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容器包装の範囲及び事業系容器包装廃棄物の取り扱い 1.
資料3 1.容器包装の範囲及び事業系容器包装廃棄物の取り扱い 1. 容器包装の範囲の規程 容器包装リサイクル法は、各家庭などから排出される一般廃棄物において容 積比で約6割(重量比では2∼3割)を占める容器包装の分別収集と再商品化 等を通じて、一般廃棄物処分場の逼迫緩和と資源の有効利用を図ることを目的 として制定された。 このため、容器包装リサイクル法では一般廃棄物に関する容器包装を対象と しており、またこれらの中でもその大半を占める商品の容器包装を対象として いる。なお、工場やオフィス、駅などから排出される容器包装については、従 来通り、廃棄物処理法の排出者責任に則り処理されている。 ①容器包装リサイクル法の対象となる容器包装 ・ 商品の容器包装であるものであり、かつ、 ・ 商品が消費された場合や、商品と分離されると不要となる物。 <容器包装リサイクル法の対象とならない容器包装> ・ 容器自体が単独で価値を持つもの。 例:陶器のコップ、魔法瓶、CDのケース、宝石等の箱、バイオリンのケース。 ・ サービスに伴って提供される容器包装。 例:クリーニング店で提供される袋。有価証券の袋 ②特定事業者の再商品化義務のある容器包装 ・ 容器包装のうち一般廃棄物となったものであり、かつ、 ・ 自治体が分別収集をし、指定保管場所に保管したもの。 ※ 有価又は無価で譲渡されることが明らかで再商品化する必要のないものを除く (スチール缶、アルミ缶、紙パック、段ボール) 。 <特定事業者の再商品化義務の対象とならない容器包装> ・ 産業廃棄物又は事業系一般廃棄物(自治体の収集対象外の容器包装)と なる容器包装。 例:工場、オフィス、駅等で捨てられる容器包装。 ・ 捨てられずに家庭などで使用される容器包装。 ・ 分別収集されない容器包装。 ・ 分別収集されたが自治体が独自に処理する容器包装。 別添 1-1:容器包装リサイクル法の対象 別添 1-2:容器包装リサイクル法における容器包装の範囲に関する規定 2. 容器包装の範囲について (1)単独で価値をもつ容器包装について 容器包装リサイクル法では、単独で価値をもつ容器や包装は対象外となって いる。このため、商品を提供する際に提供される容器包装でも、CDケースや バイオリンのケースなどは法律の対象外となっている。 (2)サービスに伴って提供される容器包装 サービスの提供に付随して提供される容器包装も対象外となっている。これ により、クリーニング店の袋などが法律の対象外となっている。 本体から分離された場合無価になると考えられる容器包装のうち、サービス の提供に伴って提供される容器包装は実態調査では1%程度という結果もでて いるが、取り扱い店舗はクリーニング店を中心として数万件にのぼり、多くが 小規模事業者と考えられる ※ 全国のクリーニング事業者数は8万6千であり、大半が従業員4人以下の事業者とされてい る。 別添 1-3:京都市の家庭ごみ調査 3. 事業系容器包装の処理の現状 (1)事業系容器包装の割合 一般消費者向けの容器包装のうちオフィスや駅などで排出されるもの(事業 系容器包装)は、以下の状況となっている。 ガラスびん PETボトル 紙製容器包装 プラスチック 事業系容器包 25.6% 18.9% 32.5% 24.7% 装の割合 2 月 28 日参考資料 3-1:容器包装のマテリアルフローから (2)事業系容器包装の処理責任 事業系容器包装は、廃棄物処理法上の産業廃棄物又は事業系一般廃棄物とし て扱われ、排出者責任原則に則り、基本的には各排出事業者が処理責任を負っ ている。 ○廃棄物の処理及び清掃に関する法律 (昭和四十五年十二月二十五日法律第百三十七号) (事業者の責務) 第三条 事業者は、その事業活動に伴つて生じた廃棄物を自らの責任において適正に処 理しなければならない。 