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(1)農 業

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(1)農 業
(1)農
業
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農
業
北見市の農業は、たまねぎと畑作3品(小麦、てん菜、馬鈴しょ)を基幹作物とし、気象、土壌条件
により畜産、米、野菜など多様な作物・経営形態による複合経営が行われている。農家戸数は減少
を続けており、中でも専業農家の減少が大きく、今後も減少が予想される。特に、農業就農者の高
齢化や担い手不足、農繁期の臨時労働力の減少などによる農作業への影響が懸念されている。
そのため高性能機械の導入による労働時間の短縮を進めるため、農作業を請け負うコントラクタ
ー(※1)事業を推進する。また、担い手への農地の利用集積を促進するため、流動化施策を進める。
本市の一経営体当たりの耕地面積は、全道平均より小さく、中規模で労働集約型の農業経営が
行われている。このことから、基幹作物の輪作体系の維持を基本とした畑作物生産に加え、収益性
の高い野菜や花きなどを取り入れた経営の複合化を図る取り組みも行われており、今後とも多様な
農業経営を推進する。
平成 19 年産から品目横断的経営安定対策が導入され、より高品質な作物生産が求められること
から、新しい栽培技術の確立を目的とした営農技術研修等への支援を行う。一方、消費者の安全・
安心志向の高まりから、農産物の栽培履歴を明らかにするトレーサビリティ(※2)の確立や土壌診断
による適切な施肥管理を図るとともに、環境にやさしい安全・安心な農作物の生産を行うクリーン農
業を積極的に推進する。
農産物の安定的な生産振興を図るために、適正な輪作体系を維持しつつ、加工業や消費者のニ
ーズに合った品種の普及をはじめ、安全性や環境に配慮した栽培試験研究、IT技術などを生かし
た先端技術の導入などの取り組みを推進する。また、活力ある農村地域を構築するため、地産地
消活動やグリーンツーリズムを推進し、地域活性化への自主的な取り組みに努める。
馬鈴しょ畑
畑地散水作業
※1 コントラクター
経営規模の大型化、労働力不足などにより農作業に支障をきたすことから、農作業を請け負う人又は受託組織(生産組織
や専門の受託組織など)に農作業の一部を委託することで、その人又は受託組織のこと。
作業内容としては、稲わらロール収穫、豆類の収穫、飼料作物(牧草・デントコーン)収穫作業など。
※2 トレーサビリティ
トレーサビリティ(traceability)とは、製品の流通経路を生産段階から最終消費段階あるいは廃棄段階まで追跡が可能な状
態をいう。追跡可能性とも言われる。
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基本的施策
農家戸数や農業労働力の減少、国際規律の強化等の動きがみられ
る中で、農業の持続的発展を図るためには、効率的かつ安定的な農業
経営体を育成する必要がある。このため、意欲と能力のある担い手を
1.農業の体質強化
育成・確保するため各種施策を集中的に実施する。
また、農業の生産性向上を図るため土地基盤整備の推進、良好な営
農条件を備えた優良農地の確保と、意欲ある担い手への農地の利用集
積を促進する。さらに、生産される農産物の高付加価値化や差別化を
図り、消費者や食品産業に選択されるブランド化の取り組みを強化する。
近年、国内外でのBSEの発生、残留農薬等による食品の安全に関
する問題や偽装表示等を契機として、食の安全に対する関心が高まっ
ている。このことから、ポジティブリスト制度(※1)についての周知徹底や
食品安全GAP(※2)の普及・啓発を図る。
2.食の安全・食育の推進
また、化学肥料や化学合成農薬の使用を必要最小限に抑えた栽培
により、環境に配慮した農業の推進を図る。
さらに、食生活をめぐる環境の変化や食の重要性等を踏まえて、食
育基本法に基づく積極的な食育の推進を図る。
今後さらに農業の競争力を強化するためには、加工業や消費者のニ
3.他産業との連携
ーズの変化を的確にとらえ、農産物を生産する必要がある。このため他
産業や公的機関との連携を推進し、IT技術の活用やニーズに適した品
種の選定、生産性の向上を図りさまざまな環境の変化に対応していく。
活力ある農村地域の構築のため、地産地消活動やグリーンツーリズ
ムを柱とした農業と観光との連携による、あらたな農村地域と都市地域
との交流を模索し、農村と都市が補完し合い、共生していく地域社会の
4.農村地域の活性化
確立を目指す。
さらに、農村地域の豊かな自然環境保全の取り組みを推進し、併せ
て農村地域の活性化を目指すため、地域の活動組織による農地や農
業施設の維持管理、自然景観などを守る活動などに対して支援を行う。
※1 ポジティブリスト制度
農薬の残留基準が設定されている農薬すなわち「使用してよいもの」のみを一覧表にして示す方式。これにより、リストに載っ
ていない農薬の食品への残留は厳しく規制され、残留が検出された食品の流通が禁止される。また、リストに載った農薬でも一
定限度以上の残留が検出された場合には、その食品を流通させることはできない。
※2 食品安全GAP(Good Agricultural Practice=適正農業規範)
食品の安全確保を目的としており、農業生産現場において、食品の安全性に悪い影響を与える要因とその影響をできるだ
け抑える生産方法をリストアップし、このリストに従って、確実に実施・記録し、より適切な生産方法に見直すということを繰り
返す取り組み。
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基本的施策の概要
