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10 第15回 当社の女子社員が赤ちゃんを妊娠しま した。出産後も育児

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10 第15回 当社の女子社員が赤ちゃんを妊娠しま した。出産後も育児
第1
5回
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当社の女子社員が赤ちゃんを妊娠しま
した。出産後も育児休業を取り勤務して
くれるということで嬉しく思います。し
かし、当社では初めてのことなので、妊娠中の女
子社員対して会社が注意しなくてはならないこと
をはどんなことなのか教えてください。
働きながら安心して子供を産み育てる
ことができるよう、様々な法整備がされ
ていますからよろしくお願いいたします。
妊娠中に企業として注意することは、次の二つ
の法律によって定められています。
「男女雇用機会均等法」における母性健康管理の措置
(1)保健指導又は健康診査を受けるための時間の
確保(第12条)
健康な赤ちゃんを産むために健康診査等を受診
するための時間を確保をする。
◎妊娠中では、
23週までは4週間に1回
24週~35週までは2週間に1回
36週間以後出産までは1週間に1回
◎産後では、出産1年以内必要な時間
(2)指導事項を守ることができるようにするため
の措置(第13条)
健康診査により医師から指導を受けた場合は、
その指導を守ることができるように必要な措置を
講じなくてはなりません。
〇妊娠中に混雑している車両に乗るとお腹が心配
です。そのため、時差通勤や勤務時間を短縮し
て下さい。
〇妊娠中は気分が悪くなったりすることが多いの
で、休憩の回数を増やしたり、休憩時間を延長
したりして下さい。
〇出産後の症状により、作業の制限や休業をさせ
る措置を取ってください。
(3)妊娠・出産等を理由とする不利益取り扱いの
禁止(9条)
〇解雇、降格をする
〇契約の更新をしない
〇正社員にパートになるよう強要する
〇昇給・昇格の人事考課において不利益な評価を
行う
〇不利益な自宅待機
〇減給、賞与において不利益な算定をする
(4)紛争の解決(15条~27条)
母性健康管理の措置が講じられず、事業主と労
働者との間に紛争が生じた場合、調停など紛争解
決援助の申出を行うことができる。
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「労働基準法」における母性保護規定
(1)産前・産後休業(65条1項及び2校)
産前6週間(多胎妊娠は1
4週間)と産後8
週間の
妊娠中の女性が請求した場合、就業させることが
できません。ただし、産後6
週間経過後の女性が
申し出て、医師が認めれば就業させることは可能
です。
(2)妊娠中の軽易業務転換(65条)
妊娠中は、他の軽易な業務への転換を請求でき
ます。
(3)危険有害業務の就業制限(64条)
妊産婦等に、重量物を取り扱う業務、有毒ガス
を発散する場所での業務等につかせることはでき
ません。
(4)妊産婦に対する変形労働時間制の適用制限
(66条1項)
変形労働時間制がとられている場合でも、妊産
婦が請求した場合には、1日8時間1
週40時間の法
定労働時間を超えて労働させることはできません。
(5)妊産婦の時間外労働、休日労働、深夜業の制
限(66条2項及び3項)
妊産婦が請求した場合には、時間外労働、休日
労働、又は深夜業をさせることはできません。
(6)育児時間(67条)
生後満1年に達しない生児を育てる女性は、1日
2回各々少なくとも30分の育児時間を請求するこ
とができます。
(7)罰則(119条)
(1)~(7)の規定に違反した者は、6ヶ月以下の
懲役又は30万円以下の罰金に処せられます。
※妊産婦とは、妊娠中又は出産後1
年以内の女子
を言います。
※就労していない時間については、無給でも構い
ません。
戦後間もない頃は妊娠すると解雇されることも
ありました。昭和では妊娠すると仕事を辞め専業
主婦になり、子供が大きくなるとパートで働くい
わゆるM
カーブで働く女性が多い時代でした。現
代は子供を産み育てながら働き続ける時代です。
そのために母性保護が求められています。
妊娠中の女性は気分が悪くなったり、今までな
かった体調の変化に戸惑います。
人材の定着を図る視点からも適切な措置を実施
して下さることを願います。次回は出産や育児中
の働かない間の給付や保険料についてご案内いた
しましょう。
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