...

十二支の動物たち

by user

on
Category: Documents
23

views

Report

Comments

Transcript

十二支の動物たち
十二支の動物たち
~佐藤允了作品展~
同時開催!「よこはまのどうぶつえんで見られる干支の動物」
障がい者の就業継続支援事業所である町田市美術工芸館で干支の作品作りが始まったのが昭和
49 年のことです。彫刻家・佐藤允了氏が作品の原型を作り、工芸館の方々が彫刻作品に仕上げるユニ
ークな試みは 38 年たった現在でも継続しています。今回は平成 14 年(午)から平成 25 年(巳)までの
12 年間の作品を展示します。あわせて、横浜の3動物園(ズーラシア、野毛山動物園、金沢動物園)で
見られる十二支の動物をご紹介します。
◎佐藤允了(さとう
1931 年
1958 年
1963年
1964年
1966年
1974 年
1984年
1985年
2002年
2004 年
2008 年
いんりょう)
宮城県塩竃市に生まれる
多摩美術大学彫刻科卒業
行動美術協会会員(~1985 年)
第 6 回現代日本美術展出品
第 7 回現代日本美術展出品
美術工芸館で干支の原型制作を開始
女子美術大学女子美術短期大学講師(~1985 年)
十二支彫刻一巡記念展(町田市主催)
「動物の彫刻技法」(日貿出版社)発刊
十二支彫刻展(塩竃市生涯学習センター主催)
「阿弥陀三尊二十五菩薩浮彫木彫」(浄土宗大本山増上寺)
■展示期間
平成 24 年 12 月 14 日(金)~平成 25 年 1 月 25 日(金)
(休館日
12 月 25 日、12 月 29 日~1 月 10 日、1 月 15 日)
■展示場所
旭図書館1Fフロア
■問い合わせ
横浜市旭図書館
電話:045(953)1166
住所:横浜市旭区白根4-6-2
アクセス:相鉄線鶴ヶ峰駅北口より徒歩 13 分
相鉄バス停「代官前」下車徒歩 2 分
(旭 10「よこはまどうぶつ園
旭 11、旭 12 系統)
主催:横浜市旭図書館 企画協力:よこはま動物園ズーラシア
協力:町田市美術工芸館、横浜市白根地区センター
さ と う い ん りょう
佐藤允 了 プロフィール
1931 年
1958 年
1963~85 年
1964 年
1965 年
1966 年
1974 年
1979 年
1984~85 年
1985 年
1992 年
2002 年
2004 年
2007 年
2008 年
宮城県塩竈市に生まれる
多摩美術大学彫刻科卒業、個展(塩竈市公民館主催)
行動美術協会会員
第6回現代日本美術展出品
個展(仙台市藤崎百貨店企画展)
個展(石巻市教育委員会主催)
第7回現代日本美術展出品
個展(仙台市丸光百貨店企画展)
町田市美術工芸館干支原型制作を始め、現在に至る
個展(町田市主催)
女子美術大学女子美術短期大学講師
十二支彫刻一巡記念展(町田市主催)
個展(町田市・ギャラリー光彩企画展)
デッサン展(町田市中央図書館主催)
『動物の彫刻技法』
(日貿出版社)発刊
佐藤允了十二支彫刻展(塩竈市生涯学習センター主催)
デッサンと彫刻展(塩竈市生涯学習センター主催)
浄土宗大本山増上寺「阿弥陀三尊二十五菩薩浮彫木彫」
東京都町田市在住
「動物の彫刻技法」
(佐藤允了著 日貿出版社)
アトリエで制作中の佐藤允了氏
佐藤允了の彫刻作品
「飛翔」(1962 年)
サイズ:高さ 250cm×幅 94cm×奥行き 36.5cm
材質:カツラ
第 17 回行動展出品(行動美術協会・会友賞受賞)
「阿弥陀三尊二十五菩薩浮彫木彫」(2008 年)
サイズ:タテ 175cm×ヨコ 165cm
材質:カツラ
浄土宗大本山増上寺収蔵作品
=写真撮影:青沼義信=
干支作品ができるまで
① 作者が原型を作り、さら
に型を作る。
② 型にハイストーンを流
し込み成形する。
※ハイストーン:硬質石膏
③成形された干支に
ドーサ液を塗る。
※ドーサ液:にかわ液にミョウバン
を加えたもの
④干支に彩色する
ネズミの仲間は、
哺乳類の中で一番種
類が多く、千種類以
上います。モデルに
したカヤネズミは、体長5~6㎝、最も小さいネズミの一種
で動きは敏捷、カヤのようなイネ科植物などの茂みの中で生
活し巣を造ります。長い尾を茎に巻きつけ、手を器用に使っ
て食べたり巣造りし、大きな耳で小さな音もとらえて危険を
素早く察知します。モデルのカヤネズミが乗った台は、カヤ
の茂みをイメージして作りました。
(平成二十年子)
牛の生態をデッサ
ンする為、
「千葉県嶺
岡乳牛研究所」と隣
接する「千葉県酪農
のさと」を訪れました。出発迄、私の頭の中では白と黒のホ
ルスタイン種の乳牛を作ろうと考えていたのでしたが、現地
に着いた途端、「酪農のさと」で飼育されている圧倒される
ような白牛の群に出会い、初めて見る白牛に魅了されてしま
いました。白牛はインドでは聖牛として大切にされている牛
です。日本での白牛の歴史は、徳川八代将軍吉宗の時、イン
ドから三頭輸入し、この牛から初めて牛乳を搾り、吉宗以降
代々の将軍に献上されたと言います。この千葉県嶺岡が「日
本酪農発祥の地」と言われています。(平成二十一年丑)
今回は、群馬サファ
リ パ ー ク を 訪 れ 、 ホワ