1.農業の体質強化
(1)生産性の向上
○ 国内はもとより諸外国との競争に打ち勝つためには、消費者ニーズや需給動向を十分見極め
た中で、北見農業試験場や農業改良普及センター、農業技術センターなどの関係機関との連
携により、地域の生産環境に適した作物の導入のための試験・研究や技術の開発を行い、高
品質農産物の生産に取り組む。
○ 計画的な土地基盤整備の実施により、農地の質的向上と優良農地の維持・確保の推進を図る。
所得の確保や拡大を図るためには、収益性の高い野菜等を取り入れた経営の複合化も必要
となることから、地域特産作物の生産を推進する。
【個別施策】
・ 試験研究機関との連携
・ 土地基盤整備の推進
・ 地域特産作物生産への支援
長いも選果作業
(2)経営基盤の強化
○ 近年は経営規模の拡大をはじめ、所得や休日の確保、良好な労働条件の整備を目的に農業
生産法人の設立が増えてきており、多様な経営展開や新規参入者の受け皿・地域の農地の
受け手としても期待されていることから、農業生産法人の設立を推進する。
○ 経営規模の維持拡大や高収益作物導入にあたっては、高齢化や担い手不足、農業従事者の
減少による労働力不足を補うための農作業受託組織などに対し支援する。
○ 高齢化や離農などにより処分希望農地も増加しており、これらを遊休化させることのないよう
農地の流動化を図っていくと同時に、地域農業の維持・向上のため、担い手の育成と確保を図
る。
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【個別施策】
・ 農業生産法人設立への支援
・ コントラクターへの支援
・ 農地流動化の推進
・ 農業後継者・新規参入者への支援
コントラクターによるてん菜収穫作業
(3)ブランド化の取り組み
○ 農産物のブランド化を推進するため、高付加価値化や差別化が必要であり、クリーン農業の
推進や地域特産作物の振興を図るとともに、加工業や消費者に選択される高品質な農作物生
産を支援する。
○ 地域の加工実習施設などの活用により、地元農産物を利用した加工品の研究を行い、あらた
なブランド品の開発に結びつく活動を支援する。
【個別施策】
・
農産物のブランド化への支援
・
農産品加工技術の普及
玉ねぎの収穫作業
白花豆(開花期)
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2.食の安全・食育の推進
(1)食の安全・安心の推進
○ 農産物に対する消費者の食の安全・安心に応えるため、食品安全GAPの普及・推進を図り、
ポジティブリスト制度の周知徹底、農産物の生産履歴の記帳の徹底を図るとともに、消費者へ
の情報提供を積極的に推進する。
○ 農薬や化学肥料の低減を図るクリーン農業の推進を図り、より安全・安心な農産物の生産を
目指すとともに環境にやさしい農業を推進する。
【個別施策】
・
食品安全GAPの普及・推進
・
北のクリーン農産物表示制度(イエス・クリーン)の推進
イエス・クリーン統一シンボルマーク
(2)食育の推進
○ 市民が食に関する知識と食を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人
間を育てるため教育委員会など関係機関と連携を取りながら食育を推進する。
【個別施策】
・ 学校給食における地元食材の利用促進
・ 消費者と生産者との交流促進
・ 食育に関する情報の発信
地元産そば粉を使った親子そば打ち体験
(美里そば工房)
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3.他産業との連携
○ 効率的な農作業や適切な施肥管理により低コストで高品質な農産物の生産を行うため、人工
衛星の情報を活用したリモートセンシング(※)技術の利用、トラクター搭載型の土壌センサーや
窒素センサーによる生育状況に対応した可変施肥システムの構築など、先端技術の実用化に
向けた取り組みを推進する。
○ インターネットを活用した農産物の広域的な販路開拓や地域の情報発信を積極的に行い、消
費者ニーズに応えた取り組みを推進するとともに、観光など他産業との連携を進める。
○ 環境に配慮した取り組みとして、「ナタネ」の試験栽培を始めるとともに、「ナタネ」油等を利用し
たバイオディーゼル燃料の農業機械への利用に係る実証実験について、関係機関との連携
により推進する。
【個別施策】
・ 環境保全型先進的農業の推進
・ 観光との連携によるグリーンツーリズムの推進
※ リモートセンシング
人工衛星や飛行機などに専用の測定器(センサ)を載せ、高い所から測ることで地球という大きな[物]を触らずに調べる技
術。
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4.農村地域の活性化
○ 農村は農業生産の場であると同時に、農業者を含めた地域住民の生活の場であるため、国の
「農地・水・環境保全向上対策」の導入により、快適な生活環境の整備や農業用施設の適切な
維持管理など、農村地域の豊かな自然環境の保全を目指すための地域の各活動組織が取り
組む活動に対して支援を行う。
○ 農村地域の魅力を発揮する地産地消活動やグリーンツーリズムの取り組みは、都市住民との
交流を促し、農村地域の活性化に結びついていくことから、これらの活動に対して支援を行う。
朝市風景(かあさんの朝市会)
【個別施策】
・ 生活環境の整備促進
・ 農業・農村の資源保存、活用に対する支援
・ 農業用施設などの維持管理活動に対する支援
情報発信と地域活性化の拠点北見田園空間情報センター 「 にっころ 」
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