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銀の黒いさびをとる!
銀の黒いさびをとる! シルバーアクセサリーや銀のスプーンを久しぶりに使ってみる。かつて銀色に輝いていたイメ ージとはほど遠く、黒ずんでしまっていることにガッカリしたことはないでしょうか?銀の黒ずみ を取り除くには、専用のポリッシュ液(polish とは磨いてつやを出すという意味)も市販されてい ます。そういえば、金管楽器を専用の液体をしみ込ました布で磨いている人を見たことがありま す。銀の輝きが復活する理由に、化学の面白さを感じてもらいたいです。 こんなに簡単な方法で銀の黒いさびはとれる! • なべに水を張り、食塩か重曹(ベーキングパウダーでもよい)を溶 かして軽く沸とうさせます。黒ずんだシルバーアクセサリーをアル ミホイルで軽く包んで、10分ほどお湯に浸しておくだけです。 Q1. 銀の黒いさびの正体は? A1. 硫化銀(Ag2S)です。銀(Ag)が空気中に存在する微量の硫化水素(H2S)と反応 してできたものです。硫化水素といえば腐卵臭、火山や温泉から出ている気体で す。工場や自動車の排ガスにも。 Q2. 硫化銀(Ag2S)が銀(Ag)に戻るのはどうして? A2. 金属は電解質の水溶液に溶け出すと陽イオンになります。金属は種類によってイ オンになりやすいもの、なりにくいものがあります。その順番が『イオン化傾向』で す。 『イオン化傾向』 ←イオンになりやすい イオンになりにくい→ K>Ca>Na>Mg>Al>Zn>Fe>Ni>Sn>Pb>(H)>Cu>Hg>Ag>Pt>Au アルミニウムの方が銀よりイオン化傾向が大きいので、アルミニウムが陰極、硫 化銀が陽極となり、電池ができるわけです。 (陽極) Ag2S + 2e- → 2Ag (陰極) Al → Al3+ + 3e- 3Ag2S + 2Al → 6Ag + + S2- Al2S3 Q3. 食塩や重曹を入れるのはどうして? A3. 純水では電気がほとんど流れないので、電気が流れるようにするためです。 (実験1) なべに水を張り、食塩を溶かして軽く沸とうさせました。そのあと、なべの底にアルミ ホイル、その上にシルバーアクセサリーを沈めて10分ほど浸しておきました。(ときど き少し加熱したりもしました。) 図2 図1 実験1の様子 図3 (実験2) 実験1のなべの中 実験前と実験後のアクセサリー @食塩水 なべに水を張り、重曹を溶かして軽く沸とうさせました。そのあと、なべの底にアル ミホイルに包んだシルバーアクセサリーを10分ほど浸しておきました。(ときどき少し 加熱したりもしました。) 図4 実験 2 の様子 図5 実験前と実験後のアクセサリー その1 @重曹+水 図6 実験前と実験後のアクセサリー その2 @重曹+水 本実験では、総合教育センター所員が所有している銀のアクセサリーを使用させていただ きました。黒ずみがとれて、大変喜ばれていました。