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労働委員会を ご存じですか?

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労働委員会を ご存じですか?
労働委員会を
ご存じですか?
円滑な労使関係のために
長 崎 県 労 働 委 員 会
1 労 働 委 員 会 に つ い て
○労働委員会の設置目的
労働者と使用者の間に賃上げや労働条件などをめぐって紛争が生じたときは、それぞ
れが対等の立場で民主的な話し合いを行い、自主的に解決するのが最も望ましいことで
すが、自主的な解決が困難な場合もあります。
そのような場合には、公平な第三者が仲立ちをし、解決のためのお手伝いをすること
によって円満に解決することが少なくありません。
また、労働組合法では、使用者が行ってはいけない行為が定められています。これを
不当労働行為といいますが、このような法律で禁止されている不当労働行為が行われた
かどうかを公正に判断し、労働者の権利を保護する機関が必要となります。
このように、労働者と使用者の間の紛争を解決するための行政委員会として労働委員
会が設けられています。
労働
委員会
労働者
使用者
-1-
○労働委員会の組織
事 務 局
委員会(15名)
公益委員
(公益を代表する者、弁護士等)
会 長
(公益委員)
労働者委員
事務局長
(労働者を代表する者、
組合役員等)
調整審査課
使用者委員
(使用者を代表する者、
会社役員等)
労働委員会は、労働組合法という法律に基づいて設けられている機関で、各都道府県
にそれぞれ設置されています。
労働委員会の委員の任命は知事が行いますが、仕事の進め方については、自主的に運
営されています。
これは、労働問題の解決にあたって、公平・中立であることが求められるからです。
また、労働委員会には事務局がおかれ、委員を補佐しています。
あっせん
○労働委員会の主な業務
調 整
調 停
仲 裁
労働委員会の業務
審 査
不当労働行為の審査
労働組合の資格審査
個別的労使紛争のあっせん
争議行為の発生届・争議行為の予告通知の受理
労働争議の実情調査
労働委員会の業務には、上記のように調整や審査、個別的労使紛争のあっせんなどが
あります。それぞれの詳しい内容については、3~9ページをご覧ください。
なお、労働委員会での相談や手続きの費用は無料です。
-2-
2 調 整 に つ い て
○調整とは
労使間で労働関係に関する主張が一致せず、自主的解決が困難なときに、争議解決の
ための援助を行います。これを「調整」といいます。
調整の方法として、あっせん・調停・仲裁の三つがあり、どの方法を選ぶかは原則
として当事者の自由です。
あっせん
あっせん員が労使の主張を確かめて、労使間の話合いをとりもつなどして双方の妥協
点を見いだし、解決のための援助を行う方法です。
最も簡易で、よく利用されています。
調 停
申請等によって設けられた調停委員会が双方の主張の調整などを行った上で、調停案
を提示し受諾を勧告する方法です。
仲 裁
申請等によって設けられた仲裁委員会が仲裁裁定を行い争議を解決する方法です。
この仲裁裁定は、当事者の意思に関係なく労働協約が成立したものとして、当事者を
拘束することになるという点であっせんや調停と異なります。
それぞれを簡単な表にすると右のページのようになります。
-3-
調整のあらまし
開 始
調整活動の主体
あっせん
調 停
仲 裁
労使双方またはいずれか
労使双方または労働協約
労使双方または労働協約
一方の申請など
に定めがある場合は
に定めがある場合は
いずれか一方の申請など
いずれか一方の申請など
あっせん員
調停委員会
仲裁委員会
労働委員会の会長があっ
労働委員会の会長が委員
関係当事者の合意により
せん員候補者の中からあ
の中から調停委員を指名
選定された公益委員3名
っせん員を指名
公益委員、労働者委員、
を労働委員会の会長が仲
使用者委員の三者で構成
裁委員に指名
調整活動の内容
事情聴取…………労使双方から事情を聴取する。
双方に説得を行うなど、
調停案を作成提示し、
審議を行い、仲裁裁定書
歩み寄りを図る。
10 日以内を期限として、 を作成して関係当事者に
あっせん案を示すことも
受諾を勧告する。
交付する。
ある。
終結区分
解 決 打切り
取下げ
解 決 不 調 打切り
-4-
取下げ
解 決 打切り
取下げ
3 審 査 に つ い て
○不当労働行為とは
憲法は、労働者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利を保障して
います。
これは、これらの権利を労働者が使用者と対等な立場で労働条件を決定するうえで、
欠くことのできない要件とみなしているからです。
また、労働組合法では、使用者に対し、次の表の行為を不当労働行為として禁止し、
その違反に対しては、労働委員会に救済を行わせるなど、労働者の権利の保護を具体的
に担保しています。
不当労働行為の形態 (労働組合法第7条)
号別
使用者がしてはいけない行為
種 別
1.
