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XiO の不均質補正機能を有効にご活用いただくために
XiO の不均質補正機能を有効にご活用いただくために ~CT to ED ファントム レンタルサービスのご紹介~ XiO の不均質補正には Pixel by Pixel Calculation という機能が用意されています。本機能は CT 値を相対電子 密度に変換し、より確かな吸収線量について求めることを可能にするものですが、利用するためには CT 値と相 対電子密度の関係を専用のファントムを用いて測定し、XiO に予め登録しておく必要があります。弊社では、ご 希望のお客様に CT to ED ファントムのレンタルサービスをご提供しております。本サービスの詳細については、 エレクタ株式会社 ケアサポートセンター ☎0120-911-477 までお問い合わせください。なお、台数に限り がございますので、ご希望通りのファントムをご用意できない場合があります。予約状況によってはお待ち いただく場合がありますので、ご了承いただけますよう、お願いいたします。 レンタル可能な CT to ED ファントム(Electron Density Phantom) 弊社よりレンタル可能なファントムは以下の製品です。 図1 GAMMEX Inc. : RMI 467 CIRS Inc. : Model 062 下記の弊社ウェブサイトにレンタル可能な各 CT to ED ファントムの詳細なデータや CT to ED テーブル取得方 法に関する資料を掲載しておりますので、あわせてご覧ください。 CT to ED ファントムやデータ取得に関する資料はこちらからどうぞ エレクタ株式会社ウェブサイト⇒Software⇒モデリング依頼⇒CT-ED テーブル取得に関する資料 Pixel by Pixel Calculation を利用した線量計算の違い Pixel by Pixel Calculation(CT to ED 変換テーブル)の利用により、線量計算の結果に影響を及ぼします。 特に密度の高低が大きいところでは影響も大きくなります。 MU 計算に影響(吸収線量の絶対値に相関) 線量分布に影響(密度分布による相対吸収線量に相関) 肺野 頭頸部 骨 図2 骨による吸収 補正なし 気道による影響 Weight Point 補正あり (XiO デモデータ HEADandNeck、アルゴリズム Superposition) CT 値-相対電子密度変換テーブルによる MU 値の違い それでは、登録する CT to ED 変換テーブルの数値 により、線量計算にどの程度影響するでしょうか。CT 図3 to ED 変換テーブルの違いによる結果を比較します。 Sample1 を用いて計算した結果が図 2 となります。 Weight Point に 100cGy 投与する設定にてそれぞれ の CT 値-電子密度変換テーブル(図 2)による XiO の Effective Depth と MU の違いを見てみます。(表1) Sample1 と Sample2 との違いはあまり大きくないに も関わらず、1%以上の違いになりました。Sample3 相対電子密度 図 3 の CT 値 - 相 対 電 子 密 度 変 換 テ ー ブ ル の 2.00 1.80 1.60 1.40 1.20 1.00 0.80 0.60 0.40 0.20 0.00 -1000 CT値-相対電子密度 変換テーブル Sample1 Sample2 Sample3 -500 0 500 1000 1500 CT値 は相対電子密度の領域が狭いために大きな差を生 んでいます。実測による検証に利用される Effective 表1 Effective Depth MU Difference% Depth の値も影響を受けるため、CT 値-相対電子密度 sample1 6.6(cm) 125 - 変換テーブルの重要性は大きいとわかります。 sample2 7(cm) 127 -1.6% sample3 8(cm) 132 -5.6% 8.5(cm) 135 -8.0% 不均質無し CT-相対電子密度変換テーブルの数値の偏差が線量計算にどの程度影響を与えるかを簡単に見積もるため、 図 4 のように値をシフトさせたテーブルを用いて計算を行ってみます。 人体ファントムを用いた計算例として図 5 のように肺野を通る「照射①」、比較的均一である「照射②」、密度の高 い擬似骨を通過する「照射③」の 3 例を用意し、計算結果の違いを図 6 に示しました。この例では 4MV のビー ムを照射野 5x5 にて使用しています。 