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氷の冷熱エネルギーを利用 した農産物の長期貯蔵技術 の開発

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氷の冷熱エネルギーを利用 した農産物の長期貯蔵技術 の開発
解会会会会会会会会会会会会会会会会会会会会会会会会回
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浦野 慎一 [北海道大学大学院農学研究科/教授]
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岡田 啓嗣 [北海道大学大学院農学研究科/助手]
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加藤 淳 [北海道立中央農業試験場/科長]
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土谷 紀明 [㈱土谷特殊農機具製作所/代表取締役]
介 介
塊会会会会会会会会会会会会会会会会会会会会会会会会壊
を使用した。
また床は100mmのコンクリートの下に100mm厚
氷の冷熱エネルギーを利用
した農産物の長期貯蔵技術
の開発
の断熱材(発泡ポリスチレン)
を敷き詰めた。
この構造における
放熱面積と熱抵抗(熱貫流率)は、屋根・壁が196m 2、1.77
(m2℃h/kJ)、床が60m2、0.98(m2℃h/kJ)
である。貯氷室と
貯蔵室の面積配分は、
必要貯氷量(約67トン)
を収容できる貯
氷室の床面積を優先して決めた。貯氷量は、3月から12月まで
の氷の融解量を、屋根・壁から流入する熱流量、換気量、農
作物の呼吸量等を計算して求め、
それに安全率30%を掛けて
求めた。
なお熱流量は、札幌の平均気温と熱貫流率を使って
計算した。
背景・目的
実験貯蔵庫は2002年2月中旬に完成した。完成後直ちに
氷の凍結・融解の潜熱を利用したアイスシェルター技術は、
実験を開始したが、
暖冬による冷熱不足で貯氷室の水は一部
冬の冷気を利用して水を凍結させ、夏にその氷を融解させて
しか凍らなかった。
このため、5月初旬に貯氷パレットに市販の
一年中安定した0℃の空気を供給する省エネ技術で、北海道
氷を充填し、その状態で貯蔵室の温度分布等を計測した。
の寒冷気候を利用した優秀な冷熱エネルギー利用技術とし
データから、最適な送風システム、建物の断熱構造などを検討
て注目されている。
しかしこの技術を実用化するには、送風技
した結果、
以下の知見が得られた。
術などいくつかの検討課題が残されている。本研究は、
このア
貯氷室から貯蔵室へ13m3/min.の空気を送風して貯蔵室
イスシェルター技術を農産物の低温長期貯蔵庫として完成・
の温度分布を計測した結果、高さ1m、1.8m、3.6mの庫内温
実用化することを目的に、冷熱を効率よく利用する断熱構造と、
度にはほとんど差はなく、貯蔵室内の空気はよく混合されてい
安定した温度の低温貯蔵空間を実現する空気循環送風シス
た。
しかし0.2℃程度の温度幅で日変化がみられ、僅かではあ
テムの開発を目指した。
るが建物からの熱流入の影響が現れた。
また5月末から7月中
内容・方法
旬までの約50日間で庫内の平均温度が約1℃上昇し、壁・天
北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの農場に床
2
2
井から流入した熱が徐々に蓄積していることがわかった。
この
2
面積60m(貯氷空間36m 、
貯蔵空間24m )
、
貯氷量67tonの
ような庫内温度の上昇を防止するためには貯氷室から貯蔵
実験貯蔵庫を建設した。建設に当たっては、厳密な熱計算を
室への送風量の増加が必要であり、
したがって庫内の温度を
行い、貯氷タンクの個数(貯氷量)、貯氷室と貯蔵室の面積配
安定した低温に保つためには、庫内温度または外気温によっ
分を決めた。貯氷室と貯蔵室の間には仕切り壁を入れ、貯氷
てファンの風量を調節する必要があることがわかった。
室の低温空気が貯蔵室の床から均等に噴出する空気循環シ
6月から7月の期間を対象に、建物の屋根・壁から貯蔵庫へ
ステムを設計した。
この実験貯蔵庫はH14年2月中旬に完成し、
流入する実際の熱流量を計算した結果、実際の熱流量は、
その後4月まで夜間の冷気を利用して貯氷タンクの水を凍結さ
熱還流率を使って外気温と貯蔵庫内の気温から計算した設
せることを試みたが、暖冬による冷熱不足で氷ができなかった
計値の約2倍であった。
これは外壁として使ったトタンの表面
ため、
5月に製氷会社から氷を導入して実験を開始した。
温度が昼間に40℃から50℃の高温になったためである。
このこ
実験では、一定空気量を貯氷・貯蔵空間の間で循環させ、
その状態で貯蔵庫内の温度分布を測定した。
また屋根・外壁
とから、
アイスシェルター設計に当たっては外壁の材料の熱特
性に注意を要することがわかった。
の表面温度を測定し、
これらのデータから、庫内温度分布、貯
今後の展望
蔵庫への熱流量等を解析し、送風システムの効率、建物の断
本研究は、実験貯蔵庫で様々な実験を行い、氷を使った省
熱性能等を検討した。
エネ型の農産物低温長期貯蔵技術を開発し、完成させること
結果・成果
が狙いである。その実験施設が完成した現在、
この施設を
実験貯蔵庫の床面積は、北海道大学北方生物圏フィール
使って様々な課題を明らかにし、解決する必要がある。
当面の
ド科学センターの敷地内で、建設可能な土地面積を基に、
課題は、
これまでの計測でわかった問題点をもとに、送風シス
2
60m(6m×10m)
とした。高さは、軒高が3.75m、
中央部棟高
テムと屋根・外壁材の検討等をおこない、
実験施設を改良する
が5.25mである。壁、天井には内側に75mm厚の、外側には
ことである。
また、氷の融解量の正確な計測等の実験を重ね、
100mm厚の断熱材(発泡ポリスチレン)
を使用した。内側の
そのデータを基に建物の大きさと貯蔵農産物の量に見合った
断熱材は両面にコンパネが張られたものを、
また外側の断熱
最適な貯氷量・建物構造・送風システムの開発を行う予定で
材は片面にコンパネが、他の面にはトタンが張られているもの
ある。
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