2.
不利益取扱い 3.
1号
2号
3号
労働組合の組合員であること
組合に加入したり組合を結成
しようとしたこと
労働組合の正当な行為をした
こと
1.
2.
を理由に
黄 犬 契 約
1. 労働組合に加入しないこと
2. 労働組合から脱退すること
団体交渉の
拒 否
団体交渉を正当な理由なしに拒否すること
支 配 介 入
1. 労働組合を結成すること
2. 労働組合を運営すること
解雇すること
その他不利益
な取扱いをす
ること
を雇用条件にすること
に対して 1. 支配し
2. 介入すること
経 費 援 助 労働組合の運営に要する費用を援助すること
労働委員会に
申立て等を
4号 し た た め の
不利益取扱い
1.
2.
3.
労働委員会に対し不当労働行為
1. 解雇すること
救済の申立てをしたこと
2. その他不利益
不当労働行為の命令について
を理由に
な取扱いをす
再審査の申立てをしたこと
ること
1・2 または争議の調整の場合に
証拠を提出したり発言したりしたこと
労働委員会は、労働組合(労働者)の救済申立てにより審査を開始し、その結果の
事実に基づき必要な命令(決定)を行います。
長崎県労働委員会における審査期間(救済申立てから命令までの期間)は、1年を
目標としています。
-5-
不当労働行為の審査のあらまし
救済申立て
労働組合又は労働者が申立書を提出します。
委員の決定
審査委員(公益委員)
参与委員(労・使委員)
※通常、公・労・使
各2名
調査
労使双方から事情を聴取して、主張などを整理し、審査計画を
作成します。
(非公開)
審 査
・主張の整理
・証拠の整理
・審査計画の作成
整理された争点、証拠
審問、証人の予定
命令書交付の予定時期など
和 解
当事者はいつでも
和解することがで
きます。
労働委員会が和解
を勧めることもあ
ります。
審問
事実の確認や証人尋問等を行います。
(公開)
・当事者双方の陳述
・証人、当事者尋問
・最後陳述
公益委員会議
事実を認定し、不当労働行為に当たるかどうか判断します。
・労使参与委員から意見聴取
・合議(不当労働行為の判定)
救済命令
棄却命令
却 下
不当労働行為と判断
した場合には、原状
回復を図るため救済
命令を発します。
不当労働行為には
当たらないと判断した
場合には、申立てを
認めない命令を
発します。
申立期間を
経過している
場合など
取下げ
命令が出るまでは、
いつでも取下げが
できます。
※命令に不服がある場合の申立て等
①中央労働委員会に再審査申立て……命令交付の日から 15 日以内
②裁判所に行政訴訟……………………命令交付の日から、使用者は 30 日以内
労働組合(労働者)は6ヶ月以内
-6-
4 個別的労使紛争のあっせんについて
○個別的労使紛争とは
解雇、賃金未払い、セクハラなどをめぐり、労働者個人と使用者との間で生じた紛争
をいいます。
○あっせんとは
あっせん員が、中立公正な立場から、当事者双方の主張を聞きながらお互いの合意点
を見いだし、話し合いによる解決ができるようお手伝いする制度です。
○あっせん員は
原則として、労働委員会の公益委員、労働者委員、使用者委員の三者で構成されます
ので、労働者と使用者の双方の主張をよく理解できる公平な制度となっています。
・公 益 委 員:公益を代表する委員で、弁護士や大学教授など
・労働者委員:労働者を代表する委員で、労働団体役員など
・使用者委員:使用者を代表する委員で、会社経営者、使用者団体役員など
○あっせんを行わない場合
既に裁判で争っている場合や労働局など他の機関であっせんが行われているときなど
は、この制度によるあっせんを行わないこともあります。
○あっせんの打切り
あっせんは、あくまでも当事者双方の紛争解決への理解と協力に基づく制度です。
このため、状況により解決が困難と判断された場合には、あっせんを打切ることがあり
ます。
○あっせんを利用できるのは
長崎県内の事業所の労働者と使用者が利用できます。パートタイマーやアルバイトな
どの労働者も利用できます。
○秘密厳守
あっせんは非公開で行われ、秘密は守ります。
○費用は
無料です。
-7-
あっせ ん の あ ら ま し
トラブルの発生
個々の労働者と使用者の間で労働に関するトラブルが発生
労働相談情報センターで相談を受けます
あっせんの紹介
あっせんによる解決が適当で相談者があっせんを希望する場合
