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京都銀行金融大学校 桂川キャンパス

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京都銀行金融大学校 桂川キャンパス
01 CULTURAL SPACE QUEST
CULTURAL SPACE QUEST
02
京都銀行
常務取締役
井野口 順治 氏
Junji Inoguchi
京都銀行金融大学校 桂川キャンパス
The Bank of Kyoto, Ltd. Kyoto Banking College Katsuragawa Campus
京都銀行金融大学校
学校長
所在地:京都府 設計:
(株)
日建設計
奥野 美奈子 氏
Minako Okuno
人と店舗 を重視した次代の地方銀行。
これからの経営計画にふさわしい、人材育成施設を。
金融大学校は、多様な金融専門家を養成するために2010年に設立された企業内学校です。入行と同時
に入学し、退職まで研修を続けます。
これまで当行では、2つの研修施設で役職員の人材育成を行ってきま
した。
しかし、研修の場が分散しているうえに収容人数や設備に課題が生じてきたので、最適な研修施設
の建設用地を探していました。3年前に、JR桂川駅前のキリンビール京都工場跡地に3000坪の敷地を取得
し、
キャンパスづくりがスタートしたのです。
桂川キャンパス新設は当行にとって50年に1度位の大事業ですから、今の本店を設計した(株)
日建設計
様とともに、1年半ほどかけてじっくり検討し設計へ反映しました。途中で、大学校長が女性に変わったこと
もあり、施設の中心ユーザーである女性の視点を新たに取り入れたため計画を一部変更しましたが、2014
年4月1日の「ビジョン75」のスタートには何とか間に合いました。
人と店舗 を基盤に、
お客様や地域との関係を深化。
私たちは、銀行が持つ経営資源の中で最も大切なものは、人と店舗 であると考えています。1941年の
創立以来、
「 地域社会の繁栄に奉仕する」
ことを経営理念に、京都府最大のリテールバンク※として金融
サービスを提供してきました。
その実績を基盤に、平成12年頃から、
「広域型地方銀行」
を目指して店舗の
新設とネットワークの拡充を続けてきました。
今春からは、
この店舗ネットワークを活用して、お客様や地域に選んでいただけるようにより深い関係
1階 大ホール/移動観覧席(テレスコープスタンド)
:AHP-A8209-25NTA特注品 297席、
イス:ティーポ、
デスク:INTE
づくりを始めています。全てのお客様のライフステージに合わせて、長いお付き合いをしていきたいと考
えています。
※リテールバンク:個人や中小企業を対象とした地域密着の金融サービスを行う金融機関。
次世代BANKを支える
自ら学ぶ 人材育成の拠点。
新設された桂川キャンパスは、創立70周年記念事業の一環として計画し、2014年、
JR桂川駅前にオープンした。
主体性の重視と女性の活躍支援で、職場を活性化。
当行が目指す行員像は、自ら考え主体的に行動できる行員 です。中でもこれからの業務としては、現在
の社会・経済環境である少子高齢化、企業数の減少、企業の海外移転などに対応できる専門家育成に力を
入れていきます。
そして、地域の方々に信頼していただけるようなリーダーを育成したいと思います。
もちろん行員にとっても いい銀行 であるべきで、女性の活躍支援をより充実させて働きがいのある職
この施設は、次の75周年に向けた第5次中期経営計画「ビジョン75∼いい銀行づくり∼」
の人材戦略において、中心的な役割を担う。
場づくりを進めたいと考えています。当行は、女性に対する仕事と家庭の両立支援を早くから行っており、
その経営計画および人材育成に対するお考えと施設の活用について、
2007年には育児休業を最長4年まで延長しました。
また女性管理職の登用も強化し、3年後には全管理職
京都銀行常務取締役の井野口順治氏と金融大学校学校長の奥野美奈子氏にうかがった。
の20%達成を目指しています。
03 CULTURAL SPACE QUEST
CULTURAL SPACE QUEST
04
行員のさまざまな声と夢を具現化した複合施設。