CT値-相対電子密度 変換テーブル 相対電子密度 図4 -1500 -1000 1.80 1.60 1.40 1.20 1.00 0.80 0.60 0.40 0.20 0.00 -500 0 Sample1 sample1 -25 sample1 +25 sample1 -50 sample1 +50 sample1 -75 sample1 +75 sample1 -100 sample1 +100 500 1000 ② 図5 1500 平均相対電子密度 0.99 ① 平均相対電子密度 0.30 ③ 平均相対電子密度 1.60 2000 CT値 登録された CT 値の違いにより差が大きくなっているこ 図6 とがグラフからわかります。また、密度の低いところを通 るようなビームパスがある場合、変換テーブルへの依 8.0 6.0 ビームのエネルギーを変更して比較すると図 7 のように 4.0 がわかります。 これらの計算はビームパスの不均質性や照射サイズ、 Difference % 存が大きくなることもわかります。 なります。エネルギーの低いほうが依存度の大きいこと 照射① 照射② 照射③ 2.0 0.0 -2.0 エネルギー、アルゴリズムに依存します。特に、ビーム -4.0 中心軸上に Weight Point が無い場合はアルゴリズム -6.0 -100 による影響が大きくなります。 CT値による線量計算の違い1 -50 0 50 100 CT値のズレ 図7 また、取得する CT 値に誤差がある場合、線量計算にも 8.0 ごとに把握されることが望まれます。また、XiO にてボク 6.0 セルを取り扱う中で処理される過程もございます。この 4.0 処理については、エレクタ株式会社ウェブサイトでご紹 介している「XiO Inside - 内部動作の詳細理解のため に」にて詳細を説明していますので、ぜひご覧ください。 Difference % この誤差が伝播することになります。このため、ご施設 CT値による線量計算の違い2 4MV 6MV 10MV 2.0 0.0 -2.0 -4.0 -6.0 -100 -50 0 CT値のズレ 50 100 CT to ED ファントム 取り扱いのポイントと注意点 放射線治療のエネルギー領域では光電吸収が支配的ではないため、原子の特性 を反映せず、コンプトン散乱による影響が大きく原子の電子密度に依存します。このよ うなことから、XiO では水の電子密度を1.00 とし相対電子密度を登録します。 相対電子密度のわかっている物質を CT 撮影し、その CT 値を求めなくてはなりま せんが、専用の CT to ED ファントムが必要になります。必ず、どの CT to ED ファント ムを使用したか記録してください。(弊社からレンタルされる場合もご施設にて管理を お願いします) 変換テーブルが右図のように狭い領域でしか用 CT値-相対電子密度 変換テーブル 1.6 意されていないと線量計算に対して有効ではありま 1.4 せん。特に XiO に登録した領域の端にある数値 して扱われますのでご注意ください。 弊社が用意している CT to ED ファントムは相対 電子密度が 0.01(空気)~1.69 までカバーすること ができます。 1.2 相対電子密度 は、外挿補間せず、それ以降は同値(点線部分)と 1 0.8 0.6 0.4 0.2 0 -1000 -500 0 500 CT値 CT 値と電子密度の関係性を求めるということは、CT 撮影による影響を考慮しなく てはなりません。例えば、CT のメーカー・機種の違いや、管電圧や電流値などの撮影 条件により変化します。どの程度変化するのか予め知っておく必要があります。 どの程度変化するかについて私たちはお答えすることができません。いろいろな条 件が重なるものであるため CT 値の偏差についても施設固有の値となるからです。ぜ ひ、各施設にてご確認いただき、どの程度の違いから別個登録するのか、運用面を含 めてご検討くださいますようお願い致します。 XiO Superposition のアルゴリズム上の性質にて、空気の相対電子密度を 0.00 として登録すると、線量計算が不正確になることがわかっています。少なくとも 0.01~0.03 としてご登録いただく必要がありますのでご注意くださいますようお願 い致します。 重量密度には対応しておりませんので、登録することはできません。 CT 値から電子密度に変換する際、階調が決められています(255 階調)。そのた め、登録してある最大値と最小値の間隔が大きければ、階調の 1 つ分の間隔が 大きくなってしまいます。考慮したい場合は、高密度用の CT-ED ファイルを作成 し、普段の CT-ED ファイルとはわけてお使いになる方法をご提案いたします。 1000 1500