あっせんを紹介します
あっせんの申出
労 働 相 談
・労働相談をせず、直接労
働委員会に申出書を提出
することもできます
・申出書は、労働相談情報
センター・労働委員会に
用意しております
・ホームページからもダウ
ンロードできます
あっせんの申出
個々の労働者または使用者があっせんの申出書を提出します
申出書の受付
労働委員会があっせんの申出書を受付けます
実 情 調 査
あっせんの不開始
事務局職員が当事者双方から紛争の経緯等をお聴きします
あっせん員の指名(弁護士など)
労働委員会があっせん員の指名を行います
・あっせんになじまな
いとき
・裁判で争っていると
き
・労働局などのあっせ
んが行われていると
き又は既に解決して
いるときなど
あっせんの実施(非公開)
あっせん員が当事者双方の主張を聞き、あっせん案等を提示します
取下げ
申出者の都合など
解 決
あっせん案を受入れた場合
あっせんに応じない場合
打切り
解決の見込みがない場合
(備考)労働相談は、長崎労働相談情報センターと佐世保労働相談情報センターで
応じています。所在地・電話番号等は 10 ページをご覧ください。
-8-
5 そ の 他
労 働組 合の資格審査
労働組合は、労働者の自由な意思によって結成することができます。
しかし、法人登記をする場合、労働委員会の労働者委員の候補者を推せんする場合、
不当労働行為の救済を申し立てる場合などには、労働組合法で決められた要件を備えた
労働組合であるかどうかについて、労働委員会の審査を受けなければなりません。これ
を労働組合の資格審査といいます。
争議行為の発生届
争議行為が発生したときは、当事者は、直ちにその旨を労働委員会又は県知事(雇用
労働政策課)に届け出なければなりません。
これは労働関係調整法第9条で義務づけられています。
争 議行 為の予告通知
公益事業(運輸・郵便・電気通信・水道・電気・ガス・医療などの事業)の場合、労
働委員会及び県知事(雇用労働政策課)に、争議をしようとする日の少なくとも10日前
までに、文書により通知しなければなりません。
これは、公衆の日常生活に多大な影響を及ぼすのを防止しようとするもので、労働関
係調整法第37条で義務づけられています。
労 働争 議の実情調査
労働争議が発生した場合、その労働争議の実情についての調査を実施することがあり
ます。
この調査は、労働委員会において調整活動を開始した場合に、迅速な対応ができるよ
うに備えておくためのものですので、ご協力をお願いします。
-9-
さ い ご に
労使間の問題は、自主的に解決されるのが最良の方法です。このため労働委員会は、
自主的な解決が困難となって調整や審査、
個別的労使紛争のあっせんを依頼された場合、
そのような当事者の意向を最大限生かしたいと考えていますので、労働委員会と一緒に
解決への道を探り出すのだという心構えでのぞんでいただきたいと思います。
最後に、労働委員会についてさらにお知りになりたい方、労使関係の問題についてお
尋ねになりたい方は、長崎県労働委員会または下記の機関へご相談ください。
機 関
所 在 地
電話番号
TEL (095)895-271 4
〒850-8570
フリーダイヤル
長崎労働相談情報センター 長崎市江戸町 2-13
0120-783-25 8
(長崎県雇用労働政策課内)
FAX (095)895-258 2
〒857-8502
佐世保市木場田町 3-25
佐世保労働相談情報センター
(県北振興局商工水産部
労政課内)
- 10 -
TEL (0956)22-443 9
フリーダイヤル
0120-783-36 9
FAX (0956)22-444 1
↑ 至 大波止
日本生命 長崎県
長崎県庁
ビル 警察本部 (新別館)
長崎県庁
(本館)
至 長崎市役所→
福岡銀行
長崎県
労働委員会事務局
(江戸町センタービル)
肥後
銀行
中央橋
交差点
十八銀行
本店
↓ 至 正覚寺
※事務局は 3 階
調査・審問、あっせん等は7階で行います。
長 崎 県 労 働 委 員 会 事 務 局
〒850-0861 長 崎 市 江 戸 町6-5
(江戸町センタービル3階)
TEL(095)822-2398
FAX(095)825-6387
e-mail:[email protected]
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