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①人間関係力 〈具体的方法〉 a夢中になれる時間と場所を作る b安心して
テーマ「身に付けさせたい力を、小中高で具体的にどう教える(育む)か」 中森一郎(福井県・高校) 1)チーム名 「協力」 2)身に付けさせたい力とその定義 ①人間関係力 ・他者との対話を通して自分とは違う価値観や考え方を受け入れ、協力して社会を構築できる 力。 ②学び・考え続ける力 ・答えのない問いに向き合い、学び・考え続ける力 ・既存の知識だけで終わらず、新しい状況に対応できる力 ③広い視野 ・自分のいる世界にとどまらず、違う世界を見て・感じて・受け入れる力 -異文化を理解するとともに、弱者に対する温かいまなざしを育む- 3)小中高でどう教える(育む)かの「具体的方法」 上記①~③の能力を、個別ではなく、子どもたちの発達段階に応じて、関連づけてスパイラ ル状に育んでいく。そのための「具体的方法」は以下の3点。 a 子 どもたちが「 どもたちが 「 夢中になれる 夢中 になれる時間 になれる 時間と 時間 と 場所」 場所 」 を 作 る 。 b 失敗できる 失敗 できる経験 できる 経験と 経験 と 失敗後のサポートを 失敗後 のサポートを大切 のサポートを 大切にし 大切 にし、「 にし 、「安心 、「 安心して 安心 して失敗出来 して 失敗出来る 失敗出来 る 環境」 環境 」 ( 仲間と 仲間 と 空間) 空間 ) を 作 る 。 c「見通 c「 見通し 見通 し 」 と 「 振 り 返 り 」 を 通 して自己理解 して 自己理解を 自己理解 を 深 め 、 子 どもたちの「 どもたちの 「 メタ認 メタ 認 知能力」 知能力 」 を 育 む 。 【イメージ図】 希薄であやうい 希薄 であやうい人間関係 であやうい 人間関係 ① 人間関係力 〈 具体的方法 〉 a 夢中 になれる 時間 と 場所 を 作 る b 安心 して 失敗 できる 環境 を 作 る c メタ 認知能力 を 育 む ② 学 び・ 考 え 続 ける 力 余裕がなく 余裕 がなく「 がなく 「 待 てない」 てない 」 教師 ③ 広 い 視野 実体験の 実体験 の 不足による 不足 による想像力 による 想像力の 想像力 の 不足 □の中は子どもたちを取り巻く社会的背景 4)その方法を実行するための条件 上記a~cの能力を育成するために「アクティブラーニング」を導入し、子どもたち が主体的に学び合い、互いに切磋琢磨して成長できる授業や特別活動を展開する。 5)われわれが明日からすべき初めの一歩(具体的方法a~cと対応) a)各教科の授業、部活動や児童・生徒会活動などの特別活動、ボランティアなどの校 外活動等で、「子どもたちが夢中になって何かに取り組む」しかけをつくる。 b)学校・教室が「失敗を通して学ぶ場所」であることを保証し、子どもたちが失敗を 恐れず果敢にチャレンジし、そこから新たな学びが得られる環境を整える。 c)各教科の授業や特別活動等での「見通し」と「振り返り」を大切にし、子どもたち が自己理解を深め、次の一歩を踏み出せる手助けをする。 d)子どもたちが主体的に考え、表現し、学び合える授業や特別活動を展開し、子ども たちの学びへの意欲を引き出す。 6)チーム名「協力」に込めた思い 私たちがチーム名を「協力」としたのは、子どもたちの能力を育むベースとなるのが他者と「協 力」して物事に取り組む「人間関係力」であるという点で考えが一致したからである。逆に言え ば、互いに信頼し安心して自分を表現できる人間関係を構築できなければ、小中高一貫12年教 育は子どもたちにとって悲惨で救いのないものとなるであろう。 私たちは、何をおいても「信頼し安心できる人間関係」を築かなければならない。その上で「学 び・考え続ける力」と「広い視野」とを子どもたちの発達段階に応じて相互に関連づけ、この3 つの力を育んでいきたいと考える。 限られた時間であったため、発達段階に応じた具体的なプランまで検討できなかったことが残 念であるが、「夢中になれる時間と場所」の確保や「安心して失敗できる仲間や空間」作り、「メ タ認知能力」の育成を提案できたことには意味があると考える。 ベネッセから「現小学生の65%がこれまで存在しなかった職業に就く」という話を伺った時 には衝撃を受けたが、だからこそ私たちには子どもたちにこの不確定な時代を「生き抜く力」を 付けていく責務があると言えるであろう。 「教師は自分が知らないことを教えることができ、自分ができないことをさせることができる」 という内田樹氏の言葉を胸に、全国の先生方とともにこれからの教育のあり方を考えていきたい。