2 事業者は、その事業活動に伴つて生じた廃棄物の再生利用等を行うことによりその 減量に努めるとともに、物の製造、加工、販売等に際して、その製品、容器等が廃 棄物となつた場合における処理の困難性についてあらかじめ自ら評価し、適正な処 理が困難にならないような製品、容器等の開発を行うこと、その製品、容器等に係 る廃棄物の適正な処理の方法についての情報を提供すること等により、その製品、 容器等が廃棄物となつた場合においてその適正な処理が困難になることのないよう にしなければならない。 3 事業者は、前二項に定めるもののほか、廃棄物の減量その他その適正な処理の確保 等に関し国及び地方公共団体の施策に協力しなければならない。 (事業者及び地方公共団体の処理) 第十一条 事業者は、その産業廃棄物を自ら処理しなければならない。 2 市町村は、単独に又は共同して、一般廃棄物とあわせて処理することができる産業 廃棄物その他市町村が処理することが必要であると認める産業廃棄物の処理をその 事務として行なうことができる。 (略) (3)事業系容器包装の現状 事業系容器包装については、排出事業者に処理責任があり、それぞれの事業 者の業態、規模などによって様々な処理が行われており、その処理ルートは多 様になっている。 また、事業系容器包装の処理については、排出事業者に再商品化義務がない ものの、事業系容器包装の分別や再商品化に積極的に取り組む事業者も多い。 別添 1-4:事業系容器包装の処理実態調査(環境省調査) 4. ボトル状のプラスチックの収集について 各国で容器包装のリサイクルに取り組まれているところであるが、多くの国 では、プラスチック製容器包装のうちボトル状のもののみを収集し、シート状 のものやトレイ状のものを対象外としている。これは、単に分別収集の効率を 高めるためだけではなく、比較的リサイクルしやすいもののみを集めることに より、分別収集段階で汚れなどがひどく多様なプラスチックと混ざることによ るリサイクル品の品質の低下を避けるためも考えられる。 ボトルのみを収集する国 全てのプラスチックを対象 フランス、スウェーデン、ベルギー、 日本、ドイツ、デンマーク ルクセンブルグ、オランダ、イギリス また、ドイツやデンマークでは、多様なプラスチックを回収し適切に処理す るため、一部熱回収などを適用している。 5. スチール缶・アルミ缶等の扱いについて スチール缶、アルミ缶、段ボール、紙パックについては、容器包装リサイク ル法上有償又は無償で譲渡できることが明らかで再商品化をする必要がない物 と規定されている。スプレー缶等については、現在の容器包装リサイクル法で はアルミ缶、スチール缶の一部(高圧ガスを充てんする容器)として扱われて いる。 また、飲料用のスチール缶又はアルミ缶のように単一の素材からなる容器と 異なり、スプレー缶等には構造上プラスチック類が使用されることから、再商 品化するためにはプラスチック類の分離・除去の作業が必要となっている。 ※ なお、スプレー缶等に係る分別収集等に対する消費者側の理解が十分得られていない こと等のため、一般ごみ等と混合回収される場合もあり、回収等に火災が発生すると いう状況が生じている。 別添 1-5:使用済エアゾール缶の処理について 6. 容器包装リサイクル法の容器包装の範囲に関する課題 ・ 容器包装リサイクル法の対象として分別収集する容器包装の範囲をどのよ うに考えるか。 ・ 商品の容器包装以外の容器包装をどのように扱うべきか。また、法律の対 象とする場合には、そのメリットとデメリットは何か。 ・ 事業系の容器包装をどのように考えるか。法律の対象とすることのメリッ トとデメリットは何か。事業者による既存の再商品化ルートを壊さずに対 応することは可能か。 ・ 容器包装リサイクル法におけるスプレー缶の位置づけをどのようにすべき か。スプレー缶の安全な分別回収を促進するため、従来の分別基準適合物 に関する基準も念頭に置きつつ、スプレー缶等を新たに分別基準適合物の 一類型として位置付けることも検討すべきではないか。その際、安全な分 別、回収方法についても議論し、選択肢を示すことも検討すべきではない か。また、スプレー缶等の適切な処理を確実にするため、産業界の負担に より、希望する各自治体に処理機を譲与するなどの措置は考えられないか。