イ ト タイ ガ ー を 間 近で
取 材 し ま し た。 取 材を
終えて帰る時、案内の為同行して下さった次長さんが虎に背
を向けた瞬間、それ迄おとなしくしていた虎が突然、金網ご
しに次長さんに跳び掛り襲ってきました。仰天した私達に、
次長さんは、どんなに慣れていても油断をすれば襲ってくる
虎の本性の恐ろしさを実際に見せて下さいました。猛獣の虎
も、子虎が一人立ちする迄の二、三年間は子供を慈しみ育て
るそうです。虎母と子の深い愛情を、子虎を背負う姿で表現
しました。(平成二十二年寅)
一九七五年のうさぎ
作りから始まった工芸
館の干支作りは、今回の
うさぎで三十七年目(四
周目)となりました。作品後方の大きな親うさぎはドイツ原
産のロップイヤー(耳垂れ兎)、前列向って右はその子、中
央二羽は日本の野兎の子、左はイギリス原産のロップイヤー
の子で国際色あるうさぎ達です。これ迄は、白兎や野兎をモ
デルに一羽の兎を形にしましたが、今度は、取材に訪れた動
物園で目にした、親子が仲良く寄り添うほのぼのとした情景
からイメージして、五羽の群像を制作しました。人間社会も、
子供や弱者をいたわり、仲良くして、誰もが幸せでありたい
(平成二十三年卯)
ものです 。
「龍」は、十二支の動物
の中で唯一、現存しない
動物です。昔の中国の本
に、龍とは、頭はラクダ、角はシカ、眼はウサギ、耳はウシ、
うなじはヘビ、鱗はコイ、爪はタカ、掌はトラに似るとあり、
いろいろな動物の体の一部が合体した形となっています。大
変めでたいものとされる動物です。町田市美術工芸館の干支
作りは、三十八年前のうさぎから始まっており、この龍は四
廻り目の干支です。これ迄作った三つの龍は、それぞれに形
は異なりましたが、一匹の姿の蒼龍(青色)でした。今回は
初めて、遊んでいる親子の黄龍(黄色)を制作致しました。
(平成二十四年辰)
ヘビは骨と筋肉を上手
に使い、巻きついたり泳
い だ りし ま す 。 舌 を 出 し
入れして空気中の匂いを
捕らえ、獲物や周囲の変化を知ります。眼は表面が透明な鱗
で覆われていて、人間の様にまばたきしません。ヘビは人間
が地球に誕生する以前から生存し、様々な環境に適応してい
る凄い生物です。ネズミを食べるので伝染病の予防に役立ち、
毒からは解毒剤が出来ます。これからも、研究により人類の
未来に貢献する発見があるかもしれません
(平成二十五年巳)
これは、日本在来和種
の木曽馬をモデルにし
ました。改良された競走
馬に比べ、小さな身体で
すがとても丈夫で性格はおだやか、子供にもよくなつきます。
かつて戦国時代には、武将を背に活躍し、又近年迄、農耕や
運搬に従事し、人間の為に働いてくれた大切な馬でした。
(平成十四年午)
日本では、羊と言えば、
単に可愛い動物とのイ
メージしかありません
が、約一万年前、中近東
で羊の家畜化が始まってから、乳や 肉、毛皮をとるため に 、
世界各地で家畜として飼育されており、私達人間の生活と深
く結びついている動物です。この彫刻のモデルは、毛の長い
ラフフェ ルと言う珍しい羊です。羊と山羊は似ています が 、
違いは、羊の尾は垂れ下がり、山羊の尾は短く立っているこ
とです。
(平成十五年未)
モデルは、中国三大珍
獣(ジャイアントパンダ、
ターキン、キンシコウ)
の一つキンシコウです。
雲がたなびく高地に棲んでいて、肩から背中にかけてたてが
み状の長い毛がたれさがり、みの笠を着たようです。凝視す
るとき顔を前につき出します。これは、他の猿には見られな
いキンシコウ独特の動作です。取材した名古屋市東山動物園
にいるキンシコウは、中国から借りているもので、生まれた
子も中国に所属することになります。中国に支払われたお金
は、中国の野生動物保護に当てられているそうです。
(平成十六年申)
最近の研究では、鳥
類は、一部の恐竜の生
き残りと言われてい
ます。鶏の目の周囲の
皮膚や足のうろこ、首の動きや歩き方等を見ていますと、な
るほどとうなずけます。この鶏のモデルは、桂チャボです。
日本のチャボ類は、徳川時代にベトナム産の小型の鶏が日本
に入って来て、飼育改良されて生まれたそうです。
(平成十七年酉)
オオカミを祖先とし
て、今では地球上に二百
種以上の犬が生息し、
様々な場で人間と関わ
りを持っています。動物の中でも犬が人間の最良の友と言わ
れるのは、犬の本来の性質が人間になつき易く、しかも社会
への適応性があるところから来ています。持って生れた性質
は中々変えられないものですが、犬も人間と同じように教育
と環境によって性格が形成されていきます。「三つ子の魂百
まで」とよく言われる通り、犬も子犬の頃のしつけがとても
大事で、この点でも人間の場合と大変似通っています。
(平成十八年戌)
アフリカで数百年
万年前の類人の骨の
化石と共にイノシシ
の骨の化石が発見さ
れており、人間とイノシシの係わりは遥か昔からあった事が
わかります。日本では、各地の貝塚などからイノシシの骨が
出土し、古墳からはイノシシの埴輪が発掘されています。又、
古事記、日本書紀、万葉集などにもイノシシの狩猟の事が書
かれています。今の日本人の食生活に欠かせないブタは、人
間がイノシシを改良して家畜化した動物です。
(平成十九年亥)
Fly UP