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広島県禁煙支援ネットワーク第 回研修会
( ) 年(平成 年) 月 日 広島県医師会速報(第 号) 昭和 広島県禁煙支援ネットワーク第 年 月 日 第 種郵便物承認 回研修会 受動喫煙防止法に厳しく迫る-包括的受動喫煙防止法制定に向けて- と き:平成 年 月 日㈰ 時~ ところ:福山市医師会館 階 講堂 時 広島県医師会常任理事 津谷 隆史 平成 年 月 日㈰、福山市医師会館にて広島県禁煙支援ネットワーク第 回研修会が「受 動喫煙防止法に厳しく迫る~包括的受動喫煙防止法制定に向けて~」をテーマに、福山市医 師会の担当により開催された。プログラムは別記のとおり。本研修会は、医療保健関係団体 のたばこ対策への取り組みと、禁煙・防煙支援活動に関する事例紹介や講演をもとに、地域 で取り組むたばこ対策を考え、実践活動へのきっかけとなることを狙いに毎年開催されてい る。研修会参加者は 名。次年度は広島県医師会が幹事団体となって開催予定。 以下、当日の概要を簡略に記す。 挨拶(要旨) 福山市医師会 副会長 志田原 泰夫 月 日は世界禁煙デーであるが、本会では、 毎年 月に行われる福山市ばら祭において禁煙支 援コーナーを出店し、啓蒙活動や相談などを 行っている。また、禁煙に関する最新の情報を 得るため、専門家を招いて喫煙対策に関する講 演会を開催している。 本日の研修会では、基調講演を広島県禁煙支 援ネットワーク運営委員会の岩森茂委員長に、 各団体の皆さまからはそれぞれ情報提供をいた だき、特別講演は広島県医師会禁煙推進委員会 の川根博司委員長にご講演をお願いしている。 参加者の皆さまにとって大変有用な話が聞ける ことと期待している。 今後も、当地域における禁煙活動がますます 活発となることを祈念し、開会のご挨拶とする。 昭和 年 月 日 第 種郵便物承認 広島県医師会速報(第 基調講演 分煙なんてできゃしない! 広島県禁煙支援ネットワーク運営委員会 委員長 岩森 茂 (広島市立安佐市民病院 名誉院長) たばこ会社は「吸う人も吸わない人もここち よい世の中へ」をキャッチフレーズとして、双 方が協調して共存できる社会を目指しており、 厚生労働省は、全面禁煙が不可能な場合、空間 分煙を義務づけ、浮遊麈埃濃度を基準以上にす るなどの代替措置を認めているが、分煙では健 康を害する危険を完全に回避できない。禁煙後 進国であったロシアでも、ソチ冬季オリンピッ クの際に公共的屋内空間を全面禁煙としている。 世界 カ国が批准しているFCTC(たばこ規制 枠組み条約)においては、あらゆる手段を使っ てたばこの消費を減らすことが目的とされてお り、今後、日本においても、分煙ではなく、受 動喫煙防止法が早期制定されることを望む。 号) 年(平成 年) 月 日( ) 度合が高くなり、口腔内の清掃状態も悪く、高 齢になるほど歯牙の喪失が早く進み、歯牙や歯 肉の着色、口臭も喫煙経験とともに増大するこ とが分かった。喫煙経験があるほど喫煙に関す る事柄に寛容になるため、喫煙に対する教育は 早いうちから始める必要があり、喫煙に関する 健康被害などの悪影響については更なる周知を 図ることが必要と考えられる。 ② パネルシアター実演 ももたろうの鬼助け 福山市薬剤師会 理事 田口 直子 福山市薬剤師会が独自に作成した幼児向けの パネルシアターを紹介する。たばこ大魔王に占 領された鬼ヶ島へ、ももたろうがお供の犬・ 猿・雉にそれぞれ「ガム・パッチ・チャンピッ クス」を持たせて、受動喫煙で困っている鬼を 助けに行くというストーリーとなっている。幼 児への直接的な働きかけというよりは、家庭で の話題や、保護者同席などを視野に禁煙を呼び かけることを目的としている。今後、活用の場 を広げていきたい。 