきます。 「メタンハイドレート豆知識」に関するお問合わせは… 上越市 産業観光部 産業立地課 直江津港振興係 電話:025-526-5111(内線 1795)へ 3