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赤羽経済産業副大臣がフランスに出張しました

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赤羽経済産業副大臣がフランスに出張しました
平成 25 年 11 月 22 日
資 源 エネルギー庁
赤羽経済産業副大臣がフランスに出張しました
11 月 17 日~21 日にフランスを訪問し、①ムーズ県の放射性廃棄物の地層処分研究施設の視察、
②パリで、“World Energy Outlook 2013”を議題としたIEA閣僚理事会に出席しました。また、トルコ、
インドネシア、米国他の閣僚及び、OECD/NEA 事務局長と意見交換を行いました。
1.ビュール地下研究所の視察
フランスでは、1980 年代に政府主導による高レベル放射性廃棄物処分場の立地に失敗
したあと、バタイユ議員を中心とした原因分析・反省を踏まえて事業を進めています。現
在は研究フェーズであり、今回の視察先であるビュール地下研究所において、処分場建
設に向けた調査や試験等を実施しており、2015 年には建設申請を行う予定です。
技術センターにおいて、フランスにおける放射性廃棄物処分に関する取組みや研究に
ついて説明を受けました。地下研究施設では、地下 490m に位置する水平試験坑道にお
いて、岩盤の圧力度合いの計測等これまでに行われてきた調査・試験等について、さま
ざまな研究を行っている現場を回りながら、説明を受けました。
視察先であるビュール地下研究所では多くの地域住民の見学を受け入れており理解が
進んでいる一方、5 月に開催した公開討論会には、多くの反対者の参加により混乱した
ため、インターネット方式での公開討論に変更しました。また、2015 年に申請が予定され
ている処分場建設は地域の経済的発展のチャンスとして期待されています。
技術センターの視察
中低レベル廃棄物落下試験体
高レベル放射性廃棄物の搬入装置
地下研究所の視察
水平試験坑道の様子
周辺の粘土岩についての説明
2.IEA 閣僚理事会への出席
初日(19 日)の開会セッションでは、国際エネ
ルギー情勢が大きく変化する中で、3E(エネ
ルギー安全保障、経済性、環境)に係る課題
の解決に向けた国際的な取組の重要性につ
いてIEA加盟国代表としての講演を行いまし
た。具体的には、(1)シェール革命は、エネル
ギー価格を通じ、各国の産業競争力に影響
を与えるため、その影響を把握した上で、各
国が WIN-WIN につながる政策を進めること
が必要であること、(2)エネルギー需要のアジ
アへのシフトを踏まえ、経済性、供給安定性
に優れる高効率な石炭火力発電所の導入が
重要であること、を述べるとともに、(3)我が国のエネルギー政策の状況及び汚染水の対
応を含む福島第一原子力発電所の状況について説明を行いました。
また、同日の石油・天然ガスのセッションでは、ガスの供給者間競争が激しくなること、L
NGの消費国連携が進んでいること、高効率石炭火力や原子力発電といった多様なエネ
ルギー源との競争を踏まえると、アジアの LNG 価格が高い状況は長続きしないことを主
張しました。更に、我が国は、国際 LNG 共同研究会を立ち上げ、LNG 市場の分析を深め
るとともに、LNG 産消会議を通じ、LNG の持続可能な発展に向けて貢献していく考えを
表明しました。
2 日目(20 日)の本会合においては、我が国のエネルギー政策をめぐる課題と取組につ
いて説明を行いました。具体的には、規制基準に適合していると認められた原子力発電
の再稼動や再生可能エネルギーの最大限の導入、世界最高水準のクリーンコール技術
の普及を進めていく方向であることを説明しました。その中で、福島第一原発の廃炉・汚
染水対策の状況についても説明を行いました。また、東日本大震災後の LNG 調達コスト
の引き下げや、電力の自由化を通じた省エネの促進などの取組の紹介を行いました。さ
らに、我が国は、具体的な政策の方向性を示すべく、エネルギー基本計画を策定してい
ることを紹介するとともに、日本の取組等を世界にシェアし、世界のエネルギー安全保障
に貢献していく旨を表明しました。
会合全体を通じ、安定かつ低廉なエネルギ
ー供給の確保が不可欠であるとの考えで一
致しました。その上で、原子力を含む低炭素
技術の利用などによるエネルギー供給の多
様性を歓迎するとともに、高効率な石炭火力
発電所の普及は、気候変動の影響を緩和す
る観点で重要であることが確認されました。
また、エネルギーの生産者、消費者の双方
にとって適切な価格を形成するため、競争的
で透明なエネルギー市場の構築が重要であることが確認されました。
3.IEA閣僚理事会のマージンでのバイ会談
(1)トルコ・ユルドゥズ エネルギー天然資源大臣
原子力発電をはじめとするエネルギー分野
における協力関係の推進について意見交換
を行いました。赤羽副大臣より、シノップ原発
計画について、日本企業等とトルコ政府間の
商業契約の合意に対し、歓迎の意を表明す
るとともに、トルコにおいて高い安全性の原
発建設が進められることへの期待が示され
ました。これに対し、ユルドゥズ大臣より、日
本の原子力技術を高く評価するとともに、今
後の原子力安全に係る取組に対し、期待が
示されました。友好な二国間関係を礎として、
引き続き エネルギー分野での協力が重要と
の認識で一致しました。
(2)インドネシア・スシロ エネルギー鉱業省副大臣
赤羽副大臣より、来年 1 月のインドネシア新
鉱業法について、円滑な実施を要請するとと
もに、それに向けたインドネシア国内での検
討状況について説明を受けました。また、日
本企業が参画する天然ガス等開発プロジェ
クトにおける鉱区権益の延長要請を行いま
した。そのほか、日本企業の石炭火力発電
等電力プロジェクトへの参画、地熱分野にお
ける協力、日尼エネルギーフォーラムの開催
など、今後の二国間におけるエネルギー分
野の協力関係の強化に向けた意見交換が
行われました。
(3)米国・モニーツ エネルギー長官
モニーツ長官より、10 月末の来日が有益であったことに対し、感謝の意が示されました。
その上で、福島第一原子力発電所の廃
炉、さらには商業炉に関する二国間の原
子力協力について意見交換を行いました。
特に、原子力損害の補完的補償に関す
る条約(CSC)の締結について、10 月末の
モニーツ長官訪日時に、その意向を表明
したことに対し、歓迎の意が示されました。
また、今月 15 日に日本企業も関与するフ
リーポート拡張 LNG プロジェクトの輸出承
認に対し感謝を述べるとともに、キャメロ
ン LNG プロジェクトについて、早期の輸出
承認を要請しました。
(4)OECD/NEA エチャバリ 事務局長
福島第一原子力発電所の状況や、事故
収束に係る政府の取組について説明を
行うとともに、OECD/NEA の情報発信等
に係る協力の強化に対して期待を表明し
ました。また、福島第一原子力発電所の
廃炉に関しても、広く世界から専門的知
見・経験を集めること及び地元住民とのコ
ミュニケーションの重要性を認識し、協力
を推進していくことで一致しました。
(5)その他
IEA・ファンデルフーフェン事務局長やカナダ・オリバー天然資源大臣をはじめ多数の閣
僚級の出席者とエネルギー協力について懇談を行いました。
IEA・ファンデルフーフェン事務局長
カナダ・オリバー天然資源大臣
(本発表資料のお問い合わせ先)
資源エネルギー庁国際課長 木原
担当者: 山下、松本
電 話:03-3501-1511(内線 4491~4)
03-3501-0598(直通)
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