【禁煙支援ネットワークピンバッジ】 出席者全員に禁煙支援ネットワークにて作成 した「スモークフリー」のピンバッジが配布さ れた。「SmokeFr ee 」とは、「煙から解放され ている、煙がない」といった意味である。 このピンバッジは、受動喫煙防止法制定を願 い、たばこフリー社会を実現するため、禁煙し た人、禁煙アドバイザーになっていただく人に 提供することで、積極的な活動をしていただく ために作成した。特に広島は国際平和都市を宣 言しており、ベースにはク リーンな環境が厳しく望ま れる。皆さまの更なるご協 力をお願いする。 各団体の禁煙活動(概要) ① 喫煙と、健康意識および、 口腔内状況との関係について 広島県歯科医師会 理事 上川 克己 今後の歯科医療関係者が禁煙支援に取り組む ための検討材料とすることを目的に、歯科医療 機関に通院する患者の喫煙状況を調べ、更に、 現喫煙者、前喫煙者、非喫煙者の健康意識や口 腔内の状況を比較調査した。 その結果、喫煙経験があるほど歯周病の進行 ③ 広島県医師会における禁煙推進活動 広島県医師会常任理事 津谷 隆史 広島県医師会禁煙推進委員会のこれまでの活 動と、今年度の取り組みとして、禁煙外来研修 会を行うことや、隔年で行っている喫煙率調査 を実施予定であることなどについて情報提供を 行った。現在、県内の禁煙指導のできる医療機 関は 機関程度だが、保険適用されれば禁煙し たいとする県民の数(推計)を割り振ると、各 医療機関で 名以上の対応が必要となるため、 まだ十分とは言い難い。今後も行政などを含め 関係機関と協力しながら禁煙推進を行っていき たい。 ( ) 年(平成 年) 月 日 広島県医師会速報(第 ④ 事業所と連携した禁煙支援の取り組みについて 全国健康保険協会 広島支部 保健グループリーダー 山田 啓介 全国健康保険協会広島支部では、今年度より スパイロメトリーによる肺年齢の測定や、禁煙 外来受診者に対する補助事業(上限: 千円)を 開始している。また、働く世代の喫煙者の減少 に向け、各業種別の喫煙状況の調査を行い、そ れぞれの職種に合わせた禁煙対策指導を検討し ている。また、加入企業の大多数が中小企業で あることから、各企業の喫煙状況などについて 個別にヘルスケア通信簿を作成して数値化・順 位付けを行い、現状を把握してもらうことで事 業主と協働で禁煙対策を行っている。 ⑤ 心筋梗塞発症後の禁煙支援~禁煙外来 と心臓リハビリテーションでの違いから~ 公立学校共済組合 中国中央病院 安藤 千里 禁煙支援担当看護師 当院で心臓リハビリテーションでの禁煙支援 を実施した患者の禁煙成功率は、禁煙外来を受 診した患者の成功率よりも大幅に良い結果が得 られた。心臓リハビリテーションでは、禁煙の みに関わらない支援や指導から信頼関係を構築 できた点や、関わる期間が長く回数も多かった ことが大きな要因と考えられる。禁煙外来での 禁煙成功率を伸ばすために、禁煙外来受診中の 関わり方と終了後の支援について今後検討課題 としていきたい。 号) 昭和 年 月 日 第 種郵便物承認 してリボンを付けるなどし、本運動の主旨を市 民へ周知し、受動喫煙防止の機運を広めていき たい。 ⑦ 当院の喫煙状況と禁煙への取り組み 福山市民病院 看護師 藤田 眞由美 当院では、禁煙対策として、 年 月より全 館禁煙、 年 月敷地内禁煙としており、本年 月より敷地外の喫煙場所を ヵ所から ヵ所に減 らしている。また、療養環境整備委員会が、年 に 回全職員を対象に喫煙に関するアンケートを 実施し、職員の喫煙状況や喫煙に対する意識を 把握している。更に、禁煙の啓蒙活動の一環と して、呼吸器外科医による研修会にて、前述の アンケート結果報告と喫煙問題の知識を広めて いる。医療に携わる者として、たばこ問題につ いての意識を深め、禁煙の輪を広げて行かなく てはならない。 