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分割版1(PDF:1608KB)
National Agriculture and Food Research Organization 農業・食品産業技術総合研究機構 農業と畜産を基盤とした 資料1 バイオマス利活用 -農研機構バイオマス研究センターのチャレンジ- (独)農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構) バイオマス研究センター長 中川 仁 農研機構は食料・農業・農村に関する研究開発などを総合的に行う我が国最大の機関です 農研機構バイオマス研究センター 「バイオマス利用」大課題 1.食料安定供給のための研究開発 2.地球規模の課題に対応した研究開発 (1)地球温暖化に対応した農業技術の開発) (2)国産バイオ燃料・マテリアル生産技術の開発とバイ オマスの地域利用システムの構築 • センター長(バイオマス研究統括監)1名、中課題担当 者5名、中課題副担当者5名、研究員約100名のエフォ ート合計約60名(バーチャルな組織) • 参画研究機関:中央農業研究センター、北海道農研セ 、東北農研セ、九州沖縄農研セ、畜産草地研究所、食 品総合研究所、農村工学研究所 (他にはない多様な専門分野) 2 国産バイオ燃料・マテリアル生産技術の開発とバイオマスの地域 利用システムの構築 ①セルロース系バイオマス資源作物 セルロース系:エリアンサス、サトウキビ近縁野生種 未利用イネ科植物:葦、野草、環境耐性を持つ多収牧草 革新的育種技術の構築と導入 セルロース系資源作物の栽培が環境に与える影響の調査 ②未利用有機資源のエネル ギー変換システムの開発 の作出と低コスト生産技術の開発 バイオマス生産 バイオマスタウン 構想への貢献 ⑤地域資源を活用したバイオマ ス循環利用システムの開発 土壌環境や生態系に与える影響評価 地力の持続的安定性評価 暖地・温暖地・寒地・寒冷地の 地域循環システムの構築 貯蔵・前処理技術を含めた地域未 利用有機資源のガス化メタノール 技術、ペレット化燃焼技術の開発、 実証;廃植物油・動物脂からの油 糧燃料生産;藻類の利用 燃料変換 ③セルロース系バイオマ スエタノール変換の高効 率・簡易化技術の開発 農地還元 エネルギー生産システムの評価技術と温室効果ガ ス排出効果に関するデータ収集(LCA、TCA等) 消化液やガス化で生じた灰の圃場への還元 中課題相当 堆肥化過程の発酵熱、牛の体温、体 重、グリーンエネルギーを導入した排 泄物処理・利用システム等の構築 廃棄物処理 マテリアルフロー 畜産バイオマスの有効利用 高機能堆肥化技術 発酵微生物育種、高機能酵素 の生産・利用技術、稲わらの前 処理技術による効率化 ④畜産廃棄系バイオマスの処理・利用技術と再 生可能エネルギー活用技術の開発 3 大課題の内容 • 直接燃焼用ペレット化や部分燃焼ガス化等のバイオ燃料変換技術に対応したエリアンサスなどの セルロース系資源作物をはじめとするバイオマス資源作物の選抜や改良を進める。また、これらの 持続的な低コスト多収栽培技術を開発するとともに、栽培が土壌などの環境等に与える影響を解 明する。 • 未利用地や耕作放棄地におけるバイオマス資源作物の持続的安定生産技術を開発するとともに、 稲ワラ等の農業副産物や未利用資源を対象とした圃場からの低コスト収集・運搬・調製・貯蔵シス テムを開発する。また、これらのバイオマス資源を工学的にエネルギー変換・利用するシステムを 構築するとともに、廃植物・動物油等については超臨界法等を用いた燃料製造技術の実用化を進 める。さらに、藻類の培養とバイオ燃料変換に関する基礎技術を開発する。 • 未利用、低利用のセルロース系バイオマスからのバイオエタノール等への変換技術に関して、原 料特性を評価し、粉砕・前処理技術を最適化するとともに、発酵微生物の育種、高機能酵素の生 産・利用等に係る革新的要素技術を開発する。また、副産物のカスケード利用技術の導入等により 、原料からエタノール生産まで一貫した低コスト・低環境負荷プロセスを構築し、セルロース系バイ オマスからバイオエタノールを100円/Lで製造できる技術を開発する。 • 畜産由来バイオマスの処理・利用プロセスの最適化を目指し、環境負荷の抑制技術及び窒素・リン 化合物などの回収技術等を組み込むことで家畜排せつ物の堆肥化・浄化処理を高度化する。また 、堆肥由来エネルギーの高効率回収・利用技術を開発する。さらに、再生可能エネルギーを活用し たエネルギー自給型家畜飼養管理及び低環境負荷型の家畜排せつ物処理システムを構築する。 • 地域において、食料生産機能を維持しつつ、農業副産物、資源作物、畜産由来バイオマス等をエ ネルギーや資材として総合的に利用する技術を開発する。これにより、本格的なバイオマスタウン 構築につながる地域循環利用システムを設計する。さらに、モニタリングに基づきバイオマス利活 用技術の有効性の検証やエネルギー生産型農業・農村構築のための条件解明を行い、地域資源 管理と一体的な低投入型バイオマス利活用システムを提示する。 4 National Agriculture and Food Research Organization 農業・食品産業技術総合研究機構 ①セルロース系バイオマス資源作物 の作出と低コスト生産技術の開発 農研機構は食料・農業・農村に関する研究開発などを総合的に行う我が国最大の機関です バイオマス生産量の高いC4セルロース系資源作物(熱帯牧草) ネピアグラス:タイ、 Lam Pang 極晩生ソルガム品種:栃木県 Erianthus:タイ、Kohn Kaen 6 小課題 ①エリアンサスおよびススキ類の改良および種苗生産技術開発 エリアンサスおよびススキ類の改良および種苗生産技術を開発す る。 (1)エリアンサスの品種開発および種苗生産技術(九沖農研セ・畜草研 (那須塩原)) ・新品種候補の育成 ・交雑集団における個体評価・選抜・系統育成・特性解明:採種適期や花 粉飛散の調査 ・遺伝資源のゲノム情報に基づく解析と遺伝資源の分類(次世代シーク エンサー利用):遺伝的多様性と類縁関係、選抜マーカー開発 (2)ススキ類の系統開発および種苗生産技術開発(東北農研セ・九沖農 研セ) ・遺伝資源収集 ・遺伝子拡散リスクの評価(晩生や雄性不稔を一次選抜) ・選抜個体の生産性や農業特性の評価 ・種子あるいは栄養体による種苗生産技術の検討 7