夢の実現に向けた活動を支える、
ができる環境を用意しました。2014年3月
多様な場づくりを。
時点で育児休暇取得中の行員が121名い
る当行にとっては、大事なスペースです。
1
桂川キャンパスは、
「人が集い、学び、語
また、
これまで続けてきた茶道研修が
り合い、夢の実現に向けて地道に活動を
キャンパス内でも行えるように
「和室研修
積み重ねる場」であり
「愛行心を育む場」
室(茶室)」
を設けています。交流拠点とな
でもあります。
さまざまな活動が行えるよ
るラウンジ「滴水」は、名称を行員からの
うに、研修施設、福利厚生施設そして大
公募で決め、由来は中国故事成語の「水
ホールを備えた複合施設としました。基
滴石穿(すいてきせきせん)」
で、水滴りて
本的には行員の育成拠点であり、さまざ
石を穿つと読みます。小さな努力を根気
まな研修やトレーニングに利用します。
ま
よく続けたなら大きな事を成し遂げるこ
た、人的な交流 を重視していますので、
とができる という意味を持たせました。
1
行員同士やOB・OGなどの交流に、
さらに
はお取引先様と行員の懇親の場にも活用
桂川キャンパスに託した
したいと思います。
創業理念とチャレンジ精神。
また、宿泊施設も使って世代間の行内
3
交流を行い、当行の文化を継承していく
創立以来の経営理念「地域社会の繁栄
場にしていきたいと考えています。加え
に奉仕する」は、当行の新たなチャレンジ
て、地元の小・中学生を対象とした金融経
にも活きています。
それは、単にご融資す
済教室の開催や、地域の皆様との交流も
るだけでなく、異業種間におけるビジネ
視野に入れています。
スのマッチングやチャンスづくりをするこ
2
と。銀行はさまざまな取引先様とお付き
2
4
5
独自の方針が隅々まで反映され、
合いをしていますから、異業種を繋ぐ役
個性的なスペースに。
割は銀行にとって最適であり、お客様に
とっても価値があることだと思います。
これらの人材育成に対する当行の思い
また、
創立60周年に設立した
「美術研究
を、まさに主張する建築となりました。ま
支援制度」
も、地域社会におけるチャレン
た、施設内の各スペースにも、当行独自の
ジのひとつです。京都市立芸術大学の学
方針が反映されています。
生が制作された作品を購入して美術研究
特に、収容人数500名の大ホールは、多
費用を支援し、
お客様に観賞していただく
用途に使いたいという望みを移動観覧席
ことで文化・芸術振興の一助としています。
が叶えてくれました。観覧席を展開し階段
当行は、福知山市での創立後に本店を
教室で500名の会議を、収納後の広い会
京都市へ移転した経緯もあって、常に競
場でイベントをと、活用の夢は次々に広
争のただ中で成長してきました。当行の
がります。
まさに、
この歴史に始
チャレンジ精神は、
「キャリア支援室」
には、
育休中や復帰直
まっているのだと思います。
この精神を、
前直後の行員が子ども連れで来校して、
学
桂川キャンパスにおいても、思う存分発
んだり先輩から体験談を聞いたりすること
揮していきたいと考えております。
3
4
5
1 大ホールのホワイエから中庭を望む。向かって左右両側は主に研修室、正面の1階はキャリア支援室となっている。
1-5 1階 大ホール/1 スライディングウォールで3部屋に間仕切ることが可能。デスクはキャスター脚でレイアウトの変
める。
3 1階 キャリア支援室/パソコン、
ベビーベッド、
授乳スペース、
子どもの遊びスペース等を用意。
4 3階 和室研
のオレンジが反映されている。 3 移動・折りたたみ式ステージ:アイステージ AIS-3 8台 4 背と座を布地張とし、
ブ
2 8階 ラウンジ「滴水」/計5室あり、写真の「左大文字/鳥居形」からは、京都の街並みの向こうに大文字山や嵐山が望
修室(茶室)/茶道以外に外部講師を招いた研修等にも活用。 5 1階 研修施設/表格子風の窓を通して坪庭を見る。
更が容易となっている。 2 移動観覧席収納時。床面のデザインに、
シンボルカラーのグリーン
(若竹色)
とサブカラー
ラックとグレーの2色がランダムに配置されている。 5 移動観覧席にはテーブルを装備。
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