特別講演 最近のタバコ問題 −受動喫煙を中心に− 広島県医師会 禁煙推進委員会 委員長 日本赤十字広島看護大学 名誉教授 川根 博司 ⑥ イエローグリーンリボン運動 福山市保健福祉局 保健部健康推進課 二部野 肇 保健企画技術担当課長 『イエローグリーンリボン運動』とは、長崎 県の佐世保市で市民のアイデアから生まれた 「受動喫煙防止運動」である。黄緑色のリボンを 胸に付けることで「たばこの煙を吸いたくない」 という気持ちをさりげなく周囲に伝えている。 市民会議での提案もあり、受動喫煙の機会を有 する者の割合低下を目指して、本市でも取り組 みを始めた。 具体的には、ホームページへの掲載をはじめ、 啓発リーフレットと併せてリボンを配布してい る。今後は健康ふくやま フェスティバルにお いて市民とともにリボンを作成し啓発を図るほ か、市民会議メンバーや市役所職員などが率先 日本では成人のほぼ 人に 人がタバコを吸っ ており、日常生活でのタバコ煙への曝露を回避 するためには、スモークフリー(無煙)社会を 目指す必要がある。禁煙対策の三本柱は未成年 者の喫煙防止・喫煙者への禁煙支援・非喫煙者 の受動喫煙からの保護だが、土台として正しい 情報提供(啓発)が重要となる。子どもや妊婦、 タバコを吸わない人々を他人のタバコ煙から守 ること、すなわち受動喫煙防止対策が現在の最 優先事項である。 昭和 年 月 日 第 種郵便物承認 広島県医師会速報(第 日本では、受動喫煙が原因で死亡する成人は、 毎年 千 百人に上るとの推計数値が厚生労働省 研究班から出されており、喫煙関連疾患のリス クとなる受動喫煙(セカンドハンドスモーク) だけでなく、残留タバコ煙(サードハンドス モーク)の健康影響も注目されるようになって きている。わが国も、先行国にならって、 「受動 喫煙防止法」の早急な制定が必要であり、 年 東京オリンピックに向けて今後の動きを注視し ていかなければならない。 号) 年(平成 年) 月 日( ) 担当理事コメント 受動喫煙防止について、今後、この気運を社 会全体に広げること、また行政に向けて提言し ていく必要がある。そのためにも、医療従事者 各々が診療や日々の生活、そして地域社会の中 で、タバコ病を始めとする疾病の治療や生活指 導をより活発に行ない、受動喫煙についての正 しい知識を普及させていくことが第一歩となる。 また、地域住民への禁煙指導等の保健・健康指 導をする立場を地域社会より期待されているこ とを再認識することも重要である。 本研修会は次年度、県医師会が幹事団体での 開催となるが、引き続き、皆さまのご支援・ご 協力をお願いしたい。 〈プログラム〉 司会:福山市医師会 理事 藤岡 正浩 . 開会挨拶 福山市医師会 副会長 志田原泰夫 . 基調講演 分煙なんてできゃしない! 広島県禁煙支援ネットワーク運営委員長 岩森 茂 (広島市立安佐市民病院名誉院長) . 情報提供 ① 喫煙と、健康意識および、口腔内状況との関係について 広島県歯科医師会 理事 上川 克己 ② パネルシアター実演 ももたろうの鬼助け 福山市薬剤師会 理事 田口 直子 ③ 広島県医師会における禁煙推進活動 広島県医師会 常任理事 津谷 隆史 ④ 事業所と連携した禁煙支援の取り組みについて 全国健康保険協会 広島支部 保健グループリーダー 山田 啓介 ⑤ 心筋梗塞発症後の禁煙支援~禁煙外来と心臓リハビリテーションでの違いから~ 公立学校共済組合 中国中央病院 禁煙支援担当看護師 安藤 千里 ⑥ イエローグリーンリボン運動 福山市保健福祉局 保健部健康推進課 保健企画技術担当課長 二部野 肇 ⑦ 当院の喫煙状況と禁煙への取り組み 福山市民病院 看護師 藤田眞由美 4 . 特別講演 最近のタバコ問題 −受動喫煙を中心に− 広島県医師会 禁煙推進委員会委員長 川根 博司 (日本赤十字広島看護大学名誉教授) . 閉会挨拶 広島県医師会 常任理事 津谷 隆史